ご愛読ありがとう御座いましたm(_ _)m。
最終話 望んだ未来
周りに生えている植物が酸や毒ガスを噴出し、僕らに襲い掛かる、神の攻撃に対して耐性を持っている所為で除去を行うのは難しい。
しかも奴らの吐く酸や毒は何をどうやっているのか、僕らに対しても有効で、コートの裾が焦げている、聖骸布を焦がすとかマジかよ。
試しに周りごと回帰させて植物を除去しようとしたけれど、時粒子の耐性の所為で思う様に行かない、そんな事を思いながら攻めあぐねいていたら、焦ったくなったのか神父が指を鳴らし、アークライトさんが作った植物を食う蟲を創り出して対抗し始めた。
彼らは彼らの戦いを始めたので、僕はターゲットである左天に向かって時粒子のみを収束した砲撃を放ちながら、時空を捻じ曲げ、奴が僕にやった様に二度と回帰出来ない様にしようとしたのだが、やはり一対一では互いに手が読み切れてしまう為、やすやすと回避されてしまい、第五波動を返された。
僕はソレを回避せず、正面から殴りつけると同時に時間操作し、第五波動を逆流させて左天に撃ち返す、その際にダークマターを再利用されないようにアトミックヘイルスパークに時粒子、重力子、磁力の三つを掛け合わせた物をプラスする。
コレなら時間を止めようとソレを貫通させる事が出来るし、重力と磁力による引力によって彼を砲撃に近付かせる事が出来ると思ったのだけど、プレデタークロスによって蹴り落されてしまった。
すぐさま磁力や重力で彼を金縛りにしようとも考えたが、その二つは今やった様に彼も使用出来る上に、僕の様な再現では無い完全な重力・磁力操作が出来るので部が悪い。
しかし、
先ほどまでは力が有り余っていて好き放題していたが、ある程度殺し殺されて頭が冷え、互いにに睨み合って状態が膠着してしまった。
落ち着いて考えて見れば、僕らは変えた未来すら見える、だからこそ千日手状態だったのだが、技を撃つよりもより多く、より先の未来を見ながら決定的な一打を放つ事に専念し始めたのだ。
何度死んでも回帰すれば身体は元通りになる、だがそれは
時間回帰には始点と終点がある、自分が死亡した瞬間を始点とするならば、自分の肉体が再生した所が終点となると言った具合に一瞬にして肉体が回復する訳では無い、しかも時間回帰中は二重に重ね掛け出来ず、自身に対しての時間操作は出来ない為、始点から終点に向かう間を狙い撃ちにされてしまうと問答無用で死亡する、それも時空の狭間に飲まれて死亡する為いかなる手段でも帰って来れない。
世界規模で大技撃ち合っていたのも、突き詰めてしまえば回帰中に敵を殺して存在を消滅させる為、それさえ回避してしまえばいくらでも歴史を改変出来る為、周りの被害を顧みなかった訳だ。
けど、それでは僅かな時間を相手に与える事になってしまい、その分多くの未来を見られてしまう、だから僕と左天は手を出し合うことを止め、睨み合う様に未来だけを見据え始めた。
将棋やチェスを打つ様に先を読み合いながら自分の望む未来を探し出して行く、重力・磁力を使うのは無意味、倍以上の威力で返される、砲撃系の技は撃って居る間に過去を経由して背後を取られる、核弾頭や次元兵器の投下は強力ではあるが、その悉くが潰されてしまう。
一見手詰まりにも見えるが、無限に広がる未来には必ず可能性が眠っている、紙のように薄く、限りなくゼロに近い可能性かもしれないが、必ずそれはある。
今や僕と左天の戦いは小数点以下の確率を探り当てた者にこそ勝利が訪れる状態となっていた。
睨み合いの状態から事態が動いたのは、神父が僕の後ろから、アークライトさんが左天の後ろからそれぞれ拳を振り下ろす姿が見え、互いに回避行動を取った事だ。
後ろを見ずに振り抜かれた拳を背負い投げる、左天は回避すると同時にアークライトさんに回し蹴りを放ち、彼の体勢を崩し、僕の投げた神父とアークライトさんを接触させる事で逆拒絶反応を引き起こそうとする。
僕もそれを狙っていたのだが、二人はその事を折り込み済みで殴り掛かっていたらしく、紙一重で身体を回避させると同時に僕らを糸で拘束する、今更こんな物何の役にも立たないのだが、彼らの攻撃はそれで終わらなかった。
僕らが拘束を逃れようとした一瞬を突き、二人は
全能者になっている所為で、神父ですらビッグバンを引き起こせる為、二つの大爆発に巻き込まれた僕らは四人ともが一瞬で肉体を失ってしまった。
当然の事だが全員が同時に回帰を行った、そうでなくては命を落とす結果となるので回帰しない訳が無い、この一瞬こそ我々の最期の瞬間となっていた。
「フハハハハッ!! この瞬間、我々は不死身では無くなった、真の神である私以外は淘汰されるッ!!」
「ハッ!!
「同感だぜ、俺のクローン程度で神を気取るんじゃねェよ、笑い過ぎて腹筋が死ぬところだったじゃねェか、テメェら全員役目終わったんだから大人しく死んどけやァ!!」
「僕からしたら君達全員が量産型の神なんだよね、掃いて捨てるほど居る有象無象の一部の分際で知ったかしてんじゃねーよ、正統な神はこの僕ただ一人ッ!! 紛い物は死んじまいな!!」
回帰の最中に真っ先に動いたのは左天、彼は第六波動を放って時空を捻じ曲げる事で我々を脳死させると共に回帰する道筋を断つつもりなのだろう、自身に対する時間操作は出来ないが、他人の事象には干渉出来る為、第六波動を不発に終わらせ、
「––––––––ッ!!??」
「回帰中の我々は未来はおろか過去すら見る事が出来ない、だからこそこの瞬間を狙い撃たせて貰ったッ!! ゼロに等しい確率だったが、僕は賭けに勝ったッ!! 貴様の負けだ、アダム・アークライトッ!!」
僕の放った改良型第六波動は最早原型をとどめて居ない、本来の第六波動は脳の体感速度を極限まで引き伸ばして脳死させる必殺の技、しかし僕の擬似第六波動は直接時間を経過させる方向に変化していた為、ベクトルの違う物となっていた、そこで天使と同化した後にこの技の歪みを修正せずに進化させて完成したのがこの技だ。
効果はたった一つのシンプルな物、
先にも言った様に、回帰と言う技は始まりと終わりがあって漸く完成する技なので、終点を消してしまえば彼は回帰の環から脱出する事が出来ない。
更に付け加えるならば、終点を消した事で被弾したものは本来在るべきであった終わりを見失い、また始点から回帰を繰り返す、それも無限にだ。
「億単位の精神攻撃の御礼だよ、無限に死と再生を堪能するがいいさ」
僕の意趣返しは終わった、残るもう一つは物理的に殴り殺されたアークライトさんの救命だ。
先ず時間停止で一時的に神父を止め、その隙にアークライトさんを生き返らせると同時に彼の年齢を子供にまで巻き戻し、彼の記憶していた
コレで野心を懐いても実行に移す圧倒的力は失われた、彼の回帰を加速させ、戦いが始まる直前にあらかじめ同じ年代にまで若返らせて置いた離瑠さんのところへと放り出しておく、幸せにやってろバカップル。
「残りはテメェだけだなァ、ハーレム野郎」
「最後に残ったのが
「訳のからねェ事ゴチャゴチャ言ってんじゃねェ、死ぬか殺されるか好きな方を選びやがれ、特別にテメェの葬儀はロハにしといてやるからよ!!」
「そいつはどうも、だけど僕はまだ死ぬ訳にはいかなくってね、告白の返事も返してないし、死ぬのは君だ」
偉そうな事を口にしては居るが、正直正面からの殴り合いには勝ち目が無い、改良型擬似第六波動は技の構築が特殊な所為でタメが出来てしまう、だから改良型擬似第六波動をチャージしながらも
「––––––––今テメェの考えている事を当ててやろうか? 俺がさっき覚えた改良型擬似第六波動を使って来る、それさえ引き出せれば活路が見出せる、そう思ってんだろう?」
「…………違うね、どうやって君を八つ裂きにするか考えてたんだよ」
「無駄無駄無駄ァ!! 俺様はお前ごときを始末するのにあんなまどろっこしい技なんざ要らねェよッ!!」
「––––––ッ!!」
そう言って、神父は僕に向かって拳を振り抜いてきた、その選択は僕の手を読み切った彼にしては当然の物だったのろう、しかしそれは僕を殺すには至らない行動だ。
僕は神父の未来の事象から、改良型擬似第六波動を放った未来を引き出し、強制的に彼の拳から改良型擬似第六波動を放たせる。
「何ッ!!」
「あっははははッ!! 君は僕との知恵比べに負けたんだよ、アダムブレイドッ!! ––––––
僕に迫る改良型擬似第六波動、それに向かって僕も同じく改良型擬似第六波動をぶつける事で、無限に過去へと回帰する力を無限に回帰させて時の法則を崩壊させ、無限に未来へと加速する能力へと変貌させる。
これによって、無限に広がる未来の中に放り出された僕達は強制的に自分が望んだ未来を辿ることになる、終点が無いのは相変わらずなのだが、無限に未来が存在しているのに対して過去は常に一つ、どれだけ過去を改変しようと、其処に可能性は無い。
僕は無限の未来の中から奇跡的に改良型擬似第六波動から解放された未来に途中下車し、この技から解放された、イザナミの因子の所為か何故か白砂村に降りちゃったけどね。
僕の望んだ未来はアークライトさんに施した処理を神父にも行った未来、だから既に彼らはそれぞれのイヴの側に寄り添っているだろう、彼を助ける必要は無かったが、クルスくんが世話になったし、話の分かる同士だったからね。
やっと肩の荷が降りた僕は肉体と魂の過去から、宮本那都彦の息子だった時の状態を引き出し、クローン体からちゃんとした人間の身体へと戻る。
その結果、僕は能力を失う事になってしまったが、最早この力は必要ない、これで良いのだ。
––––––こうして、神の座を争う戦いは終わり、白砂村に隠れ住む事となった、能力を失う前に回帰と時間停止を使って村自体は綺麗にして有るし、無駄に土地も余っているので住人を募集しているのだが、六道銀は愛する人と世界旅行、アークライトさんは再び野望の実現を目指し、離瑠さんと共に裏で暗躍を、神父達はそのまBSで変わらない生活を送っている為、閑散としたままだ。
まあ、隠居生活ってそんなもんだろうし、好きな人と一緒に生活出来るだけで僕は幸せだから構わないんだけどね。
割とあっさり決着が付きましたが、千日手を延々続けても四人とも体力の無駄という事に気がつきましたので、テーレッテー>∩(・ω・)∩<に切り替えました。
約一名以外割と平和に終わって私は満足です。
えっ? 左天? …………その内考える事を辞めるでしょうから大丈夫大丈夫(白目)