地球から約16億㎞と遥か遠く、しかし広大な宇宙全体から見れば地球の近くに存在している惑星に土星と呼ばれる星がある。
その土星の周りに存在する64の衛星の一つに地球の物と比べると巨大であり、まるでSFに出てくるような形をした乗り物、宇宙船ネメシス号はあったが、ネメシス号は墜落したのか船体は斜めに傾き、船の全体にいくつも穴が開いており、誰が見ても飛ぶことはできないと一目で分かる位に損傷していた。
そのネメシス号の中は生き物の骨のようにも、植物の蔦のようにも見える物が天井から生え、青い液体と生き物の幼生と思われるものが入った卵のような物が柱にいくつもあり、そして5体の人間よりも遥かに大きな人型のロボットと、昆虫のような頭部に腕が4本もある人間の小学生位の大きさのロボットが集まっていた。
「俺は見つけることは出来なかったが、バリケード、フレンジー、お前たちはメガトロン様かオールスパークの行方は分かったか?」
「いいや、色々と探して見たが全然だめだ」
「俺の方も同じだ、メガトロン様もオールスパークも見つからねぇ」
「そうか…………ブロウル、ボーンクラッシャーはどうだ?」
6体の中で一番大きなロボットが、5体の中で比較的小柄なバリケードというロボットと一番小さなフレンジーと呼んだロボットにそう聞くが、見つからなかったことを聞きブロウル、ボーンクラッシャーと呼んだロボットに聞くものの、その2体も同じような反応に軽く舌を打つと残る1体の方を向く。
「で、さっきから黙っているがお前の方はどうなんだ? どうせ見つけることなんざ出来なかったんだろうが、何か言ったらどうなんだスタースクリーム!」
スタースクリームと呼ばれたロボットは、嫌悪感を隠すことなく放たれた言葉を少しも気にする様子もなく言う。
「黙れブラックアウト、俺は図体がデカいだけで役立たずのお前とは違う」
「なんだとスタースクリーム! この俺が役立たずだと!!」
「そうだとも、現にお前は何の情報も掴んでいないだろう」
「くっ! そこまで言うのならお前は何か情報を掴んだんだろうなスタースクリーム! 言っておくがくだらない情報だったなら只じゃおかないぞ!!」
一番大きな体のロボット、ブラックアウトの悔し紛れの言葉を聞きスタースクリームは愉快そうに嗤う。
「ああ、その点は安心しろ。 どこかの役立たずとは違って俺はちゃんと情報を掴んできた」
「スタースクリーム! 貴様!!」
「落ち着けブラックアウト! スタースクリームもさっさと情報を話せ!!」
侮辱の言葉にスタースクリームに襲いかかろうとするブラックアウトをそばにいたブロウルが抑え、バリケードがスタースクリームに情報を話すように言う。
「俺が掴んだ情報はメガトロン様の行方についてだ」
その言葉を聞いた途端、ブロウルに抑えられながらもスタースクリームに襲いかかろうとしていたブラックアウトの動きがピタリと止まる。
「メガトロン様はどうやらオールスパークを求めてある惑星に向かったようだが、重力の影響でその惑星に墜落したと思われる。 俺からメガトロン様に向けて信号を発してみたが応答はなかった」
「メガトロン様が墜落した程度でお亡くなりになられるとは思えん。 おそらく墜落のショックで一時的に機能を停止しておられるだけだろう」
すでに落ち着きを取り戻したブラックアウトが、スタースクリームの情報を冷静に判断する。
「それでスタースクリーム、メガトロン様が墜落したと思われる惑星はどこだ?」
スタースクリームはそう聞いてくるブラックアウトを今度は侮辱したりしなかった。
「メガトロン様が墜落したと思われる惑星は、俺達のいるこのネメシス号から約16億㎞先にある惑星――――――――」
スタースクリームは愉しそう嗤いながら、
「――――――――地球だ」
標的となった惑星の名を答えた。