NEEDLESS the World   作:ACS

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第28話

第28話 反心

 

 

「最早雑魚とは言うまい、四天王を悉く退けたのだからな」

 

「ハッ、人を呼びつけておいて今頃お出ましとは、そんなに俺が怖いか? あ゛?」

 

今、アークライトさんは神父に意識が向かって居る、本物のアークライトである左天は気絶していた状態から既に起き上がっているが、二人とも僕の事は眼中に無さそうだ、今なら不意打ちで彼らを仕留める事が出来るかもしれない。

 

しかし、既に僕は限界を迎えている為身動きする事が出来ず、能力発動は無理、第一アルカに抱き起こされている状態なのでもし僕が彼に攻撃すればその反撃を諸共浴びてしまう、どの道この好機を指を咥えて見ているしかなかった。

 

視界の端ではクルスくんの蘇生が終わっており、守るべき人が増えた、しかし僕は何も出来ない。

 

 

「遅れて申し訳なかった、また”外”の人間共が少々騒ぎ出してな……”暴動”を鎮めるのに少々手間取ったが、安心しろ、外の人間共は全て片が付いた」

 

 

彼の性格ならば外の人間を皆殺しにするくらいやってのけそうだ、邪魔になるならば己の部下だって構わずに。

 

 

「貴様…!! 外の人間達を一体どうした!!」

 

「心配するな、少女部隊によるコンサートを開催したところ……ピタッと収まった」

 

「えっ!? そっち!? 確かにあの子達は可愛いけどさ、僕てっきり皆殺しの方かと思ってたよ!?」

 

「クロ、私の前で他の女の話するとは……良い度胸だな」

 

「今僕は動けないんだよ!? その振り上げた右手降ろしてっ!?」

 

「………………そう言えばそうだったな(今なら容易に既成事実を作れそうだな)」

 

 

なんだろう、凄く不穏な空気がする、今この場の空気にそぐわない様な、僕の身に何かが起こる様な気が……。

そんな事を考えていると、急に神父が膝を着き、その場に崩れ落ちる。

 

 

「超見てぇ……」

 

「神父様ーーッ!! しっかりーーッ!! ラスボス目の前ですよーーッ!!」

 

「本日最大のダメージだな」

 

「あんなにあっさり神父が無力化出来るなんて……」

 

悲しい現実に涙した僕だったが、彼らは一通りギャグパートを終えた後エレベーターに乗って上層へと登って行った(重量オーバーな為左天は階段)。

 

後に残された僕はアルカに支えられながら自室へと戻ったのだけど、既に僕のベッドの中に全裸の梔ちゃんがスタンバっており、アルカの殺気が凄い事になっている。

 

「小娘、この男の部屋で何をしている?」

 

『見ての通り、美味しく頂かれるのを待っている』

 

「貴様の様な貧相な身体つきの女が此奴を満足させられると思っているのか?」

 

『貧乳はステータスだ!! 持っている者にはそれが分からんのだよ!!』

 

「ふんっ、負け犬の遠吠えだな」

 

「あの、何でもいいから寝かしてくれないかなぁ?」

 

 

自室に着いた瞬間緊張の糸が途切れ、猛烈な眠気が襲って来ている、二人が口論?をしている間もその波が押し寄せて居るのでそろそろ本気で眠い。

 

寝ぼけ眼を擦っているのが梔ちゃんの目に映ったのだろう、ベッドの中から僕の手を掴み、そのまま自分の胸元に抱き寄せる。

 

『安眠できる様に私が添い寝する』

 

「何時もの事なのに何でわざわざ言うの?」

 

「…………クロ、私も添い寝してやる」

 

「もう、好きにして下さい」

 

 

限界だった僕はなすがままに寝る事にし、両側から感じる二人を変に意識しない様に眠りの中へと沈んで行った。

 

 

そして、僕は再び夢を見た。

 

 

以前見た真っ白な病室、其処に患者服でベッドに座っている僕が居て、此方をジッと見つめていた。

 

 

「やあ、二度目の再開だね? 今回はそこそこ時間もあるし、ある程度の質問には答えてあげるよ?」

 

 

夢の筈なのに、目の前の僕は僕が見えているのかそう言って、此方の質問を待っている。

 

先程は聞けなかった自分の事、ソレを聞こうと思った僕は先ず記憶喪失になった経緯を聞こうと思う、だがその前に何故夢の中で会話が成り立つのか、それを聞こうと思ったのだが、先に答えを言われてしまう。

 

 

「夢の中で会話が成り立つと思っているなら間違いだ、君は今過去を見ている、そして僕はそれを認識して会話をしてるんだ、僕も君も他人から見たら独り言を話す危ない奴だよ」

 

「………何故、未来の見える君が記憶喪失になったのか、それを聞きたいんだけど」

 

「ああ、それは簡単な話だよ、とっても単純、()()()()()()()()()

 

「未来が見えるから? それってどう言う……」

 

「そのままの意味だよ、僕は無限に存在する自分の未来を無限に知っている、何をどうすれば望みが叶うのか、自分の最期はどうなるのか、生涯を通じて思う感情、会話、愛する者達の全てをね? 未来を変えようと努力すればその結果を見てしまう、例えるならばプログラムの構成や乱数まで知り尽くしたゲームをプレイするプレイヤーの様な物さ、退屈を通り越して生きる意味が無い、とは言え自殺するのも馬鹿らしいので記憶喪失になったと言う訳さ」

 

「そんな、理由で? 両親を殺したとかじゃなくて?」

 

「ん? まあね、だって父さん母さんが死ぬのは確定した未来だったからどうしようも無い、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

意味深な表情を浮かべ、僕を見る過去の自分、その表情が何故か人の物とは思えない程不気味で、思わず後ろに引いてしまった。

 

自分が自分とは思えない、それ以前に過去の自分は()()()()()()()()()()()

 

僕のその疑問、戸惑いを知っていたのだろう、含み笑いをしながら彼は僕に向かってこう言った。

 

 

「––––––––君は、前世を信じるかい?」




過去のクロくんが言う前世は白砂村的な意味です。

後この会話は過去視と未来視が合わさって行われてますので端から見たらアブナイ人扱い、寝てるクロはまだ寝言で済みますが、過去のクロは、ね?
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