魔法少年マジカルアスラン 作:仙儒
あ、れ?
知らない天井だ。
確か転生者に串刺しにされ…、串刺し!
勢いよく起き上がる。
体を触ってみるが怪我らしい怪我をしていない。
?どういうことだ?
てっきり死んだものだと思っていたんだが…。
剣が刺さっていた左腹を触るが痛みは無い。試しに服をめくって確認したが、傷一つ無かった。
もう一度思う。どうなっているのかを。
そんなことを考えて居たら扉が開いた。
「あ、アスラン君。目を覚ましたの!」
そう言って入ってくる何時ものメンバー。
あれれ、この光景どこかでみたことあるぞ。
正確には体験したことあるぞ?
アリサにすずかになのはに心配される。
何がどうなっているんだか。
なのはに念話を入れて確認する。
なのは自信も良く分かっていないようだ。
ただ、金髪の同い年位の子に負けて気を失った事。
気が付いたら血だまりの上に立ったまま気絶して居た事。
それを聞く限りでは、なのはが目を覚ました時には傷は癒えていたわけか。
恭也さん辺りからの追及が厳しそうだ。
一応、封時結界を張っておいたが、あれではどこら辺まで持ったかわからない。
少なくとも刀でできた痕跡位は残って居そうだし。
少し先の事を考えて憂鬱になっていると、丁度恭也さんが入ってきた。
恭也さんは大事な話があるからと、アリサとすずかとなのはを部屋から追い出した。
恭也さんの隣には勿論、忍さんも居るわけで、色々手厳しそうになるぜんちょうがした。
部屋から子供たちが出ていき、扉が閉められてから、急に空気が重くなる。
「何があった?」
ただ一言。
同時に鋭い眼光が俺を捕える。殺気の籠ったその眼差しに思わず身構えてしまいそうになるが、冷静を装う。
アスランは戦士でもある。戦場での精神攻撃は基本中の基本。ましてや弟分であるキラを攻撃していた時にこれ以上のプレッシャーや葛藤に板挟みになりながらも戦い抜いてきた男だ。
暗殺には特化しているが、戦場での戦いを重ねて来たアスランがこれくらいのプレッシャーや殺気に今更どうこういう事は無い。
最も、俺はアスランであってアスランでは無いのだが。
アスランの経験と知識を共有しているような物だ。恐らく女神様がくれた特典なんだと思う。
しかし、困った。俺は嘘は苦手だし、かと言って状況が状況なだけに下手に言い逃れができないし、口下手だ。
悩みに悩んだ末に出て来た答えは「わからない」の一言だ。
自分でも言っていて情けなくなるが、紅い弓兵みたいに記憶に混乱が見られると言って「すまない」、そう言って口を閉ざす。
相手も何も言わずに重たい空気のまま、時間だけが過ぎていく。
どれ位経っただろうか?十分?もっと?それとも五分くらい?
そう感じる位に重い空気の中、恭也さんの深いため息とともに空気が戻る。
「今回はそういう事にしといてやる。だがな、なのはに何かあったら許さないからな」
そう言う。
「その時はお前が俺を討て」
そう返すと満足したのか部屋を出てく。
残った忍さんが話しかけて来る。
「本当に不器用よね、二人とも。恭也も恭也で心配したって素直に言えばいいのに」
そうやって優しく笑いかけてくれる。
それにしても、と言葉を続ける。
「姉妹だから好みとかも似ているのかしら?すずかもこれから大変よね」
そう呟く。
どういう事だ?
「”これから”のすずかをよろしくね、アスラン君」
よくわからないが、これだけは言える。
「勿論ですよ、忍さん」
そう言うと忍さんはニヤニヤしながら、
「お義理姉さんで良いわよ」
そう言ってきた。
姉のイントネーションが違うような気がするが、弟でも欲しかったのだろうか?
そう考えて居ると部屋を出て行ってしまった。
部屋を出てボイスレコーダーの電源を切る。
うふふ、いい玩具ができたわ。後ですずかに渡しましょう。
あの子、舞い上がる位喜ぶと思うわ。
そう思うと同時に部屋の外の壁に寄りかかり、私を待っている恭也を見つける。
何だかんだ言ってもやっぱり心配なのね。本当に不器用なんだから。
「忍、あそこにあった血痕は?」
真面目な顔になり、それに答える。
「ええ。アスラン君の物と一致したわ」
そう返すと短く「そうか」と答えた。
「近くにあった木に鋭利な物で傷ついた木があった、間違いなく刀の類だ。それにあれだけの量の血を流して無傷と言うのは流石にあいつがコーディネーターという事では説明できない。俺たちにも隠している特別な何かでもあるんだろう」
お前のその眼でも出来ない何かが。
そう、実はここに運んできた時に魔眼を使ったが彼には全く通じなかった。
彼は何者なのだろうか…。
まぁ、そんなのどうでもいいわ。いずれわかることだもの。
未来の義弟君。
ここから俺強ぇー状態に入ります。
アスランのイメージが傷ついてから強くなって自爆しての繰り返し無ような気がする。