「オレは…。焼村中だ。」
正直驚いた。
NEW GOLDEN AGEよりひとつ年上ってことは2、3年の時はおそらく試合に出ることはできなかったのであろう。
…紅白戦のプレーを見ればわかるけどこの人は上手い。
だが、奴等は波乃さんの何倍も何倍も上手いんだ。
それを考えると…
「燃えてきました!」
「「?」」
「あっ。いや。何でもないです。」
「そっか。…まぁいいや今週の試合は頑張ろうな二人とも!」
「「はい!」」
「じゃあオレはここで曲がるから。」
「「お疲れ様です。」」
こうして先輩とは別れた。
すると未来が話しかけてきた。
「…なぁ。オレ逹今週の試合出れんのか?」
たしかにまだユニフォームももらってないし、チームに振り分けられてもいない。
それに入部して一週間で試合に出ることは難しい。
現実味は薄い。
でも…
「大丈夫。あの人はちゃんと僕達のことをみてくれてるよ。」
あの人は今までの監督とはちがう。
そんな気がした。
「そっか。そうだな。」
「じゃあオレもここで。」
「おう!お疲れ!」
明日からまた頑張るぞー!
翌日。
「今週の練習試合の詳細と昨日の紅白戦の結果を吟味してA、B、Cチームに一旦割り振った物を掲示しておきました。今日の練習から各チームでメニューがかわってくるのでチェックしておいてください。基本は1年2年3年で割り振ってあります。Cは主に1年の1、2年混合22人、Bは主に2年で1、2、3年混合26人、Aは主に3年で1、2、3年19人です。」
朝練の筋トレが終わってから監督がそう話した。
どうやらAチームに早速一年が何人かいるらしい。
インターハイの登録人数17人を考慮してAチームは少なめなのだろう
ちなみに部員は3年20人2年24人一年23人だ。
「はい。では解散してください。HRまであと5分。急いでくださいね。」
「やっべオレ日直だったっス!」
波乃さんが全力で走る。
「波乃君。廊下は走ってはいけませんよ。罰として放課後グラウンド5周追加です。」
「ええーっ!急いでくださいねっていったじゃないっスか~!ひどいっス!」
「お前ら急げー!遅れるなよ!」
魚庭さんの言葉でみんな走り出した。
「監督!みんなもっすよね!」
「さぁ授業の準備でもしにいきますか。」
「」
修際高校サッカー部ホワイトボード。
通称[DETH BOARD]
そう呼ばれたのは数十年前
あるエース部員が高校サッカー選手権本選メンバーから戦術変更を理由に外され、そのメンバー表が張られていたこのホワイトボードを見てショックで発作を起こして生死をさ迷ったことあってから。
それからというもの誰が言い出しっぺかはわからないままだがそう呼ばれている。
…今年もこのホワイトボードを見てショックする人がいないといいが…。
僕は昼休み、未来とともに早速メンバー表を見に行くことにした。
「わりぃ。先公に捕まっちまって。」
「いいよ。じゃあ見に行こうか。」
平静を装いつつ実はすごく緊張してある。
それはきっと未来も一緒だろう。
階段を降りるとそこはサッカー部員で溢れかえっていた。
しかしそこには魚庭さんや雲野さんの姿はない。
それもそうだ、彼らは3年の推薦入学生。
少なくとも3年の推薦入学生8人はメンバー入りは確実だろう。
すごい緊張の中人混みをかき分けて表を見る。
Aー GK 1沖合 勇芯
DF 2砂地 走十
DF 3魚庭 龍儀
MF 4鴎羽 翔飛
DF 5潮川 雄大
DF 6海風 皇利
MF 7釣瀬 大気
MF 8波乃 公太 2年
FW 9雲野 陽介
MF10湖才 吉良
MF11水飼 千斗 2年
ここまでがどうやらレギュラー番号だ。
2年生はどうやら二人。
雲野さん、勇芯くん、魚庭さん、砂地さん辺りは順調にえらばれている。
しかし、よく考えるとこの中には推薦ではなくてスタメンででている人がいるということになる。
名門の修際高校でそれはすごいことだ。
…緊張しながらその下を見ていく。
GK12桜 雄真
DF13松上 昌也 2年
MF14神崎 結斗
MF15彼岸 鳴津
DF16海矢 明 1年
FW17岸 亮
FW18串埜八 二郎
MF19港 未来 1年
…なんとなくわかってはいた。
よく考えればわかることだ。
昨日の紅白戦はほとんど出れなかった。
プレーに絡んだのも数えるほど。
それにまだ1年生。
アピール不足だったのだ。
でも…、でもそれでもどこかで思ってた。
«Aには入れるんじゃないか»って。
昨日波乃さんもいってくれた。
«今週の試合頑張ろうな、二人とも»って。
これを聞いて安心していたんだろう。心のどこかで。
甘かった。
舞い上がっていた自分が嫌になる。
「…な、なぁ。岬?」
未来が口を開く。
わかってる。
慰めて励ましてくれるのだ。
向こうにとっては気まずいだろう。
だから迷惑かけないように、気を使わせないように笑顔でいよう。
そう思ってたのに。
泣けてくる。
「大丈夫だよ。未来は今週末頑張って!それに僕だってBだよ!?凄いと思わない?1年Bは6人だけだよ?」
そうしてショックにうちひしがれながら迎えた放課後。
「うぃーいす。岬!どうした?元気ねーじゃねーかよ!張った押すっスよ。」
グラウンドに出るなり波乃さんが声をかけてくる。
「そんなしょげてちゃ可愛い顔が台無しッスよ?」
「しばくぞ。茶髪」
「てか波乃さん、~ッスってときと~だぞって時があるんですけどなんでですか?」
「ああ、これは中学の時に後輩にも敬語つかってたせいで高校でも同級生や後輩に敬語つかう癖がついちまってて、まぁ去年は同級生だけだったからいいんだけど今年は後輩入ってくるしってことで~ッスは先輩だけに使おうとしたんだけどなかなか上手くいかなくてたまに同級生とか後輩と喋っているときにでちゃうんだよ。」
「なんだそりゃ。」
アハハと二人で笑い合う。
なんか元気でてきた!
「ありごとうございます先輩!」
「?まぁいいや、Bでも腐らずやれよ!インターハイのときには絶対メンバー入ってこいよ!」
そういっていってしまった。
そうか!まだインターハイ東京都予選東支部大会までは1ヵ月ある!
よーしやるぞー!
「ピッ!集合ー」
「集合!」
『ウェーイ!』
「うぉらぁぁぁぁぁー!!」
「王座奪還だゴラァぁぁ!」
相変わらず二人は凄い。
「はい。どちらも速くて素晴らしい。ですが今日は砂地君の勝ちですね。」
「やったー!ふっ。海矢!オレに前回は意表を突かれたが今日から王者はまたこのオレだ!フハハハハ!」
「くそぅ!さすがです砂地先輩!」
「さて、いいですかみなさん。いよいよ明日は柿山との試合になります。練習試合とはいえ同じ東京都のチームですからインターハイ予選でぶつかる可能性は充分あります。本気でいきますよ!そのために、Aでは今日は軽めに各ポジションの連動の確認を。B、Cではスクエアパスとコーンドリブルの基礎から三人目の動きの確認をする出して落として三人目をやってください。では各自グラウンド2周とストレッチ。どうぞ。あと波乃君は7周で。」
練習後。
「ふー疲れたぁ。おーい岬、港、帰ろうぜー!」
波乃さんから帰りのお誘い。
初日から毎日このメンバーで帰っている。
「で、どうよお二人さん。高校の練習は。」
「ぶっちゃけ軽めといっていましたがきついです。さすが高校生だけあってスピードが違う。身体能力的なスピードももちろんですけどプレーの判断スピードが速いです。」
「たしかに。Bでもそれは感じます。Bにも3年生は6人いますからスピードはある程度体感できます。」
「てか岬!お前インターハイ予選絶対ベンチ入りしろよ!今年のノルマはインターハイ東京予選ベスト8なんだからなぁ!」
「なんでベスト8なんですか?」
どうせなら優勝とかインターハイ出場とかもっと割りきればいいものを。
「インターハイ東京予選一次には、各地区予選を勝ち抜いた高校と、直近の国体に選手を輩出した高校。昨年インターハイ東京二次予選でベスト8に入った高校生の計42校がでられるんだけど、うちは去年一次で負けて今年のシードをとれなかったんだ。だからこうして5月に地域予選があんだよ。だから、来年はシードとろうって話だ。」
「なるほど。」
それは先輩たちもやけに気合いが入っている訳だ。
そうして先輩の熱い思いを聞いて今日は解散した。
そして週末。
修際に柿山を迎えて試合が始まろうとしていた。
「今日の先発は背番号1~11。システムは4-5-1で。攻撃時は近いポジションの人と自由にポジションを入れ換えて流動的に攻めてください。とりあえず新チームでの一発目です。勝ちますよ!」
『よし!』
「ピピッ整列してください。」
練習試合ということもありセレモニーは手短にすまされる。
「監督。相手のスタメンです。」
マネージャーがいち早く名前をまとめる。
凄い。こんな短時間でスタメンの名前を把握するなんて。
「あぁ。ありがとうございます。…どれどれ。……ふむ。一年生が出ていますね。」
おそらくあいつだろう。
NEW GOLDEN AGEのFW坂本 リュウジ。
名前なしっているがプレーは始めてみる。
それに坂本君だけじゃない。
ユースの先輩の楠さんがいる。
雲野さんと同級生のボランチだ。
それにベンチをよく見れば僕と同じチームで仲のよかった正視もいる。
正視とは違い僕はベンチ外。
すこし差をつけられたようで悔しい。
試合は修際のキックオフでスタート。
雲野さんが戻したボールに影がつっこむ。
坂本君だ。
「速ぇぇ!てかあいつNEW GOLDEN AGEじゃねーか?」
周囲も気づいたようだ。
「うらぁ!」
ボランチの二人はあっという間に突破されてしまう。
滑るようなドリブル。
「くそ野郎が!こい!」
魚庭先輩が構える。
「暑苦しいわ。そーいうの。」
「なんだと?」
「だーかーらーだるいわ。マジで。」
「…よし。決めた。今日は全員スピードで抜こうと思ったけど止めたわ。てめーだけ絶望の淵に追い込んでやるよ!」
坂本君はありえない速さでシザースをかける。
「なっ!」
「鈍い。反応が。目が追い付いていってないよ。まだ軽めなんだけど。」
あいつありえないくらい上手い。
センスは同年代の未来と比べることすらできない。
それくらいタッチが柔らかい。
「じゃあこんなのは…!!」
そこに後ろからトップ下の湖才さんが足をのばす。
「おっと。甘いねぇ。野暮ったいことすんじゃねーよ。」
そして二人と向き合う坂本君。
「へへぇ。ちょうどいい感じにならんでくれたなぁ。…よっと。」
坂本君がエラシコをかける。
「「しまった!」」
「しかし、二人が叫んだ頃にはボールはゴールに吸い込まれていた。」
おそらく開始から1分ちょっとしかたっていない。
キックオフをのぞけばまだ彼意外ボールを触ってすらないのだ。
これが、NEW GOLDEN AGEの実力…!
「うぇーい。ナイスシュート坂本ー!」
「次いこうぜ次!」
相手ベンチは盛り上がっている。
「まだ始まったばっかじゃないっスか!取り替えすッス!」
『おうっ!』
だが、こちらも問題無さそうだ。
「ピッ!」
仕切り直しからまた始まる。
次はカットされないよう強めの球威でパスをする。
そして波乃君にボールがわたる。
「さぁ!中学の仮は返すぜ!」
あっなんか中途半端に終わってすいません。
まだ未紹介のキャラはこれから初登場した回のこの後書きのとこに書いていきますので時間があったら戻ってみてください。いつの間にか書いてあるかもしれないので。
あっでも時間がないので明日とか明後日はまだかけないかもです。