NEEDLESS the World   作:ACS

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第35話

第35話 雨乞い対時間操作

 

「無駄無駄無駄無駄無駄ァ!! 雨乞いだとォ? 天候操作だとォ? そんな旧時代の大道芸でこの私を殺れると思っているのかッ!?」

 

「私の攻撃が悉く無力化される……コレが速度を操る力の恐ろしさかッ!!」

 

ヒゲの操る水流の動きを停滞させ、炎神の息吹(アグニッシュワッタス)を纏った拳のラッシュを叩き込む、水による鎧を全身に纏ってガードしていた様だけど、水を熱湯に変える事でその鎧を強引に剝ぎ取り、ナイフを投げ付ける。

 

ヒゲは持っていたステッキでナイフを叩き落とし、僕の背後にある水溜りを操作して心臓を撃ち抜こうとしている、不意を打ったつもりだろうが全てが見えて居るのだ、そんな物が当たる訳が無い。

 

「次に貴様は『右天様の弱点は前後同時攻撃、コレが避けられますかな?』と言う!!」

 

「右天様の弱点は前後同時攻撃、コレが避けられますかな? ハッ!?」

 

 

自分の策だけでなく吐くセリフすらも言い当てられたヒゲはハッとした表情を見せる、僕は挟み討ちを回避してヒゲの顔面にハイキックを叩き込み、彼を弾き飛ばす。

 

 

「アッハハハハッ!! 無駄だって言っているだろう!? 貴様の動きは全て予知している、どの様な策もこの私には通用しないッ!!」

 

指を鳴らすと同時に時を加速させ彼の力の源である水を全て蒸発させる、時の経過によって雨雲も全て散っている、最早彼に武器は無く、一瞬にして水が蒸発した事で動揺を見せた為、時の加速を利用して距離を詰めて過去視をする事で覚えた技を試し射ちする。

 

 

「『擬似特攻式殺人術 黒牡丹』」

 

 

特攻式殺人術、それは元々特殊な電磁波によって形作られる霊を、巨魅葬りの体内で作られた電流と接触させる事で強制的に相手を分解する技なのだけど、今僕が使った黒牡丹は僕の世界(ザ・ワールド)で擬似的に再現した物で、霊体では無く肉体を直接分解する技だ。

 

イメージ的には炎神の息吹(アグニッシュワッタス)をより攻撃的にした感じかな? あらゆる物質、物体を分解破壊することが出来る。

 

僕の黒牡丹を直撃したハットフィールドは断末魔の悲鳴を上げる事無く分解され、技の名前の通りに血液による黒牡丹を咲かせて死亡した。

 

 

「ま、相手が悪かったね、天候を支配出来ても時を支配する僕の前には無力だったって事で」

 

「な、何が何だか分からない内にハットフィールドがやられちゃった……」

 

下を見るとポカンとした表情をしたクルスくんが目に映る、アルカとの姉妹喧嘩によって服が更にボロくなり、際どい露出が僕を惑わせる。

 

だから今のクルスくんは男なんだよ!! そう、男なんだ!! だからこんな鼻血とか変な動機は止めるべきだ!! だから静まれッ!! 僕の鼻血と鼓動!! …………っと、こんな事を考える前にやる事があるんだった。

 

平常心を取り戻した僕は家の屋根の上から飛び降り、落下速度を停滞しながらクルスくんの前に着地、僕がシメオン四天王だという事を今更思い出した彼女、じゃなくって彼は怯えながらも僕を睨みつける。

 

…………身長差で涙目上目遣いで睨まれてるから鼻血を止めるのに精一杯だ、もしや僕を出血死させる作戦なのか?

 

 

「ぼ、ボクに何をする気だ!! 何をされても何一つ話さないぞ!!」

 

「えっ!? 何しても良いの!?」

 

「思ったよりも興奮して食いついたぁぁぁあ!? しかも鼻血が神父様みたいに出てるぅぅぅう!!」

 

ごめん、鼻血抑えらんない、回帰連発して鼻血を出す前に戻しまくってるけど止めどなく溢れ出してくる、昔の偉い人は鼻血の事を愛と形容していたけれど、成る程確かにそうだ。

 

「ま、待てクロ!! 正気に戻れ!! 年の差を考えろ!!」

 

「姉さんも落ち着いて!? 僕とクロさんの壁は年の差じゃ無いよ!?」

 

「何っ!? ならお前とクロの間に障害は無いじゃないか!?」

 

「あるある!! 僕とクロさんは同性だから!! 男同士だから!!」

 

「クルス、男同士でも芽生える愛はあるんだぞ!? あってはならない恋だが確かに存在するんだぞ!?」

 

「姉さん目の焦点があってないよ!? 一回本当に落ち着いて? 僕は本当にクロさんの事なんとも思って無いから!!」

 

「なん……だと? 鬱だ死のう……」

 

「なんでクロさんがショック受けてるんですかぁぁぁぁぁあ!?」

 

「クルス!! 私のクロに何の不満があると言うのだ!?」

 

「姉さんも落ち着いてよぉぉぉお!!」

 

 

まさかの精神攻撃に思わぬダメージを受けてしまったが、何とか気を取り直してクルスくんの額から身体を撫でる様に触れて行き、彼女の身体をチップを埋め込まれる前の状態に回帰させて、傷跡を回復させると同時に頭部から弾き出されたチップを気付かれない様に密かに回収する。

 

コレで僕はアークライトさんや左天に対しての交渉カードを手に入れる事が出来たと同時にシメオンにとってのクルスくんの重要度を大幅に下げる事が出来る。

 

「えっ、き、傷跡が消えた? それに痛みも無くなってる?」

 

「事情が変わってね、僕達は今後君達とは敵対しない」

 

「し、信じられるか!!」

 

「信じて貰わなくても良いけど、そうなると君達は僕達とシメオンの二つの勢力を相手にする事になるんだぜ? 女の子()()居ない君達は薄い本みたいな事になるよ?」

 

「あの、僕も女の子のカテゴリーに入ってるんですか?」

 

「…………分かったわ、信じましょう」

 

「ディスクさん!? 僕のカテゴリーの問題は!?」

 

「ふっ、ならば互いに一時休戦だな」

 

 

そう言って僕は首だけになっている半機械(ハーフ)を身体を失う前に回帰させる、彼女は驚きを隠せていなかったが、流石に能力を話す訳には行かないので黙秘させて貰おう。

 

取り敢えず、これから宜しく頼むよ?





アルカ姐さんがどんどんポンコツに……(白目)

刹那達は画面外でクローンを始末しています(梔はクルスくんのスカートの中を匍匐しながら覗いてます)

クロくんの崩壊がヤバイ(震え声)
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