UP TO YOU   作:ふぁんたぴるら

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第一節になります。

入部と紅白戦です。


インターハイ東京東支部予選
第一節~THAT'S WHERE THE STORY BIGINS~


 

春の暖かい風が吹く今日この頃。

 

東京都修際高校では入学式を終えた次の日、朝から部活動の勧誘が行われていた。

 

 

 

「はーいこちら男子バスケットボール部!ん?そこの子!可愛いね!マネージャー志望?あれ?おーいまってよー。」

 

「先輩違いますよ!あれは男の子です!ブレザー見てください!」

 

 

まったく誰にむかっているんだろうか?

 

「えっそんなことないって。おーい君。君だよ!」

 

指までさされた。心外だ。初日から早くも間違えられた。

 

 

…違う。僕は男の子だ。…はぁだからここの高校は入学を躊躇ったんだよ。ブレザーだから。学ランだったら間違えられることなんてなかったはずなのに。

 

そんな僕はバスケ部ではなくサッカー部のブースを探していた。

 

っと。ここで自己紹介。

 

僕は岬 日向。

 

サッカー推薦でこの修際高校に入学した。

 

ほんとはユースでサッカーしたかったんだけど残念ながら上がれなくてね…

 

まぁこっちのほうがユースよりやりがいを感じることができそうだ。世間に脚光を浴びるのはユースより高校サッカーだしね。

 

そう。それと理由はもうひとつある。

 

黄金世代の再来と言われるNEW GOLDEN AGEの面々がユースを蹴って全員高校サッカーを選んだらしい。

 

そいつらともやってみたいしね。

 

そして僕の高校での目標はそのNEW GOLDEN AGEを倒して高校サッカー選手権で日本一になること!

 

あと僕はちゃんと男だ。

 

そうしているうちにサッカー部のブースを発見した。

 

「すみません」

 

そこに座っていた男の先輩に声をかけてみる。

 

にしても大きいな。190cmはあるだろうか。

 

「おおっ。入部希望者か?入部希望者はこの紙に出身中学と名前とポジションと前所属チームを書いてくれ。」

 

あれ?推薦入学生にも書かせるのかな?顔パスかとおもったけどそうでもないようだ。まぁ推薦で入った8人の名簿と後で照らし合わせるのだろう。

 

「あっ。すまんすまん。その顔は。…こっちだな。」

 

やつぱり。推薦で入った人には1人ごとに決まった紙があるのだろう。

 

「マネージャー志望者はこっちの紙だったっけ。ここに出身中学と名前だけ書いてってくれ。」

 

 

……違う。

 

初日から泣きそうだ涙がでてきた。

 

「えっ!ちょっとまてまてなぜ泣く。オレなんかしたかぁ?」

 

性別を間違えていることを指摘しようとしたところで金髪のイケメンの先輩と少し小さめの先輩が立ち上がった。

 

「あ~。魚庭先輩女の子泣かせたー。いーけないだいけないだ!」

 

「おいおい龍儀。初日から女の子泣かせてどうする。ちゃんと謝れ。ほーら怖かったねー。でも僕が来たからもう安心だよ!」

 

「だまれ!勇芯はそのキザキャラウザイからやめて。あと公太は放課後部活のときグラウンド20週な。」

 

「」

 

フォローに回った2人の先輩もろとも張ったおしたい衝動に刈られながらも間違いを指摘しようとしたところで恰幅のいい白髪の人が歩いてきた。

あれは…。

 

「「「監督!おはよーございまーす!」」」

 

そう。修際高校サッカー部監督の花風先生だ。

 

花風先生には推薦者を絞るスポーツテストと面接の時にお世話になったから覚えていたのだ。

 

「おはようございます。魚庭君。沖合君。そして波乃君。それより部活動の勧誘ですか?ご苦労様です。それより先程こちらが騒がしかったのですがなにかあったのでしょうか?」

 

「しゅうちゃん聞いてくださいよー。魚庭先輩が女の子泣かせたんですよ~。」

 

おい金髪コラ。あとで覚えてやがれよ。

 

「おやおや魚庭君あなたは元々大きいのですから初対面の人には特に優しくしなければ行けませんよ。それと波乃君。その呼び方はやめろと常々言っているはずですが…。放課後グラウンド10週です。」

 

「ええーっ!マジスか!」

 

よし。あの先輩は放課後30週が決定した。

 

「ん?こちらは推薦入学者の岬君ですね。女の子ではありませんよ。」

 

さすが監督。わかっていますね。

 

「はい。そうなんです。僕は男です。入部希望をしに来たらドアホで下劣で***で◎★◎★◎◆◆●□◇な先輩方に女の子と間違えられました。」

 

「それはそれは。災難だったでしょう。しかし残念ながらあなたも入部初日からグラウンド30週ですよ。」

 

しまった。ついたまっていた鬱憤が。

 

 

 

 

 

 

 

それから入学オリエンテーションを終えて、ついに部活動にうつる。

 

 

 

ふーーー中学の時はジュニアユースだったから何気初部活だしな。緊張するなー。

 

そんなことを考えながら先輩やマネージャーに雑務を教わっていると、監督の笛がなり集合の号令がかかった。

 

「集合!」続けて魚庭先輩も叫ぶ。

 

『ウェイ!』

 

すると、物凄いスピードで監督のもとに一人の先輩がかけよった。

 

あの人は確か入学式の部活動紹介の時に魚庭先輩がスピーチをしている真後ろで踊って注目を浴びていた人だ。

 

「砂地君は集合がいつも早くて素晴らしいですね。」

 

「はいっ!当たり前です!」

 

「ですが今日で連続集合一位記録は終了です。」

 

「そんな!一体誰がオレより早く集合できたっていうんですか?」

 

「彼ですよ。」

 

そこには体育着でたつ男の姿があった。

 

「はいっ!今日からサッカー部に入る海矢です。ポジションはサイドバック。得意なプレーはフリーランです!よろしくお願いします!」

 

初日の難関。自己紹介をさらっとすますとは!

 

「あははは。自己紹介までしてしまいましたね。ではついでに一年生に自己紹介をしてもらいますか。」

 

「はい。港 未来です。ポジションはトップ下。得意なプレーはスルーパスです。」

 

よし。次は僕の番だ!

 

「岬 日向です。ポジションはトップ。得意なプレーはカットインとスクリーンターンです。」

 

ふー緊張した。

 

 

そして全員の自己紹介が終わった。

 

 

「はい。ありがとうござました。これからまず5月から始まるインターハイの東京都東支部予選に向けて練習をすることになります。それでそのメンバーには1年も何人か入れていきたいと考えているのでみなさん毎回の練習が選考会だと考えて望んでください。あと今週末に柿山高校との練習試合を計画しました。詳細はホワイトボードに書いてきます。いつもならここでA、B、Cチームにわかれるのですが、今日は新入生対現Aチーム&Bチームで紅白戦をしましょう。新入生の実力を一度拝見しておきたいので。」

 

よし。ここでアピールして次の練習試合からスタメンとるぞー!それに柿山といえばNEW GOLDEN AGEのストライカー。坂本リュウジが加入したところだ!ちょうどいい。絶対出場してやる。

 

「ではまずグラウンド2週と各自ストレッチをしてください。マネージャーさんはコートをマーカーで作ってください。あと波乃君と岬君は32週走ってください。」

 

「「マジで走るんですか(スか)!?」」

 

やばい。いきなりスタメンへの道のりが厳しくなった。

 

「「くそーーこーなりゃみんなの16倍のスピードで走るぜ(ッス)!」」

 

 

 

 

「おいおい。波乃はいつも通りだが一年の岬ってやつ初日から30週追加とかやばくねーか?」

 

「ああ。さっそくなんかやらかしたっ

ぽいよな。」

 

 

 

 

「はぁはぁ疲れた。あと何周ですか波乃さん。」

 

「あと28周だよ岬ちゃん」

 

「えーっまだ4周!?ってか僕男なんでちゃんづけ止めてください。」

 

そんなことをしているうちに試合が始まっている。

 

どうやら相手はガチメンバーだ。

 

魚庭さん。それに砂地さんも出ている。キーパーはあの少し小さめの勇芯って人だ。

 

対して一年は推薦で入った7人は全員出ている。(僕除く)

 

ユースの試合で見たことあるやつも2、3人いてある程度は対抗できなくもなさそうだ。

 

すると自己紹介でスルーパスが得意といっていた未来のパスがDFラインの裏に配給される。

 

膝を曲げて柔らかいタッチでインサイドから放たれたボールは、裏に走っていた味方のFWにピタリと合う。

 

「しまった!砂地!」

 

魚庭さんが叫ぶ。

 

「あいよっ!」

 

砂地さんが追いかける。

 

速い!あっというまに追い付かれてFWは体を入れられてしまう。

 

しかし。

 

「どりゃーーーー!」

 

なんとサイドバックの海矢君が全力でボールをかっさらう。こちらも素早い。

 

「なっ!」

 

砂地さんの驚きが顔に出る。しかし一対一。予想に反して一年の先制点となりそうだ。

 

「なめんなよ!一年ども!」

 

だがGKの勇芯さんが飛び出てキャッチする思いきりのいい飛び出しで海矢君はシュートが打てない。

 

「くそー。さすが名門の先輩はちがうっ!」

 

海矢君が悔しがる。

 

そんな間にもボールは相手のFWにわたっている。

 

あのツンツン頭はジュニアユースの先輩だった雲野さんだ。

 

素早いターンから独力でのドリブル突破。

 

このドリブルの強引さが仇となりユースには昇格できなかったらしいがやはり迫力あるドリブルだ。

 

DFは一歩も動けず突破を許してしまう。

 

コミュニケーションのミスからかカバーリングもおくれてあさっさり一対一になってしまう。

 

冷静にシュートを打たれ先制点を許してしまった。

 

なんとかしなければ。

 

個々の力はあるがやはり今日はじめて同じにプレーするのだから当たり前だが連携がとれていないしチームリーダーも現れそうにない。

 

 

「先輩。あと何周ですか?」

 

「自分で数えろお前!あと25周!」

 

数学は苦手だ。

 

さてこの失点の後の立ち上がりが、大量失点での敗北か善戦かを分けそうだ

 

「ドンマイドンマイ!次々!」

 

励ましの声を走りながらもかける。

 

するとまた未来がボールを持った。

 

しかしパスが読まれていたせいでカットはされなかったものの挟まれてしまう。

 

だが、

 

「おおーっ!」

 

グラウンド中から歓声が上がる。

 

2人の間をヒールリフトで抜く。

 

そこからさらにドリブルして魚庭さんとの一対一。

 

「へへっ。オレはそう簡単に抜けないぜ。」

 

「抜かれるフラグがたってますよ先輩。」

 

そういって未来はダブルタッチとシザースを織り混ぜながら近寄る。

 

だが魚庭さんもしっかり間をたもっている。

 

しかし、均衡はすぐに崩れる。

 

「おおっ!またぬきだぁ!」

 

未来が一瞬の隙をついて股を抜く。

 

本当にボールタッチが柔らかい。

 

「これだから甘いぜぇ。」

 

「んなっ!」

 

なんと魚庭さんが軸足の後ろから右足を出してボールを絡めとった。

 

またも先輩のカウンター。

 

ここで決められると点差は縮まりにくくなる。僕が出るまで踏ん張ってほしい。

 

しかし無情にもGKまでもが抜き去られてしまう。

 

そこに。

 

「うらあああー!」

 

さすがガッツマン海矢君。決死のスライディング。

 

しかし先輩はあっさりそれをかわしてゴールにボールを流し込む。

 

0-2

 

いよいよきびしくなってきた。

 

「先輩!」

 

「12!」

 

あと12周か、やばい。キツイ。

 

 

そしてキックオフからまたこちらの攻撃。

 

ん?あの2人は…杉山兄弟?

 

同じ中学の同級生で2人でサッカー部のエースをつとめていた。全国には出場していなかったものの、確かな実力者だ。

 

その2人のワンツーが決まる。うん。双子だけあって息ぴったり。

 

そしてダイレクトで中に折り返しのパス。

 

未来がそれをさらにダイレクトで落として相手をブロック。

 

走り込んできたボランチがダイレクトミドルシュート。

 

しかしボールは枠をとらえられない。

 

「ナイシュー!げほげほ」

 

やっぱ喉がきつい

 

「せんぱ…」

 

「8!」

 

と、ここで前半終了。

 

40分が終了した。

 

こっちももうかれこれ24周。

 

距離にして6km。

 

スタミナには自信がある。

 

 

 

そして15分感の休憩&作戦タイムが終わったところでこっちも走り終える。

 

両チーム共に5人ずつメンバー交代をして後半スタート。

 

相手からのキックオフ。

 

ゆっくりパスを回している内に一年生がハメ終わった。

 

パスの出しどころはない。

 

すると先輩は裏のスペースにボールを蹴る。誰も走り込んではいない。

 

なにがしたいんだ?

 

しかしその疑問はすぐに解消される。

 

一年生チームのDFが自分たちのゴールキックのときに油断してラインを乱すのだ。

 

ゴールキックがあっさりカットされととのっていないラインが抜かれる。

 

三点目か…?




今回初めて名前でた選手についてもまた紹介します。
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