ヴェルガモン領での写真撮影
俺の目の前。ヴェルガモンの城、一応邸らしいが、どう見ても数百人も暮らしている、ここに立つ建物は最早城か宮殿なのだがなあ。
その中庭で、俺の目の前に、素肌にフィットした紫色の飛行服を着た女が長い金髪を風になびかせながらポーズを決めていた。
パシャッ!
デジカメで撮影するは俺、山本五十六である。
俺は日本とブリタニアの二重国籍の俺は元大日本帝国海軍軍人にして、今でも現場で指揮を執ることがある男だ、ヴェルガモン伯爵領では水軍司令官であって、けしてカメラマンではないのだが。
被写体は俺の妻であるリーライナ・ヴェルガモン。ここヴェルガモン伯爵領の次期当主。
金色に輝く長い髪に翡翠のような緑色の双眸を持つ容姿の整った美しい女なのだが、俺が最も惹かれているのはその心の美しさだ。
無論外見的美しさにはどうかと問われれば全くのゼロとも言い難い。女性を外見で推し量るような俺ではないが、リーライナの容姿容貌が美しいのは確かだから、そこは否定できんところだ。まあ、な、こんな美女が自分の妻だと誇らしく思うよ。
そんな彼女が今、へその下あたりまで見えているVネックにしては深すぎで、腰部と太ももの素肌が丸見えの衣服を着て、何度もポーズを変えながら俺に写真を撮らせているのだ。
肘より上まで届く手袋、太ももまで届くブーツ。纏い来ている全ての衣服が紫系統の色で統一されている。
胸元も開きに開きすぎている。これでKMFの飛行服だというのだから、日本人の、いや帝国海軍軍人の俺には理解しがたい。
なんでもアルバムの一ページに残したいそうだが、別に今日でなくともいつでも撮れるであろうに。
「いっくん顔真っ赤よー。さっきからずっと♪」
「う、うるさい、次のポーズを早く決めろ!」
顔が真っ赤? 当たり前だ馬鹿者っ! 先ほどより恥ずかしくて仕方がないっ。
これはなにか、嫌らしい写真の撮影としか思えんぞ?
リーライナは続き、左手を大きく頭の後ろに回し、右手を手首の先だけ捻った形のポーズを取る。脚は右足だけを外側に開いた格好。
ちょうど強めの風が吹き抜け、リーライナの長い髪をざああっと攫う様に、大きく靡かせた。
ほお……。
正直、衣服はあれだが髪がキラキラと太陽の光を受けて輝き、エメラルドグリーン、翡翠の瞳が大きく見開かれ、自信たっぷりにほほ笑んでいる彼女の姿が愛おしく、またとても言葉には言い表せない美しさを感じた。
「どーお?」
「う、うむ。に、似合っているな。いや、これはその、破廉恥だとかそういうのではなく……。き、綺麗だっ。美しいぞリーライナっ!」
思わず浮かび来たそのままの言葉を、勢いに乗せて口にしていた。
それほどまで我が妻の姿が素直に美しかったのだよ。
「じゃあその一番いい絵を撮ってよ? 破廉恥だー、破廉恥だー、って普段うるさいいっくんが、いま、私のパイロットスーツ姿の事を美しいと感じてくれているんでしょう? その瞬間を、残して」
甘いささやき声の様な旋律。高いソプラノボイスが甘く中庭に聞こえる。
パシャっ!
撮れたのは一枚の絵。最高の瞬間を切り取れたと思う。
リーライナはお嬢様なだけに柔和な微笑をする事が多い。
きっと昔からそういった笑顔の練習をしてきたのだろう。
だが、この一枚に写る、柔和な中にも勝気さや自然さを感じさせる微笑は、素晴らしく美しいと俺には感じられた。
ああ、俺の翡翠、俺のリーライナ、我が永遠の妻。
お前は自然にしている方が一番美しい。
「そうだな。こうして自然のままに見てみると。その飛行服もまたリーラには良く似合っているぞ」
「な、なによ。急におだて始めて。言って置くけれど何も出ないからね」
「要らんよ。一つだけあれば、な」
俺はポーズを決めていたリーライナの傍へ寄ると、彼女を優しく抱きしめた。
「な、なん、ですの?」
「そういえば、そちらの言葉遣いの方が本来の物であったな」
「あ、あの、い、そろく、様?」
「いや、な。リーライナ・ヴェルガモンという翡翠があれば。俺は何も要らんと思っただけだ」
そっと、唇を近づけて、口付ける。
「んうっ?!」
目を開いたまま、彼女の柔らかい体を抱き寄せたまま、長い髪と背中を撫でながら。
この指に絡まるのは明るい金色の髪。
この身体の温もりは俺の翡翠の温もり。
恥ずかしい飛行服を着ている彼女を抱き締めているから、当然俺の胸板に彼女の豊かな胸が当たっている。
柔らかい。大きな胸。
素肌が多く覘く飛行服。
それでもそういった気持ちに、気分にならないのは、ただ純粋に美しいこの翡翠をこの腕に抱いていたいから。
いつまでも、いつまでも、このままでいたい。
エメラルドグリーンの瞳が静かに閉じる。白い素肌が赤く染まる。
俺は彼女の唇を啄みながら、味わい深い味を堪能。
「んっ、んんっ」
何度も何度も啄みながら、そして静かに唇を離した。
「ん……い、っくん……好き……愛して、る」
先ほど閉じた瞳はすぐにも見開かれる。そのエメラルドは潤いを以て俺を迎えてくれている。
エメラルドの瞳が潤みを増す、頬が朱に染まっている、金色の長い髪と彼女の身体は未だ俺の指と腕の中。
「ああ、俺も、愛してる。リーライナ」
少し、空を飛びたい気分だ。
「リーライナ、愛しいお前と、俺たちの子の三人で、空を飛びたいが、行けるか?」
リーライナのお腹には、俺と彼女の子が居る。
まだお腹が膨らみ始めるのは先の話になろうが彼女は妊娠中。
俺とリーライナと俺たちの子、だから三人だ。
「ヴィンセント・カスタムは、一人用だから……、お父様に申し上げて、小型可翔艦をお借り致しますわ……」
普通の言葉と丁寧語と、言葉が混ざっておるな?
こういう時のリーラはときめいているとき。混乱しているとき。
それなりの付き合いであり、夫婦仲は深いから癖が分かる。
俺もまたときめいている。リーライナの美しき心の輝きと、その瞳に。ま……服装にも、な。
「空からヴェルガモン領、お前の領地となるこの地の全体を一枚撮ろう」
休暇日くらい、好きに時間を使ってもいいだろう。ヴェルガモン家の仕事をしている俺だが、夢幻会の仕事もしている俺。
二足の草鞋の忙しい毎日の、ちょっとした息抜きにリーライナとの夫婦だけの時間を思う存分満喫したい。
小型可翔艦で行く、ベストな選択だ。空を飛ぶ船と言っても船は船。操縦は俺がしよう。
こう見えても小型可翔艦の操縦技術は習得済みだ。二度目の人生、色々と新しいことに挑戦してみようと思ったんだ。
その一つに浮遊航空艦艇の操縦技術への挑戦があった。前の人生には無かった空飛ぶ船なのだぞ?
海の男が空に昇りて船を操舵する。そういうのもいいと思ってな。
「リーラ」
「なに?」
「最高の一枚を撮ってくれ」
「わかったわ……ンっ」
もう一度、触れるだけの口付けを交わし、日本の開発した小型可翔艦の技術を取り入れて開発された、神聖ブリタニア帝国独自の小型可翔艦。
そのヴェルガモン家所有の小型可翔艦に、俺とリーライナは乗り込んだ。
空から撮ったリーライナの写真は、最高の一枚だった。もう一枚! と、態々操縦をする俺の姿まで写してくれた飛行服姿の彼女の笑顔が、とても素敵だった。
もう、破廉恥などとか言えんかな?
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