魔法少年マジカルアスラン 作:仙儒
プールで気絶した時からだろうか?
紅い騎士甲冑姿のアスラン君の姿が脳裏に焼き付いて離れない。
夢の中の事の筈なのにそれだけは鮮明に、まるで本当にあったことのように色あせない。
古い御伽噺みたいだ。
あんな格好で尽くされたらと妄想するだけで幸せで胸がいっぱいになる。
妄想するあまり、恥ずかしくて、枕に顔をうずくめて、左右にゴロゴロと動き回る。
ああ、アスラン君アスラン君。
アリサちゃんと婚約者だって聞いた時はショックだったけど、本人がその気が無いと聞いてどれだけ安堵したことか。
でも、だからって、このまま地味なアピールをしていてもアリサちゃんはアスラン君と本気で結婚するつもりだ。
なのはちゃんも。
私も早く二人よりも仲良くなるにはもっと大きなアピールが必要だと思った。
だから、休日にアスラン君をお茶会に招待した。
アスラン君と二人きりで語り合う、そんなはずだった。
でも、アスラン君はなのはちゃんとアリサちゃんを連れて来た。
恐らく、いつも通りアスラン君の家に遊びに行って、見つかり、そのままついてきてしまったのだろう。
アスラン君自身も余り深く考えずにつれて来たんだと思う。
こうなることは少し予想できたが、もう少し察して欲しい。…、それができないから苦労してるんだろうな、私。
ついてきた二人は間違いなく親友だと胸を張って言える。だが、同時にライバルでもある。恋と親友な事は別だ。ハッキリ言って今回は邪魔だ。
見えないように手を後ろにしてギリギリと握りこぶしを作り力を籠める。
かと言って二人をこのまま追い返すわけにもいかないので案内する。
仕方が無い事だ。こんなことになる可能性は十分に考えられたはずだ。
テラスに案内して、ノエルとファリンから教わった紅茶の入れ方通りに紅茶を入れる。これはアスラン君の為だけに私が淹れる紅茶だ。
最後に人差し指をナイフで軽く斬り、出て来た血を一滴だけ入れる。
余り入れすぎると、アスラン君の場合、血の匂いで気が付いてしまう可能性がある。
だから、一滴だけ、えへへ…、アスラン君、美味しいって言ってくれるかな?
そう思いながら先に案内した客間に紅茶を零さないように持って行く。
「あの、その、初めて淹れてみたんだけどどうかな?」
そう言うと私の差し出した紅茶を飲んでくれた。
少し眉を動かしたので美味しくなかったのか、それとも血を入れたのがばれたのかと思ったけど、優しい笑みを浮かべながら、「美味しい」と言ってくれた。
嬉しかった。ただただ嬉しかった。私の淹れた紅茶が美味しいって、私の血の入った紅茶が美味しいって!
それだけで心が満たされた。
インフルエンザががががが、体がだるい
皆もインフルエンザには気をつけよう。