「……これで良いのか?」「はい」
ライザー達は今、外に出ている。辺りには花畑が広がっていたり、立派な木々が並んでいたりする。
「外の空気は気持ち良いですわね。やはり家の中に篭ってばかりだと、気が滅入りますわ!」
そう言って中央へと走っていく女の子。十二単のくせに動きが軽快である。だが、ライザーにはそれよりも気になる事があった。
「いや……外って言ってもさ…………
ここ、あんたらの家の庭じゃん」
そう、ライザーがいるのは百人一首カルタ大会をした家の、庭だった。日本庭園という感じの庭で、ライザーはその家の女の子とその従者らしき女と男の悪魔を見る。
「さすがに姫様をどこの誰かもわからない馬の骨に連れて行かせる事は出来ません」「何をされるかもわかりませんし、何より姫様は世間知らず。何か問題を起こされてはいけませんから」
従者二人が少々警戒した様な目でこちらを見つつ、言う。どうやらここらの町にはTVというものが無いため、皆ライザーの事を知らない様だ。まぁ最も、だからこそライザーはティミッドと二人で遊びに来た訳だが。
ライザーはそう言われて黙っておらず、自分の名前を言う……ところを自重した。さすがに昔とは違い、自分の身分がどの様なものなのかはわかっている。今ここで自分の名を告げたら、大騒ぎになる……かもしれない。そうなったらカルタ大会も中止になってしまうだろう、それは申し訳ないと考えた故だった。
「まぁまぁ、ここで庭の梅を見ながら蹴鞠というのも乙なものですわよ。では、行きますわ!ほれ!」
そういうと姫様と呼ばれていた女の子は、いつの間にやら持っていたボールを、ライザーの隣にいた女悪魔へと蹴り上げた。
「あなた方、四角を作ってください」
女悪魔はそう言いながら、ボールをオーバーヘッドキックでお姫様に返す。着物なのにそんな動きが!?とライザーは少し驚きながら、彼女に言われた通りの配置に着くと、蹴鞠を始めた。
(なるほど、落とさない様に相手へと蹴り上げて、それを続けていくのか……単純だけど、結構楽しいな……)
本当はもっといろいろなルールがあるのだが、皆そこまで厳しいルールにはしなかった。規則に縛られて楽しみを減らすのは無粋だと思ったのだろう。
途中でボレーシュートやオーバーヘッド、ツインシュート、スカイラブハリケーンなどが飛び出したが、鞠は落ちる事なく蹴鞠はずっと続いていた。
そして、しばらく後。家の方が騒がしくなってきたところでライザー達は玄関の方へと戻っていった。どうやら、優勝者が決まったらしい。ライザーが優勝者の顔を覗くと、自分が初戦で負けた相手だった。残った参加者と家の者から拍手を受けながら、優勝した女悪魔は茶器をもらって、嬉しそうに笑っていた。ライザーも素直に彼女の勝利を称えながら、(優勝者に当たったのなら、ボロ負けしても仕方ないな、うん)と自分で自分を慰めているのだった。
「ではこれにて、百人一首カルタ大会を閉幕させていただきます。次回の開催も楽しみにお待ちいただければと存じまする。ではお気をつけてお帰りくだされな」
こうして、百人一首カルタ大会は幕を閉じた。参加者は話をしながら、門へと向かってゆっくりと歩き出す。ライザーもそちらについていこうと思った時、着ていた甚兵衛の袖を引かれた。振り向くと引っ張っていたのは、先程まで蹴鞠をしていたお姫様。彼女は笑顔を浮かべて話してくる。
「今日は楽しかったですわ!久しぶりに外に出られましたし、蹴鞠ができましたし、良い事づくめでしたわ!これもあなたが来てくれたからかしら?まぁとにかく、一緒に遊んでいただき、感謝しますわ!!」
姫様はそう言うと、頭を軽く下げる。後ろにいた、先程蹴鞠を一緒にした男と女の従者も、深々と頭を下げる。
「いや、ただ初戦敗退して時間が余って暇だったから、相手しただけさ」
ライザーは少し照れくさくなってそう言うと、お姫様は「それでも嬉しいですわよ」とニコニコ笑顔で答える。
「あの、カルタ大会は月に1度ほど開かれておりますの。また、遊びに来てくださいますか?」
ニコニコ笑顔を崩さないまま、お姫様は尋ねる。ライザーもそのままの状態で頷き、また来るよと返した。
「じゃあ今日は帰らせてもらおう。また来月……になるのか?まあいいや、またな。えっと……」
「
「俺?俺か……俺はライザーだ」
ライザーは迷ったが、多分わからないだろうと思って本名を名乗った。美南風はそれに頷くと、
「今日はありがとう、また遊びましょう、雷君!」
念押しする様な美南風の言葉に、ライザーは手を振って返すと、その家を後にした--
美南風編、一旦ここで終わりです。次回は……他の眷属達かなぁ?
『ハイスクールD×D』、アニメ4期が決定しましたね!!やったー!!o(`ω´ )o
ライザー君の出番があるのかわかりませんが(DX2の再戦の話をアニメ化してほしい……)、楽しみです!いくぜおっぱい!!
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!