「ただいまー」
ライザーは五日ぶりに自分の家に帰って来た。少ししか離れていないが、それでもやはり自分の家とは恋しいものだとライザーは思った。
「おかえり、ライ君!」「おかえり、お兄ちゃん!」
ドアを開けるとすぐに、ユーベルーナとレイヴェルがライザーの胸に飛び込んでくる。ライザーは優しくそれを受け止め……受け止めきれず尻もちをついた。
「ただいま、ユーベルーナ、レイヴェル」
ライザーは2人の出迎えを心地良く感じる。内心、いつも会っていた者達と離れる事に少し寂しさを感じていたライザーは、温かい気持ちになった。
レイヴェルは兄が尻もちをついたのを見てクスッと笑いながら離れたが、ユーベルーナはそのまま腰のあたりに馬乗りになり、ライザーに対する言葉を紡ぐ。
「ライ君、怪我は無かった?病気してない?食事はきちんと食べたの?睡眠じか--」
「だ、大丈夫、大丈夫だから落ち着けユーベルーナ!」
静止するために少し強めにライザーが言うと、ユーベルーナは目を潤ませた。
「あ……ごめん、強く言いすぎたか?」
その問いにユーベルーナは首を振ると、ライザーの顔に手を添えながら言う。
「……違うの。ライ君が無事に帰ってきてくれて、嬉しいの。戦場に行って、ケガなんてしませんようにって、ずっと祈ってたのよ」
その言葉を聞き、ライザーは上半身を起こし、ユーベルーナを強く抱きしめた。
「……ユーベルーナ。お前の祈りのおかげで、無事に帰ってこれたような気もするよ。心配してくれて、ありがとう。これからも……って、あれ?ユーベルーナ?ユーベルーナぁ!?」
ありがとうの台詞は本人の顔を見て言おう、と思いライザーがユーベルーナと目を合わせた時には彼女の顔は真っ赤に染まっており、目と目が合ったと思いきやユーベルーナは目を回し失神してしまった。
「……なんか、幸せそうな顔して寝てるな……」
ライザーは、気絶したユーベルーナを起こさない方が良い気がして彼女をお姫様抱っこで担ぐと、そのまま近くの部屋である大広間のソファに連れて行き、ゆっくりと彼女の体をその上に置いた。
ライザーがユーベルーナを置いてから玄関に戻ると、そこでは三人の子供達がじゃれ合っていた。レイヴェルと、イル・ネルだ。
イルとネルがレイヴェルと共に歳相応に笑っているのを見て、ライザーは笑顔になる。
(やっぱり子供は笑顔が一番だな)
そんな事を思っていると、横から声を掛けられた。
「あ、ライ君おかえり。どうだった?反乱は」
廊下をこちらに向かって歩いて来ているのは、兄のリゾットだ。ライザーはVサインを作り、笑顔を見せる。
「ばっちり抑えて、眷属も手に入れた!」
「へぇ、眷属かい。どんな……ああ、あそこでレイヴェルと遊んでいるあの二人の女の子かい?」
リゾットは理解が早かった。ライザーは兄にイル・ネルを含めた自分の眷属を紹介する。
「女の子ばかりだね、それも可愛い子ばかりだ」
その言葉に照れる傭兵三人衆。
「これでも皆、戦場を小さな頃から駆け回った戦いのプロ、俺の眷属にピッタリの戦力なのです!」
ライザーは眷属達を兄に自慢する。
「へぇ、それは頼もしい……ただ、まだまだ駒は残っているんだろう?」
その言葉にライザーは頷く。
「まだまだ俺の眷属は揃っていません!しかし!俺はこいつらと共にレーティングゲームに挑み、ルヴァル兄さんを越え、レーティングゲームの王者になってみせる!」
「ほう……それは楽しみだ」
後ろを振り向くライザー。その彼の横を一人の男が通り過ぎる。
「まぁ、頑張ることだ……リゾット、俺は忙しいから、行ってくるな!母さんによろしく!」
彼はライザーの頭をポンポンと軽く叩くと、門を開けて外に行ってしまった。
(俺はいつか必ず……あの背中に追いついてみせる!!)
ライザーはその決意を更に深めたのだった。
この話で休んで、次回からまた眷属探しです!まだまだ先は長い……
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!