魔法少年マジカルアスラン   作:仙儒

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無印

 自業自得とは言えあれはなかったな~。

 後悔先に立たづ、とは言ったもんだよ。

 いや~、参ったな。

 そう思いながら廊下を歩いていると誰かにぶつかった。

 

 謝ろうとしたら

 

「あんたかい?うちの子に手を出してるのは」

 

 その声から相手がアルフであることがわかった。

 

 念話で次に出会ったらがぶっとやると言った所で、本気モードになる。

 温度が一気に死んだ。

 アルフも数歩下がったがけなげにも構えた。冷や汗らしきものが流れているのと、微かに震えているのを見逃さない。

 

「答えろ、これは命令だ。お前の主と一緒に居たのは仲間か?」

 

 それに対してアルフは冷や汗をかきながらも首を左右に振り

 

「あんな奴仲間なもんか。鬼婆から言われて無理に行動を一緒にしているだけだ!」

 

 そう吐き捨てるように言う。

 

「それは本当だな?」

 

 そう問い返すと、

 

「本当だよ、なれなれしくフェイトに触るしあたしにも触って来る。下心が丸見えでいけ好かない野郎だ!」

 

 酷い言われようだな。

 って言うかさらっと主の名前出していいのか?

 だが、少なくとも友好的な人物では無い事の裏が取れた。

 

「そうか、すまない。前回の戦いで味方も平気で攻撃して来たからな、それだけは確認したかったんだ」

 

 そう言うと殺気を消した。

 アルフは再び構えたがそれに静止をかける。

 

「俺は少なくともすぐに此処で事を起こすつもりは無い、帰ったらそいつに言っといてくれ、俺がお前を討つ、と」

 

 釈然としない顔だが、構えは解いた。

 

「ああ、伝えとくよ」

 

 そう言うとすれ違って奥へと消えていった。

 やっぱり、オリ主君とやらは避けては通れない道か。

 

 そう言えばイージスが何か対策プランがあると言っていたな。

 それに期待するか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最初は鎌をかけるつもりで、声をかけた。

 次の瞬間、そんな甘い事するんじゃなかったと思った。

 全身の毛が逆立つような感覚。

 そして、呼吸することもできないほどの濃密な殺気。

 獣の本能で理解した。

 こいつは敵に回しちゃいけないと。

 そこから相手の命令であのいけ好かない野郎の事を思い出す。

 鬼婆の言いつけとフェイトの性格故に居たくも無いのに無理やり一緒に行動を共にしているのだ。

 だが、あいつは下心丸出しで何かにつけて触って来ようとする。

 性格も自己中心的。

 反吐が出る。何度も行動を共にするのをやめようと進言したが、「母さんの言った事だから」で我慢している。

 思うこと全部とまではいかないが、不満を全てぶちまける。

 

 そうしたら何か納得したのか、殺気が無くなった。

 

 そのうえで、あいつに俺がお前を討つと言っといてくれと頼まれ、解放された。

 

(フェイト!あの白いのはわからないけど、あの紅いのは不味いよ!)

 

 すぐにフェイトに伝える。

 

(紅いのって前回助けてくれた子?)

 

 フェイトから答えが返って来る。

 忘れていたが、確かにあの時彼はフェイトを救ってくれたのを思い出す。

 

(何て言ってたの?)

 

 え?

 アルフが微かに感じた小さな違和感。

 慌てて彼が言っていたことを伝える。

 

 そうするとフェイトからいつも通りに冷静な答えが返ってきたので、気のせいかと思いなおす。

 どちらにしても厳しい戦いに成りそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アルフから念話で紅い子と聞いたので安心の息がでる。

 前回助けられた時に最後には串刺しに成ってもう生きてはいない物だとばかり思っていたのがフェイトの正直な感想だ。

 自分のしたことではないけど、人を殺したこと、それもあんなに無残になったのに、立って自分を守り続ける背中の悪夢、悲鳴が罪悪感が重く圧し掛かっていたのだ。

 それからしばらくは眠れない日が続いた。

 だからだろうか? アルフからの念話で彼が少なくとも戦うのに十全なまでに回復していることに嬉しいと感じた。

 

 嬉しい? 何故こんなことを思ったのだろうか?

 確かに、死んでない事は喜ばしい事だが、それとはまったく違った嬉しさと言う物を感じていた。

 それを顔を左右に振るう事で頭の隅から追いやる。

 今は母さんが欲しがっているジュエルシードだ。ジュエルシードを全て手に入れればまた優しい母さんに戻ってくれる。

 記憶の中の優しい母さんに。

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