第24話 少女部隊
第三シェルター、核爆発にも耐えられる構造で、普段からニードレス達のトレーニング場となっているその場所に神父を誘い込んだ僕は、巨大な机の上へ飛び乗り、彼を見下す様にしながら指を鳴らす。
その瞬間、刹那ちゃん達が部屋の中にあった巨大なクマのぬいぐるみ(未央ちゃん曰くウサギとの事)の上に陣取り、決めポーズを取りながら神父と対峙した。
五対一だからまず負ける事は無いだろう、本当なら前回のリベンジも兼ねて僕があの神父と殴り合いたかったのだけど、真っ先に重傷を負わされた為か全員からストップを掛けられてしまい、泣く泣く高みの見物をやらされている。
万一彼女達が敗北したとしても変身女は既に胡桃ちゃんの手に堕ちた、数が七対一に変わるだけでどの道勝ち目などありはしない。
その証拠に彼は刹那ちゃんに撹乱され、その隙に梔ちゃんによる足止を受け、未央ちゃんに殴り飛ばされる。
着弾地点に七海ちゃん美咲ちゃんの追撃が行われ、休む暇無く一方的にあしらわれ続けている、技を覚える暇も無いのだろう、彼の長所であるコピーも効果を発揮していない、勝負は決したな。
横たわる神父は刹那ちゃんの振るった手刀を回避する事が出来ない、香、岩、水による拘束に加えた僕の停滞、彼の命は風前の灯火だった。
勝負に水を差す者達が現れるまでは。
急に刹那ちゃん達が地面に押さえつけられ、身動きが取れない状態にまで持って行かれる、見れば女が二人神父の側に立っており、大剣を持っている金髪の女が能力を発動している様だった。
そして更にもう片方の青髪の女が手を翳し、梔ちゃんや美咲ちゃん達を引き寄せて地面に叩きつける、思わず立ち上がろうと腰を上げたのだけど、既に僕も重力の枷に囚われてしまって動けない。
更に残りの神父一行もご到着の様で、五対一が五対四に早変わり、その上重力と磁力の能力者と言う強力なニードレスが加わっている。
刹那ちゃん七海ちゃんは磁力、梔ちゃんは炎、未央ちゃん美咲ちゃんは重力、それぞれの連携を遮断され、各個撃破されてしまう。
最後の最後にリトルボーイ二乗+ジャイルグラビティション+マグネティックワールドと言う長い名前の技に弾き飛ばされてしまった。
仕方無しに変身女を投入、人質を返すフリをして胡桃ちゃんの能力によって洗脳された変身女で神父の腹に穴を開ける、奇襲は成功したのだけどトドメを刺すには至らず、直前で彼の身体は青髪の磁力によって引き寄せられてしまった。
六対三の戦いだが磁力重力の能力者の力は強く、多少の数の差をものともしない、僕が出れば一瞬で覆る状況ではあるけど、そんな事したらクルスくんがどうなるか分からないし、後からアルカに殺される。
激しい戦闘を眺めながらクルスくんの推理力に期待しつつどうやって動くかを考える、直接的な能力使用は無理だ監視の目もあるし、何がきっかけで正体を暴かれるか分かったものじゃ無い。
ならさり気ないヒントを与えつつ、胡桃ちゃんの居場所を割り出させ、神父に技を覚えさせる事。
多分彼らは胡桃ちゃんを殺す気だろう、だがしかし彼女の能力は始末しただけではどうにもならない。
だから僕のする行動は、彼らの攻撃を止め、クルスくん達ブレーン組に神父の力を使う事を思いつかせる事だ。
丁度下を見ればクルスくんが胡桃ちゃんの居場所に気が付いたのだろう、全員に向かって何やら話し込んでいる所だった。
––––––––そして唐突に始まる野球。
うん、まあ、分からないよね、順を追って説明すると吹っ飛ばされた磁石女が机の中から巨大な野球ボールを取り出しぶん投げる→ソレを未央ちゃんが巨大なハサミで打ち返す→打ち返されたボールが夜露死苦を弾き飛ばす→磁石女が二投目→投げられたボールに夜露死苦が着火→未央ちゃんがハサミを振るう→重力女がボールの軌道を変え、フォークボールにする→全員吹っ飛ぶ→第三投目←イマココ。
何だろう、コレ……。
僕がそうやって呆れていると、投げられた豪速球が重力の遮断によって真上へと移動し、胡桃ちゃんの隠れている『工事園』への直撃コースに入っていた。
僕はそのボールを減速させ、
「ソルヴァ!! 胡桃を引き寄せてブレイドの額に彼女の頭を叩きつけるのじゃ!!」
早速ギドと呼ばれていた博士が気が付いたようだ、あの神父の能力を理解している所を見ると、アークライトさんの言っていたアダム・プロジェクトとやらに関わっていた人物だったのかな? 昨日神父達の資料をある程度読んだはずだけど、あまり情報が無かったので記憶が曖昧だ。
そして思惑通りに胡桃ちゃんは引き寄せられ、神父に技を覚えさせられる。
「覚えたッ!!」
(漸く復活かい、神父サマ)
復活した神父は変身女の洗脳を解除、彼女の力を使って自分達全員の傷を回復して貰う、胡桃ちゃんの打ち込んだウイルスも駆除された為戦力は五対五になったのだが、戦力的に此方が不利、既にこの神父は僕以外の人物の
けど、まだ少女部隊には切り札がある。
「奥義、リリステンプテーション」
相手を理想卿に送り付ける梔ちゃんの最終奥義、彼らは梔ちゃんが言葉を発した事に驚き、声を上げてしまいその香りを吸ってしまった。
(理想郷に行ってらっしゃい)
少女部隊の戦いは大幅にキンクリ、見たい人は原作4〜5巻、若しくはアニメ9話〜15話を視聴しよう!!(ステマ)
クロ君の戦闘は次回。