ライザー=フェニックスの日常   作:兵太郎

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さぁ、いよいよ眷属集めが始まります!まぁ、この旅で全員仲間にするわけじゃないですが。




不死鳥と眷属の馴れ初め
旅立ち


時間は飛び、三年後。ライザーは飛び級に飛び級を重ねて、14歳で人間で言う高校までの勉強課程を全て終えた。現在、ユーベルーナは高校三年のところにいるが、彼女はそのまま大学まで行くらしい。だが、ライザーは違った。

 

「父さん!俺、眷属探しに行きたい!」

学校を卒業してから五日後の夜、ライザーは父親であるフェニックス卿にせがむ。彼にとっては、一刻も早く仲間を集め、鍛えて、最強の軍団を作りたいのだ。それに対し、父親は珍しく真面目な顔でこう言った。

 

「ライザーか……ルヴァルは忙しいからリゾットに頼もうかとも思ったが、お前の方が安全か……ライザー、お前に頼みたい事がある!」

 

フェニックス卿の話はこうだ。

現在、フェニックス家の領地で、旧魔王派による反乱が起こっている。旧魔王派の反乱は、新魔王体制になってから各地で何十年かに一度ペースで起こっているそうだ(これが21回目らしい)。

現最上級貴族達の中には旧魔王派の者が大勢いる為、魔王達は自ら軍勢を出すことはできない。最上級貴族達の反感を買えば、色々な手段を使って魔王の座を引きずり降ろされるからだ。だから、旧魔王派の反乱は、その地の領主が鎮める事になっているそうだ。

「最も、ここ200年位は『彼ら』が動いている。今回も『彼ら』がある程度は反乱軍を制圧している様だ。しかも、情報によれば相手の兵力のうち約八割は傭兵だと言う。傭兵は、理を解き金を払えば、余程の戦闘狂でない限り手を引くだろう。だから正直『彼ら』だけでも反乱は抑えきれる……が!任せておくだけではフェニックス家の名が落ちる!フェニックス家は何もできなかった、『彼ら』の軍が全てを終わらせた、そう歴史に刻まれてしまう!そうならない為に!そして、双方の被害をできるだけ抑える為にも!」

フェニックス卿はライザーを指差す。

「ライザー!今回はお前が戦場に出向き、その反乱を抑えてこい!ついでに強そうな者がいれば、眷属にして来るがいい!……あ、ただ、反乱の主犯は眷属にするなよ。そいつは捕まえて、転移魔法でこちらに送ってこい。生死は問わん」

 

「お、おおおおお!反乱軍の討伐!何ともカッコいい任務ではありませんか!それでは早速用意して、明日には旅立ちます!」

ライザーは興奮した!ライザーにとって戦場とは、戦いとは、目にした事はあるものの未だ経験したことのない、彼にとっての憧れであった!その中に自分が、こんなに若くして介入することができるとは、彼にも思っていなかった。

「父上、ありがとうございます!俺の力なら10日もあれば反乱軍も抑えられるでしょう!そのあと屈強な男達を沢山率いて、帰って来ますよ!」

「おお、まあ、あまり急がなくても良いが、慎重にな。できるだけ話し合いで解決するんだぞ。すぐ力に頼るのは愚か者のやる事だ。反乱軍の旧魔王派達の様な、な」

 

ライザーは旅支度を整える。とは言っても、持っていくのは悪魔の駒とフェニックスの涙、それと着替えと寝袋と金くらいである。結局彼はすぐに用意を済ますと、寝床に入った。期待で眠れないかと思いきや、意識が落ちるのは早かった。

 

 

--そして翌日の朝。ユーベルーナと共に家を出る。彼女は今日も学校だ。

寝坊したため朝食のパンをかじりながら空を飛びつつ、彼女はライザーに聞く。

「ライ君、学校は卒業したのにこんなに朝早くから、どこに行くの?」

「ん?……ああ、ちょっと戦場に」

「え?」「ちょっと戦場に」「……ごめん、聞こえなかったみたいだからもう一度いい?」「ちょっと戦場に」

それでもわかっていない彼女にキチンと説明してやる。一応、朝の食事の時に母親には伝えているのだが、彼女は寝坊したためその話を聞いていなかったのだ。

「……えええええぇ!ライ君、危険だよぉ!まだまだ幼いのに、戦地に行くなんて!」

「止めてくれるなユーベルーナ!俺は反乱を抑えねばならんのだ!この数分、いや数秒の間にも、戦場で多くの悪魔が死んでいる!俺は、彼らのために、父上の代わりに戦わねばならん。それが、領主の役目というやつなのだ!」

「ライ君……」

 

最近見た映画のセリフを言うと、ユーベルーナも納得したのか、それ以上何も言ってはこなかった。やはり映画というのは素晴らしいものだ。白黒なのが唯一の難点だが……

 

その後、ユーベルーナと別れ(遅刻するんじゃないか?と言ったら、慌てて猛スピードで飛んでいった)、ライザーも飛んでいくスピードを少し速めた。目的地はフェニックス邸からかなり離れている辺境だ。ノロノロとしていたら戦いが終わってしまうかもしれない。ここからこのスピードで飛べば、明日にはたどり着くだろう。ライザーは新しい体験、そして将来の自分の優秀な眷属の姿を想像し、胸を踊らせるのだった。

(俺の伝説は、この旅から始まる!)

 

 

 

 

 

 

……その頃、戦地の一部分にて。

「う、うわあ、奴ら、強いぞ!逃げろ!」「ひいいいい、殺される!」

旧魔王派に雇われた傭兵達は蜘蛛の子を散らす様に撤退していく。その様子を見て偉そうな赤髪の男が、集団の1番後ろにいる女に声をかける。

「フハハハハ、金で雇われた傭兵どもが我らが大佐が率いるこの部隊に勝てる訳が無かろう!ねぇ、大佐!」

「……え、ごめん、何だって?聞いてなかった」

「えええええ!こんなに近くにいるのにぃ!?」

いつもの光景なのか、周りの兵は特に気にした様子もなく、逃げる敵兵達を目で追いながら、何人かを攻撃し気絶させて捕縛する。

 

「我々がいるこの時代に反乱を起こしたのが間違いだったな。我々、独立軍『SAFS』は、お前らの様な目的も大義もない連中に負けはせん!」

そういうと男は高らかに笑う。当然の様に他の兵士達からはスルーされていた。




……ちなみにこの頃のライザー君は昔から見ていた兄のレーティングゲームの様子から、自分の眷属になる強者はみんな、ムキムキの力こそ全て!みたいな感じのマッチョマンを想像しています。

いよいよ本格的に眷属達との話を書く時が近づいてきました!一応それぞれの出会い方や好意を寄せる理由は考えているんですが、いつ全て書き終わるやら……気長に待ってください!

今回出てきた、また今後出てくるオリジナルの設定も、どこか途中でキャラクターと共にまとめたいと思います。

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!
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