スザク×ナナリーの要素も微妙に入っております。
蒼の混沌様投稿時より多少の加筆修正が入っております。
新年小ネタ 玉城×クララ+V.V.
玉城・クララ。
威勢良く髪を逆立てた青年が、深夜0時を過ぎた寒い屋外を震えながら歩いていた。
「ああくそっ、さみーなぁ」
片手にはウイスキーの瓶が握られている。
外が寒ければ懐も寒い青年には過ぎたる買い物であったが、この寒い夜に呼び出されて、何も口にせずに歩くなどできそうもない。
「ったく、あのピンクちびめ」
ぶつくさ文句を言いながら酔いの回った身体でふらふら。
足下のおぼつかない様子だが、それもそのはずだ。ついさっきまで友人と飲んでいたのだから。
どうせ明日は元旦で碌に店も開いてないし、外へ行く予定もなかったので夜通し飲んでやるつもりだった。
高校卒業後に知り合った気の合う連中で杉山と南というのだが、彼等と飲んでいたときに電話が入ったのだ。
断る……という選択肢は無い。正確に言うのなら、その選択肢を真っ先に潰されてしまった。
「何が“今すぐ家に来なきゃもうお金貸してあげない”だ畜生」
死活問題だ。電話の相手が融通してくれたからこそ先月もどうにかなったというのに。
財布の紐を握られているではなく、正しく“生殺与奪の権利が向こうにある”状態。
ぎりぎりの生活を続けている青年には冗談では済まされない。
サラ金に走らないで済んでいるのはその電話相手と電話相手の父親のお陰なのだから。
「お~に~い~ちゃんっ!」
「うわァ!!」
電話相手の家近くまで来たとき、何者かに背後から飛び付かれた。
酔いが回る頭では後ろに気をやる余裕もない為に、突然の衝撃を喰らいびっくりしたのだ。
「あけましておめでと~」
振り返るまでもなくこんなことをする知り合いは一人しか思い当たらない。
「てめっクララっ!! いきなり沸くなっていつも言ってるだろーがっ!!」
振り返ると其処に立っていたのは頭一つ分低いピンクのロングヘアと瞳が特徴的な予想通りの少女。
電話の相手こと、クララ。
「沸くってなに沸くって。こんな可愛い女の子捕まえてボウフラみたいに言わないでよ」
「言われるのが嫌なら気配消して後ろから飛び付くじゃねぇっ!」
「む~り! だってクララはスニーキングのプロだよ? お兄ちゃんをスニーキングするなって、それ死ねと同義だから」
「怖いんだよ! なんだよスニーキングのプロって!」
そう、こんな少女だクララ・ランフランクというのは。
「まあそこは置いといて」
「置くなっ!」
「呼んだのはね。初詣行こうって思って」
「初詣だァ~?」
初詣。年明け一日に神社へと参ること。青年の場合は良く嶋田神社へ行く。
官僚やら政治家やらを目指す手前、大宰相を輩出した神社へ行けば御利益があると思う故に。
しかし、例年こんな真夜中から行くことは流石になかった。
そんなことは付き合いの長いこの少女も知っているだろうにとつい不満が顔に出てしまう。
「早すぎんだろお前よぉ。いま何時だと思ってんだよ馬鹿」
0時30分。草木も眠る丑三つ時よりも前だ。
「早く行った方が御利益も大きいと思うんだよ多分。だってほら早行きは三文の得って」
「そりゃ早起きだろ。勝手に作るな」
「ん~でも、クララお参りの後に初日の出観たいもん」
どうせ行くなら両方とも行こうというらしい。
勿論大好きなお兄ちゃんと──というのが、クララが彼を呼び出した理由であった。
「ったくしょうがね~な~気持ち良く飲んでたのによォ~」
寒さに震えながらボリボリと頭を掻く彼は、にこやかに笑う彼女の頭をいつものように撫で回す。
「ピンク~、オメーは人の都合も考えろよなぁ」
「ピンク関係無いし」
撫で回されても動じない。本当に変わらぬいつものやり取り。
新年の始まりは仲良しな友人と初詣に行き初日の出を拝む。
「ま、いいわ。来ちまったついでに付き合ってやらぁ」
「わ~いお兄ちゃんと初詣だよ~♪ クララ感激しちゃうなぁ」
「去年も一昨年も行ったろーが」
「違うんだなぁこれが。その一年一年が大切なんだよ」
「おんなじだっつーの」
それでも悪い事ではなかった。
「おっさんには言って出て来たか?」
「もちろん許可取ってきたよ。パパも誘ったんだけど、こんな寒い日に真夜中出掛けるとか年寄りにはキツイんだってさ」
「なりはガキみたいな身体してる癖に……。やっぱ中身はジジイだなあのおっさん」
「お兄ちゃん、クララの肩に捕まって。そんなふらふらじゃ転げちゃうよ?」
「お、おう……、悪い」
千鳥足の青年を慮り肩を貸すクララ。
(お? 風呂上りか? 髪から石鹸の匂いがする……って、だからなんでクララ相手にんなこと考えてんだ俺ェ……!)
煩悩を討ち払う鐘。
それはこの青年とは無縁のようであった。
***
「それでは行ってまいります」
玄関に佇むのは自らの護衛も兼ねる少年。
「うん。まあ楽しんでおいで」
「しかし、本当にいいのですか? 僕は父さんの護衛でもあるのですが……」
「気にしなくていいよ。第一護衛と言ってもこの平和な日本で誰が僕を狙うっていうのさ。それに僕は不死身だよ? 撃たれたところで痛いだけ。死にはしないよ」
(兄さんに誘われました)
滅多なことでは自己を優先しない息子だが、こと兄と慕う甥ルルーシュの言葉だけは父である自分の言葉よりも優先する帰来がある。
無論甥の妹ナナリーも大事に思っているのは生活を共にしている関係でわかっていたが、まず第一に置いている相手がルルーシュだというのは言動からもよく分かっていた。
「逆に君やルルーシュの方が心配だよ僕は。ナナリーについては最強のナイトが付いているから安心だけどさ」
「父さん、あまり僕やジェレミア卿を舐めないでくださいよ? これでも対人戦闘には長けている物との自負はあります」
「だろうね」
本音を言えば心配など杞憂であると知っていた。なにせ、彼らにはヴィ家の精鋭が護衛についている。
共に行動するナナリーのナイトこと、枢木スザクも居るのだから心配するだけ無意味なことだ。
「風邪だけは引かないように」
「わかってますよ」
「いってらっしゃい──ロロ」
玄関を出る息子の向こう側には大勢の人が列をなしていた。
(枢木家とヴィ家の護衛……物々しいな)
娘を先に外に出したのは正解だった。
娘が惚れているあの駄目ニートにこれを見せる訳にもいかないから。
「特に、あの車に現役総理が乗ってると知ったら、あの馬鹿のことだから紹介してとかいうに決まってるしね」
官僚・政治家を目差している駄目ニートには刺激が強すぎるだろう。
知れば楽して政友会から立候補が出来るとか余計な事を考えかねない。
無論、そんな事は不可能であり、自分も保護責任者として許すつもりなどないのだが。
「まさか新年一発目が家族総出の枢木神社への初詣とは思わなかったよ」
夜中にお忍びとはいえ現役総理大臣である枢木ゲンブが訪ねてきたのだ。ここら一帯は戒厳令さながらの事態になっていた。
ゲンブが来たのは息子スザクとナナリーの関係と、自分達ブリタニア皇家との新年初顔合わせといった意味合いがある。
どうせならばその脚で自らの家が預かる神社へ初詣に。
“宜しければV.V.殿も如何ですか? 我が枢木神社は──”
といった感じで自身も誘われたのだが、自分としてはこんな寒い日に外に出る気はしなかった。
「そう考えると、僕も年取ったな……」
肉体年齢は10前後のころに停止したままだが、感性というか感覚的に年を取ったと思う。
そんな年寄り臭いことを考えながら、玄関を閉め家の中へと入っていった彼は、一人静かにコタツへ潜りテレビをつけると。
「老人は老人らしく、暖かな家でのんびりとした正月を楽しむことにしますか」
歳相応の静かな新年を迎えるのであった。
穏やかな新年を迎えてます。
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