昭和の軍人さん嶋田繁太郎(壮年のおじさま)と、ユーフェミアのカップリング物ですので、年齢差の恋愛が苦手な方や、原作カップリング以外苦手とされている方は、重々御注意ください。
ユフィは未知との遭遇を果たしました。
蒼の混沌掲示板様投稿分よりかなりの修正と変更が入っております。
ユーフェミア・リ・ブリタニア 未知との遭遇
ユーフェミア・リ・ブリタニア 未知との遭遇
在日ブリタニア大使館内の応接室にて、長い桃色の髪の毛をポニーテールで纏めた、白いタイトスカートに鳥の羽を連想させるオレンジのフレアスカート姿の少女が緊張した面持ちで人を待っていた。
少女の名はユーフェミア・リ・ブリタニア。神聖ブリタニア帝国第三皇女その人である。
彼女は大日本帝国首相の枢木ゲンブ以外では初めてとなる日本の要人との対談に臨んでいるのだ。
本来なら姉のコーネリア大使の仕事なのだが、今回は先方が彼女を指名した事もあって今日の対談が実現した。
しかし、この対談について姉からは下手な同意も合意も一切するなと言い含められていたことが、不安でならない。
そんなに危険な人物なのだろうか? 信用できない相手なのだろうか?
拭い去れない憂鬱な気持ちに苛まれる中、対談時刻きっかりにその男は入って来た。
(あ! り、リトルグレ──)
天然なのか宛てているのか分からないが、パーマを掛けたようなもじゃもじゃ頭の髪型。
まるで飛び出しそうになっている黒く大きな目はとても深くて底が見えない。
一目見た瞬間。彼女は失礼だと思いつつも年末に放送していたミステリー特集の宇宙人を思い出した。
(未知との遭遇……?)
グレイタイプを思い起こさせる容姿につい目を見張り見入ってしまうユーフェミア。
(はッ!? い、いけません……ッ!)
初対面の相手の顔をまじまじと見る。
それはとても失礼な行為であった。
「こ、このたびシャルル陛下より駐日ブリタニア大使補佐官の大役を仰せつかり先日着任致しました、神聖ブリタニア帝国第三皇女ユーフェミア・リ・ブリタニアと申しますっ」
いけないと思い慌てて挨拶をする彼女に、男は気にした素振りも見せずその場で膝を突き、そっと手を差し出しながら微笑む。
「お会いできて光栄ですユーフェミア皇女殿下。しかしそう堅くならないでください。もっと気を楽にして。友邦ブリタニアの姫殿下に対し無礼を承知で申し上げますが、私共は志を同じくするトモダチではありませんか」
「と、とも、だち?」
「そうですとも。私とユーフェミア殿下はトモダチです!」
(え、ええ~と……。いまお会いしたばかりなのですが……)
お互いのことを何も知らないというのに友達だと言う鳩川。
(信頼、なされている……ということ、なのでしょうか?)
きっとそうなのだろう。
彼女は多少の戸惑いを覚えつつも、これが彼流の信頼の証なのだろうと良い方へ捉えることにした。
これ以外の解釈。自身の身分が身分だけに下心の可能性も拭いきれなかった物の、何事かの謀を考えていたとして自分にはどうすることもできないのだから。
父や兄姉、そして繁太郎のような。政治家として一流の人間ではない未だ未熟なこの身にできる事など殆ど無いとして。
とにかく今は駐日ブリタニア大使補佐官として、この対談を無事に終わらせることがなによりも重要であった。
「貴女は慈愛。私は友愛。多少の差はあっても同じような物なのです」
ユーフェミアはそのフレンドリーな態度に彼の手を取るべきなのかどうかまた悩む。
「あ、あのっ」
「ああこれは重ね重ねの御無礼を。自己紹介がまだでしたね。ゴホンッ。私は日本公民党幹事長を務めております鳩川雪夫と申します。本日は私の対談願いをお聞き入れくださり、誠にありがとうございますユーフェミア皇女殿下」
「……」
ユーフェミアはブリタニア皇族として。駐日ブリタニア大使補佐官として。
与党立憲政友会は当然の事、野党日本公民党の主立った幹部の名は頭に叩き込んである。
自己紹介はすべきであるし、互いを知るにもまずは名前からが世の常。
だが、彼女はそれを差し置いても、いきなりの友達発言の方が気になっていた。
どういうつもりなのだろうか? なぜこの方は面識もない自分に対し友達であると、殊更に“トモダチ”を強調してくるのだろうか?
「あ、あのわたくし──」
そう思った彼女は自らの疑問に解を得るべく口を開き掛けたが。
「時にボクのトモダチっ!」
「は、はいっ!」
続け様に飛び出した鳩川の一言にまたもや発言の機会を奪われてしまった。
「この日本は誰の物だと思われますか?」
「……え?」
「日本が、大日本帝国が誰の物だと……皇女殿下はお考えなのでしょうか?」
「……」
日本が誰の物。そう聞かれて出る答えなど普通に考えれば日本人の物しかない。
皇室の物、帝の物、今上帝の物。何れも否定されるだろう。
ユーフェミアもブリタニア皇族として日本の今上陛下にお会いしたことはあった。無論、言葉を交えたことも。
今上陛下は日本は日本を愛する我が国臣民皆の物であると、そう仰せであった。
父もまたブリタニアは自分の物でも、親族=皇族の物でもない。ブリタニアに住まう住人全ての物であると、常々主張していた。
彼女も皇族として臣民の守護者として、統治者としての立場から彼の質問に答えるべきと思い言葉を紡いだ。
「日本は……、日本を愛し、この地に住まう、日本国民総ての方々の物であると思います」
人の上に立つ者としての、理想的な統治者としての答えだ。
自らも皇女として9億のブリタニア臣民一人一人を大切にする、実に彼女らしい回答であった。
が。彼、鳩川雪夫は。良くも悪くもそのような“普通”が通用する男ではなかったのだ。
「否ッッッ!!」
「ひッ……!」
いきなり大声を出した鳩川に竦み上がってしまうユーフェミア。
何か怒らせるような事を言ってしまったのだろうか?
謝ろうとする彼女を手で制した鳩川は同じ調子で叫んだ。
「日本は日本人だけの物ではありませんッッ!! ブリタニアの皇女ッ、それも私と同じ道を歩む貴女がそんな事でどうするのですかッッッ!!」
「ご、ごめんなさいッッ」
いきなりの説教である。
他国とは言っても相手は同盟国の、連合国家化まで時間の問題と言わしめるほど深い仲にある最恵国たる友邦の皇族。
不敬罪確実な行為に及びながらも、だが彼は自分の言動が意味するところを知ってか知らずか、お構いなしに捲したてる。
「ユーフェミア皇女殿下は私のトモダチなのですよッ!! 嘆かわしい、全く持って嘆かわしいッ! それで慈愛の皇女などとはッ……。いいでしょう、それでは僭越ながらこの私がお教え致しましょう」
「な、何事に付いてなのでしょうか?」
「この世界が誰の物か? 友愛とはどのような物か? ということをです」
すっかり鳩川に主導権を持って行かれたユーフェミアは若干の怯えを見せながら彼に伺う。
「この世界が、誰の物かを……?」
「はい。まず日本ですが…………。日本は高麗の物ですっ!」
「ええッ──!?」
そんな話は聞いたこともない。姉にもシゲタロウにも。
それ以前に歴史や社会の勉強にも日本が高麗の物などとは書いていないのだから無理がありすぎる。
否、日本人は誰一人として今の彼の主張を受け入れないだろう。耳にすれば激怒すること疑い無しだ。
ブリタニア人の自分も友邦日本が高麗人の物であるという人間を到底好きになどなれない。
だが彼の日本は日本人だけの物ではないというおかしな繰り言は更に続く。
「清国の物でもあります!」
「し、清国の物??」
彼は一体どこの国の政治家なのだろうか?
「そして中華、EU、ブリタニア、南ブリタニア諸国、東南アジア諸国、果てはオセアニアの方々の物でもあるのですっ!」
「えっ? ええっ?? ど、どうして??」
益々意味不明な事を言いだした彼に、ユーフェミアは次第に頭の中がぐちゃぐちゃになってきた。
そんな彼女に追い打ちを掛ける鳩川は。
「日本人だけの物ではない樺太は清国の物でもある。つまり共同所有こそが正しい道なのです」
日本が抱える領土問題はそれ自体が間違っているとも言い始めるではないか。
いや、そもそも日本に領土問題など無い。現在の日本領は国際法的にも世界的にも、歴史的な観点から見ても大日本帝国領として確定されたもの。
そこに領土問題など欠片ほども存在しないのだから無茶苦茶な話をしているとしか言えなかった。
「これは貴国ブリタニアにも当てはまりますよ」
「ぶ、ブリタニアにも、ですか……?」
今度は彼女の祖国にまで飛び火する鳩川的領土論。
「そうです。今申し上げたように日本は日本人だけの物ではない。では同じくしてブリタニアもブリタニア人だけの物ではないとなります。では誰の物なのか? それは」
「それは……?」
「地球市民みんなの物なのですっ!!」
背景にバーンっ!! といった擬音でも浮かび上がりそうなほどの言い切りに。
「ち、ちきゅうしみん???」
ユーフェミアはそう返すのがやっとだった。
「ぬうう、そのような初歩すらご存じでないとは…………宜しい。ユーフェミア殿下と私はたったいま親友となったのですからお教えしましょう……友愛。その心の在り方を。全地球市民を代表してこの友愛の闘士鳩川がっ!」
友達と言っていたのがいつの間にか親友に変わっている。
一体自分とこの人はいつ親友になったというのだろうか?
というか、この人は先程よりなにを言っているのだろうか?
「いいですか、友愛とは──」
ユーフェミアは耐え続けた。鳩川の言う理解不能な言葉の羅列に。
25%削減、友愛の海、地球市民、次々と投げかけられる質問に次第に涙が浮かんできた。
(怖い……この人……訳が分からない……)
そして最後に。
「トラストミー」
その言葉を聞いたとき、ユーフェミアは気分が悪くなったのでこれで終わりにしてくださいと涙声で呟いていた。
***
ある日、枢木から『手違いでとんでもないことをやらかした。下手をすると刃傷沙汰になるかもしれない』という悲痛な連絡を受けた嶋田は久々に国会を訪れていた。
懐かしいと思いながら赤絨毯を踏んでいた彼は意外な人物より声を掛けられる。
「お久しぶりです。お元気ですか嶋田元総理」
パーマを掛けたようなもじゃもじゃ頭。
飛び出しそうになっている黒く大きな目。
かつての政敵、日本公民党幹事長鳩川雪夫だ。
「え、ええ元気ですよ、鳩川さんもお変わりないようで……」
いつも変なことばかり口にして周囲を騒がす迷惑なやつで、総理なんかやらせた日には世界大戦を起こすと言われている超危険人物である。
「嶋田元総理。現役時代は色々ありましたが、これからはトモダチとして仲良くやっていきましょう」
「は、はあ」
(なんだこいつ。いきなり馴れ馴れしくなったな)
「ところで嶋田元総理。貴方はユーフェミア皇女殿下と親しいと耳にしたのですが本当ですか?」
「え、ええまあ、殿下とはその……、色々とあったのでね……。……ユーフェミア殿下が、どうかされました?」
「そうそうユーフェミア殿下。彼女と私は親友になったんです! これからは私と嶋田さんとユーフェミア皇女殿下の三人。トモダチとして仲良くしていきましょう」
(な、なんでユフィとこいつが親友なんだ??!)
「そうだ! せっかくトモダチになったのですから私と嶋田さんとユーフェミア殿下の三人で食事にでも行きましょう!!」
『それがいい! それがいい!』意気揚々に立ち去る鳩川に嫌な予感がした嶋田は、間もなくその理由を知ることになるのであった。
ボクのトモダチさん、こと、鳩川雪夫のモデルは、漫画家大和田秀樹先生の麻雀漫画【ムダヅモなき改革】に登場する電波系の敵キャラ、鳩山ユキオです。
どのカップリングの恋愛が見たいですか?(いずれもそれぞれに書いております・また書いていきます。新しいカップリングも増える可能性あり。
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嶋田繁太郎×モニカ・クルシェフスキー
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嶋田繁太郎×ユーフェミア・リ・ブリタニア
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山本五十六×リーライナ・ヴェルガモン
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南雲忠一×ドロテア・エルンスト
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玉城真一郎×クララ・ランフランク
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玉城真一郎×マリーベル・メル・ブリタニア
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鳩川雪夫×ストーカー女(書けたら(-_-