「どうなってんですかね・・・これ」
「さあ・・・私も訳わかんないんだよねえ」
俺、土田芳野は7月23日の夏休み初日、高橋陽菜と喫茶店で待ち合わせをしていた。約束の1時間近く早く集合場所に来ていた俺は、約束の40分くらい早くやってきた高橋の声に気づき、高橋のほうを振り向く。するといきなり景色が変わった。というより気づくとここにいた。まばたきをした一瞬の出来事だ。
ここは市内の大型ショッピングセンター「キャンプベレー」。大型というだけあって、電化製品や書店、さらに映画館やB級フード店などかなり充実している。俺と高橋は電化製品の並ぶ店内にいた。
休日の昼間なのに、俺たち二人を除いて誰1人いない。店員もいない。どう考えてもおかしい。まあ何よりも俺たちは一瞬でここにテレポートしたことに驚くべきだろうが、あまり実感がわかない。
俺は涙声で言う。
「誰もいないね・・・」
「うん・・・」
高橋は頷く。続けて
「駅からここまで車でも5分はかかるよね?」と俺に確認をとる。
俺は返事もせず、
「高橋さんさ」
「陽菜でいいよ、なに?」
初めて話して2日目の女性を名前で呼ぶのは気がひけるな~と思いつつ、俺は続ける。
「陽菜さんさ、今の状況どうおもう?」
高橋は、「う~ん・・・・・・・・・・・・・」と唸るように考えると「おったまげ?」と答えた。
「いやそれは俺も同じだよ?だからそういうことじゃなくてですね?」
「あ~言わなくてもわかる。大体私もおんなじ気持ちだろうから」
たしかに今現在のこの奇奇怪怪な状況を理解できる奴がいればどうかしているのだろう。
「まあそりゃそうだよな、俺も訳分かんねえもん」と俺は納得する。(いや、この状況には1ミリたりとも納得していないのだが)
俺は
「でもどうするよ?ホント」
「どうするって何が?」
「だからこれからどうするかってことだよ」
高橋は「あ~」と返事をすると
「まずは情報収集かな~?あおいがどうなってるのかも知りたいしね~」
と答えた。
「情報収集っていわれてもな~」と俺。
「とりあえず今は駅に行こうよ。家まで帰りたいし、あおいが待ってるかも知れないしね~」
たしかに佐藤が駅にいるのなら、今すぐ向かうべきだろう。
「今はそれしかないか」
「それに~、今の時点で分かることもあるにはあるよ?2つくらい」
高橋はドヤ顔で言った。
「まじで?教えてよ!」
「まずひと~つ!!」と高橋が元気に一指し指を前に突き出し、
「どうして私たちがこんな破目にあってるのかわからないってこと」と、まず1つ目の『分かること』を答えた。
「それってわかってないよね?」と俺が突っ込む。
「ノンノンノン」と突き出したままの指を振ると、「まだおわりじゃないよ~」と続ける。
「そしてふたつめは~ここにいきなり移動した理由が分かっていないこと!」
高橋はピースしながらポーズをとる。
そして俺がすかさず
「自身たっぷりに言うな!やっぱ何もわかってねえじゃねえかよ!!!」と再度突っ込む。
「いやいやぁ~」と高橋は呆れた素振りをみせながら
「分からないってことが分かってるだけでも情報収集にはものすごく有利になるんだけどな~・・・偉人の名言は大事にすべきだよ」
「無知の知ってやつか」
「おお、よく知ってるね~」
「でも情報収集はどうすんだよ」
「まあ基本は歩いてしらみつぶし?それにあおいと合流できたらここには用事ないし」
「じゃあそのあおい・・・佐藤に連絡すればいいんじゃないのか?」
「そうする~」
陽菜は携帯電話をとりだした。
「ねえ、」
「なんだ?」
「電波ある?」
「携帯か?」
「うん」
俺は携帯を取り出し、電波の確認をする。
「あれ?俺も圏外だ」
「キャンプベレーって店内全部圏内のはずなのに」
「店側が意図的に回線を切ったとか?」
「どうなんだろうね~?」
「外出たら繋がるんじゃないか?ここだけ圏外ってことかも知れないし」
「ま、何もしないんじゃ状況変わんないよね」
「とりあえずここでるか」
「そだね~」
俺と陽菜は外に出ることにした。
俺と高橋は現在駅まで歩いている。
俺たちがいま歩いてる道はパン屋やコロッケや、電気屋や本屋等が多く並ぶ区画だ。いわゆる商店街と言われるものだ。休日であればカップルや学生、家族ずれがたくさんいるのだが、さっき俺たちがテレポートしてから誰1人見かけない。
しばらく歩いていると、商店街の道のど真ん中に学校の机が置いてあった。
「高橋君。あれ・・・」
「ああ、なんかすげえこれ見よがしに不自然なところに机が置いてあるな」
「でも・・・ほら、ダルマさんが置いてあるよ」
「片目だけ目が書いてない」
「選挙に落ちたのかな~」
ダルマの下にはA4の用紙が置いてある。ダルマが文鎮として置かれてあるが。俺はその用紙を手に取る。
「これなんかの地図みたいだな。建宮小学校って書いてあるぞ」
「お~懐かしいねえその名前」
「知ってるのか?」
「ちょっと昔ね~」
「あれ?でもお前って小中俺と同じだよな?」
「そうだね~」
「なんでこの小学校のこと知ってるんだ?」
「ちょっと友達がね・・・いたんだよね」
何かあったのか?とは聞かなかった。その時の高橋の顔は少し寂しそうだったから。
「と、とりあえず、佐藤に会いに行こう。むこうもこっちを心配してるだろう」
高橋は「うん」と返事した。・・・・・・笑顔だった。
「いのり!こっちは誰もいない」
私は声を荒げる。
「これ何かのドッキリかな~?」
といのりは答える。
「こんなドッキリありえないって!」
いのりは相変わらずのマイペースで「まあ…そうだよね・・・」としょんぼりする。
「本当、意味わかんない」
いのりが
「どうする?」と私に聞いてきた。
「どうするって何がよ?」聞き返す。
「これからのこととか・・・」
まあ、今ここでじっとしていても何も始まらないわけだが、私は提案する。
「やっぱり家帰ったほうがいいよね?あ、でも警察に連絡したほうがいいのかな?なんかわかんないど、やばいいってこれ」
いのりは携帯を取り出す。
「携帯も・・・繋がらない。警察には連絡できない」
私は苛立ち、
「なんでよ!さっきまで繋がってたのに。じゃあ誰にも連絡できないじゃない」
携帯が圏外ならば家族との連絡も出来ない。
いのりは、
「ちょっと・・・おちつこ?」と私をなだめる。続けて、
「でも・・・家に帰るのは・・・賛成。家族には・・・会っといたほうがいいと思う・・・。早めにここでたほうがいいと思う」
私は
「そうだよね」と答えた。
いのりは「ん・・・」と返事をした。
まあそもそもなぜこうなったのかというとそれは数時間前に遡ることになる。
私たちは市内にある娯楽施設にいた。1階には100円で遊べるクレーンゲーム、格闘ゲーム、さらには音げゲーといったリズムゲームもある。2階にはカラオケルームの個室が多数。3階ではビリヤード、ダーツなどもできる。
私こと赤坂美坂17歳は、同じクラスの石坂いのりと有意義な夏休みを過ごそうと今日7月21日カラオケに来ていた。
ここは市内の学生に人気がある遊びスポットで、土日祝日はカラオケの個室もほぼ満室になる。しかしうちの高校は他の学校よりも2日ほど夏休みが早い。そのため今日は他の学校の連中は授業中であるのだ。夏休みの間、市内からやってくる中高生がこない今日をチャンスと、私たちは今日来たのというのだ。
思惑どうり個室はスカスカ、というわけではなかった。私たちと同じ考えだったのか、うちの学校の生徒がかなり多く来ていた。中には3年生の先輩も来ていた。今年は受験だろうが大丈夫か?。
フリーコースで10時から18時まで歌い続けようと思ったのだが、混雑している現在は2時間待ちと言うことになった。結局わたしといのりは13時から4時間コースで歌うことにした。
「ねえ、いのり?」
「なに・・・」
「気持ちよく歌うのはいいんだけどさ」
「・・・うん」
「もっとポピュラーな歌、唄おうよ」
「だから演歌唄ってる。私たちの業界では・・・有名」
まあ、こぶしが聞いていてうまいのは事実なのだが。
「美坂も、一緒に演歌うたう?」
「いやいい」
結局いのりは演歌を歌い続けていた。
数時間後、
私が気持ちよく歌っていると、いのりが
「あれ~?」と言い出す。
私がかすれた声で
「んん?どったの?」
「もう5時過ぎなのに全然・・・連絡来ないよね?」
私が携帯を確認すると今は5時10分。もう出る時間はとっくに過ぎている。
「あれ?ここ圏外になってる」
私は電波の調子が悪いのかな?と勝手に納得する。
「とりあえずレジまでいこ?」といのり。
延長料金とか取られたら腹立つし、そもそもこれは店側の過失だろう。1時間丸っきり歌ってましたよね?延長しますと言われても納得できない。
「そうだね早くいこっか」
私はマイクをカゴの中に入れて部屋を出る。しかし、静か過ぎる。いや厳密に言えば店内には今流行の歌やらゲームの音やらでかなりうるさいくらいなのだが。人の気配が全くしない。この時間だと、近所の学生が下校ついでによくよってくるはずなのだが。それにここに来た頃にはうちの学生もたくさんいた。誰1人いないのはおかしい。レジまで来たが、店員までもどこかへいってしまったようだ。
「誰もいない?ちょっと変じゃない?」
「そうだね」
何か変だ。
「いのりは3階いってよ。私はカラオケの個室見てくる」
「ん・・・了解」
私たちは店内から消えた?人たちをさがす。
結論から言うと、店内には誰もいなかった。
私たちは店を出て、最寄の駅まで歩いて向かうことにした。
店員もいなかったので、支払いはかごの中にお金を入れて済ませておいた。裸で現金をそのまま放置というのは気が引けるがこちらの知ったことではない。そもそも誰もいないのだから金を取るものもいないだろう。
外にも誰1人いない。
「本当に誰もいないね」私は呟く。
いのりが
「かみかくし?」と言う。
「あんま怖いこと言わないでよね」
「おばけ・・・見たこと無いから・・・ちょっとドキドキ」
おそらく好奇心旺盛の小学生と同じものなのかなと理解した。私にはいのりの気持ちが微塵も理解できないのだが。
いのりはホラー映画とかゾンビ映画が好きらしいのだが、先日私がいのりの家で見せられた『黄泉喰い』という映画。内容は死者が霊体のまま甦り、次々と仲間を増やしていくというもの。なんとなくゾンビ映画の要素が入っているが、タチが悪いことに全ての霊たちが生きた人間を苦しめて貶めて殺すと言う三段構えである。
おまけにシリーズ3作品を一晩で見せられた。私は恐怖しながら見ていたわけだが、いのりは「おもしろかった!」と言っていた。
正直趣味や性格については私とは全く真逆だと思う。私にとってはいのりの感性も理解できないものなのだろう。だからこそ気が合うのかも知れないが。
私は引き気味に、
「いつも思ってたけど」
「なに?」っとキョロっとした顔でいのり。
「この状況でもあんたって図太いよね」
いのりは表情を変えずに、
「ホラーなら、喋りすぎると・・・死ぬよ?」
「ちょっと脅かさないでよ」
「・・・冗談」
いのりは笑う。
「君たち、名前はなんだ?」
それはいのりの声ではなかった。
私が独りぼっちになってから数時間後。
駅の周りをずっと走り回ったが、誰とも会わなかった。現在、佐藤あおいは先ほど高橋陽菜と買い物をした洋服店にいる。店員もいないのに電気のついている店はなんとなく気味が悪い。私は先ほど買った服を抱きかかえ、
「陽菜どこ行ったの?」と呟く。
ここには私ひとり。孤独感が私を不安にさせる。家へ帰ろうとも思ったが、電車自体が動いていない。歩いて帰ろうと思ったが、歩いて帰れる距離ではない。
「これからどうしよ・・・」と私が嘆く。
陽菜と土田くんは今何をしているのだろうか。そもそもこの世に私意外いないのではないかという錯覚さえもある。
「お~い誰かいるのか~」
男の声がした。
「誰かいるの?」
私は大声で返事をする。誰かがいるとわかっただけで安心した。
「待ってろ!今行くから」
声は駅と正反対のほうから聞こえてくる。私はその場で屈みこみ、声の主が来るまでじっとしていた。
「ここか?」声の主がやってきた。学ランを着た筋肉質の男がやってきた。
私は自分以外にも誰かがいるということに安堵し、涙を流す。
男は私と同い年くらいだろうか、そしていきなり
「話は後でする。夜になるまで時間が惜しい。早く立て!」
と私の腕をひっぱる。
「え?ちょっと痛い」
「悪い、とにかく立て、夜になると危険だ」
私は訳が分からず、
「危険って、どういうことなの?」と鼻を啜りながら質問する
「夜になるとバケモノがでる。あと2、3時間で日が暮れる」と早口で答えた。
「バケモノって・・・」
「早く来い!暗くなったら本当に危ないんだ」
男は私の質問に答えず歩き出した。
私は男に付いていく。駅とは逆方向に進んでいるみたいだ。徐々に市街地から離れ、田んぼのある区画にやってきた。私たちは30分ほど歩き続けた。
先ほどこの男と会うまで、私は駅の周りをずっと走り続けていたのだ。、陽菜や土田君を探しながら。もともと憔悴しきっていた私は、体力の限界だった。
私は
「ちょ・・・ちょっと・・・」
「ああ、わりぃな。急ぎすぎた。少し休むぞ」
私はハアハア息を切らしながら、「あなた・・・名前は?」と聞く。
「中村歩だ」
中村はそのまま歩き続ける。
「ちょっと・・・中村さん・・・休むんじゃ」
「だから遅めに歩いてるんだろう」
なんとなく無愛想な人だあと思いつつ、私はついていく。
「どうなってるんですか?駅にいたら、いきなり人が消えたんです」
「そうか・・・」
「そうかって、あのだからどうなって・・・」
「俺も分からない。でもここは多分、俺たちのいた世界とは違うかもしれない」
「はあ?何言ってるんですか?」
「同じことを2回言わなくちゃならないのか?」
中村は吐き捨てる。続けて
「目の前からいきなり人が消えるなんてこと現実じゃ起こりえないだろう」
たしかにいきなり人が消えるなんて、普通はない。
「・・・・・・」
「今日は何月何日だ」
「7月23日ですけど」
「・・・・・・」
中村は返事をしない。私が、
「それがどうしたんですか?」
と聞く。
中村は、「なんでもない」と答え、「他にも数人、ここに迷い込んだやつらがいる。お前にはそいつらに会ってもらう」と溜息混じりに言った。
「あなた以外にもまだ人がいるんですね?」と私が質問する。
「ああ。建宮小学校を拠点にしてる。そこに俺の仲間がいる」
「拠点って?」
中村は、「う~ん・・・作戦本部みたいなもんだが」
「じゃあ小学校にいけばいなくなった人たちもいるんですか?」
「そういうことじゃない。そこには俺たち数人しかいない」
「じゃあ、学校にはあなたの仲間しかいないことですね?」
「そういうことだ」
「・・・・・・」
「心配するな。俺を含め全員高校生だ」
「不法侵入してるんですか?」
「生きるためだ」
「・・・?」
「バケモノがでるから。夜には体を休める場所が必要だろう」
「バケモノって、何言ってるんですか?さっきもいってましたよね?」
中村は、ため息混じりに
「現に、俺は3週間ここにいるが、毎晩バケモノが出てきている」
「3週間って、あなたは3週間前からこの状況にあったってことですか?」
「そうだ」
「私の目の前から人が消えたのはつい先です。それだとあなたの言ってることは矛盾しています」
「そうだな。俺の言っていることに矛盾があるのは認めよう。とにかく今現在、お前に何を言っても信じないだろう。とにかく学校まで来い。あいつらが出てくる前に」
「あいつら・・・」
「だからバケモノだよ」
中村はこっちを見た。妙に低い声が、なんとなく現実味を帯びている気がして気味悪かった。
「なんなのよ、もう・・・」
「無理強いはしない。嫌ならこなくてもいい。この街でずっと独りになるが」
「・・・・・・」
私は何も言わず中村についていく。
小学校はわりと新しかった。駅からは歩いて1時間と言ったところか。
私は中村に
「ここに、あなたのお仲間さんがいるの?」と聞く。
「ああ、とりあえずお前にはに新井あってもらう」と答えた。
「新井って?」
「俺たちのリーダーってことになってる。とりあえず、男の俺が話すより、女同士で話したほうがいいだろう」
中村はそう言って、「ついてこい」と言った。
「どこの教室にいくの?」
「6年2組だ」
6年2組の教室は最上階の隅っこに位置していた。中村は「中に入れ」と言うとどこかへ行ってしまった。私はドアを開ける。部屋は小奇麗にしてあった。机と椅子、教卓はすべて出されているようだ。中には、高級そうなソファーに座った女がいた。髪が長いのが特徴だ。カワイイ。
「客か」
「・・・・・・」
「お前、名前は?」と女が聞いてくる。
「佐藤あおいといいます」
「敬語じゃなくてもいい。私は新井最愛。新しい井戸に最も愛するでさいあいと読む」
珍しい名前だなと思った。
「さっき中村さんから意味不明なことを言われました」
新井は笑いながら
「歩のことは許してやってくれ。無愛想だがあれで結構気が利くやつなんだ」
歩とは先ほど私を案内した中村のことだったか。名前歩だったっけ?
「まあ結論からすると歩が言っていることは本当だよ」
新井は、まああいつが君に何と言ったかは分からないが、と付け加えた。
私は苛立ちながら
「あなたも私を騙しているんですか?」
新井はハハハハと笑う。
「お前の言いたいことも分かるが、夜になるまでここでじっとしてろ。夜は危険だからな」
私は立ったまま、彼女と視線を合わせる。
彼女と私は視線を合わせ続ける。
しかし私が先に視線を逸らしてしまった。
(くそ、負けた・・・。)
彼女は「フフフ・・・」と笑い、
「どうしたんだ?立ちっぱなしでは疲れるだろう。夜まではまだ時間がある。そこに腰をかけて、私の話を聞いてくれるとうれしい。聞きたいことがあるのなら私に質問するといい」
しかしこの新井最愛と言う少女(カワイイから少女にしよう)。なんか偉そう。
私はソファに腰をかける。
「質問はあるのか?」
私は頷く。
「じゃあ、あなたの年齢を教えてください」
「?」
少女は意外そうな顔をした。
「どうしたんですか?」
「いや、最初の質問がこちらの素性からとはな。少々意外に思っただけだ。わたしの年齢だな。17歳だ。お前の年齢も聞こうか」
「あなたと同級生だとおもいます」
少女は
「お前が高校2年生なら私と同級生と言うことになるな」
少女は続けて聞いてくる。
「まだあるだろう?」
私は質問する。
「じゃあ、この部屋のものってどうしたんですか?そのソファとか」
「男どもにここまで運んでもらった。校長室から拝借したものだ」
「勝手に動かしていいんですか?」
「そもそも注意する人間がいないのでな」
少女は相変わらずニヤニヤ笑いながら、
「さあ、質問を受けようか」
「それでは」と私は続けて
「私の目の前で人が消えました」
「後でまとめて話そう」
「私の友達も一緒に消えました」
「後でまとめて話そう」
「私の友達はどうなったんですか?」
「後でまとめて話そう」
「さっき中村さんからはバケモノがでると言われました」
「後でまとめて話そう」
「夜は危ないとも言われました」
「後でまとめて話そう」
「あなたもついさっき、夜は危ないといってましたよね」
「後でまとめて話そう」
「ここにはあなたたち意外にも他にいるんですよね」
「後でまとめて話そう」
「そもそも一体何がおこってるんですか」
「・・・・・・・・・」
長い沈黙。
「お前が私から聞きたいことはこの世界についてだろう。ならばその質問に答えるにはある条件を吞んでもらう必要がある」
「条件って、なんですか?」
少女は相変わらずの笑顔。
「なに、身構えることは無い。ただ私の話す迷信を信じろ」
「信じろって」
「それくらい突拍子のないことを話すと言うことだ。完全に信じ切れないというのなら、そういうものだと仮定して聞いてくれ」
「仮定・・・」
「まずは、私のことから話そうか」