帝都の休日 短編連作群保管庫   作:休日

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今回のお話は出来が悪いです。
推敲していて感じましたがせっかく書いたので投稿します。
また、次は別のお話をと申し上げておりましたのに馬鹿男爵シリーズの続きとなってしまい、申し訳ありません。


勘違いした田舎者 男爵領討ち入りの裏側 日本

 

 

 

 

 俺の名はフランク・ロズベルト。大貴族たる男爵の爵位を持つ男だ。

 

 私という一人称はどうも俺にしっくり来ぬ。時と場所と場合によって使い分けよう。

 

 俺は今、神聖ブリタニア帝国の同盟国たる、大日本帝国の地に居る。

 

 我がブリタニア以上の歴史と伝統を持つこの国は、定かではないが2600年以上もの歴史を持つらしいのだ。

 

 俺は歴史研究家でもなければ、歴史に興味があるわけではない。だが2600年の重みというのはこの身で感じることが出来るというもの。

 

 この国の現首都なのか、旧首都なのか良く分からぬ京都という1000年以上続く都が、この帝都東京よりも大分と西へ行ったところにあるが、まだ訪れたことが無い為に一度は訪れ、その空気を吸い、歴史を体感してみたい物よ。

 

 しかしなんだ。俺には最近悩みがある。

 

 俺の日本滞在は無期限滞在。大日本帝国・神聖ブリタニア帝国間の華族以上・貴族以上の持つ特権の一つで、男爵以上の身分証があるか、男爵以上であるという保証を約束できる立場の人間の庇護下にあれば、永代貴族に限り、両国間に置いて無期限に滞在できるという特権だ。

 

 俺はそいつを利用して日本に滞在しておるのだが、とにかくくたばり損ないの身内からの召還命令がうるさくてな。

 

 ずっと無視してきているのだが、従者の奴が最近焦り出して「本国に帰国すべきでは」と煩いのだ。

 

 はっきりいうが、召還命令を出されるような悪い事はしてはおらんし、領地の運営も90、ああしつれい、100人からの家臣団に任せてあるからうまく回っているはずだ。一々この私が何かに口出しせずとも、奴らとて領地の運営のイロハをこの私から学んだはずなのだから。

 

 しかしシンク嬢だったか。小柄で美しい女性であった。一夜限りの遊興に付き合って下さったが、伯爵令嬢とは何なのだろうか?

 

 思えばヴェルガモンのやつもそうだったが、言葉遣いが位の高い物のそれであった。

 

 かといってその後にショッピングモールで小競り合いとなった、シュタットフェルト辺境伯家、ソレイシィ辺境伯家、シュタイナーコンツェルンなど聞いたことも無いぞ?

 

 そもそも伯爵や辺境伯とはなんなのだろうか? 爵位とは子爵こそが最も高き爵位のはずだ。

 

 だが従者の奴めは大慌てで止めに入ってきては、「この方は」「この方々は」と抜かしおる。どう考えても腑に落ちんのだが、ふーむ。俺の知らぬところで何か大きな出来事が起きているのだろうか。

 

 召還命令のしつこさ、従者の態度、そういう物を見ているとこう、変な気分になってくるな。

 

 うむ。よし、ここは気分を変えよう。見目麗しい女をナンパするのだ。ナンパなどと言えば、下々民どもの使う下品な言葉に聞こえるが、誘うと変えてみればそれもまた華やかな言葉に早変わりよ。

 

 貴族としての言葉遣いは完璧にマスターしている俺だが、大貴族の俺の領とは言え、領民ども、下民共はぱっとせず、使いどころが無いのだ。だがこの華やかなる大東京。

 

 初めてヨナイ卿のお誘いを受けて訪れた時は、まるで別世界に来たような感覚であったわ。我がブリタニア帝国のペンドラゴンも世界で指折りなほどに発展しつくして居るが。この東京はその上をいっている。

 

 大きな通りには車と人が行き交い、大きな高速道路が空を駆け抜け。800m、900m級のビルディングがあちらこちらに立ち並んでいる、強化耐震ブロック構造の街並みは、チバやカナガワ、サイタマ、フジのすそ野にまで広がっている。

 

 1,000mを超えるビルも存在し、まさに未来世界の様相を呈していた。

 

 極めつけは東京スカイツリーだ。

 

 なんとその高さは2,023m。この世で作られた人工物で最も高いという。展望台は1,900m付近だがそれでも十分に高かった。あまりにも高すぎて季節外れの雪が積もる事もあるらしく、作業員は大変など努力をしてタワーを維持しておるらしい。

 

 さて、ナンパもとい、本日のお誘いだが、誰にするか。大抵は金を見せれば付いてくる下々民よ。あさましい限りだが、中には美しい女もいるのだ。

 

 そう、金に靡かなかったシンク嬢のような誇り高くいて、それでいてこの俺に付き合ってくれる女がな。

 

 

「む?」

 

 

 早速見つけた。先の通りを横切った若い女だ。薄紅色の腰の下にまで届く長い髪を、左側頭部高くで一つに纏めた、白と桃色のワンピースに身を包んだ女、遠目にだがかなりの美人だ。

 

 それだけではない。少し背は低いが、あのシンク嬢の様な美しい容姿をした膝裏まで届く長い桜色の髪の少女。

 

 そして、美しい金色のロールヘアーを、両サイド二つに分けてツインテールに纏めている、意志の強そうな顔立ちの女。これも美人だ。

 

 だが。

 

「なんだ、あ奴は」

 

 要らぬものまで付いている。

 

 一人の日本人の男だ。それほどよくもない容姿に顎ひげを蓄え、茶髪を逆立て赤いバンダナを付けている。紫の服、青いジーンズを穿いた、細身の体系の男。

 

 むう、太めな俺から見れば細身だが、それだけ身体も軽く、弱いという事。あのこわもてな容姿で彼女たちを無理矢理に連れ増しているに違いない。

 

 姫君たち! この私めがただ今お助けに参りますぞ!!

 

 

 

 勘違いした田舎者 男爵領討ち入りの裏側 日本

 

 

 

 そうして走って行こうとした俺を、従者が慌てて止めに入ってきた。

 

「なりませんッ! なりませんッ! 絶対になりませんッ!! あの方々にお手出しを為さってはッ!!!」

 

 あの方々だと? 女たちは確かに見目麗しい者たちばかりだが、男はただの無頼漢に過ぎぬし、女たちも下々民であろう?

 

 掛け値なしに美しいのだが、高貴さが足りぬ。それをこの俺が遊んでやろうというのだから、逆に光栄な事なのだぞ。

 

 俺はしがみ付いてくる従者を。

 

「うるさいッッ!!」

 

 と、蹴り飛ばし。通りを横切って行った四人組の下へと走って行った。

 

 ※

 

「要らないんだよ。おめェらは。ついてくんなよ」

 

 その日、玉城は給料日だった。

 

 花の給料日だ。一か月これが来るのを待っていた。

 

 グリンダ騎士団に放り込まれてこの方。現金という、この世で最も素晴らしい物に触れさせてもらえなかったのだが、ついに今日、久々に東京に帰るという事で現金をこの手にしたのだ。

 

 それも三十万だぞ三十万。こんな大金いつ以来だろうか手にしたのは。

 

「よし。俺には決戦が待っている」

 

 最近、パチ屋の台が、スマートパチンコ。スマートスロットという物に置き換わったらしい。

 

 その時期はずっと空の上だったから触れることはおろか、見ることもかなわなかったわけだ。

 

 だから、今日初めて見るし、初めて触れる。

 

 スマートパチンコの方は良く知らないが、スマートスロットの方は1万9千枚も出るらしい。等価交換で38万だぞ?

 

 男なら挑戦せにゃならんだろうって事で30万握り締めて、久々に帰ってきていた我がボロアパートの扉を開けた瞬間。

 

「ごきげんよう兄さま」

 

「お兄ちゃんおはよー♪」

 

「昨日振りね。おはよう玉城」

 

 なんかよく知ってるくそじゃり共が玄関前をふさいでやがった。

 

「おはようさん。マリー、クララ、オルドリン、俺さあ今日は用事があんの。お前たちの遊び相手してられないんだー。そんじゃまた!」

 

 じゃり共の間を潜り抜けて走り出したら。

 

「お兄ちゃーん、どーこいーくの?」

 

 右隣に桜色の長い髪を靡かせながら並走してくるちびじゃりの姿が。

 

 そうだ、こいつ、こんな可愛い顔して最強とか言われてる暗殺者なんだった。素早さ勝負で俺が勝てる相手じゃねーんだよ!!

 

「クララちゃーん」

 

「なーに」

 

「後でキスしてあげるから追いかけてこないでー」

 

 こいつ、こんな可愛いくせして俺みたいなどうしようもないやつに惚れてやがるから、これで一発。

 

「ごめーん、クララちゃんはお兄ちゃんを愛しているけれど、お兄ちゃんのためにそれは無理なのだよー!」

 

 だと思ったら今日は騙されてくれやがらなかったぁぁぁーーーッ!

 

 ばっと、飛びつかれて押し倒されたのはその次の瞬間だった。

 

 おまけに。

 

「んちゅ──」

 

「んん~~~ッ」

 

 こんな道のど真ん中でキスして来やがったよ。暖かく湿った唇が気持ちいい。やーらかいわー。

 

 ってそうじゃね──。

 

「おどきなさいッ!!」

 

「キャッ、お姫さまクララとお兄ちゃんのラブラブ時間の邪魔しないでよ」

 

「兄さまの唇はあなただけのものではありませんわよクララッ──んん」

 

「ん~~!!」

 

 うわ~やーらかい。気持ちがいい。ミントの味がするぜ……朝にミンティアでもたべたのかなって、だからそーじゃねーよ!!

 

 こいつら恥ずかしくねーのか!? 馬鹿だろこんな道の真ん中で、押し倒して体密着させてきて連続でキスかまして来やがって!!

 

 したら。

 

「マリー、こんな通りの真ん中ではしたないわよ」

 

 救世主登場。オルドリンよ、俺様の味方はどうやらお前だけだったようだ。まあな。持つべきものは友ってやつなんだよ結局はよ。

 

「もう、オルドリンったら、せっかくのいいところでしたのに」

 

「皇女様がそんなんじゃ駄目でしょまったく。はい、玉城の上から降りる」

 

「はーい」

 

 ったく、朝っぱらからえれェめにあっちまったよ。っと携帯携帯っと、ええ、っと、九時四十五分。全力で走れば間に合うな。

 

「つーわけで皆の衆。またな」

 

 走り出そうとしたら。

 

「なーにが『またな』よッ、こんのアホがァーーーッッ!!」

 

 オルドリンの強烈な左ハイキックを貰ってしまった。ケツに。

 

「ぶべらァァァッッ!!」

 

 ※

 

「朝っぱらからおめーらにはえらい目に遭わされちまったわ」

 

「兄さま、お金が入りましたらすぐギャンブルでご使用なさるのですもの。身体を張ってお止め差し上げたまでですわ」

 

 軽やかに長いサイドテールを靡かせるお姫様。

 

「お兄ちゃん放っておくとすぐ財布の中身空っぽにしちゃうからね」

 

 長い髪をふわふわ揺らして前を歩く暗殺者。

 

「あんたってどれだけ信用無いのよ?」

 

 ツインテールを揺らしながら俺の隣を歩く筆頭騎士様。

 

「俺のケツ蹴り上げて下さったテメーが言うかよ」

 

 そんなオルドリンだが、先ほどからニヤニヤしてる。

 

「そんな安物の指輪なんかでそんな嬉しいか?」

 

 そう、オルドリンは指輪をはめている。彼女だけじゃない。マリーもクララも。

 

 俺が買ってやったもんだ。それぞれの髪の色に合わせて。一個五万もした。全部で十五万もかかっちまったがスマスロで取り返しゃいいと買ってやったんだよな。それから三人ともご機嫌でまあ。お兄ちゃんとしてはこの不可思議な現象を不思議がって観察していた訳さ。

 

「私、さ、親族以外でこういうの買ってもらったの……は、初めて、だから。う、嬉しいの。あ、ありがと玉城」

 

 おうおう、いつも凶暴な筆頭騎士様が可愛くなっちゃってまあ。

 

「ナイトオブナイツ。言っとくけどお兄ちゃんはクララのものだから手を出しちゃだめだよ」

 

 冷たい目つき。殺気とかいうのを飛ばしてんだろうな。こいつホントになんでこんなに俺のこと好きなのか。俺は良くわかりましぇん。

 

「オルドリン。兄さまにお手を出すと仰るのなら、あなたは今を以てわたくしの敵ですわ。それは承知置く様に」

 

 こっちも鋭い視線を飛ばすお姫様。つーかさあ、オルドリンはオメーの筆頭騎士なんだぞ。オルドリンが可哀想だろって思ったら、オルドリンったら、なにも反応を返さない訳よ。

 

 いつもだったら『クララさんそんなことは』とか『マリーッ私がこんなアホをッ!!』とか反論するのに、何だろうなこの空気は。んーよく分らんわ。でもまあ、三人それぞれに悪い気分じゃないらしいのは分かった。たった今までの話だけどよ。

 

 

 ――おい。そこな下女どもよ。俺の今夜の伽の相手としてやろう。

 

 

「は?」

 

 どこから聞こえた声か。歩いてきた通りの後ろから聞こえた声。

 

 そこには中肉中背、小デブっていう感じの若い男、多分ブリタニア人の男。似合ってない黒いマントを羽織り、こちらも似合っていない青い服を着た、格好からして貴族が立っていた。無駄に装飾過多なところが如何にも下級貴族って感じがする。マリーやオルドリンみてーな品がねェ。

 

「中々に良い女が揃っておるではないか。サイドテールの女も、ツインテールの女も、小柄な女も、かなりの綺麗どころ。ここまでの上物はそうはおるまい。お前達。このフランク・ロズベルト男爵の相手をすることを許して使わそう」

 

 何言ってんだコイツ?

 

「さあ、来ぬか」

 

 いきなり手を伸ばしてきた。俺の左隣にいたオルドリンに。

 

 俺が何かするまでもない。ここに居る全員俺なんかよりずっと強いんだからな。喧嘩じゃ絶対に勝てねー。たださあ、なんつーの。それは違うじゃねーかよ。

 

 ぬうっと伸びてくるそいつの脂ぎった手を、俺はひねり上げた。

 

「おい。何してんだコラ」

 

「いだだだだ、は、離せ離さぬと無礼討ちだぞッ!!」

 

 日本で無礼討ちなんかできるかよボケ。死罪ならあるけどな。

 

 ブリタニアの伯爵家以上。日本の華族以上に不敬を働いた場合は時に死罪となる。

 

 これは日本人、ブリタニア人、共通だ。

 

 オルドリンんちは名家だからな、場合によっちゃ死罪を言い渡せる。裁判無しで。

 

「た、玉城私は大丈夫だから」

 

「黙ってろ。お前等に汚い手で触らせたくねーんだよ。こんな糞みたいな奴の手を。コイツお前等のこと下女って言ったろ。お前等別に女中でも何でもねーし。コイツのお前等見る目が気に入らねえ。あれは性奴隷とか見る目だ。マリー。クララ。オルドリンは。俺の大切な奴らだ。そんな目で見られたかねーなァ!」

 

「た、玉城」

 

 オルドリンが黙り込む。この屑は先ほどから悲鳴を上げている。

 

「き、貴様、ここが日本であるからと安心してはおるまいなッ! この大貴族、フランク・ロズベルト男爵様にこの様なことをしてよもやヨナイ卿が黙っているとでも思っているのかァ!!」

 

 得意げに行ってるところ悪いけど、ヨナイって誰よ?

 

「げッ」

 

 次の瞬間だった。いつの間にか後ろに立っていたクララがこのわけ分からん男の後ろに立っていた。その首筋に細いナイフを当てて。

 

「お兄ちゃんへの悪口……それって死にたいってこと?」

 

「ひッ……!」

 

 まさかオルドリンが顔を真っ赤にして黙って、クララのが先に動くとは思わなかったわ。つーかどしたよオルドリン。

 

「先ほどより聞いていれば兄さまに対する悪口雑言。このわたくし自身が下女と呼ばれることに付きましてはお気に致しません。誰かが何かを仰っておりますねと受け流しもしましょう。ですが、兄さまを無礼討ちですって? 無礼討ちがお好きならば、最初で最後。その身に受けてみますか?」

 

 マリーも氷のような目つきをしている、ちょっとヤベーぞ。こいつらここでこの物を知らねえ馬鹿を殺しかねん。マリーは死罪を与える権利は持ってるがココは日本。無礼討ちはダメだ。

 

 クララに至っちゃ単なる殺人だ。ま、警察に見つかるような処理はしないだろうけどよお。

 

 でも、でもなあ……。

 

 こんな……、こんな屑の血で二人が汚れるのを、俺が見たくないんだよな……。

 

「いいクララ。離してやれ」

 

「でも、コイツお兄ちゃんのこと」

 

「いいって言ってんだろ。それよりもこんな奴の血でお前が汚れる方が問題だ」

 

「……わかった」

 

 クララがナイフを馬鹿の首筋から放す。

 

 命の危機が去って安心したのか、よろけてその場に倒れ込む馬鹿。ああ、容量2Bit以下の俺より馬鹿な奴がこの世にいるだなんて思いもしなかったわ。コイツまだオルドリンにもマリーにも気付いてねーもんな。

 

「ぷはあッ、はあッ、はあッ、き、貴様等ッ、このような事をしてどうなるか分かって」

 

「わーってるよどうなるかってのは」

 

 そんなことをこの馬鹿と話していると、馬鹿の来た方から、こちらも中肉中背の男がやって来た。どっちかっていうと細身の方ではある。お前等普段から運動しとけよ。

 

「も、も、も、申し訳御座いませんッッ!!」

 

 そいつは通り中に聞こえる大声で謝罪してきた。相手は誰か分かっている。オルドリンと、マリー、マリーベルだ。

 

「大変ッ、大変ッ申し訳御座いませんでしたッ!! 我が当主は物を知らなすぎるので御座います、御無礼の程をッ、平にッ、平にご容赦くださいませッ。ナイトオブナイツ、オルドリン・ジヴォン様ッ……、し、神聖ブリタニア帝国、だ、第八十八皇女――マリーベル・メル・ブリタニア殿下ァァァッッッ!!!」

 

 平伏するそいつ。たぶんこの馬鹿の従者だろ。そいつはマリーの事を知っていた様子だ。通りを歩いていた人達が足を止めたりして人だかりの山が出来る。

 

 マリーは長い髪をサイドポニーにして纏めて、ワンピース着てると、何処にでも居ない超美人な女性になるだけで、皇女様だとは気付かれない。

 

『皇女様? マリーベル様だって!? 嘘ッ英雄皇女様がいらっしゃるのッ!』

 

 ほーら騒ぎになってきた。だからコイツらと歩くの嫌だったんだけど、こんな馬鹿とコイツらが関わり合いになるのはもっと嫌だからよォ。

 

 馬鹿は馬鹿で粋がってくるし。

 

「こ、この様な街中に、供回りも付けずにマリーベル様がおわすはずがないッ!」

 

 その供回りがオルドリンなんだけど、もの知らなそうなこの馬鹿じゃわからんか。

 

 つか、マリーの顔を知らない時点で終わってる。

 

 オルドリンはというと、俺のあげた指輪と、俺を交互に見ては、真っ赤になってて使い物にならん。

 

 まあ、マリーとクララだけでこんな馬鹿は制圧できるけどな。俺は戦力にならんけど。

 

「き、気分を害した、行くぞッッ」

 

 そかそか、勝手に騒いで勝手に逃げていくのか。マリー達を下女呼ばわりして置いて。クズ野郎が。

 

「おいッ」

 

 糞がッ。

 

「今度コイツらに手を出そうとしたら俺がぶっ殺してやるから覚悟しとけよ」

 

 まじでな。マリーもオルドリンもクララも、俺の大切な奴らなんだ。テメーェみてーなゲスに触れられたくねーんだよ。

 

 その馬鹿は平伏する従者を引き連れて逃げていこうとするが、

 

 とまあ、ここで終われば良いんだが、マリーが腹に据えかねたのか最後に一言。

 

「フランク・ロズベルト男爵。神聖ブリタニア帝国第八十八皇女マリーベル・メル・ブリタニアとして言い渡しておきましょう。あなたには本国に戻り次第罪状を調べた後死罪を言い渡します。覚悟しておくように」

 

 おー怖い。目がもう人間を見る目じゃねーんだよ。ゴミ以下を見る目って言うのか。スゲー目だ。

 

 はあ、しゃーねーなー。

 

「マリー」

 

 マリーの頭を撫でる。頭を撫でながら髪を撫でる。

 

「そんな目すんな。誰も何も無かったんだからよ。いつもの温かい目を見せてくれよ、な?」

 

「兄さま……は、い」

 

 柔らかい目に戻って頬が薔薇色に色付く。

 

「おにいーちゃーん。クララにもなにかお言葉を-」

 

 よじよじと何かが背中上ってきて、温かくて柔らかい二つのお椀の感触がするなあと思ったら。予想通りクララだった。

 

「ありがとうなクララ。あの馬鹿に死の恐怖を味わわせてやって痛快だったわ」

 

 背後から肩に頭を載せてくるクララ、彼女の長い髪がさらりと一房、俺の肩を跨いで身体の前に落ちて揺れる。

 

「た、玉城ッ」

 

 最後にオルドリンが俺を見てきて。

 

「あ、ありがとう」

 

 礼を言ってくれたのが印象的だった。

 

 こんなことをしている間に、馬鹿とその従者はいなくなっちまってた。

 

 あいつらがどうなるのかは知らんし興味はない。

 

 俺の大切な奴らに手を出したんだ。どこで野垂れ死のうが知らん。

 

 どうせブリタニアの方でもろくでもない事になってそうだしな。

 

 なんでもブリタニア西海岸諸侯の盟主が動いたとかいう話を聞いたけど、関係あったりすんのかねえ。

 

 西海岸諸侯の盟主って言ったらアホの俺でも知ってるあのクルシェフスキー侯爵閣下だろ? 日本とすげー縁が深いから小学生のころから知ってるわ。名前しか知らんけど。

 

 そんな超大物が動くってよっぽどだぞ。

 

 何かあったんだろうなかなり大きなことが。

 

 とりあえず俺にとって大きなことは、この三人の女をどうやってまくかだ。その先にこそスマートスロットってー男の挑戦場所が待ってるからな。

 

 よし、いくぜ玉城真一郎。

 

 勢い付けて。

 

 どんッ!!

 

「あッ」

 

「兄さまッ!」

 

「お兄ちゃんッ!!」

 

「ふははははッ、ではさらばだ諸君ッ! また今晩にでも会おうッ!!」

 

 さあ、果たしてまけるか奴らを。

 

 

 

 

どのカップリングの恋愛が見たいですか?(いずれもそれぞれに書いております・また書いていきます。新しいカップリングも増える可能性あり。

  • 嶋田繁太郎×モニカ・クルシェフスキー
  • 嶋田繁太郎×ユーフェミア・リ・ブリタニア
  • 山本五十六×リーライナ・ヴェルガモン
  • 南雲忠一×ドロテア・エルンスト
  • 玉城真一郎×クララ・ランフランク
  • 玉城真一郎×マリーベル・メル・ブリタニア
  • 澤崎敦×井上直美
  • レオンハルト×マリーカ・ソレイシィ
  • 原作ルルーシュ×シャーリー・フェネット
  • ルルーシュ(休日)×ミレイ
  • オデュッセウス×皇神楽耶
  • ジェレミア×ヴィレッタ・ヌゥ
  • 枢木スザク×ナナリー・ランペルージ
  • コーネリア・ランペルージ×ギルフォード
  • 高麗大佐×奥様(書けたら(-_-;)
  • 鳩川雪夫×ストーカー女(書けたら(-_-
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