シトリー自然公園、中央、噴水広場。
現在そこには二人の剣士が陣取っている。
「……ふむ、誰もこないな……ヒマだ」
ベンチに腰掛け、携帯食の手作りクッキーをサクサクかじりながら、カーラマインは小さく呟く。向かいの席につき、こちらはお茶を嗜みながら、シーリスも頷いた。
その時。
二人の影から何かが飛び出し、首もとに襲いかかる!
「!やっとお出ましか!」
カーラマインは瞬時に短剣を取り出すと、その攻撃を弾く。シーリスは身体を少し全体的に横にずらし、無駄無く避ける。どちらも長年積み重ねた戦闘技術の賜物だ。
そのまま二人は自分の影に剣を叩きつける。しかし、反応はない。
「遠隔操作型か……面倒だな。周りは木ばっかりだから術者を見つけるのに骨が折れそうだ」
そう言っていると、再び影が盛り上がる。今度はそれが、だんだんと姿を変えていく。やがて、影は悪魔型を取った。モデルはシーリスとカーラマイン。二人は影の変形に驚く。
「ほう、敵は自分自身、という事か。面白い趣向だな」「私が相手とは……相手に取って不足は無いな!」
そう言うと二人とその影は、真正面からぶつかり合う!-
〜〜〜〜〜〜〜
雪蘭は大木の枝を使い、跳びながら敵本陣に向かう。下ではこっそりイル・ネルが後を追うという作戦だが、その姿は見当たらない。
(うまく隠れながら移動してるのか……それとも私が速すぎて追いつけなくなったのかも?)
拳法の修行で小さい頃から木登りや枝から枝への跳び渡りをしている雪蘭にとっては、大木の太い枝などはもはや地面と同じ。地面を走る程の、いや、むしろそれよりも速いスピードで雪蘭はどんどん進んでいく。
(もうそろそろ敵本陣に着くんじゃないかしら?もしそうなったら王の首でも狙いましょうか。ライザーに初勝利をあげたいし……ハッ、違うわ!これは『
そうやってブンブンと激しく首を振る雪蘭。その足がある枝に降りる……はずだったが。
不意にその木が消滅した。
「なっ!?」
雪蘭は空中で一瞬体制を崩す。そしてその瞬間、四方八方から魔弾が飛び出す!
「(しまった!?罠か!)『粉雪』!」
とっさに全方位攻撃で魔弾を弾く雪蘭。しかし全ては捌ききれず、腹と左足に一発ずつ喰らってしまう。
雪蘭はそのまま地に堕ちる。受身を取ったおかげで落下ダメージはないが、着地の衝撃により左足の痛みが増す。鈍い痛みに顔をしかめながら、雪蘭は辺りを見渡す。もう攻撃は飛んでこない。その事に雪蘭は安心して、再び登ろうと別の木の窪みに手をかけたその時。
一本の矢が彼女の背中に迫る--
〜〜〜〜〜〜〜
「ZZZ……」
イザベラは木の上で、幹に身体を預け、仮眠を取っていた。無論、本陣と自分の半径20mには魔力によるセンサーを設置し、触れる者が現れると警報を鳴らす様にはしている。
「ZZZ……むっ!」
そしてとうとう、その警報がなった。イザベラは眼を開き、辺りを見渡す。今引っかかったのは自分の居場所から半径20m地点の一角。本陣とは正反対の場所だったのでイザベラは安心する。もし、寝ていて本陣近くまで相手を放っておいた、などと言ったら叱られてしまう。
「ふむ……だんだんと近づいてきているな……スピードもなかなか……あと二秒……ハッ!」
イザベラは電撃の弾丸を下に打つ。それは何かに命中した様で、トサッと何か軽い物が木の葉の上に落ちたのが聞こえた。イザベラは目視で確認する。下にいるのは……鳥だ。小さな鳥がピクピクと痙攣しながら地に伏せっている。
「使い魔……か?そうだろうな、ここに野生の動物がいる訳でもないし……仕留めるか」
イザベラはもう一度雷弾を放ち、鳥を戦闘不能にして退場させた。
「ただ、使い魔を倒してもな。敵戦力は余り減らせないし『確かに、その通りですね』!?」
背後から受けた声に驚き、イザベラは後ろを振り返る。しかし、後ろには誰もいない。ただ、声だけが聞こえてくる。
『あなたは電撃使いですか……なかなか強いですね……私もやられてしまいましたよ……うらめしい……』
突然イザベラを囲むように、先ほどの鳥が何匹も現れた。彼らはイザベラのレーダーに反応しないようで、イザベラもそれには首を傾げる。
「ただの使い魔では無かったのか?」
『うふふふふ……』
話している間にも増えていく鳥達。イザベラの視界を埋め尽くすほどの鳥が、すでに現れていた--
〜〜〜〜〜〜〜
「……あと五分くらいか……集中!」
そしてライザーは、力を貯めていた。
次回、喰らえ必殺のクロスファイヤーハリケーン!(嘘)
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!