帝都の休日 短編連作群保管庫   作:休日

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勘違いした田舎者 怒って褒めよう

 

 

「うう、む……、」

 

 目をつむったまま、シャルル・ジ・ブリタニア。いや、シャルル・ランペルージは唸る。

 

 久方ぶりにあの子と会うかもしれないのが、渦中の男爵家の処罰についての事なのだ。

 

 帝国皇帝自らが沙汰を下しに行くのは不味いとして、表向きの、ある意味では裏向きの名であるランペルージとして向かうも。

 

 それでは確実に犯人であるフランク・ロズベルトに商人=平民風情がと侮られることになろう。

 

 また、もう一人の父であるシャルルの親友。ジャン・クロード・クルシェフスキーというブリタニアきっての大貴族、西海岸諸侯の盟主と聞いても侯爵という爵位があると知らねばどうする事も出来ない。

 

 これがブリタニア国内であれば皇族不敬罪・上位貴族不敬罪で死罪を言い渡せる事も可能なのだが、それはそれであの子が経緯を知ってしまう。

 

 シャルルとしては可能であるならあの子に事の経緯を知られたくないという思いが強い。

 

 身内贔屓だがあの子は勇敢で強い。武勇も、心も。

 

 だがしかし、自身を原因とする人死にが出てしまっている件について、その心は大丈夫なのだろうか?

 

 

 

 勘違いした田舎者 怒って褒めよう

 

 

 

「シャルル」

 

 隣に蒼い衣服にマントを羽織った、シャルルと同じくらいの金髪の男性が顔を突き出す。

 

 寿命の長いブリタニア人、平均寿命は150、長くて200は生きるブリタニア人としてはまだまだ壮齢のシャルルは、薄い茶色の長髪を掻き上げて、お前かと呟いた。

 

 あの子もう一人の父親。つまり育ての親であるクルシェフスキー侯爵その人である。

 

「なんだジャン。今は酒を酌み交わしている場合では無いぞ?」

 

「冗談を。私もそんなつもりは無い。いや、君が苦い顔色をしていたのでね」

 

「そうか……顔色が悪かったか……、だがなあジャン。これは大変重要な事でもある……」

 

「ふ、親友の私に隠し事は……それ以前の話しか……。あの子に伝えるべきかどうかなのだろう?」

 

 その通りであった。

 

 あの子、二人の共通の娘であるモニカに事の次第を伝えるか否かだ。

 

「ランペルージの名で訪日する以上は一応皇帝としての何かとは無関係であるとあの子も思うだろう」

 

「だが、事は既にナナリー殿下への生涯沙汰に不敬。マリーベル殿下への不敬、クララ・ランフランク皇兄ご息女への不敬に、オルドリン・ジヴォン卿への不敬……これだけの短期間にここまでやらかされては隠す物も隠せない」

 

 それにだ。

 

 続けるクルシェフスキー。

 

「知らされない方が返ってモニカを追い詰めたりしないだろうかと私は思うんだよ」

 

「知らされない方が?」

 

「ああ、一応念のために確認だが、あの子は君が実父である事に気付いているぞ。これは私の落ち度だが、昔行った血液検査の結果を知られてしまってね」

 

「……」

 

「驚かないのか?」

 

「聡明で聡いあの子の事だ。何れその事実には気付いていたに違いない。それに、知られている事を今更言っても詮無き事よ」

 

「そうか……顔面に一発くらい我慢するつもりだったが……まあ、いい。ああ、事についてだが知らされない場合、あの子は己は信用されないほどにどうでも良い存在なのだろうか? そう考える、そして一人傷ついてしまうだろうな」

 

 クルシェフスキーはそこで一度息を吐き出し。

 

「但し。教えられようとも傷つく」

 

「何故だっ!?」

 

「考えても見ろ。あの子自身がロズベルトを許したことで不敬人数は増えていき、ましてや死人まで出ている。優しいあの子が傷つかない筈が無いだろう」

 

「ではどうすれば良かったのだっっ!!」

 

「分かっているんじゃ無いのか? ブリタニアの絶対的法律で有り、国是を」

 

「階級(カースト)による下位者による上位者に対する不敬は」

 

「懲役を伴う重罪……ましてやカースト4位の男爵が、カースト11位のモニカを公衆の面前で罵倒した。本来ならばその場で死罪だ。だがあの子は生来の優しさで許してしまった。私はその一点だけはあの子のミスだと考える」

 

「むう……」

 

「だが――」

 

「うん?」

 

「だが、あの子が許さなければカンザスに跋扈する中小の汚職貴族の存在が明らかにはならず、もっと酷いことになっていたろう。これを暴いたその功績は大きな物だ」

 

 だから――

 

「君は浅慮な判断を罰し、浅慮が故に明るみになったカンザス諸侯の南天思想汚染を初めとする罪の数々を暴いた功績を認めてやれば良いのさ」

 

 

 

 操舵を行いながら山本は皇帝シャルル、今は社長シャルルと。

 

 西海岸の盟主クルシェフスキー侯爵の話に傍耳を立てつつ、言い落とし処だと考えた。

 

 原作知識とやらでモニカ・クルシェフスキーの正体がシャルル皇帝の娘である事も知っているので慌てることも無い。

 

 流石の大御所二人も他には聞こえにくいように小さい声で話していたのでまあ聞こえていないだろう。

 

 仮に聞いていたとしてその内容を誰かに話せば即死罪であるので話すに話せない内容の話しであった。

 

 何で山本が浮遊航空艦を操舵しているのかというと。単純に海軍時代の血がたぎってしまっただけ。

 

 小型可翔艦の免許は持っているので、同じく浮遊航空艦アヴァロンも似たような操舵で操縦可能と知り、ついつい操縦させて貰っているのである。

 

 一応東京の方には浮遊航空艦アヴァロンその物なのだが、アヴァロン型と誤魔化してランペルージの名で駐機場をセッティングして貰っていた。

 




こちらのお話しは加筆改定するかも知れません。
ただ、こんな感じで宜しいのかなあっと。

どのカップリングの恋愛が見たいですか?(いずれもそれぞれに書いております・また書いていきます。新しいカップリングも増える可能性あり。

  • 嶋田繁太郎×モニカ・クルシェフスキー
  • 嶋田繁太郎×ユーフェミア・リ・ブリタニア
  • 山本五十六×リーライナ・ヴェルガモン
  • 南雲忠一×ドロテア・エルンスト
  • 玉城真一郎×クララ・ランフランク
  • 玉城真一郎×マリーベル・メル・ブリタニア
  • 澤崎敦×井上直美
  • レオンハルト×マリーカ・ソレイシィ
  • 原作ルルーシュ×シャーリー・フェネット
  • ルルーシュ(休日)×ミレイ
  • オデュッセウス×皇神楽耶
  • ジェレミア×ヴィレッタ・ヌゥ
  • 枢木スザク×ナナリー・ランペルージ
  • コーネリア・ランペルージ×ギルフォード
  • 高麗大佐×奥様(書けたら(-_-;)
  • 鳩川雪夫×ストーカー女(書けたら(-_-
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