*前回のシーリスとカーラマインを入れ替えました。
「……何が言いたい?……そもそもレヴィン、お前は本当に味方か?見ない顔だと薄々思ってはいたが」
シーリスは疑問を持った目でライザーを睨みつける。ライザーはその視線を受け流すと、話を続けた。
「今のお前達は泥舟の漕ぎ手を頼まれた船頭だ。いくら乗客が金持ちだからって、そんな無理心中に付き合う事はないだろう?……さっきお前達が言っていたように、旧魔王勢は圧倒的不利で、士気は低く、逃亡や果ては敵の捕虜に進んでなる者もいるような状況だ。このまま戦いが終われば、お前達はただの傭兵ではなく、負け犬反逆者の汚名を着ることになるぞ。なんせ、この戦いは現魔王と旧魔王の戦いだ。それにお前達は旧魔王派として参加してしまったんだからな」
その顔に、シーリスは渋い顔になりながら、ライザーに問う。
「……そんな厳しい状況にある我らに、何ができると言うのだ?」
「簡単だ、お前ら傭兵達は武器を収めて、『SAFS』の傘下に入ればいい。そうすれば反乱軍の戦力はほぼ削られ、壊滅する。お前達は、正しい判断をして戦いを早く終わらせた功労者になるだろう。『SAFS』の軍は魔王達の権力にもなびかない独立勢力だから、罪にも問われない。確か『SAFS』は実力主義で、その者の出自は気にしないんだったよな、イザ……おっとと、イーザ」
その言葉にイザベラは頷く。
「……お前達は、『SAFS』の手の者だったか。敵兵にこんなに容易く陣地への侵入を許すとは、この戦いは本当にこれ以上は無意味かもしれないな……」
シーリスは下を向く。彼女は、今の状況では彼が言った事が最善だと分かった。
「しかし、いくら私達が降伏したところで、上を倒さないと意味が無かろう。トップのあいつは今までにも二度反乱を起こし、そして逃げた反乱常習犯だぞ。彼を捕まえるなり、殺すなりしないとお前達の勝利では無いのではないのか?」
その言葉に、ライザーは答える。
「奴は俺が倒して、捕まえてやる。そうすれば俺達の勝利だ。俺がこの乱の鎮圧者……になるかは微妙だが……やっぱり手柄は『SAFS』の物かな?」
「まぁ、そうだろうな。お前が誰かは『SAFS』しか知らないし」
「そうか……まぁいい。俺がこの戦いを終わらせる。お前らは死なないようにこの場所からさっさと退いて『SAFS』に降るんだな」
「俺が……だと?お前一人で上と戦うつもりか?無謀だ!あいつは腐っても旧魔王幹部、お前のようなひよっ子が勝てる相手ではない!死ぬぞ!」
その言葉にライザーは笑う。そして彼は言葉を残してテントを後にする。
「フェニックスが死ぬもんかよ」
「……」
ライザーが出て行った後、テントの中には三人の女が残った。
「シーリス殿、彼が言った通り、ここは降伏するのが最善だ。もしそれでもたーー「彼は、何者だ?」
シーリスはイザベラの言葉を遮って尋ねる。イザベラは、その問いにゆっくりと応えた。
「彼は……不死鳥だよ。まだまだ若いが、いずれは大空をはばたく、フェニックスだ」
ーー二一回旧派の乱、報告。
フェニックス領にて反乱が発生。首謀者はこれまでも2度反乱を起こしており、二度目は『SAFS』が追い詰めたものの、往生際の悪い奴を逃がしてしまっていた。この度起こったのは、その男が起こした三度目の反乱である。
我々『SAFS』はキース、イザベラ両大佐の指揮のもとに、200名を送った。今回は、その報告である。
生存者…189名。死者…12名。捕虜…107名。それに加え、配下についた者が427名。
脱隊者…1名。
イザベラ大佐は今回の作戦により、『SAFS』を脱隊する。イザベラ大佐の抜けた穴には、エーミール中佐が入る事とする。
捕虜107名のうちの一人に旧魔王派幹部を確認、魔王城に送る。
首謀者の拘束により、二一回旧派の乱は収まった事とする。
以上。
今回で反乱は収束、ほとんど終わりですが……ライザー君の旅はまだもう少し続きます!まだ眷属一人も手に入れてないですし!
次回か次々回、更に眷属候補が?
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!