時系列などは特に気にせず書いたものですが、若干の加筆修正を加えてあります。
尚、山本五十六×リーライナ・ヴェルガモンのカップリング話なので、年齢差を苦手とする方は御注意ください。
注:リーライナの言葉遣い発覚後の加筆修正となりますので既読の方には違和感があるかも知れません。
注:【円卓の少女】シリーズにおける出来事となっております。
勘違いした田舎者その2
俺の名はロズベルト。聞いて驚け、世界最大の超大国──神聖ブリタニア帝国の男爵位を持つ所謂大貴族だ。武勲侯・騎士侯みたいな一代限りの下級貴族じゃあないぞ? 先祖代々世襲する上級貴族というやつだ。
さて、そんな大貴族な俺には上流階級の付き合いという物があって、時には外国にまで脚を運ぶ必要に迫られる時がある。
正に今がその時な訳で、俺は祖国ブリタニアの唯一の同盟国である、大日本帝国は帝都東京を訪れていた。
この国は“技術”の二つ名を持った世界第二位の大国である。ブリタニアと並び超大国とも呼ばれている。
実際、国力面では我が国の方が上なのだが、技術面は半歩先を歩いているのだから大した物だと思うし、流石は我がブリタニアが同盟を結ぶに相応しい国であると常々思っていた。
そして大貴族な俺は、この国の名士と友人関係だったりするのだ。ま、当たり前の話なのだが。
米内光政卿。
誰しも一度は聞いたことがあると思うが、日本の名家米内家の現当主殿である。
その米内卿と俺は“ミツマサ”“フランク”と呼び合うほどの親しい仲、俗に言うマブダチなのだ。
これだけを聞いてもお前たち平民との違い、圧倒的なまでの差というものがあると分かるだろう?
それとも、あまりに凄すぎて想像すらできんか?
だとしたら、意地悪な事を言ってしまったな。尊き貴族にあるまじき失言であったわ。
え? なんだ? 前見ろだと?
貴様、従者の分際でなんたる口の聞き方をするのだ!
前から歩いてくる奴は俺を避ける。そんなのは万国共通というものだろう!
如何に外国であろうとも、その程度は一般常識として教育されている筈だ。
“ドンっ! ”
「うおっ!?」
何?! このロズベルト男爵様が歩いているというのに避けなかっただとっ!!
バカなっ! 日本は貴族にどう対応するか教育していないのか!? むう、やはり外国、我が国の常識とは多少違いがあるようだ。
これは勉強不足であった。
「ご、ごめんなさいっ、急いでいたもので」
しかし、この無礼者──春物のラフな服装の長い金髪の女は見るからに日本人ではなくブリタニア人ではないかっ!?
しかも急いでいたから俺に気付かずぶつかったというのだから信じられん。
ブリタニア人であるならば話は別だ。
何故ならば、この者はこのロズベルト男爵に無礼を働いた時点で、ブリタニアの法によって裁かれる立場に立たされた訳なのだから。
だが、ブリタニアからの帰化人も多い日本には、総人口の10%近いブリタニア系日本人というのが存在しているのもまた確か。
だから一応確認する。この者がブリタニア系日本人ならば、ブリタニアの法を適用する訳にもいかんからな。
「貴様、貴様はブリタニア人か?」
「そうですけれど……」
よし、確定だ。だが、貴族という可能性もある。俺と同じような大貴族ならば手打ちにしてやってもよかろう。
「貴族か?」
「一応は」
むっ? 貴族か。むう、ならば次は爵位だな。
「爵位は?」
「なぜそのようなことをお尋ねなさるのですか?」
「いいから言え」
「ナイト、ですわ……」
騎士、騎士侯か……。ふ、ふはは、なんだまた下級貴族ではないか。焦って損したぞ。
よし、ならばもう遠慮する必要は無さそうだ。
「貴様、この俺をロズベルト男爵家当主と知ってのその振る舞いかっ!!」
「あなた……ブリタニアの貴族?」
怪訝な、人を疑うような目をして聞いてくる女。
何だその目は? この俺の言葉を疑いでもしておるのか?
「大貴族ロズベルト男爵家当主、フランク・ロズベルトを知らんのか?」
「知りませんわ……どこの何方なのかしら」
知らんだと!? まあ、騎士侯風情では仕方が無いとも言えるが、本国ではないからと言って調子に乗っているのではあるまいな?
大体なんだ、その口の聞き方は? 俺が身分を明かしてから急にため口で喋り出すなど何たる非礼か。
下級貴族が上級貴族たるこの俺に無礼を働くなど不敬にも程がある!
「おのれっ! この大貴族ロズベルト男爵様に向かって何たる口の聞き方かっ! 名を名乗れいっ!」
「あ~もうっ、うるさいですわねっ。 わたくしはリーライナっ、リーライナ・ヴェルガモンですわっ!」
悪びれもせずに大声で名乗った女ヴェルガモン。
ヴェルガモン家? 聞いた事のない名前だ。やはり一代限りの騎士侯風情のようだな。
それもこの俺の名を知らんとは、余程辺鄙な片田舎出身の弱小貴族と見える。
「ではヴェルガモン」
「なんですの? いきなり人のことを呼び捨てになされるなんて失礼な」
どこの貴族だとか教養がないとか、それ以前に常識がなってないとか好き勝手なことばかり言い出す下級貴族ヴェルガモン。
くそ、騎士侯風情が上級貴族に対しこのような態度を取ろうとは、厳格な階級社会で成り立っておるブリタニアにとって由々しき事態だ。
ここはまず、上位貴族に対する態度や口の聞き方から教育してやらねばならん。
「ヴェルガモン。貴様がどこの勘違いした田舎者か知らんが、貴様にはまず正しい貴族としての──」
教育をしてやろうとしたら、いきなり従者が俺の袖を引っ張ってきた。
こら離せ、俺は今この騎士侯ヴェルガモンに上級貴族に対する接し方というのをだな──
「だ、男爵様っっ……!」
なに? 米内卿を待たせていても良いのかだと?
「……」
は! いかんいかん、そうであったわ。
こんな下級貴族の勘違いした田舎者を相手にしている場合ではなかった。
「まあいい、今日のところは不問にしてやろう。だが、次からは上位者に対しての口の聞き方を間違えんようにしろ。いいな?」
おいこら、そんなに袖を引っ張るな! 服が伸びるだろうが! お前の着ている服みたいに安物じゃないんだぞっ!!
何でそんな危険から逃げるみたいに必死なんだお前はっ!
ええいいい加減にせんかっ!!
「なによ……あれ……」
***
「いっくんお待たせ」
「おお、やっと来たか。ずいぶん遅いから心配していたのだが、何かあったのか?」
「うん、途中で変なのに絡まれてね」
「変なの?」
「俺は大貴族ロズベルト男爵だぁっ! 騎士侯風情が無礼だぁっ! とか言われて」
「なんだそれは? ブリタニアでは男爵が大貴族だったりするのか?」
リーライナの話を聞いた壮年の男いっくんは、思わず聞き返していた。
まあ、男爵で大貴族と言われれば、そんな反応をするのが普通というものかも知れない。
「まさか。男爵は単純に上下で言えば下から数えた方が早いわよ。男・子・伯・辺境伯・侯・公・大公の順に爵位が上がっていくのは世界中の貴族制国家の共通だもの。それにロズベルト男爵家なんて聞いた事ないし」
「そうか。ふむ、ではいったい何だったのだろうな」
「それは私が聞きたいんだけれど……」
よくわからないという風に揃って首を捻る二人。
「ところで、リーラの爵位は何だったか?」
「なぁ~に、いっくんまで」
「いや、こんな話を聞いたら気になってな。リーラの実家ではなくリーラ個人のだぞ」
「はぁ、私はただの騎士侯よ。お父様から継承するまではね……。前に言ったじゃない」
「すまん、聞いてなかった」
人の話を聞けと怒るリーライナに、いっくんは頭を掻いて誤魔化している。
「しかしなんだ。その男爵様はここがブリタニアでなくて良かったな」
「良かないわよ、人前で大声出すわ周りから注目されるわ、こっちとしては良い迷惑だったんだから」
(いやいや、良かっただろう……公の場で罵倒したのが)
「もう、ホントに恥ずかしいったらなかったわ」
(ヴェルガモン伯爵家のご令嬢なのだからな……)
駐日ブリタニア大使館付きの騎士となる以前はナイトオブテン親衛隊、グラウサム・ヴァルキリエの指揮を採っていた女性騎士リーライナ・ヴェルガモン。
彼女は北ブリタニア大陸にある五大湖の一つ、ミシガン湖の西岸ウィスコンシンを領地に持つ、ヴェルガモン伯爵家の令嬢である。彼の国の貴族であるならば誰でも知っている筈の名家であった。
厳格な階級社会で成り立つ神聖ブリタニア帝国で、下位の貴族が上位の貴族に無礼を働くのは絶対にやってはならない行為。不敬罪で斬り捨てられても文句は言えないだろう。
(場所が日本で、やらかした相手が自身への非礼をあまり気に留めないリーラであったのがせめてもの救いか……。命拾いしたな、ロズベルト男爵様とやら)
見知らぬ貴族に思いをはせるいっくんは、運が良いのか悪いのか、無礼だ不敬だにあまり頓着しない婚約者であるヴェルガモン伯爵令嬢を見て、一人静かに笑うのであった。
どのカップリングの恋愛が見たいですか?(いずれもそれぞれに書いております・また書いていきます。新しいカップリングも増える可能性あり。
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