NEEDLESS the World   作:ACS

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第5話

第5話 恐怖の四天王

 

 

何でこんな事になってるんだろう……。

 

グランドを整備していた僕は突然包帯を巻いた男性に突如襲撃された、何でこんな目に合うのか分からないけどローラー引いてグランドを均していた僕に突然影が差した為反射的にその場から飛び退いたのが功を奏し、回避する事が出来たから僕は無傷だ。

 

 

本当にいきなり過ぎて訳が分からない、位置的に校舎の屋上から僕に襲撃をかまして来た事は分かるが基本的にこの学園内が行動範囲の僕が狙われる理由は何だ?

 

見るからに堅気の雰囲気じゃ無い、顔に包帯を巻き、上半身はマント一枚と言う変態チックなファッションをしている男、その両腕には錘の様な物が付いている、そんな拳を受ければひとたまりは無いだろう。

 

 

着地時の攻撃によって起きた音で授業中の生徒達が一斉に此方を見ている、生徒だけでなく教師もざわ付いて居る所を見ると目の前の男は学園かシメオンの関係者と推測出来る、となると先月送った刹那ちゃん達のレポートが原因か?

 

僕の能力を解明すると言う任務、謎多きこの能力は未だ全容が明らかにならず、加速と減速を操る能力として仮定されている、どの程度詳しい報告を彼女達が行ったのかは分からないけど、襲撃されたと言う事は興味を持たれたか?

 

「おい、考え事は終わったか? 俺は離瑠様の命令でお前と戦いに来たんだ、能力は使わないでやるからとっとと掛かって来いや」

 

 

当たり、かな? その割には殺意が有る攻撃だった、偵察ついでに危険な能力だから排除する気でも有りそうだ。

 

軽い手合わせ、しかし僕自身の利用価値を彼に示さなくてはこの場で殺される、普段の模擬戦はすんでの所で止めてくれるけどこの人にそれは出来ない、次体育の授業何だけどなぁ。

 

 

「……分かりました、次の授業が始まるまででしたら、御相手致します」

 

「つーことは50分程度か。 ハッ、シメオン四天王も嘗められたもんだな」

 

 

四天王と言う言葉に敵の実力の高さが伺えるが構わず特攻、1.5倍速で詰め寄り右足のハイキックを四倍速でこめかみに向けて放つ。

 

移動時と攻撃時の速度を分けたのは相手に目を慣れさせてタイミングを外すため、四天王と言う事は強力なニードレスである事は間違いなく、相手が油断している内に最速で仕留める事こそが僕の活路だ。

 

高速で迫る僕の右足、だが狙いが単調過ぎたのかあっさりと錘の付いた左腕を差し込まれた。

 

このままでは足を痛めるだけなのでハイキックの速度を一気に0.25倍速にまで落としてタイミングを外すと共に踵落としに変更、蹴撃の軌道を力尽くで捻じ曲げながら再び四倍速で脚を振り下ろす。

 

 

斬撃の様な速さの振り下ろし、全体重を乗せたその一撃は残念ながら男の鼻先を掠めるだけで回避されてしまった。

 

その事実に舌打ちをしながらも半端に攻撃を当ててしまった事で相手の侮りが消えた事を悟り、服の中のナイフを取り出して投擲、模擬戦用では無い本物の刃物を投げるのは気が引けたがコレぐらいしないと恐らく殺される。

 

ナイフの投擲数は20、等速、倍速、三倍、四倍と速度をランダムで変更しながら加速に波を作って襲撃、僕の能力に顔を顰め、ナイフを払い落とそうとした瞬間に白線引きを投げ付け中の石灰を空中に散布、纏めて落下速度を0.25倍速に変更して視界を潰す。

 

「チッ、面倒な能力使いやがって」

 

 

能力自体はレポートを読んで知っていただろうが実際に体験しなくては分からない事も有る、彼は”知識”と”体験”によって僕の能力を解き明かそうとしているのか敢えて回避する事無く、腕の錘を使ってナイフ群を叩き落としている。

 

だがこれで彼の意識が僅かにナイフへと流れた、その隙に彼を0.25倍速にまで減速させ、僕の速度を四倍速にする。

 

圧倒的な速度差を利用してナイフを最低速度で投擲、左右前後、更には()()()()()()()を足場に空中に飛び上空からもナイフを投げ付ける。

 

半球状になる様にナイフを投擲し終わった後、最後にグランドを均していたローラーを遠心力で振り回しながら投擲、そしてその全てを四倍速に急加速する、実質的な速度差が十六倍のナイフ群とローラー、コレが今の僕の全力だ避け切れる物なら避けて見ろ。

 

 

「ッ!! 第四波動!!」

 

 

その言葉と共に極大のレーザーが僕に向かって放たれ、その衝撃でナイフとローラーが焼滅する。

 

当てが外れはしたがレーザーを放っている体勢の彼は無防備、加えて能力を使わないと言うハンデを破る事になったのだから僕の勝ちを主張する事は出来るが、その為には一撃与えるべきだろう。

 

速度差を利用しながら男に接近、死角であるレーザーの下を潜りながら彼の懐に飛び込んだ僕は見開いた顔の彼に頭突きを喰らわせる。

 

その時、何かを吸われた様な錯覚を覚えたのだが構わず張り倒して勝ちを宣言する。

 

 

「能力を使わないってハンデの中で能力を使わせたのですから僕の勝ちで良いですよね?」

 

「…………お前、何の能力だ?」

 

「へっ?」

 

 

あれっ? なんか地雷踏んだ様な気がするのは気の所為かな? 目付き滅茶苦茶怖いんだけど……。

 

 

「えっと、僕記憶喪失でして……」

 

「………」

 

それっきり男性は黙り込んでしまった、そしてその内授業終了のチャイムが鳴り、荒れまくってるグランドの状態に初めて気が付いた。

 

 

「ちょっ!! グランドまだ整備してないよ!? 包帯さんも手伝って!!」

 

「えっ? 俺も?」

 

「荒らしたのはアンタ何だから当然でしょ!? 加速させますから早く!!」

 

「お、おう」

 

包帯さんは釈然としない顔をしていたけれどせっせと働いてくれました、そのお陰でグランドはギリギリ間に合い、僕は陰で大の字になって横になっていた、因みに包帯さんはグランドの整備を終えた後に帰りました。

 

て言うか本気で疲れた、連続した能力の使用もそうだけど自分から攻める戦いは初めてだったから余計に疲労が溜まってる、日常生活に能力を使う分には連続使用が続く戦闘行動は疲労が段違いだ。

 

水で濡らしたタオルを顔に当てながら木陰で休憩をしていたのだけど、疲労感から僕はそのまま寝てしまったのだった。




白毫を使われましたがまだ能力が判明していませんので大丈夫です(震え声)

今回左天が来た理由は離瑠に言われた+能力収集の一環でしたが、見ても体験しても能力が理解出来ず、白毫使っても(クロ君から頭突きしに行きましたが)使い方が分からない為困惑したまま帰りました。

後、左天がやられたのはミッシングリンク級の能力を覚えるつもりだったので勝つつもりはハナから無かったからです。

命が首の皮一枚で繋がりましたね(白目)


2016/01/13 追記

四倍速と4分の1倍速の差は16倍差でした、ですので八倍差になっていたのを訂正致しました。
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