バカとテストと召喚獣と……   作:SSSS

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二話 戦争の引鉄

「丁度良かったです。今自己紹介の最中なので姫路さんお願いします」

 

「は、はい!あの、姫路瑞希と言います。よろしくお願いします」

 

小柄な体を更に縮こめるようにして声を上げる姫路。

「はいっ!質問です!」

 

既に自己紹介を終えた男子生徒の一人が手を挙げる。

 

「あ、はい、何ですか?」

 

教室に入るなり自分に、質問が自分に向けられることを想定していなかった為に驚く姫路。

その仕草は小動物のようで保護欲をかきたてる。

 

「どうしてここに居るんですか?」

 

聞きようによっては失礼な質問だがその疑問は当然。

先程言った通り彼女の学力は学年で五本の指に入る程。

そんな彼女がこんな学力最低クラスに居る訳がない。

 

「そ、その……振り分け試験の途中に高熱で倒れてしまって……」

 

その言葉を聴き、全員が納得した表情になった。

試験途中での退席は無得点扱いになる。

彼女は最後まで振り分け試験を受けられずFクラスになったという訳だ。

そんな姫路の言い訳を聞いてFクラスで言い訳が始まった。

 

『そう言えば、俺も熱(の問題)が出たせいでFクラスに』

 

『ああ。化学だろ? アレは難しかったな』

 

『俺は弟が事故に遭ったと聞いて実力を出し切れなくて』

 

『黙れ一人っ子』

 

『前の晩、彼女が寝かせてくれなくて』

 

『今年一番の大嘘をありがとう』

 

流石Fクラス。

言い訳が低レベル過ぎる。

 

「はいはい。そこの人たち、静かにしてくださいね」

 

そう言って福原教諭が教卓を叩くと……

 

バキィッ! バラバラバラ……

 

突如、教卓がゴミ屑と化した。

 

「代えを用意してきます。少し待っていてください」

 

福原教諭はそう言って教室の外に出た。

改めて教室を見渡して明久は思う。

この設備はあまりにも酷すぎると。

最下層のクラスとはいえ蜘蛛の巣が張り、窓はひび割れ、壁は落書きのない箇所を探す方が困難などと言う始末。

 

「……真理、ここでちょっと待ってて」

 

「え?うん、分かった」

 

真理の返答を聞いてまず明久は欠伸をしている雄二の方へ向かう

 

「雄二、ちょっといい?」

 

「ん?何だ?」

 

「ここじゃ話しにくいから廊下で」

 

「ああ、分かった」

 

 

廊下

 

 

HR中とだけあって廊下に人影はない。

ここなら安心して話しが出来そうだ。

遠まわしに言っても仕方ないと思い明久は単刀直入に言う。

 

「雄二、試召戦争をやらない?それもAクラスを相手に」

 

「……何が目的だ」

 

雄二の目が細くなった。警戒されている様だ。

 

「真理の為だよ」

 

「なるほどな。実は俺もAクラスを相手に試召戦争をしようと思ってたんだ。学力だけが全てじゃないって証明したくてな。それにAクラスに勝つための作戦も思いついたし―――っと先生も帰ってきた。教室に入ろうぜ」

 

そう言って雄二が先に教室に入る。

 

 

教室

 

 

壊れた教卓を代えて(それでもボロイが)気を取り直してHRが再開。

 

「えー、須川亮です。趣味は―――」

 

特に何もなく淡々とした自己紹介の時間が流れる。

 

「坂本君、キミが自己紹介最後の一人ですよ」

 

「了解」

 

そう言って雄二は席を立って教壇に歩み寄る。

その姿はふざけた姿ではなくクラス代表としてふさわしい姿だった。

 

「坂本君はクラス代表でしたよね?」

 

福原教諭に言われて雄二は頷いた。

 

「Fクラスの代表の坂本雄二だ。俺のことは代表でも坂本でも好きなように呼んでくれ。

さて、皆に一つ聞きたい」

 

雄二はゆっくりと全員の目を見るように告げる。

雄二の演説の仕方は間取りが上手く全員の視線はすぐ雄二に向けられた。

 

カビ臭い教室。

 

古く汚れた座布団。

 

薄汚れた卓袱台。

 

「この設備に不満は無いか?」

 

『『『大ありじゃぁぁぁぁっ!!!』』』

 

二年Fクラス魂の叫び。

 

「そうだろう!俺はこの状況を覆す為にある一つの提案をする!」

 

雄二はそう言って自身満々な笑みを浮かべ

 

「FクラスはAクラスに『試験召喚戦争』を仕掛けようと思う!」

 

Fクラス代表坂本雄二は戦争の引き金を引いた。

 

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