今回は幼児期編です。
両親や兄達、その眷属、ユーベルーナなどに見守られ、赤ん坊はすくすくと育った。三歳になる頃には、自分の身体のケガを修復できるようになった。
「ママー、ママー、あれ見せてー」
「はいはい、わかりましたよ」
三歳のライザー君は、ハマっているビデオがあった。
「今回はこの戦いで良いかしら・・・っと」
ライザー君は母親の膝の上で、ビデオが始まるのを今か今かと待つ。壁に埋め込まれた大きなテレビには、大きなフィールドが現れた。
「お兄ちゃーーーん!!今日も勝てー!」
ライザー君がハマったビデオとは、兄のレーティングゲームの公式戦の録画だった。彼の兄、ルヴァル=フェニックスはレーティングゲームでも上位の強さである。二歳と半年が過ぎたくらいの頃、たまたまテレビで試合を観た幼きライザー君は、ルヴァルのカッコ良い姿に心を惹かれ、レーティングゲームを見始めた。三歳になる頃にはきちんとレーティングゲームの主旨やルールを理解していて、偶に試合を見るもののあまり興味のなさそうなユーベルーナに、解説をしてあげていた。(最も、ユーベルーナは必死にたどたどしく話すライザー君に夢中なようで、あまり話を聞いていないようだったが)
「今日は負けちゃった……」
今回のレーティングゲームは、フェニックスの涙をよく買ってくれるお得意様であり、フェニックス家を代表したルヴァルは相手の顔を立てたのだが、勝ち負けしか分からない幼いライザー君はそれが理解できないようだった。
今まで見てきたビデオと違い、兄が投了を宣言するのを画面越しに見て、彼はひどく落胆した。
「あらあら、お兄ちゃん負けちゃいましたねー。残念ねー。でも、お兄ちゃんは強いから、きっと今度はあの人に余裕で勝っちゃうわよー」
「……今度は僕が戦う!」
「?」
ライザー君は母親の膝の上から飛び降りると、ビシッとポーズを決めて言う。
「僕がお兄ちゃんの代わりにこいつをぶっ飛ばしてやる!僕は不死身だから、それくらい余裕だ!」
「あらあら……」
フェニックス夫人は困った顔をし、このお子様にどう言えば落ち着かせられるか考えた。
「ライザー君はまだ眷属がいないでしょう?それじゃあレーティングゲームは出来ないわよー?」
「じゃあ、ママとユーベルーナを眷属にするもん!」
「ママは王だから、貴方の眷属にはなれません。それに、ユーベルーナが他の人に叩かれるのなんて、見たくは無いでしょう?」
「むぅ……」
言い負かされて、ライザー君は拗ねてしまった。
フェニックス夫人が再び困り顔で、今度はこの子をどう慰めようか、と悩んでいると、不意にライザー君が口を開いた。
「いつか僕だって、強い眷属をいっぱい集めて、レーティングゲームの王者になって、最強の王になるんだ!ママだってお兄ちゃん達やお兄ちゃん達の眷属だって超えるくらい、強くなるんだ……」
弱々しいながらもきちんと通った声で、彼は言う。その小さい身体をフェニックス夫人は抱きしめた。
「大丈夫、貴方ならきっとできます。貴方は強い子、私の自慢の子の1人なのですから」
「……」
ライザー君は何も言わず、ただ母のぬくもりに身体を預けていた。
自分はライザー君は、リアス達と戦う前からとても良い王であるんじゃ無いかと思っています。そうじゃ無いとあんなに沢山の眷属達を従わせることなんて出来ないし、あんなに沢山の女性に愛されるなんて出来ない。
今回はそんな彼に夢を持たせました。大きくなったら忘れてしまいそうな、小さい子の大きな夢を・・・
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!