インフィニット・ストラトス 組織の怪人達 作:ガトリングさん
━━とある秘密研究所━━
「ここか、随分閑散としてるじゃないの」
男がその研究所にたどり着いたころには、全職員の避難がなされていた。
当たり前だ、特に偽装もなされていない状態でISが突き進んできたのだから。立地上では近くにISを保有している基地は無くすぐに飛んでくることもなかった。
「とりあえず、性能を調べて見ないとな……壁殴りパンチ! 」
そういってパンチを繰り出した、壁は柔らかい豆腐の様に大穴が空きそれにつられる様に崩れ瓦礫の山となった。
「一発でもこの威力か、まるでミサイルじゃないか。お次は火器でも試してみるか」
男はそう言ってハンドガンをコールする、煌めく粒子が銃の形をとるように集まりやがて通常よりも巨大なハンドガンが現れた。
「よし、よ~く狙って……ファイア!! 」
ズカンッ
一瞬周りに光が走ったのち基地の壁に大人一人分が軽く潜れそうな穴が開いた。
「パンチほどでは無いが中々じゃないか、良い武器作るじゃねーか博士も」
他の武器も試してみようと思ったらその時、
「そこのパワードスーツ何者だ!! 名前と所属を言え! 」
その声が聞こえたときにはもう、周りには複数体の敵ISに囲まれていた。
その内の一体からの声だった。
「あー……見逃してくれよ、ただ新型の評価試験中でそこらの研究所を襲っていただけだから。インディアンウソツカナイ、俺インディアンじゃないが」
「男の声? あり得ん、大方ボイスチェンジャーか何かだろう。返答をしないのであれば攻撃する! 」
「そう思いたいなら良いんだが、生憎易々と落とされる気はない! 」
男がそういったと同時にショットガンを二つ、コールする。
ギガースが飛び上がり左右の敵ISに其々弾丸を浴びせ空中に避難する。怯んだ隙をを突いてさらに目の前の敵ISに斜め上からの飛び膝蹴りを見舞う。食らった方は地面に叩きつけられた後バウントし、研究所の壁に叩き付けられた。
「一体撃破、だ。次はどいつだ? 」
「怯むなッ撃てッ」
相手はようやく体勢を立て直したようでアサルトライフルを撃ってくる、しかし特殊な装甲に包まれているギガースにとっては心地よいシャワーにも満たない威力だった。
無慈悲にも装甲に弾かれて散らばっていく弾丸を受けながら相手に向かって一歩一歩進んでいく。
「なんて装甲だ……グレネードを使う! 」
そう言うと撃つのを止め、対IS用のグレネードを投げつける。ギガースは足元に転がった、それにも目も向けずに進んだ。
「哀れだな……」
男がつぶやいたと同時にグレネードが爆発しギガースが炎に包まれる。だが、相手は一瞬勝利を確信した。だがすぐに気づいた、炎の中、此方に向かってくるISの姿を。まだ終わりでないと。
「博士の作ったISはそれ位では壊れん」
ギガースは炎を吹き飛ばす勢いで背部スラスターをふかし敵ISの集団の先頭、グレネードを投げた者に突進し吹き飛ばした。
「うぐっがっ……」
「温いわ! 」
集団の中に入り込んだギガースは体中に取り付けられた小型スラスターを使い手足を素早く敵ISにぶつけていく。斜め後ろの敵二体に回し蹴りを当て、そのままの勢いでストレートを見舞う、その後たった一体生き残ってしまった敵ISをじっと見据えた。
「後はお前だ……」
「あ…あぁ……」
最後に残った敵ISのパイロットは酷く怯えた様子だった。無理もない、ISこそ最強の兵器だと信じて疑わず訓練してきたのだから、目の前に突然現れた、正体不明で見た事も無い様な巨大なIS相手に部隊を瞬く間に壊滅されると思わなかったのだ。
ギガースは巨大なマチェットをコールすると敵ISに向け突っ込んで行った、対する相手は体を震わせながらもアサルトライフルを撃ち対抗するが、装甲どころか太く分厚いマチェットに傷一つ付ける事も叶わなかった。
「それ! 」
「ぐはっ! 」
一度振っただけで突風が巻き起こり叩き切られた方はそのまま吹っ飛んでいく。
『OK、データも取れたわ。戻ってきて』
「了解、試運転にしちゃ上出来だっただろ? 」
『そうね今は武器の数は少ないけど入学するときはそれなりに全部そろえるからまたデータの件お願いするわね」
「こいつらはどうする? 一応まだ生きているが」
『そのままでいい、殺す理由もないし良い宣伝にはなるかもね』
「じゃあ帰るよ、博士も待ってるだろうし」
通信を終えるとブースターを吹かせ塗りつぶしたかのような暗闇の中に消えていった。
「ただいま、任務を終えてきたぞ博士」
「おかえり、よいデータが取れたよ。これでより強力な装備を作ることができるだろう。しかし初陣で本職を圧倒するなんてよくできたね。えらいぞ」
博士が頭を撫でようとして手を伸ばす、男の方はまたか、といった表情で頭を下げる。そのまま男は答えた。
「ああ、空を飛ばれなかったのは幸いだった。デザインからISだと思われなかったのと基地の近くだから本気で動けないのが幸いしたよ」
「それはよかった、まあ最初からあれだけ動けるなら元からセンスがあったのだろうね」
博士は撫でる手を止めて机の方に向きなおった。机の上の書類群を手に取りそのまま一回転するように振り向いて手渡した。
「入学の件だがね、此方で済ませておいたよ。君はこれから架空の組織に所属する”たまたま”ISを動かすことができたボディガードの一人だ。細かい人物設定や君が知るべき情報は書類にまとめておいたから目を通すように」
「わかった、とりあえず……寝てからでいいか? 」
男はそういいながら廊下を歩いて行った。
因みに博士のイメージはボーダーランズ2の動物学者ハマーロック。
次回はキャラクター紹介。