帝都の休日 短編連作群保管庫   作:休日

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これは蒼の混沌掲示板様にある【提督たちの憂鬱×コードギアススレ】の最初期に書いた作品で、私のもう一つのシリーズ物である【円卓の少女シリーズ】所謂モニカルートのパラレル的な話として書いておりました。
若干の修正が入っております。
嶋田繁太郎×モニカ・クルシェフスキーという年齢差著しい作品となっております。
とても短い小さなネタとなっております。
設定などかなりいい加減ですがお読みくださると幸いです。


楽隠居?と円卓の少女外伝(本編とは異なる別の世界線ナチスユーロピア)
宿敵(とも)時空を超えて


 

 

 

 

 宿敵(とも)時空を超えて

 

 

 

 後進の指導も上手く行き政界も夢幻会も完全に引退した嶋田繁太郎は漸く手に入れた平穏静かな老後を大いに満喫していた。

 

 数年前に結婚したモニカとの間に生まれた子供(女の子)の世話も最初の頃は大変だったが今では手慣れて名実共に立派な主夫となっている。

 

「ふぅ、やっと寝てくれたか」

 

 ぐずる子供をあやし続けていた彼は、子供が腕の中で目を瞑って寝息を立て始めたのを見て一息付く。

 

 そのまま起こさないようベビーベッドに寝かせて布団を掛けてあげると、溜まっていた洗濯物を洗い始めた。

 

 殆どの家庭では妻がするそれらの仕事を難無くこなしている辺り、主夫というのは意外に向いているのかもしれない。

 

「後は干すだけだな」

 

 すすぎ終えた洗濯物をかごに放り込み庭にある物干し竿に掛けていく。

 

 かごは下に置いてあるため立ったりかがんだりを繰り返す訳だが、海軍時代とそれに続く政治家人生の激務で鍛えているお陰か

 

 腰に掛かる負担の割には痛みを感じない。

 

「よしっ、洗濯物はこれで終わりだ」

 

 後は買い物だと思い冷蔵庫を空けてみる。

 

「ん~まだ大丈夫かな」

 

 食材は十分残っていた。

 

 嶋田家は彼とモニカと子供の三人家族だが子供はまだ離乳食を食べているところなので実質二人分あれば事足りる。

 

 追加で買いに行って調理が遅くなっては消費期限が切れてしまう事になりかねない。

 

「今日は買い物は無しだ」

 

 そうなると夕飯まで丸々時間が空くことになる。

 

 植木いじりでもするか、昼寝でもするか、それとも本を読むか。

 

「平和だなぁ~」

 

 これだよこれ、こういうのんびりした老後を夢見ていたんだ。

 

 彼はいま憧れていた生活のまっただ中にいた。

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 

「ただいま帰りました」

 

 玄関の戸が開く音と共に若い女性の声が聞こえた。

 

 安楽椅子でうたた寝をしていた嶋田はその声を聞いて起き上がると玄関まで迎えに出る。

 

「お帰りモニカ」

 

「ただいまです」

 

 嶋田の出迎えに歳の離れた若い金色の長い髪の女性が抱き着いてくる。

 

 ナイトオブトゥエルブ、モニカ・S・クルシェフスキー。彼の愛おしい妻だ。

 

「ん」

 

 そのまま交わされるただいまのキス。

 

 いってらっしゃいとただいまのキスは毎日欠かさないのだ。

 

「制服のまま帰宅とはめずらしいね」

 

 出勤時と帰宅時は私服、公務に於いては制服と分けている彼女にしては珍しく今日はタイトなスカートの上下白の制服姿に、

 

 表の生地が黄緑、内側の生地が紫のマントを着用していた。

 

「これですか?」

 

 嶋田に抱き着いていたモニカは身体を離すとマントを少し広げる。

 

「実は今日EUが緊急発表を行うという情報が入ったのでいつでも動けるようにとの通達が入ったのです」

 

「ああ、そういえば俺の方にもある筋からそんな連絡が入ってたよ」

 

 引退してからそれなりに時が経つとはいえ何かの際には連絡が入ることがある。

 

 緊急性や彼自身に関係がある情報などは特に。

 

「シゲタロウさんにもですか?」

 

「これでも元首相だからね。とりあえず此処じゃなんだから居間で話そう」

 

「そうですね」

 

 

 

 ***

 

 

 

 居間に移動したモニカは着ていたマントを脱いでハンガーに掛けると、ベビーベッドに寝ている我が子に「ただいま」と言ってキスをした。

 

 そんな彼女を微笑みを浮かべながら見ていた嶋田はこたつに入ってテレビを付ける。

 

 時間的にもうすぐ緊急速報的な放送が流れる事になるはずだ。

 

「そろそろですね」

 

 子供の寝顔を見ていたモニカも制服姿のままこたつに足を入れた。

 

 並んでもたれ合うようにして座っている辺り二人の夫婦仲の良さが表れている。

 

 こたつの温もりに負けないくらい温かい身体の温もり。

 

 互いにそれを感じながら何も言わずにテレビの画面を見続ける。

 

 家にいるときはこうして仲良く寄り添っているのが二人のいつもの姿であった。

 

 暫くの間芸人が騒ぐだけのテレビ番組が流れていたが緊急速報のテロップが出た瞬間映像が切り替わる。

 

 番組の途中ですが云々。お決まりのセリフを喋るキャスターの言葉が終わったと同時に記者会見の場のような映像が映し出された。

 

 記者達のざわめく声だけが聞こえる画面に一人の男が姿を現した。現EUの代表を務めている男だ。

 

『ええ、お集まりの皆様。並びに画面を通してこの会見を目にされている世界中の皆様。わたくしはこの度、長年にわたってEU加盟国を纏められなかった責を取り辞任することと相成りました』

 

 EU代表の辞任表明。

 

 これは確かに大ニュースだった。

 

 だが何かがおかしい。

 

「変だな……ここ数年EUは急速に纏まってきてたような」

 

「ええおかしいです。あれだけ意思疎通が上手くいかずにバラバラだったEUですが以前からは考えられないほど纏まってきています。それなのに代表が辞任等とは」

 

 そう、ここ暫くの間EUは考えられないくらいの纏まりを見せ始めていた。

 

 まるで見えない何かに操られているかのように。

 

 それまでの自国本位の意見を潜めて、手に手を取り合い経済力も回復してきていたはずだ。

 

 遡ってみればそれ以上前からそんな動きは見られていた。

 

 夢幻会も何かあると見ていたがそれが先鋭的な軍国主義や攻撃性に繫がる様子は無かったので様子見に止めていたのだ。

 

 平和その物のこの世界で多少気が緩んでいる処があったのも確かだが。

 

 嶋田とモニカの疑問を余所にEU代表──いや元代表となった男は話を続けた。

 

『しかし私の代では成し得なかった経済対策、技術革新を、陰に日向に支え実行し続けていた方々が居られます。彼らは我々を支えてくれどん底にあったEUを再び蘇らせようとしています』

 

(なんだそれ……まるで夢幻会みたいじゃないか)

 

『そんな彼らを率いる方々に私は、いや我がEUは、総意を持って全権を委任する決定を致しましたッ!』

 

 元代表の言葉に会見場はどよめきに包まれた。

 

 それはそうだ。何処の誰かも分からない者に全権委任すると言いだしたのだから。

 

 だが元代表は言い切る。彼らならば大丈夫。必ずや強いヨーロッパを再建してくれる。

 

 日本やブリタニアに負けない国にしてくれると。

 

『紹介しましょう。彼らが次のEU代表となる方々ですッ!!』

 

 大袈裟な身振りで声を張り上げた元代表が席を立つと、入れ替わるように入って来たのは年の頃は五十代と思われる一人の軍服姿の男。

 

「ち、ちょ・つ・と・ま・てぇぇッッッ!!」

 

 見たこともないデザインで威圧感たっぷりの軍服に制帽をかぶったその男は、無表情だが意志の強さを感じさせる瞳で会見場にいる記者達を睥睨して黙らせた。

 

 喋ってはいけない。この男の前で勝手な発言はできない。

 

 無意識の内にすり込まれたそれは一体何だろうか? 

 

 答えを知るものはいない。嶋田を含めた夢と幻の存在達以外には。

 

「ど、どうなされたのですかシゲタロウさん??」

 

「い、いやすまない……ちょっと、ね……」

 

 突然画面に向けて叫んだ夫にびっくりしたモニカ。

 

 普段優しく穏やかな空気を放っている彼にしては珍しいほどテンパっている。

 

 だがそれも仕方のない話だ。画面に現れた人物を見て彼に驚くなと言う方が無理なのだから。

 

 事情を知らないモニカには悪いが気にしていられない。

 

 男は静かになったのを見て帽子を脱いだ。

 

 髪の色は黒で、髪型はすそ刈りにした七三分け。

 

 見る者に取っては冷たいようにも暖かいようにも見える不思議な瞳。

 

 何よりも目を引く特徴的なヒゲ。

 

 その不思議な男はゆっくりと口を開く。

 

『この場にお集まり頂いた諸君。並びにカメラの向こうにいる世界の方々。とりあえずはこんにちはというべきか』

 

 冷たい表情に僅かばかりの笑みを浮かべる男。

 

 その瞬間男に引き込まれた者は相当数に上っただろう会心の笑み。

 

『自己紹介の前にまず、遠い時空の彼方より戦いを繰り広げている我が宿敵達に挨拶をしたい』

 

 代表就任や自己紹介が始まるのかとカメラを向けていた記者達は、急に意味不明なことを言いだしたEU新代表に戸惑いを隠せない。

 

 そんな記者達を気にも留めず男は喋り出す。

 

『おそらくこの会見を見ているだろう諸君! 久しぶりだな私は帰ってきたぞ!』

 

「帰ってくるなァァアァッッ!!」

 

「シ、シゲタロウさんッ?!」

 

 またまた叫ぶ夫にモニカは心配になってきた。

 

『私の推理によれば、この新世界に於いても諸君は確かに存在し暗闘しているとの答えが出ている。短期間に日本が飛躍しているのとそれを成し遂げた面々を見ればわかるというものだ。例え世界を誤魔化せても私の目は誤魔化せんぞッ!!』

 

(だ、誰かッ、誰かこのキ○ヤシを黙らせろッ! 回り回って真実を言い当てるんだよこの男はァァァ!!)

 

「先ほどより如何なされたというのですか……? それにこの方は一体何を話して──」

 

「気にしなくていい! これは俺個人の問題であるからしてだ、つまりモニカさんは気にしなくていいんだッ!!」

 

『だが、私と君たちが正面切って戦えば世界はラグナロクの戦いへと突入することになる……それは本意ではないし我が盟友も反対なようだ』

 

 そこまで言うとまた一人、会見場に姿を現した。

 

『ははは、久しぶりだなプライムミニスターシマダ。君と食べたナポリタンの味は今も忘れてはいないよ?』

 

 先に来た男よりもふくよかで穏和な表情の男。

 

 彼もまた軍服を着ており、入って早々女性記者に声を掛けていた。

 

『そういうのは後にしてくれないかねドゥーチェ』

 

『すまんねえ総統殿。レディに声を掛けるのは我がイタリア紳士としての流儀なものでね』

 

「あ、あは、あははは……おわった……おれの……おれの夢が……穏やかなる隠居生活が……」

 

「しっかりなさってくださいシゲタロウさぁぁぁーん!!」

 

 

 

 EU新代表の会見終了後、時を置かずして嶋田の家の電話が鳴った……。

 

 

 

 “申し訳ありません嶋田さん、お子さんのことがあるので毎日とは言いませんが、時々お仕事をお頼みする事となりそうですので御容赦のほどを”

 

 

 

 




嶋田さんには苦労が憑き物というわけですね。

どのカップリングの恋愛が見たいですか?(いずれもそれぞれに書いております・また書いていきます。新しいカップリングも増える可能性あり。

  • 嶋田繁太郎×モニカ・クルシェフスキー
  • 嶋田繁太郎×ユーフェミア・リ・ブリタニア
  • 山本五十六×リーライナ・ヴェルガモン
  • 南雲忠一×ドロテア・エルンスト
  • 玉城真一郎×クララ・ランフランク
  • 玉城真一郎×マリーベル・メル・ブリタニア
  • 澤崎敦×井上直美
  • レオンハルト×マリーカ・ソレイシィ
  • 原作ルルーシュ×シャーリー・フェネット
  • ルルーシュ(休日)×ミレイ
  • オデュッセウス×皇神楽耶
  • ジェレミア×ヴィレッタ・ヌゥ
  • 枢木スザク×ナナリー・ランペルージ
  • コーネリア・ランペルージ×ギルフォード
  • 高麗大佐×奥様(書けたら(-_-;)
  • 鳩川雪夫×ストーカー女(書けたら(-_-
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