魔法少年マジカルアスラン   作:仙儒

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幼少期

風呂から出てリビングに入ろうとした所、殺気を感じてなのはに行かせたところ、凄い勢いで木刀が振り下ろされたが、なのはだとわかるとギリギリのところで木刀がカーブし、床に下される。

 

「にゃ、な、なに!」

 

 びっくりして涙目になりながらそちらを見たら恭也が

 

「すまないなのは、素振りをしていただけなんだ」

 

 俺の後ろに隠れてびくびくして涙目のなのはをあやそうとして必死だ。

 撫でてあげると俺の背中にがっしりと捕まってきた。

 それを見て明らかに不機嫌になり殺気を飛ばしてくる。

 もう一つの不安要素である士郎さんは此方に気が付くと

 

「風呂はどうだった?」

 

 その眼は別に殺気を孕んでるわけでもなく、怒っているようでもなかった。むしろ、微笑ましい物を見るような目だ。

 

「すいません、ちょうどいい温度でした」

 

 元凶である桃子さんは終始ニヤニヤしていた。その手にはデジカメが握られているのを見逃さなかった。

 士郎さんも微笑ましそうに写真のデータを見ない。

 本当にやめて、恭也さんの不機嫌度がガンガンアップしていく。

 

「そう言えば、今日はトリィはいないの?」

 

 なのはの急な疑問に皆が首を傾げて「「「トリィ?」」」と聞いてくる。仲いいな。

 そうするとなのはは誇らしげに胸を張ってトリィについて語り出す。

 

「緑色のロボットの鳥さんなの!ちゃんと飛んだりできるんだよ!」

 

 その話に恭也さんも耳を傾けている。

 ああ、そう言えば恋人の忍さんと妹のすずかはカラクリが好きだったな。と言うかこのころから恋人だったのかよ。リア充爆発しろ。マジで。

 俺もなのはも4~5歳位だぞ。

 

「ん、ああ、邪魔するといけないから、それに今朝から姿が見えないんだ」

 

「そうなんだ」と返ってきた瞬間、

 

 コン、コン、ココン

 

 噂をすれば何とやら、トリィが庭の見えるリビングの窓をつついていた。

 

「トリィなの!」

 

 そう言って嬉しそうに窓を開けると、部屋をぐるりと飛び、なのはの肩にとまる。そのまま首を左右に動かした後、なのはが両手を前に出したのを確認すると、肩から手へとジャンプして移った。

 

「何々!!」

 

「へー」

 

「こりゃ凄いな」

 

 上から美由希さんに恭也さん、士郎さんの順番だ。

 中でも興味深々な美由希さん。なのはにそっくりなせいかそうでないのかわからないが桃子さんに飛んで移っていた。

 

「ねぇねぇ、私の所に来ない?」

 

 そう言って手を出すがトリィはガン無視だ。珍しいな、トリィは大人しいし人懐っこい性格をしているはずなんだが…。

 

「どうやらトリィに嫌われてるみたいですね」

 

 そう言うと「そんな~」とうなだれた。

 なんだかんだ言って男連中にもとまんなかったから剣をやっていることが関係しているのだろうか? 獣の本能ならぬロボットの本能ってやつ? なるべく本物の鳥に似せて造り上げたアスランのとっておきの物だったはずだ。だから一台しか造っていない。

 

「ねぇねぇ、アスラン君、トリィってどこで売ってるの?」

 

 唐突になのはの口から発せられる。

 

「それは売ってないんだ。俺が造った奴だから」

 

 どこのおもちゃ屋でも見たことないだろう? そう続ける。

 

「えー!アスラン君が造ったの!!」

 

 なのは意外にもその場の皆が動揺する。確かに、この世界に置いてはトリィはオーバーテクノロジーの塊だからな。これ出したらノーベル賞を余裕で取れるし。

 

「そうか、残念なの」

 

 落ち込むなのはのをなだめ、

 

「トリィがいなくてもなのはには大好きな家族が居るだろう?」

 

 孤児院のアスランの経験からこういう時は話をすり替えるのが良いと言う事で、話を切り替える。

 その時士郎さんと士郎さんの態度を察した桃子さんは何とも言えない雰囲気を醸し出していた。どうしたのだろうか?

 それに来てからだいぶ時間がたった。そろそろ夕方だ。

 

 それを告げて出ていこうとしたら、士郎さんから今日は泊まっていきなさいと言葉がかけられた。

 顔は穏やかだが、その眼は決して断らせないと物語っていた。

 それに、気が付き桃子さんも手を叩いてそうしましょう! と告げて来た。

 

 妙な緊張感が走る中、なのはだけは嬉しそうにお泊り会とはしゃいでいた。

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