ライザー=フェニックスの日常   作:兵太郎

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ただ甘いのが書きたくなって書いた。それだけ。
そんなに甘くないかもしれないけど、そこはご愛嬌。


とある1日

「ふああぁ、良く寝た」

ライザーの夜はそこそこ早い。道場修行の時に早起きが身についているからだ。雪蘭の家の道場は早夜六時から修行が始まる為、必然的にもっと早く起きて準備しないといけなかったのだ。

ライザーはボーッとした頭で部屋の外に出、大広間に向かう。するとそこにはだいたいユーベルーナがいる。

「あ、ライ君!おはよー!」

ここまで歩いて来る頃にはライザーの目もある程度覚め、普通に対応できる様になっている。

「おはよー。ふああぁ」

このように部屋の外に出てユーベルーナに挨拶するまでが、彼の起床後のルーティンである。

 

その後、家族や眷属達と食事を摂る。食卓はいつも笑顔と笑い声で溢れている。

「はい、アーン」「ありがと……うん、うまい!」

そんなやり取りをユーベルーナと行っていると、イル・ネルも真似してライザーの口に食事を運びたがる。

「「はい、アーン!!」」

「アーン……うん、こっちもうまいな!」

そんなことをして食事を終える。

 

食後は庭の一角のグラウンドで武術の型の修練に精を出す。そして、眷属のうちの誰かと一戦する。

「今日はカーラマインか」「おう、リーダー。では行くぞ!私の太刀筋、見切ってみせろ!」

言いながら脅威の素早さで頸動脈へと迫ってくる短剣に対し、ライザーは口から火を吐く。そうして相手に攻撃をしながら、自分もその勢いによるブーストで短剣を躱す。

カーラマインは炎をブリッジで避け、そこから逆立ちのように手を地につけ足を上げ、足の指の間にいつの間にか挟んだ短剣をライザーの顔と心臓に向けて振り下ろす。しかし、

 

ライザーはそれを腕で受け止めた。そして両足でカーラマインの腰を掴み、こちらに引き寄せる。

 

「ははははは!今回も俺の勝ちだ!」

そう言ってライザーはカーラマインに頭突きを繰り出す。よろけたカーラマインにライザーは、先ほどのカーラマインのように倒立し、そこから回し蹴りの要領で一撃をお見舞いした。

「『火鳥(ひのとり)の鉤爪』!!」

ライザーの蹴りにカーラマインは吹き飛び、10数メートルほど後ろに行ったところで地に落ちた。

「あ……身体が、動かない……また負けか……」

そう言って落ち込むカーラマインをライザーは抱きかかえる。いわゆるお姫様だっこという奴だ。

「いやいや、だんだんと強くなってるさ」

「……戦場に長年いた私が成人もしていないリーダーに言われるのは、情けないけどね」

そう言って自虐的に笑うカーラマインの頭をライザーは撫でてやる。

「……慰めてくれているのかい?」

「ん?ああ」

「そうか、ありがとう」

 

夜中になると時々、シーリスと共にユーベルーナから授業を受ける。

「……と、これがフェニックス家の力の1つでもある、炎の魔力の原理です。フェニックス家は炎を自在に操る、いわば炎のまじゅちゅ、まじゅちゅ、まじゅつち、ま……ま、じゅ、つ、し、なのです!」

「ちゃんと言えてないぞ」「シーリス!そこは触れちゃダメだ!」

そんなやり取りが時々出てくるが、ユーベルーナはめげないのだった。

 

勉強が終わり、朝食をとった後は、妹や眷属と寝るまで遊ぶ。

(ふふん、あと1枚。そして次の次は私のターン。これは4分の1の確率で勝った!今回こそ最下位にはならない!)

「リバース」「ドロー2」「ドロー2」「ドロー4」

 

「あんまりですぅ!」

 

たまにボロ負けして不機嫌になるユーベルーナの機嫌を直すのは、ライザーの仕事だ。

「よしよし、ユーベルーナはいい子なんだから拗ねないでいてくれ」

そうやってユーベルーナを膝枕する。するとユーベルーナもだんだんと落ち着いてくるのだった。

 

(キャー!ライ君の立派な太ももの感触、ステキだよぉ!この太ももに挟んでもらいたいよぉー!

髪を撫でてくる手もあったかい!その手で私の身体を……キャー!!)

 

え?中身?そこまでは管轄外です。

「ふああ、そろそろ風呂に入って寝るか……」

「ああ、じゃあ背中を流そうか?」

「ああ、頼む」

一日の最後に風呂に入る。イザベラに背を擦ってもらい、代わりにライザーもイザベラを洗ってやる。そして最後は2人で湯に浸かる。

「ああ、風呂に入ると今日も一日頑張ったって気になるなぁ」「そうだな……」

こうして、ライザーは一日を終えたのだった。

 

 

「……楽しそうだにゃ」

その一日を、今度こそ泥棒を成功させようとするリィは庭の高い木からずっと見ていた。主にライザーを。

「いい……おっとっと、血迷うところだったにゃ。いくらこの間あんなことがあったと言っても、あいつはまだ子供なのにゃ。意識しすぎにゃ」

そう言いながらも目に当てた双眼鏡は彼の方向をひたすらに見ていた。

「!眠ったにゃ。あれは完全に眠りについたにゃ!うまくいけば寝首を狩れるにゃ!」

そう言うとリィは服を脱いで猫の姿に変身し、ライザーの寝室の窓に飛び移って、窓の鍵を魔力で外から開け……ようとしたがうまくいかない。なぜだ?と思ったら外の空気を入れるため、窓はすでに開いていた。

(にゃはははははは!リィは天才!運も良い!侵入なんて造作もないのにゃ!さて、ふくしゅむぎゅ!)

ライザーの上に辿りついて余裕が出たのか。考え事に集中して反応が遅れた。リィはライザーに掴まれたのだった。

(まさか……こいつ、実は起きて「ZZZ…」……はないにゃ。だけどこのままじゃまずいむぎゅ!)

リィはそのままライザーの胸まで持って行かれる。そしてライザーにぬいぐるみのように抱きしめられてしまった。

(にゃ!?こんなはずじゃ……ニィ、助けて!このままじゃばれちゃうにゃ!?)

リィはそう願うが、今回のフェニックス家の視察はリィがニィに秘密の独断でやったこと、故にニィはリィがフェニックス邸に来ていることさえ知らないのだった。

 

リィが全力で爪で手や顔をひっかいても、噛み付いても、ライザーは起きないし、腕も離さない。痛みを感じないからだ。

(あ……もうダメにゃ……体力がもたにゃ……)

その思考を最後に、疲れ切ったリィも夢の世界へと堕ちていくのだった。ライザーの腕に抱かれたままで。

 

 




ちなみに--

雪○さん
「アタシは別にあいつのことは弟弟子としか思ってないから別に良いし!一緒に住んでないからって理由で出番が無くたって構わないし!」


次回、ネコネコ再び。

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!
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