昨日、日間4位にランキング致しました。ありがとうございます。これも、読者様のお陰ですm(__)m
てか、4000~5000字に纏めるの難しいですね。
では、投稿です。
本編をどうぞ。
中世の城館を連想させる、
「記憶共有ってこと?」
「そうだな。 凪沙も、俺の過去が気になるだろ?」
凪沙は頷いた。
凪沙が気になるもの当然だった。 悠斗が、何処でこの力を手に入れたのか? 何処の生まれなのか?は未だに謎なのだ。 悠斗の予想では、
「俺も、両親の事はかなり気になってるんだがな。 つっても、また此処に来るとは思わなかったわ……」
悠斗が言う此処とは、
また、古城と浅葱はあの後気絶してしまったので、監獄結界内部連れ込んだのは悠斗である。 そして古城たちは、追体験がすでに始まっているはずだ。
その時、那月が部屋の内部に足を踏み込む。
「世界を動かせる奴らが、この場に三人も居るとな。――暁凪沙、お前も真祖たちの仲間入りだな」
「そ、そうなんですか?」
凪沙は驚いたように聞き返した。
那月は頷いてから、
「お前は、紅蓮の織天使の血の従者だ。 真祖とほぼ同等だぞ」
凪沙は、紅蓮の織天使の血の従者になった事で、黄龍と麒麟を除き、四神たちを召喚可能になったのだ。
「そ、そうですか……」
どうやら凪沙は、今一実感が無いらしい。
まあ確かに、すぐに理解しろ。と言うのも難しいかもしれない。
「那月ちゃん。 やっぱそれを使うんだな」
「ちゃんづけをするな。
悠斗は、那月が持つ扇子で額を小突かれた。
優しく小突かれたので、あまり痛みを感じなかった。 那月も私用となれば、悠斗とは昔のように接してるのだ。
那月は、まったく。と言い溜息を吐く。
「その通りだ。 これを使う」
那月の左腕には、一冊の古びた本が抱えられていた。
No.014
世界中の魔導書を蒐集する犯罪組織、
「出来る事は記憶共有くらいだ。 お前相手では、記憶を全て奪い取る事は不可能だしな。 悠斗は、ある程度は予測してたんだろ? しかし、暁凪沙と一緒だったのは予想外だった」
「凪沙は、俺の過去を知るべき人だ。 連れてくるのは当たり前だ」
凪沙は、悠斗の過去を知る権利があるのだ。
那月は、そうか。と頷いた。
「わたしも見るがな」
「別に構わないけど、那月ちゃんも知る権利があると思うし」
「だが、悠斗。 お前には辛い体験になると思う。 一族が――――」
「……ああ、解ってる。 覚悟はある」
悠斗は、那月の言葉を遮った。
過去を見ると言う事は、天剣一族が滅ぼされる経緯も見ると言う事だ。 悠斗にとっては、肉親が失われる瞬間を見る事になるのだ。
「……暁凪沙。 お前も覚悟はいいか?」
「はい。 南宮先生」
「そうか。 ならば、始める」
瞬間、悠斗と凪沙の意識は地下深くを潜るように沈んで行った。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
天剣一族が暮らす町は、とある辺境の地にある。 この場所は緑豊かで、争いは無縁の地だ。
神代悠斗は、水が透き通る浅辺の湖で、魚を取るに夢中になっていた。
「たあっ」
悠斗は狙いを定めて魚を取ろうとするが、やはり素手で魚を取るのは難しいらしい。
そんな悠斗の姿を、近場の石段に座り、微笑んで見ている少女の姿もあった。
彼女の名前は、
「ほら、頑張って。 今夜は魚にするんでしょ」
「姉ちゃん。 コイツら逃げ足が早いんだよ……。 そうだ! 姉ちゃんの眷獣の力を――」
「使いませんっ!」
「……姉ちゃんのケチ。 はあ、俺も眷獣を顕現できるようになればなぁ……」
悠斗はまだ未熟なので、眷獣を顕現する事ができない。 また、悠斗は一度も顕現した事が無いので、自身の中に、どのような眷獣が眠っているかも解っていないのだ。
「そんな事言ってないで、魚を捕る努力をしよう」
「はいはい」
悠斗は、若干へそを曲げてしまった。 彼を見ながら朱音は、まったくもう。と呟くのだった。
その後も、悠斗は魚捕りを続けた。 収穫数は、四匹だ。
「父さんと母さんを合わせてピッタリだよ。 流石でしょ、姉ちゃん」
「よく頑張りました。 お姉ちゃんがご褒美を差し上げよう」
そう言って、朱音は悠斗の頭をくしゃくしゃと撫でた。
朱音のご褒美とは、この事らしい。
「やめろよっ」
「良いではないか、良いではないか」
悠斗と朱音は、魚が入った大き目のバケツを持ち、帰路に着いた。 その間も、悠斗と朱音は、楽しく談笑をしながらだ。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
悠斗は、木製のドアをスライドさせ玄関で靴を脱ぐと、バケツ持ちキッチンへ急いだ。
キッチンへ入ると、悠斗の母――
「お帰りなさい。 どうだった?」
「四匹捕れたよ」
悠斗は、流しにバケツを置いた。
見た感じ、かなり活きがいい魚たちだ。
「あら。 それなら、全員分あるわね。 じゃあ、お母さんはお料理作っちゃうから、居間に行ってなさい」
「わかった」
悠斗が居間に戻ると、畑仕事が終わった父――
話によると、そろそろ米の収穫時期らしい。
「父さん、お帰り」
「おう、悠斗。 ただいま」
それから数分後、朱音と優白がお盆に料理を乗せ、テーブルの上に乗せていった。
全員が着席し、いただきます。と音頭をとってから、各々が料理に手をつける。 夜食は、さんまの味噌煮に白いご飯、わかめ味噌汁と言った献立だ。
「自分で捕ったのは格別だね」
「ふふ、最初は全然捕れなかったくせに」
朱音の言葉を聞いて、悠斗はむくれた。
そんな二人を見て、優白と龍夜は苦笑した。 夜食を食べ終わり、各自で流しに食器を置いた。
そんな時、優白が声を上げた。
「今日のお供え物、神様に捧げたかしら?」
「まだだったような気がするな。 供え物は、玄関に置いてあった気がするぞ」
天剣一族には、神々を崇める祭壇があるのだ。
其処には、一日一回、神々に供え物を捧げる仕来たりがあるのだ。
「それじゃあ、俺が行ってくるよ」
「わたしも行くわ。 悠斗一人じゃ不安だし」
悠斗と朱音は立ち上がり、供え物を手にしてから、靴に履き替え家を出た。
祭壇の場所は自宅から離れ数分歩いた所にあり、祭壇の壁には、神々の彫刻が施されている。
其れは、月夜に照らされ幻想的に輝いていた。
「凄い……」
「ええ、そうね……」
朱音と悠斗は、祭壇に彫刻されている神々の絵を見入っていた。
その時、ドンッッ!!と凄まじい爆発音が聞こえてきた。 爆発音の発生地は、悠斗たちの家の方角。 そう、天剣一族の町からだ。
「な、何だ!?」
「様子を見に行きましょう!」
町に戻り、悠斗と朱音が見たものは、火の海に変わり果てた町だった。 家や畑なども焼け焦げ、原形を留めていなかった。
朱音の目には、襲撃者が映った。 黒いローブに身を包み、顔は見えない。 だが、眷獣を召喚しているのだ。 ローブの中は吸血鬼だ。 朱音は聞いた事があった。――――『異能狩り』。 この集団は、特殊な体質の持ち主を殲滅する集団だ。 天剣一族は、吸血鬼では有り得ないとされる神々の眷獣を内に宿すのだ。 誰の目から見ても、天剣一族は特殊なのだ。
「(でも、どうやってここを突き止めたの? もしかして、しらみ潰しに探してた?)」
そう、『異能狩り』は特殊体質の持ち主を感知できる力を持つのだ。
朱音の考えが的を得ていた。
町の人々も眷属を召喚して戦闘をするが、多勢に無勢だ。 眷獣の質が高かろうと、数で押し切っているのだ。――――悠斗と朱音の目には、一族の者が殺されていく光景が広がっているのだ。
その時、二人の影が飛び込んで来た。 悠斗と朱音の両親だ。 体の所々には、殺傷もちらほらと窺えた。 あの乱戦を潜り抜けてきたのだ。
「無事か? 二人とも」
「取り敢えず、遠くへ逃げるわよ」
悠斗たちは走り出した。
今逃げなくては、全員殺されてしまう。 他者を助ける余裕までなかったのだ。 だが、『異能狩り』も簡単には逃がしてくれない。
「朱音。 悠斗を連れて逃げるんだ」
「ここは任せなさい」
急に足を止めた、優白と龍夜がそう言った。 そう、悠斗と朱音を逃がす為、優白と龍夜はここで死を選んだのだ。
「ダメ! 一緒に逃げるんだよ!」
朱音が声を上げたが、龍夜と優白は頭を振るだけだ。
「いや、ここでお別れだ」
「朱音、悠斗を守るのよ。 約束して」
朱音は、先程と同じ言葉を口にしようとしたがそれを飲み込んだ。
すでに、『異能狩り』が目視できる距離まで来てるのだ。
「……約束するよ」
朱音は、涙を流しながら頷いた。
「いい、悠斗。 朱音の言葉を守るのよ」
「悠斗、お前は立派な男になる。 絶対に死ぬな、諦めるな」
悠斗は幼くても、頭は回る方だ。 すぐに状況を判断し理解した。 悠斗は、涙で顔を歪めた。
「……わかった」
これが、両親との最後の会話になったのだ。
朱音は目許に溜まった涙を拭い、悠斗の手を引いて走り出した。 龍夜と優白は敵を見据えた。 そして、左手を突き出す。
「――顕現せよ、青龍!」
「――
龍夜の隣に青き龍が、優白の隣には純白の虎が召喚された。
二人は頷き合うと、敵集団の突撃を開始した。 龍夜と優白の最後の戦闘が始まったのだ。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
悠斗と朱音は、涙を拭いながら走る。 その時、朱音の体に何かが入った感覚があった。 これは両親の温かさに似ていた。 そう、両親の眷獣だ。 龍夜と優白は、自身が絶命したら、眷獣の権限が移るようにしたのだ。
「……父さん、母さん」
「……姉ちゃん、もしかして……」
「……泣いたらダメよ。 父さんと母さんの約束を守るの」
だが、この場には隠れる場所がないのだ。
奴らが追跡を続けてるとしたら、見つかるのも時間の問題だ。 だがそれはやってくる――。
朱音は、後方を振り返った。 奴らが追ってきてるのだ。 朱音は、悠斗の手を引いた。
「いい、悠斗。 ここから動いちゃダメよ」
「……え」
同時に、朱音の言葉が響く。
「――
悠斗は、四方の結界に包まれた。 朱音は、結界の前に立つ。
朱音が考えた事は、ここで敵を殲滅させる事だ。 敵の残りも三分の一だ。 両親が三分の二を削ったのだ。
「――おいで、朱雀、青龍、白虎!」
朱音が再び言葉を紡ぐと、朱雀は飛び朱音と融合した。――これにより、二対四枚の紅蓮の翼が朱音の背から出現する。 本来なら神々の力も付与されるはずだが、朱音にはそこまで力量はなかった。 なので、守護のみの向上だけだ。
本来なら、融合はせずに使役したいが、生身の状態で攻撃を受けると一撃で絶命する気険があるのだ。
「もしかしたら、わたしもここまでかもね」
そう言って、朱音は苦笑した。
ただ死ぬつもりはない。 『異能狩り』を全滅させてからだ。 だが、死を免れる事は不可能かもしれない。 三体の眷獣同時使役は、体力と精神力をかなり削るのだ。
朱音は息を吐いた。
「――
青龍の凶悪な口からは雷球が放たれ、白虎からは空気の砲弾が放たれた。
かなりの数は絶命させたと思ったが、直撃した者だけしか倒せなかった。 そう、死人のように蘇るのだ。
「……これが、父さんと母さんが負けた理由……」
其れからは死闘だった。 朱音は攻撃を掻い潜り、守護の焔で浄化させたり、青龍の雷で奴らを消し飛ばす。 白虎に突撃させ、爪で切り裂く。
同じ事を何時間繰り返したか解らなかった。 だが、徐々に敵の数が減っているのは確かだった。
「はあ……はあ……はあ」
荒い息を吐きながら、朱音は相手を見据えた。
敵の数は残り5人ほど。 だが、自身の体力、精神力は限界で、眷獣が今にも消えそうだ。 命を犠牲に攻撃できても、後1回だけ。
この1撃で決めるしかない。
「――雷……球!」
青龍が放った雷球が、直撃し残りを消し飛ばした。 朱音は、全ての『異能狩り』を倒したのだ。
それと同時に、悠斗を囲んでいた結界が解けた。 悠斗は朱音の元へ走り出した。
「ね、姉ちゃん。 死なないよね?」
「……ごめんね。 お姉ちゃん、限界かも」
朱音の眷獣は、徐々に消えかかっている。 これが命の残量と見て間違えなかった。
「……だ、ダメだ! お、俺、姉ちゃんがいないと!」
「……いい、悠斗。……これから辛い事がきっとあると思う。……でも、悠斗なら大丈夫……。 何て言ったって、わたしの弟だもの……。 それから、ゴメンね」
そう言って、朱音は悠斗の頭に手を置いた。
そう、肉親に関する事は封じるのだ。 今の悠斗は、この重圧に押し潰されてしまうからだ。
「……悠斗、あなたに封印を施したわ。……数時間後には、わたしたち家族に関する事は記憶の奥底に封じ込められる。……でも、わたしたち家族はずっと一緒よ……」
朱音は、ゆっくり目を閉じていく。
命の灯が消えかかっているのだ。 そして、――全身の力が完全に抜けた。 神代朱音は、神代悠斗を守りこの世を去ったのだ。 悠斗は、大好きな姉を抱え込むようにし、涙を流し顔を歪めた。
その時、悠斗の体に温かなものが入って来た。 これは家族の温かみだ。
最後に、一族から託された
又しても足音が、再び『異能狩り』が駆け付けたのだ。 おそらく、絶命する間際に仲間を呼んだのだろう。 だが、これが最後の部隊だ。 悠斗は、ゆっくり朱音を横にし、立ち上がった。
「…………塵にしてやる」
皮肉と言うべきか、この状況で悠斗の力が覚醒したのだ。
「……降臨せよ、黄龍、麒麟、朱雀、青龍、白虎、玄武……」
悠斗は、手持ちの眷獣を全て召喚させた。
ここからは、まさに蹂躙と呼ぶものだった。――――敵は躊躇なく殺す。 慈悲を与えるなどはもっての他だった。 死が確認できない場合は、そこから被せるように攻撃を下す。 悠斗の服は、返り血で深紅に染まっていた。
だが、悠斗の怒りは収まらず、攻撃を繰り返した。 砂煙が晴れ周りを見渡すと、地面はクレーター、遠くの山が抉れていた。 そう、辺り一面焦土と化した。
悠斗はこの日に、大切な人たちを失ったのだ――。
悠斗君の過去を書いてみました。ええ、『異能狩り』は完全に消えましたね。つーか、最後のはオーバーキルだね(笑)
被害はもっと凄まじいはず。まあ凄いんです……。まあ、まだ完全に制御出来てない部分もあるんですが。
悠斗君の眷獣は、肉親に託された奴らだったんです!てか、悠斗君には姉がいたんす。
戦闘諸々は、え、ちょ。ってあったらごめんなさいm(__)m
まああれです。ご都合主義なのです。何て便利な言葉だ(笑)
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