ダンジョンで真人間を目指すやつもいる   作:てばさき

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色々考えた結果、主人公の能力は主人公自身に明かさない方がやり易いなと。
少なくとも、今はまだその方針です。

ただ、それだと説明が不親切な描写も増えそうなので、ちょくちょくこういったものを入れていこうかと。

……ただのギャグ回になる可能性も微レ存。


断章1 礼拝堂で神は悩む

ヘスティアは眷属達を見送ると、バイトが始まるまで暫しの暇をもて余す。

 

大抵はバイトが始まる頃にカイトも合わせて出発するため、途中までは一緒だったりするのだが、今日はベルがいる。

 

初めてのダンジョンと言うことで、人が増え始める前に一階層での戦闘を経験させておきたいと言う、リリルカの提案のためだった。

 

「どうか無事で、怪我をしたって……良くはないけど、どうか笑って、帰ってきておくれ」

 

朽ちた礼拝堂で、誰ともなしにヘスティアは呟いた。

 

神と言うのは不便なものだ、と思う。

こんなとき、祈る相手もいやしない。

 

 

さて、祈りはせずともやることもなし。

ともなれば寝てしまいそうにさえなる長閑さを醸し出す礼拝堂で、ヘスティアは胸元から二枚の紙を取り出した。

 

ちょくちょく出くわすたびに、自分をデブだの脂肪の塊だのと宣う板胸女神に、いつか見せつけてやるための練習として、ヘスティアはたまにそんな物の収納を練習していた。

 

……さすがに下品なので、カイトやベルからは止められたが。

 

「うーん」

 

唸る。

 

「不可思議だ」

 

ヒラヒラと、紙が揺れる。

それは大切な二人の眷属、そのステイタスを更新したときに作った写しであった。

 

………

……

 

ベル・クラネル

種族:ヒューマン

 

レベル1

 

力 :I45

耐久 :I88

器用 :I54

敏捷 :H103

魔力 :I0

 

≪魔法≫

 

≪スキル≫

 

──────────────────────

 

カイト・アルバトス

種族:ヒューマン

 

レベル1

 

力 :F380

耐久 :F386

器用 :G220

敏捷 :F304

魔力 :I0

 

対人 :C

 

≪魔法≫

 

≪スキル≫

戦場の流儀(ウォードレス)

・対多数戦闘時に各ステイタス上昇補正。

・追い詰められるほど効果上昇。

・庇護対象が親しいほど効果上昇。

・敵対対象を殺害するたびに効果上昇。

 

………

……

 

「誰かに相談しようかな……」

 

なんか、眷属の成長率が聞いていたのと違うんですけど、と。

 

ベルに関しては、何となく納得ができる。

何せ、毎日カイトと訓練をしているのだ。

抜き身の剣(・・・・・)で、ボロボロになるまで。

 

そりゃあ、耐久は上がるし、逃げ回れば敏捷もこうなろう。

 

ただカイトは……

 

「下地があるから成長が早いとか、そう言うことは無いはずなんだけどなぁ」

 

恩恵を受けてから戦場に立ったのであれば、この伸びは納得ができるし、むしろ少ないと思うかもしれない。

 

二ヶ月なら、行けても三から五階層──……それが所謂、普通の冒険者としてのペースだった。

間違っても、初日から今日に至るまで平均十階層へと潜り、ほとんど怪我もなく帰ってこれるものではない。

 

「んー……考えられるのはスキルだよねぇ。結局、この対人ってアビリティもまだ調べてないし。ミアハかタケ辺りなら、誠実だし秘密は守ってくれそうだけど」

 

どちらも零細ファミリアとして苦労しているところだ。

あまり詳しくは無いかもしれない。

とはいえ、ヘファイストスは……

 

「なんでもっと早く言わないの!って、怒られるのが目に見えてるんだよなぁ……」

 

正座は嫌なのである。

それに、他でもない自分の、初めての家族なのだ。

そのことで誰かに相談なんて、だって、なんだかとても、情けない神にも程があるじゃないか、と。

 

悶々とするヘスティアは、暫し考え詰めた後──

 

「……よし、バイト中にミアハかタケが来たら話してみよう。来なかったら、ヘファイストスに聞こう」

 

他でもない、可愛い子供の為である。

ヘスティアは静かに覚悟を決めた。

 

………

……

 

「どう? 調子は。真面目に働いているかしら?」

 

「えぇー……」

 

昼前に、店を訪れた最初の()は、こともあろうかヘファイストスだった。

 

「な、なによ、近くを通り掛かったから、ちょっと様子を見に来ただけじゃない」

 

そんなリアクション、しなくても良いじゃない。

 

「うぅー……」

 

「その……ごめんね?」

 

何か悪いこと、しちゃったかしら。

 

「違うよ! ヘファイストスは何にも悪くないよ!」

 

ちょっと間が悪すぎて、心の準備と覚悟が音を立てて崩れてしまっただけなのだ。

 

「ヘファイストスぅ…………」

 

「……ちょっと、本当にどうしたの?」

 

「眷属の……カイト君のことで相談があるんだ」

 

思い詰めたような神友の言葉に、

 

「あら、それならバイト後、ウチにいらっしゃいな」

 

世話焼きな鍛冶神は、そのように即答したものだった。

 

………

……

 

ヘファイストスが去って数分後──

 

「おお、ヘスティア、息災か?」

 

「やあミアハ、元気だよ」

 

「実は、眷属のことで相談があってな。今度時間を──」

 

「うがー!!」

 

今日も、晴れやかな空が広がっていた。





短っ

実は本編内に混ぜ混む形で説明回パートを書いていて、あまりのテンポの悪さに抜き出しました。

構成が崩れる原因にもなるので、ちょっと色々と作り直します。
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