魔法少年マジカルアスラン 作:仙儒
なのはの父さんが退院したので退院祝いをやるそうだ。
それにぜひとも来てほしいとなのはから電話があったのが今朝。
せっかくの家族水入らずに水を差すわけにもいかないので断ったのだが、俺へのお礼も兼ねているそうだ。
別に大したことをしたわけでもないし、回復の件は誰も知らない筈なのでお礼を言われることなんてないんだけどな。
そんなわけで、花屋で花束を買っている。
大体の場所は高台になのはが案内してくれた時に覚えた。
あの高台でリインフォースが旅立つんだよな。
おっと、感賞に浸るのはこれぐらいにしよう。
喫茶翠屋でやるのではなく、本家でやるらしい。まぁ、士郎さんの体の事を考えれば当たり前の事か。
「あ、アスラン君、こっちこっち」
声のする方向を見ると、何時もの公園の前で此方にちぎれんばかりに左手を振っている。
これは俺がなのはの家を知らないと言う事で案内役として出てきてくれたわけだ。無論、なのはは俺の家を知らないが。
だから何時もの海鳴り公園の入り口で待ち合わせと言う事になったのだが。
「すまない、待ったか?」
そうすると
「全然、今来たとこなの」
それに「そうか」と返す。そうすると花束を持ってない方の手になのはが手を絡めて来る。
「えへへ~」
何が嬉しいのだろうかわからんが悲しがるよりは良いだろう。前に無理やり振りほどこうとしたらなのはが泣きそうになったのでそれ以来なのはの好きにさせている。
そうこうして歩いていると町中にしては大きな家が見えた。
「あそこ。あそこが私の家だよ」
早く早く、そうせかすなのはにやれやれと苦笑いする。そう言えばオーブのマルキオ導師の孤児院の子供たちにも随分と手を焼かされたな。ところどころアスランの記憶がよみがえる。
「どうしたの?はやく入ろう?」
玄関前ではっとなり首を横に振る。
「ただいまーなの」
「お邪魔します」
なのはに続き俺も入る。
「お帰りなのは、それといらっしゃい、アスラン君…よね」
顔を出したのはなのはのお母さんの桃子さんだ、こうしてみると、本当に母親かを疑うレベルだよね。
「あ、これつまらない物ですが、退院祝いです」
そう言って花束を渡す。
「あら、気を使わなくても良かったのに、ありがとうね」
そう言って花束を受け取る桃子さん。
「いえ、今回の主役は退院したなのはの父上ですから」
そう言うと感心したような顔を一瞬してなのはに何かを耳打ちするとなのはの顔が少し赤くなった。何を話したのだろうか?
「今回は士郎さんの退院祝いでもあるけど、貴方へのお礼でもあるの、気を使わなくてもいいわよ、ささ、入って」
そのまま背中を押されてリビングへの扉を通る。
「ん?君は…」
緑の服に緑のベレー帽、濃い紺色の髪の毛に大きな碧玉の瞳。女の子のような容姿だが確かなのはがアスラン君と言っていたので男の子なのだろう。
そんなことよりも、この容姿は見覚えがあった。私が目を覚ました時に私に何かをしていた紅い騎士だ。
「初めまして、アスラン・ザラです。…あの、自分の顔に何かついてますか?」
私の視線に気が付いたのかたずねて来る少年。
その視線には戸惑いが浮かび、あの時とはまるで別人みたいだと思う。
普通ならば気のせいだと思い過ごすところだが、彼の視線には恭也の方を警戒する素振りが見えた。それに彼の体つきから何か武術をやっていることが伺えた。
とは言え、話を聞く限りだとなのはを助けたのは紛れもない彼であるし、この空気のままなのはかわいそうなので、いやと答えて自己紹介をする。そうすると妻の桃子から「彼から退院祝いですって」っと立派な花束を貰ったのでお礼を言う。しっかりした子なのだなと感心した。これならばなのはを助けたと言うのにも納得がいく。
それにしても‘ザラ”っか、まさかな。
僕の事をなのはの父上と言う言い回しが多かったので士郎で良いと言うと、少しためらった後、顔を真っ赤にして
「し、シェロさん」
そう言った。普通に日本語を話していたから大丈夫だと思っていたら、やはり外国人だからなのか「しろう」と発音が難しいらしい。
そこでなのは以外全員が和んだのは内緒だ。
インフルエンザ、かかりました。
無性に冷やし中華食べたくなりました。
皆はてうがしてかからないようにね