NEEDLESS the World   作:ACS

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第19話

第19話 新たな右天

 

 

神父の襲撃の任務に着いていた右天だったが、彼は今追い詰められていた。

 

創世(バミューダ・アスポート)、大西洋上に存在するバミューダトライアングルと呼ばれる魔の海域の名を持つ、物質を透明化する能力。

 

それが彼の持つ能力(フラグメント)の力。

 

 

罠を張り巡らせた廃墟内に神父の仲間であるイヴ・ノイシュヴァンシュタイン、クルス・シルトの両名を誘い込み、優位に立っていたのだが、能力の無い無力な少年であるクルスの推理によって能力を暴かれてしまったのだ。

 

「意外とちゃちい能力だったな三流マジシャン♡」

 

「くっ…来るな!! ボクはミッシングリンクだ!! 最も神に近いニードレスだ!!」

 

「残念だったな、今お前が相手にしているのが神だ」

 

 

イヴは悪戯をした子供の様に舌を出しながら変身(ドッペルゲンガー)の能力で作り出したドリルを使って右天の胴に風穴を開ける。

 

「判決!! 死刑!!」

 

 

コレにて決着、そのつもりの宣言だったのだろう、仕留めた右天には見向きもせずにその場を去ろうとしたイヴだったが、背後から人の立ち上がる気配を感じて慌てて振り返る。

 

 

「ボ、ボクを倒したくらいで、い、良い気になるな、よ、ボクの、つ、次の、右天は、僕より強いッ!! 君達じゃあ、逆立ちしたって勝つ事は出来ないッ!! アハハハッ!!」

 

死に体の身体で立ち上がった右天は内臓が零れ落ちるのも無視してマントの下からスイッチを取り出す、既に能力を解除していた上に虚を突かれていたイヴは反応が遅れてしまう。

 

 

「上を見ろッ!! 既に天井には爆弾が張り巡らされているッ!! 後はこの起爆スイッチを押すだけだ!! こうなったら道連れにしてあげるよ、光栄に思うんだねッ!!」

 

「イヴさん!! 右天にスイッチを押させ無いで!!」

 

「いいや!! 限界だ押すねッ!!」

 

右手に握られていた爆弾のスイッチ、彼がソレを起動しようとした瞬間にイヴの変身が完了するも一瞬早く、右天が起爆装置に指を掛けるも指の動きが急速に停滞し、爆弾を起爆する事が出来なかった。

 

その現象に心当たりのあった右天は一気に顔を上げ、窓の外、隣の廃墟の中から此方を見つめるクロノスの姿を視認する。

 

「吹っ飛べ!! イヴキャノン!!」

「貴様ァァァァァァア!!」

 

 

イヴに殴り飛ばされながら断末魔の声を上げる右天、鋼鉄となった腕で顎を砕かれた彼は今度こそ絶命するのだった。

 

 

(…………彼には悪いけど、動き易くなるから右天の称号は譲って貰うよ)

 

 

音を停滞させて息を殺して様子を伺っていたけれど、クルスくんのお仲間は十分な強さを持っている様で安心したよ。

 

僕は右天と左天達の出撃に合わせてバレ無い様に後を付け、彼の排除を目論んだ。

 

理由はクルスくんの仲間達の実力を見る事と彼の安全の確保、万一僕が彼を暗殺した事がバレたとしても右天になる為に現右天を追い落としたと言う目的を盾にすれば問題は無い。

 

先ほど問題の神父の姿も見て来たけど、時代遅れの夜露死苦と殴り合っていた、実力を見る限り神父の方が遥かに強い。

 

そして、神父の能力はアークライトさんと()()()()だった。

 

何故同じ力を持っているのかは疑問だけど戦力的には申し分無い、…………性格に難があるみたいだけれどね。

 

 

「…………少し不安だけれど、彼は君達に預けるよ。 何時の間にか左天さんは帰還してるみたいだしね」

 

 

僕もその足でシメオンの支社に帰還、右天の死亡が左天によってアークライトさんに伝わったのだろう、帰還し部屋に戻ったと同時に呼び出された、抜け出している事がバレない様にミステリーの犯人見たいに窓から出入りしていた為本当にギリギリだった。

 

「来たかクロ、右天が先ほど撃破された」

 

「そうですか……」

 

「ふっ、あまり驚いて居ない様だな」

 

「…………」

 

「まあ良い、現右天『デューンツァウバークンスト』死亡に伴い、今日この瞬間から貴様を新たな右天に任命する」

 

「……ありがとう御座います」

 

 

予定通り新たな右天となる事が出来た、此れでクルスくん達の動向を探る事が出来るし、権力を使ってある程度好き放題やれる様になった。

 

 

「ではこれから例の神父達を追います、彼の首から下を必ずアークライト様に献上して見せましょう」

 

「期待しているぞ、右天」

 

そう言ってその場を離れ、彼らの追撃に取り掛かろうとしたのだけど、此処でアークライトさんの隣に居た離瑠さんから予想外の一言を掛けられた。

 

 

「待ちなさいクロ」

 

「…………何でしょうか?」

 

「あの神父達はカフカ、前右天の二人を退けた実力は確かな物です、貴方一人では万が一があるかも知れません、昇進祝いも兼ねて私の少女部隊から貴方の良く知る娘達を部下として差し上げましょう」

 

離瑠さんが指を鳴らすと僕の前に何時もの五人が跪き、命令を待ち始める、公私の場は分けているのだろうけどなーんとなく後が怖い。

 

正直部下は不要なんだけど、貰ってしまったものは仕方ない、それに全く見知らぬ人を部下にされるよりは全然マシだ、みんな気心が知れている相手だしね。

 

…………ただ、クルス君達に危害を加える気の無い僕的には扱いに困るのは変わらないんだけどね。

 

 

「了解です離瑠さん、………じゃあみんな追撃に行くよ」

 

堂々とした態度で彼女達に命令を下し、今度こそその場を離れる事が出来た。

 

……………案の定、一歩外に出れば刹那ちゃんと七海ちゃんによる小言を貰い、締まらない出撃になったのは言うまでも無い。





クロ君は右天に就任しました、次いでに顔バレ防止用の仮面(アルカの仮面黒色版)を付けて出撃です。

後少女部隊が正式に部下になりました、力関係は部下>クロ君となります(白目)

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