てか戦闘を描写するのって、難しいですね(-_-;)
戦闘で、おい、マジか。的な点が出てきてもご容赦を。
背に乗っているのは、騎士鎧を身に着けた安座真。 もう一体の
「……悠君」
「……ああ、解ってる」
悠斗と凪沙は眉を寄せた。
「……古城。 あの男女は、俺と凪沙に任せろ」
凪沙も、こっちは何とかするね。と言って、にっこりと笑った。
「……ああ、了解した」
そう言って古城は頷き、悠斗と凪沙は歩き出した。
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凪沙と少女は、僅かに距離を取り対面していた。
「私は、
夜光美月は、ある土地で彼と出会い、吸血鬼の集団から命を助けてもらってから行動を共にしたということだ。
美月の両親は、美月を護りこの世を去った――。
――閑話休題。
美月は、ほぼ悠斗と同じ境遇なので、悠斗の気持ちが痛い程解った。という事にも繋がる。
そして凪沙が、どのようにして悠斗の心の傷を癒したのかも。
「えっと、私は――――」
「知ってる。 紅蓮の織天使、“血の伴侶”暁凪沙。でしょ?」
凪沙は目を丸くし 美月は苦笑した。
「同じ“
美月は彼の“血の伴侶”。
そして美月も、凪沙たちと同じく彼の魔力が循環し、彼の眷獣が扱えるのだ。
「まあうん。 そうなのかも……。――ねぇ美月ちゃん。 私たち、争わないといけないのかな……?」
美月は、ごめん。と呟いた。
「……私は
「……うん、わかるよ」
凪沙も、私も信じる人の為に戦う。と呟いてから左手を突き出し、
「――おいで、朱雀!」
凪沙は言葉を続ける。
「――紅蓮を纏いし不死鳥よ。 我の翼となる為、我と心を一つにせよ――!」
凪沙と朱雀は融合し、背部からは、二対四枚の紅蓮の翼が出現し、瞳も朱が入り混じる。
美月は、なるほど。と頷いた。
「それが、凪沙の守護……か」
美月も言葉を紡ぐ。
「全てを食らい尽くす、漆黒の大蛇よ。 我を守護し、我の声に応え降臨せよ!――
美月が傍らに召喚したのは、八つの頭と八本の尾を持った巨大な蛇だ。
見るからに凶悪な蛇は、うねうねと動いて、今にも凪沙に襲いかかりそうだ。 守護なしで戦闘になった場合、一撃食らえばお陀仏だ。
凪沙は、
「――おいで、青龍!」
凪沙の傍らに召喚されたのは、稲妻を纏う青き龍だ。
真祖の倍の力を持つ青龍ならば、
「――いくよ、凪沙」
「――うん、いつでも。 美月ちゃん」
そして、漆黒の大蛇と、青き龍が衝突し爆炎を撒き散らした――。
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「ほう。 貴様から来てくれるとな」
彼は、
それから――、
「お前のそれ、神力だよな? 」
悠斗は、疑問に思っている事を聞いた。
神力は、天剣一族に受け継がれている力なのだ。 一族では見かけなかった奴が、神力を持っているのは余りにも不自然すぎた。
「オレの力は
悠斗は、ああ。と頷いた
蓮夜はこう言ってるのだ。――異能狩りの者、人間の母が混じり合い、生まれた子供だと。
蓮夜の母は、彼を生んですぐに他界。
父は、蓮夜の生い立ちを知った者たちが、蓮夜をどうするか容易に想像がついた為族から抜けようとするが、異能狩りは真祖たちに目をつけられている一族。 族を抜けるのはどう見ても自殺行為だ。 また、蓮夜を護りながら旅に出る。 この案も論外だ。
ならば、一族に戻っても、蓮夜を護ればいい。というのが父の出した結論だった。
「常に父と、父の眷獣がオレを護ってくれていたが――綿密に計画を立てられ、それが実行されたとなれば、力ある父も多勢に無勢。――裏切り者として殺されたよ。 オレを護ってな……」
天剣一族襲撃の前日、前祝いというように蓮夜の父は一族の者に殺された。
そして蓮夜は、隠し扉の中に押し込められる形になったのだ。 そこには、数日暮らせる非常食も揃っていた。 おそらく蓮夜の父は、既にここまで見越していたのかも知れない。
この事柄を聞いた悠斗は、蓮夜の力に合点がいった。 そして、もしも。という事も考えられる――、
「……話は解ったが、生き残りであるお前が、俺に
「勘違いするな。 オレは族の中で、疎外されてた身だ。 復讐なんて微塵も思ってない」
「なら、お前はあの日――」
悠斗が言う『あの日』とは、異能狩りが、天剣一族を襲撃した日。――悠斗が全てを失くした日だ。
蓮夜は頷き、
「お前の想像通り、村に放置されたままだ。 ま、そのお陰でオレは助かったんだけどな」
「……そうか。 なら、なぜ戦う必要がある?」
「まあ、自衛隊に傭兵として雇われてる。 そして、父の形見を自衛隊が
父の形見というものなのだ。
蓮夜の父の遺言や遺産の鍵。という事が考えられた。
「まだ、取り返す算段がつかないんだよ。 だからまあ、殺し合いをするしかないんだ。……恨みはないが、死んでくれ」
「俺は、凪沙を残して死ぬわけにはいかねぇんだよ」
蓮夜と悠斗は同時に地を蹴り、魔力を纏った、蓮夜の突き出した右拳と、悠斗の左拳が衝突した。
拳が衝突し、押し負け後方に吹き飛ばされたのは――――
後方に飛ばされた悠斗の体は、壁に叩きつけられ砂煙を巻き起こす。
「……無傷とまではいかないか」
蓮夜の右拳は、皮膚が裂け、血が滴り落ちていた。
悠斗は砕けた岩を撒き散らし、前方に加速し右回し蹴りを放つが、蓮夜の右腕によって防御されてしまう。 そして悠斗は、内心取り乱していた。
「(……こいつ、直前にフェイントかけたのに防御しやがった。 つか、魔力を纏った蹴りだぞ……!?)」
悠斗が蓮夜を見やると、涼しい顔で防御してるようにも見えた。
悠斗はこの短い攻防だけで悟ってしまった。――――今の力量を比べると、蓮夜の方が一枚上手だという事に。
そして、
「内に眠りし妖鳥よ、今こそ我と一つになり力を与えたまえ。――
悠斗は、
そして悠斗は、守護を攻撃に回す。 所謂、ドーピングだ。
「……成程。 守護の融合を攻撃に回し、オレと同じ土俵に立ったか。 良い判断力だな。――が、無理やり力量を上げるとなると、そう長くは持たないだろうな」
「……お気遣いどーも」
悠斗と蓮夜は、同時に左手を突き出す。
「
「降臨せよ――黄龍!」
蓮夜が傍らに召喚したのは、蛇のような神龍だ。 そして悠斗も、黄金の龍を傍らに召喚させる。
「――
悠斗がそう言うと、黄龍が凶悪な口から黄金の渦を放つが、
「ふん、甘い!」
黄金の渦は、
そして――、
「お前の技だ。
「――なッ!?」
悠斗は驚愕した。
技そのものを吸収し、自身のものにするなど聞いた事がない。
しかも、黄龍の力に、
だが、悠斗は平静を保つ。 焦っては、相手の思う壺だ。
「――
悠斗の目前に出現した
その証拠に、悠斗は片膝を地に落とす。
「(……クソ、上限ギリギリって所か……。 つか、体に負担がデカすぎる……)」
この為、この戦闘で
悠斗は立ち上がり、黄龍と同等な眷獣を召喚させる。
「――降臨せよ、麒麟!」
悠斗の正面に召喚されたのは、一本の角に白い鬣、体の背部の衣は白色であり、その他は、黄金の衣を纏った神獣だ。
「麒麟か。――神代悠斗の中に眠るもう一体の眷獣」
「……どんだけ俺のこと調べてんだよ。 ストーカーかよ、お前」
蓮夜は、心外だ。という顔をした。
「失敬な。 敵となる奴の情報を調べるのは当然の事だ」
と、その時――、
「悠君」
離れた所で戦闘をしていた凪沙が、青龍と共に悠斗の隣に立った。
おそらく、個々の力では敵わないと思い、悠斗と合流したのだろう。 その証拠に、凪沙が身に纏っている巫女装束はボロボロだ。
対して美月は、肩越しの衣服に亀裂が入っているだけだ。
「……美月ちゃんは、
美月は、凪沙の行動を完全に読んでおり、ほぼ全ての攻撃が効かない。 剣巫の未来視ではないかと疑う程だ。
「……ああ。 それはこっちも同じだ。 八神蓮夜は、おそらく俺の
今は、
状況から見て、麒麟の攻撃も無力化させると見ていい。
「……
「……わかった。 でも、上手くいくかな?」
「……大丈夫だろ。…………まあ、確証はないんだが」
「……悠君。 今のポイント低いよ」
ともあれ、悠斗と凪沙は並び立ち、片手を掲げる。
そして、奴を呼び出す言葉を紡ぐ。
「――我の内に眠りし者よ」
「――今こそ汝の力を解放する」
「――
「――我らの声に応えたまえ」
悠斗と凪沙は、最後の言葉を紡ぐ。
「――降臨せよ、
「――おいで、
天を割って顕現した龍は、長い緑色の髭を生やし、凶悪な歯が並び、その頭部には鋭い角が二本。 中央部には手と足が鉤爪となって生え、表面を緑色が基調としており、その裏側は肌色に近い。 眼光は真紅に輝いている。
「……それがお前ら神龍か……」
「……これは、凄いね……」
蓮夜、美月が感嘆な声を上げる。
「お前らにコイツは止められるか?」
「……現状では厳しいだろうな。 追撃として、麒麟、青龍の攻撃もあるんだろ?」
悠斗は、ああ。と頷く。
「蓮夜君、美月ちゃん。 ここは引いて欲しいかな。 無闇に血は流したくないから」
「……蓮夜君。 ここは一時退こう。
「……ああ、わかった。 今日の所は退いてやる。 次こそは必ず殺す」
だが、蓮夜と美月は、悠斗と凪沙を殺そうとしてるのか微妙な所だ。
また、捨て台詞を残して、蓮夜と美月は
――それを見送ってから、悠斗と凪沙は脱力したのだった。
悠斗君と凪沙ちゃんの宿敵の登場ですね。てか、蓮夜君と美月ちゃん、悠斗君たちより強いとか、チートですね(笑)
まあ、悠斗君たちも元よりチートなんですが……。
ではでは、次回もよろしくです!!
追記。
悠斗君の麒麟召喚は、技を相殺させるその場凌ぎの召喚ですね。
ちなみに、蓮夜君の親父さんは、族の中ではかなりまともな人です。具体的には、争いを好かない人。って所でしょうか。