バカとテストと召喚獣と……   作:SSSS

17 / 20
十四話 Bクラス戦 ④

「ただいま……って、あれ?皆何してるの?」

 

明久達が教室に戻ると雄二達はどこかへ出かける準備をしていた。

鞄を持っている訳ではないから帰る訳ではないようだ。

 

「おお、明久。帰って……一つ聞いてよいか?」

 

「うん。良いよ」

 

聞かれることは大体予想がついてはいる。

秀吉は明久の腕に抱き着いている真理の方を見ながら尋ねた。

 

「雨宮が明久に抱き着いておる理由はまぁ、察せるんじゃが……どうして、雨宮はそんなに不機嫌そうなんじゃ?」

 

島田を助けてから真理はずっと不機嫌そうな顔をしながら明久に抱き着いている。

正直歩きづらいのだがそんなことを言えば最後今日中に機嫌を治すことが難しくなってしまう。

 

「いや、実はね……」

 

苦笑しながら先程起こったことを説明する。

だが、秀吉はその説明で要領を得なかったらしく首を傾げた。

 

「えっとね……真理は自分が認めた人以外が僕に触れるのを極端に嫌うんだよ」

 

明久の言葉に納得した表情を見せる秀吉。

秀吉が納得したため明久は聞きたかったことを訊くことにした。

 

「皆一体何の準備をしてるの?」

 

「Cクラスが怪しい動きをしているそうでのう。

Cクラスとも条約を結びに行くのじゃ」

 

秀吉の言葉を聞いた瞬間嫌な予感がした。

何故だかは分からない。

だが、何か良くないことが起こるような気がした。

こういう時の明久の勘は良く当たる。

 

(止めるべきかもしれない)

 

と、そんな考えに至った時だった。

 

「明久、どうしたのじゃ?」

 

と、秀吉が声をかけてきた。

少し難しい顔をしていたからだろう。

 

「やっぱり僕達もCクラスに行った方が良いの?」

 

嫌な予感はするが自分や達哉が居れば大抵のことは何とかできる自信はある。

それにもしも本当にCクラスが何かしようとしているのであれば行くべきだろう。

 

「その方が良いじゃろうな」

 

「分かった、ついて行くよ。それじゃぁ、行こうか」

 

「ああ、明久。ワシは―――」

 

「秀吉は連れて行かないぞ」

 

秀吉の言葉を遮り雄二が会話に入ってきた。

 

「どうして?」

 

「秀吉がついてくると万が一の場合にやろうとしている作戦に支障が出るからな。

念のために秀吉はここに残ってもらう」

 

「そっか。それじゃぁ、Cクラスの代表が帰る前に行こうか」

 

こうして明久達はCクラスへと向かうことになった。

 

 

「Cクラス代表は居るか?」

 

教室を開け放つなり雄二がその場に居る全員に告げる。

Cクラスの教室にはまだかなりの数の生徒が残っていた。

 

「私だけど何か用かしら?」

 

明久達の前に出てきたのは混じり気のない黒髪をベリーショートにした気の強そうな女子。

名前は小山友香。バレー部のホープだ。

 

「Fクラス代表として―――」

 

「待って、雄二」

 

雄二の言葉を遮る明久。

その行動に訝しんだ表情を見せる雄二だが明久の表情を見てその表情はすぐに消え去った。

 

「どうした、明久」

 

―――何かある。

 

明久の表情を見て雄二はすぐにそう察した。

こういう時は素直に明久に任せた方が良い。

 

「いや、少しね」

 

雄二の言葉にそう答えると明久はゆっくりと教室の奥へと歩き始めた。

 

「ちょ、ちょっと……!」

 

慌てて明久を制止する小山。

明久は思いの外素直に止まった。

安堵の表情を浮かべる小山だったがすぐにその表情は真逆に変わることとなる。

 

「どうして、ここに根本君達が居るのかな?」

 

『『『―――っ!?』』』

 

その場に居た全員の表情が固まった。

 

「よ、吉井君。な、何を言ってるの……?」

 

「ふぅん……?」

 

小山の言葉を聞きニヤリと笑う明久。

それを見て真理は内心呆れていた。

 

(また明久の悪い癖が始まったよ……)

 

――明久の悪い癖

 

それは困っている女子を見るといじめたくなるというもの。

勿論、深刻に困っている時は助けたりするがそれ以外の時はそうではない。

それ以外の時は思いっきりいじめる。

つまり、明久はドがつくSという訳だ。

 

「その反応を見る限り根本君はこの教室には居ないんだよね?」

 

「も、勿論よ!」

 

嘘を吐いている。

小山の反応を見る限りそれは明らかだった。

 

「そっかぁ……それじゃぁ、僕達は帰ろうかなぁ……」

 

だと言うのにそんなことを言い出して明久は出口へ歩き始めた。

 

「お、おい!明久!」

 

それを見て雄二は止めようとする。

その時明久は振り向いた。

 

「なぁ~んてね♪」

 

次の瞬間明久は教室の奥へ向かって再び歩き始めた。

 

「え、ちょっ……!」

 

小山は明久を制止しようとするが今度の明久は止まらなかった。

 

「やぁ、根本君」

 

「くっ……何で気づきやがった……!」

 

隠れていた場所から姿を現して忌々しげに明久を睨む根本。

隠れていたのは根本だけではなく他のBクラス生徒や長谷川教諭も居た。

 

「君たちはCクラスと手を組んでたんだね。Cクラスが怪しい動きをして僕達がここに来るように仕向ける。そうすると僕達は協定違反をしたことになるからここで僕達を打ち取る。まぁ、そんなところかな?」

 

「く……っ!」

 

どうやら図星らしい。

歯軋りをして明久を睨み付けている。

 

「さて、どうするかなぁ……ねぇ、雄二。どうする?」

 

根本を見て驚愕して固まっている雄二に話しかける。

その瞬間雄二は我に返った。

 

「そ、そうだな。ここで打ち取るべきだろうな」

 

「だってさ。それじゃ、長谷川先生。Fクラス吉井明久が――」

 

「させるか!Bクラス芳野が受けて立つ!」

 

根本に対して攻撃しようとしたところを芳野が根本の身代わりになった。

 

『Bクラス 芳野孝之 VS Fクラス 吉井明久

 数学   161点 VS      132点』

 

「くっ!お前等!俺は逃げるから時間を稼げよ!」

 

そう言って根本は仲間を置き去りにして逃げた。

これでここに居るBクラスの生徒は四人。

 

「ふっ!」

 

一閃。

 

一瞬で相手の喉を装備のナイフで切り裂いて相手を戦死させる。

これで後残りは三人―――

 

「吹き飛べやあぁぁぁっ!」

 

訂正二人だ。

 

「や、やばいぞこれ!」

 

「早く逃げるぞ!俺達じゃ時間稼ぎにすらならねぇ!」

 

更に訂正。

敵は居なくなった。

 

「よし、敵も居なくなったことだしお前等。一旦、教室に戻るぞ」

 

雄二の言葉にFクラスのメンバー全員が頷いた。

 

 

「こうなっちまった以上Cクラスも敵になった」

 

教室に戻る最中雄二が口を開いてそう言った。

 

「Bクラス戦の後Cクラスとも戦うのはかなりきつい」

 

「それならどうすんだよ。このまま勝ってもCクラスの餌食じゃ意味ねぇじゃねぇか」

 

「心配するな」

 

達哉の言葉に雄二が野性味たっぷりの活き活きとした顔でそう告げた。

 

「こうなることは想定内だ。こうなった時のことはちゃんと考えてある。

目には目を、だ」

 

この日はそれで解散となり、翌日へ持越しとなった。

だが、明久はこの時気付いていなかったのだ。

 

 

―――根本に弱みを握られていたことを。

 





  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。