深夜テンションで書いた。

そんな気難しい内容でもなく、ただただ書きたかった事を書いただけ。



続かない。

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2人のゆうすけ

この出会いは確かに偶然だ。だが、偶然ではあるが必然だった。

 

彼は出会わなければならなかった。己と同じ究極の闇を持つ者と。

 

否。その伝説を塗り替えた青空のような、あの男と。

 

 

五代雄介に、小野寺ゆうすけは出会わなければならなかった。

 

 

 

 

目が覚めた。体を起こし眼前を見渡した。日常の始まりで必ず行われるものだが、ゆうすけは違和感を感じた。

 

目の前に広がる碧い海。陽がさす浜辺といったところだろうか。何故こんなところで眠りから覚めたのだろう。いや。

 

何故、自分は目覚めているのだろう。

 

門矢士と共に旅をし、色々な世界を回り、仲間を作り、

 

その果てにディケイドと共に戦い。

 

彼をかばって命を失ったはずなのだ。

 

「何で、俺は」

 

「気がついたんだね」

 

ふと後ろから声が聞こえた。振り返るとそこにいたのは無精髭で自分よりも少し年上っぽい青年だった。その表情はとてもやわらかく、とても笑顔だった。

 

「・・・・・・あんたは」

 

「俺? あぁ、俺は五代雄介。これ名刺」

 

ポケットから取り出された名刺を受け取りそこに書かれた文字を凝視する。【2000の技を持つ男 五代雄介】そう書かれていた。

 

「俺は」

 

「小野寺ゆうすけ。だね」

 

「・・・・・・なんでそれを」

 

「それはこれをみたらわかるかもね」

 

疑問を投げかけると、彼は少し勿体ぶるように言い、自身の横腹を両手でポンと叩いた。

 

 

するとどうだ。彼の腹にあるはずのないものが現れたのだ。

 

 

「!? アークル!?」

 

瞬間自分のアークルを確かめる。腹に手をかざすと自分の体のうちからアークルが出現した。つまり、自分の持っているアークルと彼の持っているアークルは別物と言うことがわかる。

 

「安心していいよ。これは俺のなんだ。君の持っているのと同じものだけど、別の物だから」

 

「・・・・・・よくわからないけど、あんたは敵なのか!?」

 

ただでさえ2000の技など胡散臭いのだ。もしかすれば敵なのかもしれない。

 

死んでいるならまだしも、自分は今まだ生きているのだ。速く仲間の元へと戻り、ディケイドを倒さなくてはならない。例え歯がたたなくても闘わなければならない。

 

「今、君が考えてるのは仲間のことだね。安心していいよ」

 

そう言って彼は構えた。あの構えは自分がクウガに変身するときの覚悟を決めるときのポーズだ。変身する気だ。でも何故だ。何故変身するのか。やはり敵なのか。

 

「君の仲間は皆・・・・・・俺が倒した」

 

その一言で俺は悟った。この男は敵だと。打ち倒さなければならない相手だと。

 

俺は怒りに任せるように彼と同じ・・・・・・いや、俺の覚悟を決めるポーズをする。

 

「「変・身ッ!!」」

 

俺は我武者羅に目の前の男へと突っ込んでいった。

 

 

 

 

拳と拳がぶつかり合う。ライダー同士での戦いから起きるその衝撃はまさに絶大だった。一つ一つの挙動で空が悲鳴を上げる。

 

赤き戦士と赤き戦士のぶつかり合い。しかし、片方の方が劣勢に見えた。

 

そう、小野寺ゆうすけが変身したクウガが圧されているのだ。

 

「うぅっ!! うあぁあ!!」

 

「駄目だよ。もっとまっすぐ撃たないと!」

 

我武者羅な拳は空を切り、五代の変身した赤き戦士の拳によって体ごと吹き飛ばされる。同じ姿であろうと、潜った修羅場が違うというかのように、五代の拳はゆうすけを正確に捉えていた。

 

「はぁっ・・・・・・はぁっ・・・・・・くそっ!!」

 

地面に叩きつけられても、地面を思い切り殴り立ち上がる。激情が支配しているからか同じような拳が五代に向かう。

 

「だから、それじゃあ駄目だって・・・・・・言ってるでしょ!」

 

人間で言う鳩尾にストレートが入る。一瞬咽かえるような衝撃がゆうすけを襲う。両膝をつき、両手で体を支えるように地面を押す。海岸のためか、その四肢が潮水にさらされる。

 

同じスペックだというのに、力の差が圧倒的だった。

 

自分だって色々な世界を渡り、そして戦ってきた。そしてその力を蓄えてきた。そう思っていたのに。

 

この男と何が違うのか。ゆうすけにはわからなかった。

 

「・・・・・・今の君は弱い。そんなんじゃ大切な人なんて絶対守れない」

 

「ハァッ・・・・・・ハァッ・・・・・・」

 

そんな事わかっている。そう言いたかった。だが今のゆうすけはそんな事をいう余裕がなかった。自分の仲間を殺した目の前のクウガを倒さなければならない。それで精一杯だった。

 

「だから君はあの女性刑事を守れなかったんじゃない? ・・・・・・八代刑事だっけ」

 

「・・・・・・ッ!? アァアアアアアアアアア!!」

 

更に怒りが湧き上がる。自分の不甲斐なさに呆れてしまう。だが、この怒りをこの男に向けるのは筋違いなのは確か。だが、今のゆうすけにそんなまともな思考ができるほど冷静ではない。仲間を殺されたことも相乗し、彼の理性が限界まで来ていたのだ。

 

体が黒く染まる。その赤い瞳が黒く光を失う。アークルのアマダムはその輝きを失う。禍々しい姿こそ、碑文に警告として載っていたものと同じものだった。

 

【聖なる泉枯れ果てし時、凄まじき戦士雷の如く出で、太陽は闇に葬られん】

 

これこそ、凄まじき戦士。アルティメットクウガである。

 

「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

その咆哮は人のものではなかった。まるで獣のような叫びだった。怒り、憎しみ、悲しみ、悔やみ。負の感情が感じ取れるその叫びに、五代は仮面のうちで下唇をかんでいた。

 

「うん・・・・・・なら俺もなろうか」

 

彼もその赤き肉体を黒く染める。雷が舞い、その体に音を立てながら纏うように金色の四肢を手に入れる。彼もまた、凄まじき戦士に姿を変えたのだろうか。

 

だがその目は赤く、その構えはとても理性的であり、若干だがゆうすけの姿よりも小さく感じる。肩もアルティメットのように禍々しくなく、なによりアークルは金色に輝いてる。

 

この姿はゆうすけが手に入れることのできなかった姿。五代のみが手に入れた金の力を纏う戦士。

 

アメイジングマイティ。黒き金のクウガである。

 

両手を広げ、獣のような声を上げるゆうすけ。両手を前に出し、まっすぐ構える五代。その姿は非対称だが、その心をよく映し出していた。

 

「ガァアアアアアアアアアア!!」

 

「・・・・・・俺も、こうなっていたのかも知れないんだね」

 

再び、2人の拳が飛び交う。熊のように薙ぎ払うような攻撃をするゆうすけと、それを簡単に払いのけながら確実に拳を当てる五代。アメイジングマイティは通常のクウガよりも遥かに強いが、アルティメットに劣る姿だ。だが、これはどういうことなのだろうか。

 

アルティメットクウガをアメイジングマイティが圧しているのだ。

 

致命傷になる攻撃を全て避け、確実に拳を放つ。確かに不器用な場面がよくみられるが不安な瞬間は見て取れない。獣のように体を振り回すゆうすけを、五代は五代なりに洗練されたバトルスタイルで、圧倒していた。

 

しかし、ゆうすけのタックルに反応できなかったのか、五代は大きく後方へ吹き飛ばされてしまう。

 

ごろごろと転がりダメージを軽減する五代をよそに、ゆうすけは泣き叫ぶような咆哮を上げ、迫ってきた。

 

「・・・・・・その人、守れなかったんだよね。わかるよ・・・・・・俺だって、守れなかったことなんか何度もある。でも、だからと言って、その悲しみを憎しみにして良いわけじゃないんだ」

 

その姿を黒い靄が覆う。アークルの輝きが消え去り、ゆうすけ同様禍々しい姿へと変貌を遂げた。

 

しかし、その目は未だ赤いままだった。

 

「行くよ。君は乗り越えなくちゃいけないんだ」

 

「ガァアアアア・・・・・・ァアアアアアアアアア!!」

 

ズシリズシリと2人が歩み寄る。まるで西部劇のようにゆったりとだ。

 

ゆうすけの蹴りが五代の頭を捉える。しかし、五代は体を後ろに反らしその攻撃を避ける。しかしすかさずゆうすけは蹴った足がつくと同時に反対の足で後ろ回し蹴りを試みる。今度は両腕でその攻撃を受け止められる。体をすぐ正面にむけ、今度は拳を放つ。

 

五代は首だけを動かし避け、その腕を掴んだ。

 

何とか離れようとするゆうすけにむかって、五代は頭を叩き込んだ。所謂頭突きである。

 

「目を覚ませ!! 君は、伝説を塗り替えなくちゃいけないんだ。繰り返してはいけない! 君は、誰かのために戦える! 正義のヒーローなんだ!!」

 

頭突きをしたことにより、ゆうすけの理性が一瞬だが戻った。そして彼は思い出す。自分の今までのやってきたことを。八代のために戦ってきた自分。仲間のために戦ってきた自分。自分のために戦ってきた自分。

 

そして、誰かの笑顔のために戦ってきた自分を思い出した。

 

「・・・・・・俺は、守りたい」

 

「何を守りたい。言ってみろ!」

 

「・・・・・・俺は、皆の笑顔を・・・・・・守りたい」

 

その瞳が赤く染まる。五代と同じように、意識を取り戻した証のように。

 

「・・・・・・うん、合格」

 

そう言って五代はその姿を元に戻した。それにつられて彼も元の姿に戻る。2人は下瞼にたまった涙をぬぐい、改めてお互いを見つめた。

 

「・・・・・・殺したってのは、嘘だったんだろ?」

 

「あぁ。ごめんね嘘ついて。でも、君を焚きつけるにはこれが手っ取り早いと思ってね」

 

「でも、冗談でも言ったら誰だって怒るさ」

 

「そうだね・・・・・・俺だって怒るよ」

 

真剣な五代の表情に、ゆうすけは負けじと見つめる。沈黙が続き、気がつけば二人は笑っていた。

 

「俺は君よりも前に、あの姿になった。でもあの姿は本来目の黒い、理性のない破壊を齎す戦士なんだ。でも、俺は目の赤い状態で戦えたんだ。知り合いが言うには、伝説を塗り替えたって言ってたっけ。つまり、本来の姿を超えたってわけ」

 

「・・・・・・そう、なのか。それって」

 

「うん。俺は最後まで、この力を誰かの笑顔のために使ってきた。本当は戦いたくなくて、殴ってるこっちも辛くて・・・・・・でも、俺はクウガなんだ。俺が皆の笑顔を守るって決めたから、だからあの姿になれたんだと思う」

 

「・・・・・・俺は最初、姐さんのために戦ってたんだ。姐さんに褒められたくて。でも途中から、仲間の笑顔のために戦った」

 

「うん。君の姿は皆が知ってる」

 

五代のその言葉にゆうすけは疑問を持った。いったい皆とは誰のことなのだろうかと。

 

「今、この世界には君達と俺達がいるんだ。同じ力を持ってるもの同士が戦っている。そして君達に伝えるために俺達は大きな壁となるため戦いを挑むように誘導したんだ」

 

海岸沿いをゆっくりと歩みながら、そう告げた。真っ直ぐと青空を見つめながら、彼は語った。

 

「すぐにでも助けに行きたかったよ。でも俺達にも守るべき世界があった。だからこんな形で君に伝えたかったんだ」

 

「・・・・・・なんで、いったいなんでそんな」

 

「全てを壊し、全てを繋ぐ存在。それがディケイド。でも俺達にだって次に繋ぐことは出来るよ」

 

五代はゆうすけの元へと歩み寄り、右手を差し出す。

 

「改めて、俺は五代雄介。クウガだ」

 

「・・・・・・俺は小野寺ゆうすけ。俺も、クウガだ」

 

握手を交わし、五代は語る。

 

次の世代のライダーに。

 

自分の思いを、自分の願いを。

 

守りたいものを、助けたいものを。

 

次の戦士に。次の正義のヒーローに。

 

頑張れと言うエールを、諦めるなという激励を。

 

彼が、次のクウガなんだと伝えるために。

 

「君が、今度は伝える側になるんだ」

 

 

 


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