第34話 闇市
白砂村で神父達に協力する方針に舵を切ったと同時に刹那と梔に未央ちゃんからの救援要請が入った、内容としては簡潔な物でハットフィールドと言う人と戦うから増援が欲しいと言う物だった、直接面識は無いけど確か四天王クラスの人だった筈。
未来視によると其処でクルスくんと合流出来る筈なんだけど、何故か全然見知らぬ少女が見えるんだよね、しかもアルカそっくりな娘、一体誰なんだろう……此処だけの話ちょっとだけ僕の好みかも知れない、見た目とかじゃなくて雰囲気とか表情とかが。
そんな事を考えながらも地球ごと時を停滞させ、その中を僕達だけが高速で動ける様にしてブラックスポットへと侵入する。
世界規模の技だけど回帰や停止よりは反動も少ないし、何より単純な物なので操作も容易だ、今回の様に先を急ぐ時には重宝する。
全力で闇市にまで向かった僕達だったけど、途中で刹那達が学園の外を歩いていた凛ちゃんをボコって攫ってきた、話を聞くと学園内で連続殺人事件が起こっていたらしく、それがニードレスである事を隠して普通科クラスに居た凛ちゃんの仕業だった。
そしてソレを解決したのが山田と言う人物らしい、確かクルスくんは神父達に山田呼ばわりされていた様な……、ま、まさかね。
割と衝撃の事実に淡い初恋が散った気分を味あわされたが、人数が増えた事で一度二手に分かれて行動する事になった。
先ず少女部隊のみんなが先行し、ある程度敵を片付けた後に出てくるであろうハットフィールドを僕とアルカで叩く、と言うのも四天王である僕達が最初から加勢してしまうと確実にハットフィールドは出てこない、四天王クラスの実力者とは言え、本物の四天王を二人同時に相手する程バカでは無いだろう。
と言う事を話して先に刹那達を行かせ、遠くの崖の上からアルカと二人で闇市の様子を見ていた、既に闇市の退路を塞いでいた分厚い氷の壁は二人で焼き払った、だから後はハットフィールドが現れるのを待つだけなのだけど、やっぱし山田と言う少女に目が移ってしまう。
(見れば見るほどクルスくんには思えないんだよねぇ、神父的に言うなら激萌少女だしね)
「クローン部隊か、アレは私の命令しか聞かない筈なんだがな」
「僕達のクローンは既に出来上がっているみたいだし、多分それを使われたんじゃ無いかな」
(見た目が幼女ばっかりだったのは黙っとこう)
「便利な物だな、未来視とは」
「……便利過ぎて不便だけどね」
あっ、クルスくん?がアルカに変装してる、未来視で見た通りの展開だけど、初恋ブレイクされた所為で凄く複雑な気分だ。
いや、未来見たら別に初恋ブレイクしなくても大丈夫、なのかな? でもクルスくんに手を出したらアルカに殺されるし、そもそもクルスくんは男だし、いやでもどんな未来を見ても結果は一緒だし、それだったらいっそ男でも? いやいやいやいや僕は同性愛者じゃない、あっでも最終的には同性愛にはならないんだよね、それなら大丈夫なんじゃ…………お、落ち着け僕、冷静に考えるんだ、コレだとあの神父と一緒じゃ無いか、あんな変態の仲間入りしたいのか?
「…………クロ、不穏な事を考えて居ないか? 特にクルスについて」
「は、ははっ、まさかでしょアルカ? 僕が女装したクルスくんに見惚れてたなんて、言いがかりにも程があるよ?」
「お前はああ言う女が好みなのか、私とは真逆だな 」
(まさか最大の敵がクルスとは、…………男同士は浮気の範疇に入るのか? いや、そんな非生産的な物を認める訳にはいかんし、クルスも変な道に外れる事になる、やけに似合う女装が趣味になってしまったのは姉として嘆かわしいが事が終わったら辞めさせ無くては)
僕が色々な葛藤をしていると、クローンが一箇所に集められて行くのが分かった、如何やら其処で一網打尽にするつもりなのだろう、だがハットフィールドの影が見える。
そうだ、こんなに悶々としなくてはならないのはあのヒゲの所為だ、奴がこんな所に来なかったら未来を見てクルスくんが自分の好みの姿をしている事を知る事も無かったんだ、全部あのヒゲが悪いんだ!!
僕は脳内麻薬の分泌速度を加速させてテンションを上げた後、時間を加速させて突撃、大物ぶっているハットフィールドの後頭部に踵落としを放つ。
「やっちゃってくれたねェ君達」
「どっせい!!」
「へぶっ!?」
「嘘おおおん!!!」
その場に居た全員が驚いているが、ヒゲが悪いんだ僕が悪い訳じゃ無い。
「グッ、ガッ、右天様、一体、何故?」
「喧しい!! 貴様の所為で僕は同性愛に目覚めかけたんだ!! 男の娘なんて物を僕に見せた貴様が何もかも悪い!! 責任を取って死ねッ!!」
「そんな事私に言われても……」
「責任逃れをするつもりか? 良いだろうこの私が直々に捻り潰してやるぞ変態紳士!!」
「くっ、どう言うつもりかは分かりませんが殺る気でしたら私も全力で抵抗させて頂きますよ!!」
「来るがいい!! 私の
ナイフの束をコートの下から取り出し、ヒゲに向かって投げ付け時を加速させる、しかしヒゲの能力は七海の能力の上位互換の様な物らしく、近くの給水塔から水を操り、それを壁にして防いで見せた。
「クロさ、じゃなくって右天がハットフィールドと戦っている!? 一体何故!? 後クロさん同性愛に目覚めかけたって何!?」
「はっはーん、クルスくんの女装姿が右天にどストライクだった見たいね」
「ええぇぇぇえッ!! 僕それ聞いてどんな反応すれば良いんですかディスクさん!?」
『右天様!! ふぁいとですー!! 僕は右天様のカッコイイ姿が見てみたいでーす!!』
「ディスクさぁぁぁあん!! 僕の声で何やってるんですか!?」
「止めろッ!! 私をそっちの道に引きずり込むなぁぁあ!!」
「クルス、私の前でクロを誘惑するとは良い度胸だな?」
「姉さんまで出てキタァァァァァ!!? えっ、何? どう言う状況なの!?」
「来いクルス、久々に姉弟水入らずの家族団欒をしようじゃ無いか、なぁクルス?」
「目が笑ってない!! 目が笑ってないよ姉さん!!」
下の姉妹の絡みが非常に気になるが、目の前のヒゲが中々手練れな為混ぜてもらう事が……って思考が神父に近付いているぅぅう!! クソッ、仕方ない不本意だけどヒゲに集中するしか煩悩を消す術は無い。
意識を切り替え、指先を動かしてヒゲを挑発、本当の力を使った戦闘は何気に初めてだから景気良く行かせて貰うよ?
クロくんの葛藤の理由
????「山田が女の子になれば良いのにーーーッ!!」
この未来が見えてるので男だからで却下出来なくなりました(白目)