城下町のAGITΩ   作:オエージ

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第21話 G3の限界

廃工場

 

戦闘は既に始まっていた。

 

アギト達と睨み合うのはかつてアギトが戦ったジャガーロードと同種のアンノウンだ。

 

先頭に立つのは女王のような姿のクイーンジャガーロード パンテラス・マギストラ。

隣りには赤色のジャガーロード パンテラス・ルベオーと、

青色のジャガーロード パンテラス・キュアネウスが立っていた。

 

「フシャァァァァァー!」

 

マギストラの咆哮と同時に火蓋は切られ、双方が動きだした。

 

「ウォォッ!」

 

「グルルゥ・・・」

 

ギルスがルベオーに飛び掛かった。

ルベオーは剣を二本取り出し、ギルスは両腕からギルスクローを出して打ち合いになる。

ルベオーが突きをすればギルスクローでそれをそらし、ギルスが切り裂こうとするとルベオーは片方の剣でそれを防いだ。

剣のリーチを生かすべくルベオーは距離を取るがギルスはその瞬間を突き、飛び膝蹴りをルベオーの顔面に放ち、のたうちまわらせた。

 

 

 

「たぁぁぁっ!」

 

「グルァァ!」

 

アギトはストームフォームに変身してキュアネウスの剣と鍔迫り合いをしていた。

キュアネウスは力づくで押そうとするとそれに対抗せずあえて引く。

それによってキュアネウスはバランスを崩し、前のめりになった所をストームハルバードの上の刃で斬り上げ剣を弾き、そのまま一回転して下の刃で本体を斬り、吹っ飛ばした。

 

「斗真!行くぞ!」

 

「おう!」

 

合図と同時にアギトはストームハルバードで突風を引き起こしキュアネウスを吹き飛ばす。

 

「オォォォォォ」

 

吹っ飛んだ先にはギルスが待ち構えておりギルスヘルススタッブでキュアネウスを貫き撃破した。

 

「グシャァァァ!」

 

しかし、後ろでルベオーが飛び上がり、ギルスを刺そうとした。

だがルベオーの目の前にはそれを予期したアギトが飛んできた。

 

「ッ!?」

 

「でやぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

ルベオーは逃げ切れずハルバードスピンを浴びて爆散した。

 

 

「はぁぁぁぁ!」

 

「フシャァー!」」

 

一方、G3は敵のリーダーであるマギストラと対峙していた。

 

腕に装着したGS-03でマギストラに斬りかかるが避けられ後ろの鉄骨が切断される。

 

『GS-03で避けられるだけだ、他の武装でいけ』

 

「まだだ!次こそは当てる!」

 

G3は大きく腕を振り上げるがマギストラはG3の胴を杖で突き、怯んだ隙に逃げて行った。

 

「くっ・・・・・!」

 

弥生は唇を噛み締め、頭部ユニットを外し変身を解除した仲間達の元へ向かう。

 

「申し訳ない、私は至らぬばかりに・・・」

 

「気にするなって、犠牲者もいないんだし次倒せばいいじゃないか」

 

「だがもし逃がした奴によって犠牲者が出たら・・・」

 

「弥生?」

 

昴は弥生を慰めるが彼女にとってはむしろ責めてくれたほうが気が楽だったりする。

一方斗真は先程の戦いの過程を思い出し昴に声をかける。

 

「そういえばさっきの連携だが、お前少しタイミングがズレてたぞ」

 

「え?そうだったけ?実戦だとうまくいかないものだなぁ」

 

「また特訓するか?」

 

「ああ、そうしよう」

 

二人の話に弥生が割り込む。彼女は二人が特訓していたことを知らなかったのだ。

 

「ちょっと待ってくれ、特訓をしていたのか?」

 

「ああ、最近は敵も強くなってきたからな」

 

「組手とか連携の練習をしてたんだがそれがどうした?」

 

「それなら私も特訓に・・・」

 

しかし、白井がそれを止める。

 

『いや駄目だ。G3の点検をしたい。弥生はすぐにGトレーラーに帰還してくれ』

 

「・・・・・了解」

 

弥生は落ち込みながらもガードチェイサーに乗り、Gトレーラーへと戻って行った。

 

(私にも彼らと並べる力があれば・・・!)

 

走って行く中で弥生はそう考えていた。

 

 

 

 

 

櫻田家 玄関前

 

そこには修と奏の二人がいた。

しかし、二人の間には不穏な空気が漂っていた。

 

「やっぱり選挙を辞退する気はないんだな?」

 

「当然よ」

 

強情な双子の妹に兄の修は溜息を吐く。

 

「王様になったところでお前の望みは叶えられないぞ」

 

「可能性は広がるわ」

 

「そうかよ、でもなんで一人で選挙活動することに執着するんだ?今なら光だって喜んで手を貸してくれると思うが?」

 

「人の手を借りた勝利なんて勝った気にならないわ」

 

それが見栄っ張りだということに修は気付いている。

自分の力だけで勝たなきゃ償いにならない、そう思い込んでいるのだろう。

 

「そんなに一人で頑張りたいならせめてお手伝いアンドロイドでも作成したらどうだ?でないと倒れちまうぞ」

 

「そんないくらかかるか分からないもの作成するわけないでしょ・・・ところでどこ行くの?能力検査?デート?」

 

「いや、たまには弟と遊ぼうと思ってさ」

 

「はぁ、なにそれ?意味分からない」

 

「そう言われても別にそんなに深い意味はないからなぁ・・・」

 

修はドアに手を当てる前に振り向いて奏に言った。

 

「『あの時』の事を気に病んでるのなら無駄だぞ。あれは誰のせいでもない、不可抗力だ。だから気にする必要はない」

 

そう言って修は出かけて行った。

 

「誰のせいでもない、気にする必要はないですって・・・ふざけないで!」

 

その声色には普段外で見せない怒りが浮き出ていた。

 

「あの事件は全面的に私が原因だった。そのせいで修・・・あんたは足を・・・!」

 

櫻田家の長男である修はある事故が原因で足を使う激しい運動が出来なくなってしまっているのだ。それには奏が関係している。

 

「あんたはそのことに何の後悔もないだろうけど私にはあるのよ。その為には聖人君子の偶像を造ってでも選挙に勝たなきゃいけないの!」

 

思わず壁を叩いてしまい、奏は正気に戻る。

熱くなった心を抑えるため、携帯を取り出し、株価をチェックし始める。

その時、修の何気ない一言が頭に蘇る。

 

『そんなに独りで頑張りたいならせめてお手伝いアンドロイドでも作成したらどうだ?でないと倒れちまうぞ』

 

(お手伝いアンドロイドか・・・悪くないかも・・・)

 

その時、彼女は欲しいと思ってしまい能力が作動し作成が始まる。

 

「あ、しまった!やっちゃった・・・」

 

作成されたアンドロイドは口を開く。

修そっくりの顔で、

 

「ハジメマシテ、ワタクシハオテツダイアンドロイド『SHU』デゴザイマス」

 

(なんで修の顔なのよー!?)

 

奏の能力物質作成(ヘブンズゲート)は欲しいと思ったものをそのままの形で創り出せるのであるが・・・

 

(私が修似のアイドロイドを欲しかったから?いやいやいや!ないわ!これはただ修が想像しやすい顔だったから・・・特に他意はないのよ!!)

 

そう自分に言い聞かせるとアンドロイドSHUは驚愕の仕様説明を語り出す。

 

「コノカオハゴシュジンサマノコノミノイセイヲモトニツクラレテイマス」

 

(ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇ!?何勝手に人の好みを決めつけてんのよぉぉぉぉぉ!)

 

すると茜が二階から降りてきた。

 

「どうしたのカナちゃん?・・・って修ちゃん出かけたんじゃ?」

 

SHUの完成度は高く茜は修と思い込んでいる。

 

「ワタクシハカナデサマノコノミノイセイヲモトニツクラレタオテツダイア・・・」

 

「ほあちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

バレたら何を言われるか分からないので奏は迷わず『粉砕☆鉄拳グローブ』を作成し、SHUを粉々に破壊する。

 

「修ちゃーん!?」

 

「アイルビー・・・・バッ・・・」

 

奏は何かを言いかけたSHUのコアを踏みつぶしSHUを完全に黙らせた。

 

「ふぅ、スッキリしたぁ~・・・やっぱりサンドバックは修似に作るに限るわね!」

 

「え!?あれサンドバックだったの!?でもお手伝いなんとかって言ってたような・・・」

 

「茜、何か欲しい物は?」

 

「え?」

 

「欲 し い 物 は 何?」

 

グイッ、と顔を近づけ不気味な笑みで問い掛けてくる姉に茜の危機センサーが作動した。

下手に刺激するとナイフやガトリングを作りかねない。

 

「強いて言うなら平和かな・・・」

 

「そう、それならあなた次第ね。あなたの言動一つで世界は一変することを自覚しなさい」

 

「ハイワカリマシタ」

 

そのまま奏はドアを開けて外へ走り去ってしまう。残された茜はバラバラになったSHUの偶然無傷な頭部パーツを拾い上げる。

 

「それにしてもよく出来てるなぁ、こんなに似てるのを壊しちゃうなんてもったいないよ」

 

その時、ガシャン!、と何かが落ちる音が聞こえ振り向くと震える岬の姿が見えた。

 

「何を、してるの・・・あか姉?」

 

「岬?これはね・・・」

 

しかし、岬は話を聞かず叫んだ。

 

 

 

 

「修ちゃんバラバラ殺人事件だー!?」

 

「いや、これはただのサンドバックで・・・」

 

「サンドバック!?あか姉日頃から修ちゃんを虐めたの!?遥逃げてー!」

 

「だから違うって!」

 

この後岬は遥を連れて逃げ回り、茜が岬の誤解を解くにの半日かかったのはまた別の話・・・

 

 

 

 

 

 

白井邸

 

「私に聞きたいこととは何だ?」

 

弥生はG3のメンテナンスを終え白井の所に尋ねてきた。

あることを聞きたいからだ。

 

「G3に強化プランはないのか?」

 

「何故急にそんなことを聞くのだ?」

 

「昴は最近三位一体の力を手に入れた。秋原もあの姿の力を完全に使いこなしている。G3にも何か強化する必要があると思うのだ。新しい武器でもいい、何かないのか」

 

「あるぞ」

 

「そうか・・・やはり・・・ってあるのか!?」

 

そうだ、と白井は素っ気なくケースに閉まった二本のUSBメモリの内青色のメモリを端末に差し込む。そこには未知の装備の情報が記されていた。

 

「『G3-X』・・・?」

 

「ああ、G3のデータを元に強化した新型スーツだ。ちなみにXとはエクステンション―拡張という意味だ」

 

白井は端末を動かしながら新スーツの説明をする。

 

「基本性能の向上は勿論のことGX-05とGK-06を新装備に加えただけではなく状況に応じて最適な動きを促すAIを搭載。理論上ならアギトととも互角に戦えるはずだ」

 

「おお!なんて性能だ。これなら・・・」

 

しかし、白井の表情は良いものではなかった。

 

「だが駄目だ」

 

「何故だ?こんなにすごい性能なら今すぐ造るべきだろうに・・・」

 

「それが原因なのだよ。G3-Xの性能に君がついていけない可能性が高い」

 

「何故そう言い切れる!やって見なきゃわからないだろ!」

 

「では聞くが君は戦闘中、何も考えずにいたことはあるか?」

 

「そ、そんなこと出来る筈がないだろ」

 

「なら無理だ。諦めたまえ」

 

「だから何故!?」

 

「説明しても無駄だ。それにG3だって充分戦力になると思うぞ?何故君はそんなに強化する事に拘るのだ?」

 

「そ、それは・・・」

 

「機械を強くするより、自分を強くしたほうが手っ取り早いと私が思うが?」

 

「・・・くっ!」

 

弥生は耐え切れずに部屋から出て行ってしまう。

 

「・・・頭の堅い奴だ。伊達にストーンガールとは揶揄されていないな」

 

そんな時、先程まで部屋の掃除をさせられていた六野が口を開く。

 

「ねえ白井ちゃん?」

 

「どうした六野?」

 

「G3-XのXってエクステンションの略なんだよね?」

 

「そうだが?」

 

六野は携帯の電子辞書を白井に見せる。

そこにはExtensionと書かれている。

 

「その単語のスペルってEが最初だから『G3-E』になると思うんだけど・・・」

 

常識に則った話をする六野を白井は鼻で笑う。

 

「フッ・・・これだから凡人は」

 

「ええ!?でもおかしいよね、なんで略称を頭文字じゃなくてXから取るの?!」

 

そんなの決まってるだろ、と白井は真顔で凡人の質問に答える。

 

 

 

 

 

 

 

「Xの方がかっこいいだろ?」

 

「え?それだけ?」

 

「そうだが?あ、部屋の掃除が終わったのなら次は洗濯しろ」

 

「はい・・・・・」

 

六野は部屋から出る時白井がボソッと何かを言うのを聞き取った。

 

 

 

 

「間違えたわけじゃないからな・・・」

 

後ろ向きで顔は見えなかったが白い肌の顔が真っ赤に染まっているのを凡人の六野でも容易に想像できた。

 




昭和ライダーの眼魂のラップを一部妄想してみました

1号 風車で変身!それが原点!
2号 でたなショッカー!ライダーパワー!
Ⅴ3 回る風車!力と技!
ライダーマン 俺が4号!V3の相棒!
Ⅹ 変身はセタップ!GODはストップ!
アマゾン 野生の勘!大切断!
ストロンガー 漲る電気!友の仇!

・・・センス0ですいません
個人的にはアマゾンが自信作です・・・
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