はい、新年をボッチで迎えた舞翼です゚ヽ(○゚´Д`゚○)ノ゚
今年も頑張って更新するので、よろしくお願いします!!
そしてそして、記念すべき100話です(^O^)
では、新年初の投稿です。
それではどうぞ。
「暁古城──我々は君を不老不死の呪いから解き放ち、人間としての死を与えてやる」
安座真が冷厳な口調で告げてくる。
真祖として一人で何千年も生き続けるくらいなら、人間として死ね、と古城に伝えているのだ。
馬鹿げた理屈ではあったが、魅力的な提案でもあった。 永劫の孤独と、先の見えない不安。 それは一人で抱え込むのには、あまりにも重すぎる荷物だ。 安座真はその終わりなき苦悩から、古城を解放しようとしている。
だから邪魔をするな、と古城に言っているのだ。
「考えようによっては、まあ、悪くない提案だよな……あんたの言うことが本当なら」
安座真の主張の正当性を、古城は認めた。 不老不死の力など、古城が望んで手に入れたものではない。 それを捨て去ることに抵抗はなかった。
「先輩……!」
自暴自棄とも取れる古城の呟きを聞いて、雪菜が怒りを露にする。
雪菜を見て、古城は曖昧な苦笑を洩らした。 雪菜こそ、第四真祖抹殺の任務を与えられて古城の監視を続けているのだ。 彼女が怒るのは理屈に合わない。
「グレンダを渡せ、第四真祖。 我らには“器“が必要だ。 人工島管理公社に対抗する為に」
安座真が要求を口にし、古城の顔が強張る。
「人工島管理公社……だと? 絃神島になんの関係が……!?」
ゴォン、と遠雷に似た轟音が聞こえてきたのは、その直後だった。 着陸間際の旅客機のような巨大な飛行物体が、立ちこめる雲の中から降下してくる。
「先輩! あれは……!?」
「なんだ!? 輸送機か……?」
灰色に塗られたその機体は、軍用の輸送機によく似ていた。 だが、機体側面に設置された無数の砲門は、ただの輸送機のものではあり得ない。
その禍々しくも巨大な機体は、グレンダたちのいる山小屋を目がけて高度を下げている。
「自衛隊特殊攻魔連隊の切り札……AC-2
安座真は、淡々と告げてきた。
輸送機として設計された機体に、大量の武器弾薬を積み込む事で、通常の航空機にはあり得ない重武装と大火力を与えられた局地制圧用の攻撃機。 それを操縦しているのは、銀黒色のローブを纏った女だ。
「まさか、あの機体を素体にして
安座真たちの目的に気づいて、雪菜が表情を凍らせる。
女の能力は、兵器の持つ性能をそのまま受け継いだ傀儡を造り出す事が可能にする。 装甲車が素体の
しかも彼らは、古城の眷獣の攻撃を無効化することができるのだ。 魔法無効化障壁に唯一対抗できる“雪霞狼”も、空を飛ぶ
「話は終わりだ、暁古城。 グレンダを置いてここから立ち去れ」
安座真が騎士兜を装着し、
「あんたの話は少しだけ魅力的だったよ、安座真三佐」
古城が牙を剝きながら獰猛に笑った。
「だけどオレは、あんたが仲間をあっさり殺したのを見てる。 聖殲派のせいで、負傷した無関係の隊員も大勢いたはずだ。 あんたは信用できねーし、そんな相手にグレンダは渡せねえな。 それに、オレは孤独で生きていく事はない。 オレには、規格外な親友がいるしな」
「そうか……残念だよ、第四真祖」
安座真が構えた騎槍が、古城の心臓に向けられる。
そして彼は宣告した。 初めて生の感情を剝き出しにした声音で──、
「ならば、魔族に堕ちたままここで死ね!」
構えた騎槍から、轟音と共に弾丸が放たれた。 グレンダを傷つけたものと同じ漆黒の球体だ。
古城はその球体を回避しない。 回避すれば球体は山小屋に当たり、中にいる唯里たちが巻き込まれるからだ。
古城は、右腕を掲げて荒々しく吼える。
「──
古城が、右手を襲う激痛に耐えて召喚したのは、光り輝く神羊だった。 眷獣を取り巻く無数の金剛石の結晶が、攻撃を防ぐ盾となる。
漆黒の球体と激突した結晶は次々とぶつかり合って方向を変え、結晶が弾丸と化して、あらゆる角度から安座真を襲う。
だが、その金剛石の弾丸は、安座真が展開した漆黒のオーロラに阻まれる。
一切の厚みをもたない黒い膜が、染みこむように空間を侵蝕し、世界そのものを塗り替えていくのだ。 音もなく闇の中に吞み込まれ、眷獣の攻撃が無効化されていく。
「あの黒いカーテンみたいなやつか……!」
古城の眷獣を無効化する騎士の力に焦りを覚えながら、一方で古城は密かに安堵していた。
“聖殲の遺産”で武装しているとはいえ、安座真は人間だ。 まともに眷獣の攻撃を浴びれば、ほぼ確実に死ぬ。 相手が殺人者だからといって、古城が彼を殺していい理由にはならない。 たとえ彼の目的が、全ての魔族の抹殺にあるとしてもだ。
「──先輩は、グレンダさんたちの護衛をお願いします! 安座真三佐は私が!」
攻撃を躊躇う古城の傍から、雪霞狼を構えて雪菜が跳んだ。
安座真が放つ銃弾を撃ち落とし、雪菜は距離を詰めていくが、
「邪魔だ、剣巫!」
安座真が
「姫柊──!」
雪菜を援護する為に駆け出そうとした古城の頭上で、
「黒い砲弾……だと!」
障壁を破られて、無防備になった古城を漆黒の砲弾が襲い、巨大な球体が古城の全身を吞みこむ寸前、眩い閃光が虚空を薙いだ。
「
「唯里さん……!?」
「ごめんなさい! でも、あんなのが相手じゃ、隠れてても無駄だと思って──」
「ああ、いや……そうだな。 助かった。グレンダは?」
「だー!」
周囲を見回す古城の背中に、パーカー姿のグレンダが、ばふ、という効果音とともに跳び乗ってくる。 グレンダの身体の軽い感触に、古城は戸惑いの表情を浮かべ、
「ええと……古城くんの後ろが一番安全だと思って……」
古城に、伏し目がちに答えてくる唯里。 古城にくっついていろとグレンダに指示したのは、どうやら唯里だったらしい。 だが、グレンダが文字通り古城に密着するとは、唯里も予想していなかったのかもしれないが。
「それはいいけど、まずいな、このままじゃ──」
頭上の
「くそっ!
古城が呼び出したのは、雷光の獅子と双頭龍だ。 それらは宙を舞う
その攻撃を防いだのは、
激突の衝撃が
だからといって
「ダメか……!」
「――
古城たちの前に、
大規模な力を前にして、古城たちと、安座真の動きが止まる。
古城が後ろを振り向きそこにいたのは、古城たちとは距離を取り戦闘になっていた悠斗と凪沙だ。――だが、悠斗の衣服と凪沙の巫女装束はボロボロだ。
紅蓮の翼、氷結の翼の具現化が解けようとしている。 この事から、先程の戦闘の凄まじさが窺えた。 そして、悠斗と凪沙は、古城たちの隣まで移動した。
「……古城、苦戦しすぎだ」
「……でも悠君。 凪沙たちならともかく、魔力攻撃を無効化するってことは、古城君とは相性最悪なんだよ……」
そう言って、凪沙は溜息を吐く。
そして、古城たちの目前に雪菜が着地した。
「無事ですか、先輩! 唯里さん!」
「
「姫柊!
雪菜は前方を指差した。
──
「……
「いや、知らんから。 てか、蓮夜の親父の形見を、奴に返せ。 俺、あいつと戦うと精神がすり減るんだよ」
「……うん、凪沙も同感。 美月ちゃん、強すぎるもん……」
次に、悠斗と蓮夜、凪沙が美月と戦闘になれば、必ず勝利をもぎ取れる。とはいかない。 このままでは、次は敗北するだろう。
次の戦闘までに、今以上の力をつけておく必要があった。
「貴様らの戯言など聞く耳もたない――第四真祖! 貴様もだ!」
そう言って安座真は、漆黒のマントを広げた。
しかし滲み出した闇色のオーロラは、虚空を覆い尽くすこともなく、安座真の足元の地面に音もなく吞み込まれていく。
戸惑う古城たちの足元に、暗い影のような染みが広がった。 その染みは、厚みを持たない無数の刃になって、地中から古城、悠斗、凪沙を刺し貫こうとするが――、
「――凪沙!」
悠斗は凪沙を押し飛ばした。 おそらくこれは、
――
「先輩!」
「古城くん!?」
「悠君!」
雪菜と唯里、凪沙が、驚愕に目を見開く。 地中からの見えない攻撃には、未来視の力を持つ彼女たちも反応できず、悠斗に限っては、先の戦闘で疲労が溜まり、超直感、気配感知の使用が不可能だったのだ。
「ぐ……はっ……!」
古城の全身を貫いた闇色の刃は吸血鬼の力も奪っていた。 自らの眷獣を呼び出すこともできず、古城は声もなく鮮血を吐く。 背負っていたグレンダを突き飛ばし、彼女を救うだけで精一杯だ。
全快の悠斗ならば、
「ッチ!」
古城と悠斗の足元に広がった闇は、大気をも侵蝕して全身を包みこんだ。
「唯里さん……グレンダを連れて……逃げ……」
「(……悪ぃ凪沙。 時間稼ぎ頼む)」
自分に駆け寄ってくる唯里を、古城は目の動きだけで制止し、悠斗は凪沙に『必ず戻って来る』というメッセージを残した。
雪菜が“雪霞狼”で
「──沖山一尉」
「了解」
安座真の指示を受けた沖山が、
沖山にとって、凪沙は脅威に映るが、先の戦闘でほぼ満身創痍。
凪沙が
「……雪菜ちゃん、唯里さん。 私が時間を稼ぎます」
雪菜は解っていた。 凪沙は
凪沙は、先程の悠斗の言葉を信じているのだ。――時間を稼げば、必ず悠斗が助けに来ると。
雪菜は、無謀すぎる。と思った。 凪沙はほぼ満身創痍の状態であり、敵は、安座真に沖山、
「私も残ります。――唯里さんは、グレンダさんを逃がしてください!」
「凪沙さん、
凪沙、雪菜の背中を見て、唯里の瞳に迷いが浮かんだ。
おそらく、凪沙と雪菜が力を合わせても、安座真と沖山、
だが、唯里までもがここで倒れたら、グレンダを護る者がいなくなる。
どうすればいい、と苦悩する唯里の前で、グレンダは思いがけない行動に出た。
「うぅ──────っ!」
地表に残された漆黒の澱みに──
彼女が着ていたパーカーだけが、ぱさり、と音を立てて地面に落ちた。
「グ……グレンダ!?」
「なに……!?」
驚いていたのは、唯里たちだけではなかった。安座真も、予期せぬ結末に呆然としている。
「“器”が自ら
自失したような口調で、安座真が呻く。
咎神の騎士の力をもってしても、闇の侵蝕に巻きこまれた存在を元に戻すことできない──その冷徹な現実を、絶望に震える彼の声が示していた――。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
――とある辺境の村。
だが、空は紅く、緑が茂る草木は枯れ、周囲の建物は破壊され焼け落ちている。 巨大な災厄に襲われた直後か、戦火に焼きつくされたような光景だ。
「どこだ……ここは?」
悠斗は、
「……天剣一族のなれの果てとでもいうのか……」
悠斗が振り返ると、正面にある老人の人影が立っていた。
悠斗は目を細め、その人物を観察する。 そして、ある人物の顔と一致した。
「……嘘だろ。 天剣一族の祖じゃねぇかよ……」
悠斗は絶句した。
なぜ先祖がこんな所にいるのか? 悠斗の考えでは、古の昔、天剣一族は天部と力を合わせ、咎神カインと対立していたのかもしれない。
「───……───────」
悠斗の存在に気づいた彼は、何かを伝えるべく唇を震わせた。
だが、その言葉が声になる前に、男の姿は薄れ消えていき、彼が消え去る直前、何かを指差した。 同時に、悠斗が立っていた場所も、細かな光の粒と化して静かに消滅を始め、闇に吞まれいく。
今の悠斗は、
「……何だあれ?」
彼が指差した場所が、光を放ち、
光輝いていたのは、蒼く透き通る刀身をもつ刀だ。
その刀の名は――
おそらく、祖はこの宝剣を使用し、
「……この刀、
悠斗のこの考えは、あり得ない話でもない。 だが、この話が事実だという確証もないのだ。
闇に刺さった宝剣を抜くと、悠斗の全身が神格振動波の結界に護られ、
悠斗が、宝剣を軽く一振りすると、
悠斗は嘆息し、
「……どんだけ規格外な宝剣だよ」
悠斗の考えでは、自身の神力を宝剣に送り込む事で、神格振動波は本来の威力を発揮する。――
――悠斗は、自身の神力を宝剣に注ぎ込み、振り上げる。
「――――切り裂け!」
剣を振り下ろし、悠斗は光に包まれた――。
……うん。悠斗君にチートが付与されましたね(^_^;)ちなみに、鏡花水月は異空間に仕舞う事が可能ですね。
宝剣は、簡単にほいほいと出す事はないですね。まあ、今回は例外かもしれませんが。
ではでは、次回もよろしくお願いします!!
追記。
今年も、“ストライク・ブラッド~紅蓮の織天使~”をよろしくお願いしますm(__)m