魔法少年マジカルアスラン 作:仙儒
一年と言うのは早い物だ。
と、言うのは子供らしくないだろう。
現在クリスマス。なのはの家にてクリスマスパーティーをやっている。
原作では店を手伝っていたが、まだ幼いためか、余り手伝わせて貰ってないみたいだ。昼間、なのは用に用意された店の値札を書くのを手伝いながら、もっとお手伝いできるもん。そう愚痴を漏らしていた。
ああ、因みにリニスの事はわけありで雇ったメイドだと紹介済みだ。
士郎さん達も深くは聞いてこなかった。
ああ、パーティーが終わったらリニスと高町一家は翠屋に戻って営業を再開する。
その間の寂しい思いをしないようになのはのお守りと俺への同情でだろうが、今夜は泊まっていくことになっている。
「ねー、アスラン君聞いてるの!」
先ほどから愚痴ばかりこぼしている。
「こればかりは仕方ないさ。なのはがこれから先手伝いに行ったらシェロさん達警察に捕まっちゃうぞ」
苦笑いをしながら言う。それには流石のなのはもそれは嫌なのと黙り込んだ。
でも、
「なのは、ちゃんと我儘言えるようになったんだな。今回はしょうがない事だが、それ以外の日には一杯甘えろ。少しは親を困らせてやるくらいはしないとな。我儘を言えるのは子供の特権だからな」
これなら少しは未来は変わってくれるだろうか?
改ざんは無理でも改変位にはなってくれただろうか?
疑問は尽きないが、少しでもいい方向へとシフトしていってほしい。
「なんか、言ってることが難しいの」
そう言ってくる彼女。
良いんだ。これが普通の反応なんだ。この位の子の。
「それよりも早く寝ないとサンタさん来ないぞ」
そう言うと、それは嫌なの!と言って部屋の電気を消した。
因みに今はなのはの部屋に布団を敷いて寝ている。
なのはは自分のベッドだ。最初は一緒になのはのベッドで寝ようって言っていたが、遠慮しておいた。最後の最後まで駄々をこねたが、それならば俺は客間で寝ると言ってなのはが渋々了解した。
そう言えばなのははサンタさんに何をお願いしたのだろうか?少し興味がある。
俺?俺は断ったんだが、士郎さんがそれだとサンタさんが困っちゃうぞ、と言われて渋々写真立てをお願いした。
そう言えば母親と俺のツーショットの写真が一枚だけあったが、写真立てが無かったのを思い出してのお願いだ。
士郎さんと言えば、もっと豪華な物を頼んでも良いんじゃないかい?と言っていたが。態々他の家の子の物まで用意しようとするとは、本当に仏様のような人だよ。
「…ねえ、アスラン君起きてるの?」
電気を消してしばらくして、そんな声が聞こえて来た。
「ああ」
大方、興奮して眠れないのだろう。
俺も前世で眠れなかったのを思い出す。
「そっちに行くね」
そう言ってもぞもぞと布団に侵入してきた。
「おい、これじゃあ意味ないだろう」
そう言うと
「子供の特権なの」
そう言われると、言い出した手前、断ることはできない。
「今日だけだぞ」
そう言うと嬉しそうに
「うん!」
と返事を返してきた。
ひょこっと顔を出すとえへへと嬉しそうに言葉を漏らす。
そのまま抱き付いてくる。少し強いその力から寂しいと言う感情が読み取れた。本当ならば少し距離を…置くんだが…な。
そこから俺は睡魔に負けて眠ってしまった。
クリスマスプレゼントは何が良いか。それをお父さんに聞かれた時に迷わずにアスラン君と答えた。
流石にサンタさんに人は頼めないとのことなので、新しい髪留めのリボンを頼んだ。
なるべく大人っぽく見える奴に頼んだらお母さんがニコニコしながら、
「アスラン君にアピールね」
そう告げてきて、飲んでいた物を吐き出しそうになり、むせてしまう。
「にゃ、何でわかったの!」
それに得意げそうに胸を張りながら、
「なのはのお母さんだもん、わかるわよ」
その言葉に顔を赤くしてしまう。
「そうだ、なのは。アスラン君を呼んでみたらどうだい?」
お父さんの言葉に嬉しくて
「良いの!!」
そう興奮気味に声をあげてしまった。
「ああ、アスラン君も暇だろうしね。夜になったらパーティーをしよう」
そうと決まれば電話ねのお母さんの一言にはーいと答えて、急いでアスラン君家に電話をした。
程なくして、アスラン君がやってきた。
そしてお母さんにお手伝いをしたいと言ったら凄い枚数の紙に値段を書くしごとを貰ったの。
それをアスラン君が手伝ってくれてとても助かったの。
でも、なのははもっと役に立つお手伝いをしたかったの。
だけどそれはアスラン君に止められた。
そして、夜。本当なら寂しい思いをしながら眠るのに、今日はアスラン君が一緒なの。だから寂しくは無かった。
何時までも話は尽きなくて、とても楽しい時間だったけど、サンタさんが来ないのは嫌なので、アスラン君の言いつけ通り眠ろうとしたけれど、興奮とちょっとの寂しさで眠れないでいた。
だからアスラン君の布団の中に入ったの。
抗議してきたけど、アスラン君の言った子供の特権と言ったら今日だけだからなと許しが降りた。
ちょっと恥ずかしかったけど、アスラン君に抱き付いてみた。
それだけで、胸の奥がポカポカして、安心できた。
アスラン君も優しく抱きしめて撫でてくれた。それが嬉しくて。でも、アスラン君はすぐに寝息を立て始めた。私も寝ようと目を瞑ろうとしたら顔が目の前にあることに気が付いた。
その時には体がかってに動いていた。そのまま吸い込まれるように顔を動かし、唇をアスラン君の唇に重ねていた。
顔から火が出るんじゃないか、それぐらい熱くて恥ずかしかったけど、それ以上に幸せだった。
おやすみなさい、私の王子様…。
それから私もすぐに眠りに付いた。胸にあふれるポカポカとアスラン君の鼓動の音を子守唄代わりにして。