城下町のAGITΩ   作:オエージ

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今回は今までとは作風が丸っきり違いますのであしからず。

そしてゲストも登場します。それではどうぞ!


特別編 HEAVEN'S DOOR 後編

G5部隊が一斉にGX-05から弾丸をミラージュアギトと呼ばれた存在に向けて乱れ放つ。

しかしミラージュアギトは足を動かさず上半身を動かすだけでそれを全て回避する。

 

「次は俺の番だ」

 

ミラージュアギトは飛び上がり彼から見て一番前に立っていたG5の頭を掴んで地面に叩き付ける。その一撃でG5を撃破し次は目の前にいた別のG5にアッパーを繰り出しスーツを粉々に破壊した。

 

「ば、化け物め・・・」

 

「お前らは虫けらだがな」

 

回し蹴りを浴びせて狼狽する二人をノックダウンさせるミラージュアギト。その動きに躊躇いと言うものが一切感じられない。

残りのG5達が恐怖心からコマンダーの命令を無視して逃走しようとするとミラージュアギトは飛び上がって前へと着地し逃げ場を塞いだ。

 

「言っただろ、お前ら人間に生きる価値は無いと、だからここで死にな!」

 

腰をゆっくり捻りそれに呼応するかのごとく前方に灰色の紋章が浮き上がりそれを貫く様にミラージュアギトは『ブラストキック』を放ち残りのG5は必殺技の直撃を喰らい跡形も無く吹き飛んだ。

 

「くっくっくっ、病み付きになっちまうなぁ、腐った人間共を潰すのは。クキキキキ!」

 

絶対に自分なら言うはずもない言葉を目の前に自分の影は平気で嗤いながら叫ぶ。

 

「おのれ。だが力におぼれるアギトに人間は屈しない!全軍突撃!!」

 

G5-Cが照明弾を放つ大量のG5が姿を現しミラージュアギトに向けて突撃を開始する。

 

「はぁ?溺れるほどの力すらもたない虫けらに何が出来るってんだ?お前らやっちまえ!こいつらに力の差を見せつけてやれ!!」

 

ミラージュアギトが叫ぶと同時に当たりから複数の男女が現れ超能力を使って周りの廃材を浮き上がらせる者や異形に変身するなどさまざまな手段でG5達に攻勢をしかける。

 

そして昴は目の前で起こったのは惨劇だ。

 

異形がG5の一人を蹴り飛ばすと他のG5 が彼に向けてGXランチャーを撃ち込んだ。仲間を打たれたショックで怒り狂った別の異形がG5部隊に躍り出て彼らを薙ぎ倒していく。だがやがて増援に囲まれ全方位から飛び出た銃弾によって異形は倒れ込んだ。それを見た他の超能力者がG5部隊に飛びかかていく。

憎しみや怒りの連鎖が秒単位で繰り返されているこの状況に相応しい言葉を昴は知っていた。

 

「戦争だ・・・」

 

昴の言葉通り目前で起こっているこれは正しく戦争だ。人間とアギトの血で血を洗う恐ろしい戦争だ。

 

「おい!お前、何で動かない!」

 

呆然と立ち尽くしている昴に戦っていた超能力者の一人が声を掛ける。

 

「お前もアギトなら戦え!さもなければあいつらに殺されるぞ!」

 

超能力者が警告した通りG5がこちらに気付きGG-02の銃口を向けてくると超能力者は手を翳して近くの倒れたG5が落としたGG-02を引き上げ掴み取る。

このまま放置すれば二人は引き金を引いて互いに命を奪うことになる。

 

(それだけはさせない。させたくない!)

 

アギトはトリニティフォームとなって二人の間に立ち相手が仰天で体が固まっている隙にG5の装甲をストームハルバードで切り裂いて無力化し超能力者にはフレイムセイバーの柄で叩いて気絶させる。

 

「うぉぉっ!!」

 

アギトは戦闘を行う両陣営を襲撃してG5も異形も関係無く無力化していく。

 

(何やってるんだ俺は、こんなことしたって根本的な解決にならないってのに)

 

しかしこのまま惨劇が広まるのだけは何としても防ぎたいと思いアギトは手を緩めることが出来ない。そんなアギトにミラージュアギトはパンチを繰り出す。武器をクロスしてそれは防御できたが両武器から伝わる拳の強い振動によってアギトの全身は痺れる。

 

「お前・・・どっちの味方だ?人間か、アギトか」

 

自分と同じ声で問い掛けてくるミラージュアギトにアギトは答えた。

 

「どっちもだよ。だからこうして殺し合うのを止めているんだ。」

 

「そうか・・・なら、どっちの敵でもあるってことだな」

 

そう言いミラージュアギトはアギトを蹴り上げ宙に浮かす。そのアギトに追撃を仕掛けたのはG5-Cだ。GA-04でアギトを縛り上げ地面に叩き付ける。

 

「撃てぇー!」

 

コマンダーの指示の元、G5達があらゆる武器を駆使してこちらに襲い掛かる。

 

(今度こそ避けられない・・・!)

 

ミラージュアギトはそれをただ見下ろしている、GA-04のワイヤーによって縛り上げられているのでアギトは回避することも出来ない。

絶体絶命、アギトは死を悟った。その時だ。

 

【ATTACK-RIDE…SONIC!】

 

何処からか電子音が鳴り響き疾風と共に現れた何者かがGA-04のワイヤーを切り裂きアギトを連れてその場から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫?昴君、で良いんだよね?立てるかい?」

 

昴が意識を現実に戻すと見知らぬ青年が自分の前に立ち手を差し伸べていた。彼が自分を助けたのだろうか。

その手を掴んで立ち上がった昴は青年の風貌を凝視する。

 

年齢は20代前半といったところか。短い黒色の髪に茶色のジャケットを着こんだ温厚そうな雰囲気を持った青年だ。しかし昴の記憶の中に彼に当てはまる人物は存在しない。

 

「あんたは誰だ?」

 

「俺は(きら) 闇影(みかげ)。世界を旅する仮面ライダーだ」

 

「世界を旅する仮面ライダー?」

 

闇影と名乗る青年の言葉に昴は首を傾げる。意味自体は理解できるが何故彼がここにいるのかが分からないからだ。

 

「今から話すことを落ち着いて聞いてくれ。俺達が今いるこの場所は君がいた世界とは切り離された場所にある」

 

「え?つまり?」

 

またもや昴は首を傾げや御影はもう一度説明する。

 

「要するにここはアンノウンが君を閉じ込める為に使った異空間ってことだよ。この世界に着いた時不穏な気配を感じ取った俺は変身してこの空間入り込んだ。そして襲われている君を見つけ出したってわけさ」

 

「そうだったのか。助けてくれてありがとうな。あんたが居なかったら今頃俺は・・・」

 

「何、お礼はいらないよ。ライダーは助け合いだってよく言うでしょ?あ、そうそうこれ俺がさっき焼いたばかりのパンだけどお近づきの印にどうかな?」

 

そういいや御影は穏やかな笑顔でパンを差し出した。

昴はパンを受け取り口に運ぶとその味に仰天した。

 

「うまい・・・本当にうまいよこれ!何かもうそれしか言葉が浮かばないくらいうまい!!」

 

「気に入ってくれて嬉しいよ」

 

「あんたもしかしてパン職人なのか?」

 

「本業は教師だけど、この世界ではそうなのかな。ベーカリーLightっていう店にいるけどここから抜け出せたら来てみる?」

 

闇影の提案に昴は頷いて答える。

 

「ああ!こんなにうまいパンはあいつらにも味わって欲しいからな!」

 

「あいつらって君の家族の事?」

 

「斗真や弥生達も含まれているけどそれがどうかしたのか?」

 

「いや、何か家族を大切に思っているんだなって思ってさ」

 

「そうか?うまいパンがあったからそれを皆にも食べて欲しいと思うのは普通の事だろ?」

 

「それもそうだね・・・」

 

昴の言葉を肯定する闇影の視線はどこか遠い所を見つめていた。

 

「どうしたんだ闇影さん?」

 

「ん、ああ、ちょっと昔の事を思いだしてね。それより先に進もう。この世界を抜け出せる手掛かりがある筈だ」

 

そう言い歩を進めようとする二人の足元は突如放たれた銃弾によって火花を散らす。G5の軍団が二人の前を塞ぐように立っていた。

 

「先程のアギトを発見。それともう一つ奴の協力者と思しき者を確認。アギトは勿論の事そのアギトの協力者も人間の敵として駆除目標に設定」

 

闇影まで敵と認識しGM-01を向けるG5に憤りながら昴は再びアギトに変身しようとするがそれを闇影が前に立って止める。

 

「ここは俺に任せてくれ」

 

「大丈夫なのか?20体くらいはいるぞ」

 

「心配することは無い。なんたって俺は・・・」

 

闇影は懐からカメラ型の変身バックル『ディライトドライバー』を腰に当てて巻き付ける。

さらに闇影はドライバーの側面にある『ライトブッカー』からカードを一つ取り出した。

 

「世界の灰塵者。全てを焼き尽くす存在と呼ばれた事がある男だからね・・・」

 

自嘲気に語りながら闇影は開いたバックルにカードを装填し閉じた。

 

「変身!!」

 

【KAMEN-RIDE…DELIGHT!】

 

電子音が聞こえたと同時に闇影の体がオレンジ色のスーツに包まれそして黄色のライドプレートが頭部に刺さり複眼が光を放ったことで変身が完了する。その姿はディケイドと呼ばれる戦士に似ているがカラーリングは身体がオレンジ色で目が青色であった。

 

「これが闇影さんの変身する仮面ライダー?」

 

自分とは全く違うその風貌に昴は目を見開く。

 

「そう、これが俺の変身する仮面ライダー・・・ディライトだ!!」

 

世界の灰塵者、または世界の光導者の異名を持つ戦士 『仮面ライダーディライト』が昴の前に姿を現した。

 

「ふっ、はっ、せいっ!」

 

ライトブッカーをソードモードに変えG5の軍団に飛び込んだディライトは素早い剣技でG5達を切り飛ばしていく。

 

「ぐっ・・・だが数はこちらの方が勝っている!」

 

仲間が次々とディライトに倒されていくのを見てG5の一人は歯軋りをしながらも数の優位を訴える。それに対してディライトは次の手を打つ。

 

「そうだな、ならこっちも数に頼ってみるかな」

 

【SHADOW-RIDE…DARK-KIVA!】

 

「影が別の仮面ライダーに!?」

 

「そう、これがディライトの能力シャドウライドだ!」

 

ディライトはバックルに別のカードを装填するとディライトの影が変化を起こす。ディライトと並び立ったのはファンガイアの王のみが使う事を許される闇の鎧を纏った戦士、仮面ライダーダークキバだ。

 

「せぃやぁぁぁぁぁぁ!」

 

囲むように襲い掛かるG5達をディライトとSダークキバは徒手空拳で応戦する。

ディライトは軽い身のこなしからフックやジャブを連発してG5を翻弄し、Sダークキバは重々しい拳の一撃を叩き込んでG5達を沈黙させていく。

 

「次はこれだ!」

 

ディライトとSダークキバは全く同じ動きで地面に手を当てるとG5の足元に巨大な紋章が浮かび上がりそこから発せられた電流がG5を拘束する。

その状態から二人が手を振り上げるのに連動して紋章が跳ね上がりG5達は宙を舞う。

 

【SHADOW-RIDE…ORGA!】

 

【ATTACK-RIDE…ORGA-STRANSER!】

 

ディライトは別のカードを装填するとSダークキバに変わるように帝王のベルトを持って変身できる戦士 仮面ライダーオーガが現れる。それと同時装填したカードの力により両者の手にオーガの専用武器『オーガストランザー』が召喚される。

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…O・O・O・ORGA!】

 

「斬り裂けぇぇっっ!!」

 

大剣から伸びた光の刃で敵を裂く必殺技『オーガストラッシュ』が二発放たれしG5部隊は空中に巨大なΩのマークを残して爆発した。そして役目を終えたSオーガは姿を消しディライトの足元には影は戻った。

 

「なんて強さだ・・・!」

 

瞬く間にG5部隊を倒したディライトの実力に昴は驚愕する。

と、同時にG5の残骸が足元に落ちていき拾い上げると何故かそれの中身は空洞であった。

 

「何だよこれ、こいつらロボットだったのか?」

 

「ロボットじゃないさ。さっきも言ったろ、ここはアンノウンが作り出した異空間、ここにある全ては君を追い詰める為の幻さ」

 

【ATTACK-RIDE…LASER!】

 

「こんな風にね!」

 

ガンモードに変形したライトブッカーから三本のレーザー『ディライトレーザー』が上の廃墟と化したビルの窓を貫くとそこに隠れていた超能力者に命中し地面へと落下していく。地面に落ちた瞬間、超能力者の亡骸はアントロードのそれへと変わった。

 

「じゃあさっきの戦いも・・・」

 

「ヤラセってことさ」

 

昴が真実に気付いた瞬間周りをアントロード達が囲み出した。

 

「よくも俺を騙してくれたな、許さねぇ!変身!」

 

怒りの感情のまま昴はアギトフレイムフォームへと変身しアントロードの群れに突撃し敵を切り倒していく。ディライトも自分の影をネガ電王にシャドウライドさせ戦う。

 

「ダブルセイバースラッシュ!!」

 

フレイムセイバーをもう一つ増やし二刀流で敵を焼き切るフレイムフォームの特殊な必殺技『ダブルセイバースラッシュ』を持ってアントロード達を爆散させるアギト。

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…DE・DE・DE・DELIGHT!】

 

死角をSネガ電王に任せたディライトは胸の前で生成した光の球体エナルギーを両腕で打ち出す固有の必殺技『ディメンションプロミネンス』を放ちアントロード達を焼き払う。

 

しかしそれらは第一陣に過ぎなかったようですぐに第二陣が襲い掛かりアギトとディライトは背中合わせで応戦していく。

 

「いつまで続くんだよこれ!」

 

減る気配の無い敵に愚痴を漏らしながらアギトはアントロードを斬り伏せていく。

そのアギトの耳に突然上から言葉が降りかかってきた。

 

「お前がひれ伏すまでだよ」

 

その声に反応して空を見上げたアギトは仰天した。

いつの間にかミラージュアギトが現れこちらに向けてブラストキックを放ったのだ。

 

「がぁっ!?」

 

キックの直撃を受けたアギトは吹き飛び壁に叩きつけられ変身を解除される。

 

「昴君!?」

 

ディライトは昴を気遣い駆け寄ろうとするとどこからかGXランチャーの砲撃がディライトとSネガ電王に襲い掛かった。

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

自分の影であるSネガ電王も攻撃を受けたことによりディライトは通常の二倍のダメージを受けて返信が解除される。

 

地面に伏した二人の前にミラージュアギトとG5-Cが立ちはだかった。

 

「駆除対象をミラージュアギトから変更、総員構え!目標・・・アギトとディライト!!」

 

G5-Cの指示により後ろのG5達が一斉にGM-01やGX-05を向ける。

 

「いよいよ本腰入れて俺達を潰しにかかってきたわけだな偽者軍団」

 

「ふっ・・・偽物、か」

 

「何がおかしい!」

 

偽りの空間で創られた存在であるミラージュアギト達を昴は偽物と揶揄したがミラージュアギトはその言葉に憤る様子もなく逆に昴を嘲笑う。

 

「確かに俺達はお前から見て見れば偽りの存在かもしれない・・・だがな、この空間でお前が見てきたことが偽りの状況とは限らないんだぜ」

 

「どういうことだ?」

 

「鈍いなお前。まぁいい知りたきゃ教えてやるよ」

 

そういいミラージュアギトは変身を解除し昴そっくりの顔で語り始める。

 

「この空間はいわば未来さ。お前が王になった場合のな」

 

「未来、だと」

 

「そうだ。お前が王になることで人間はアギトの存在を知り、それを排除しようと動き出す。アギトもそれに応戦し世界は争いで埋め尽くされる。つまりお前がアギトの力を持ったがために世界は滅びへと向かって行くわけだな」

 

「そんなの嘘だ!」

 

昴は偽者の話を否定するべく叫ぶが偽物はそれも否定した。

 

「嘘ではなく予言だ。お前がするべきことはただ一つ、その身に宿す力をこちらへ渡せ。そうすればこの未来は回避される。お前の家族も助かるのだぞ」

 

「・・・俺の答えは、これだ!」

 

昴は迷わずオルタリングを発現させ臨戦態勢を取った。

 

「悪いがアギトの力は渡さない。この力はお前らのような奴らから人を守る為に、大切な者達を共に生き抜くために必要だからだ!」

 

「黙れ!その力がこの状況を引き起こすって言ってんだよ!最悪の未来をな!」

 

偽物は激昂しミラージュアギトへと変身し昴に攻撃を加えようと走り出す。

だが昴の前に立った闇影の手に握られたライトブッカーの銃撃によってそれを阻まれる。

 

「最悪の未来なら変えれば良い!彼は大切な者達と手を取り合い助け合う事によって未来を切り開こうしている!その先にあるのはこんな陰惨な空間なんかじゃない!!光輝く明日だ!!!そうして動き出した未来を止める権利は、お前らなんかには無いっ!!!!」

 

「闇影さん・・・」

 

昴が闇影の名前を呟くと彼は振り向き手を差し伸べる。

 

「さぁ行こう。君の大切な人達が待つ世界へと戻る為に!目の前の闇を払い、光へと導く為に!!」

 

「ああ!一緒に行こうぜ!!」

 

昴は活気に満ちた声で返答し闇影と並び立つ。

それを怒りに満ちた目でミラージュアギトは見つめ闇影に指を指す。

 

「貴様ぁ・・・さっきからごちゃごちゃとご託を並べて・・・一体何だと言うのだ貴様は!!」

 

「お節介教師な仮面ライダーだ!!宜しく!」

 

【KAMEN-RIDE…】

 

「「変身!!」」

 

【DELIGHT!】

 

ミラージュアギトの問いに闇影は高らかと答える。

そして二人は同時に叫び昴はアギトに、闇影はディライトへと変身を遂げる。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉっ!」

 

アギトはすぐさまバーニングフォームに変わり光を浴びることでシャイニングフォームへとフォームチェンジする。

 

【RIKUGA!ANOTHER-AGITO!RYUGA!ORGA!

CULLIS!KABUKI!DARK-KABUTO!NEGA-DEN-O!

DARK-KIVA!】

 

【FINAL-KAMEN-RIDE…DELIGHT!】

 

一方ディライトは携帯端末型のツール『カオスタッチ』を取り出しコンプリートカードを挿入して浮かび上がった9つのライダークレストを特定の順番でタッチしドライバーを外して代わりにカオスタッチをバックルにはめ込んだ。

するとディライトの胸の9つのダークライダーのカードが頭に自身のカードが張り付いた。

ディ『ライト』と9人の『ダーク』ライダーの力が混ざり合ったカオスフォームへとフォームチェンジした。

 

仮面ライダーアギト シャイニングフォーム

仮面ライダーディライト カオスフォーム

 

本来の出会うはずの無い二人。シャイニングとライトという光の名を冠した二人の仮面ライダーの姿が偽りの空間の闇を照らす!

 

「さて・・・輝く道へと導きますか!!」

 

「ふざけるなぁぁぁぁ!!」

 

ミラージュアギトの咆哮によって戦いの火蓋は切って落とされた。

 

まずはミラージュアギトとアギトシャイニングフォームの一騎打ちだ。

 

「はぁっ!」

 

「うらぁっ!」

 

速き拳と脚がぶつかり合い砂塵を撒き散らしながら闘っていく二人のアギト。

だが両者も互いに致命的なダメージを与えることは叶わない。

 

「無駄だ!お前は俺には勝てない。何故なら俺とお前は互角だからだ!!」

 

「互角、か。ならこれならどうだ!!」

 

アギトはオルタリングの前に手を突き出しシャイニングカリバーを召喚する。

 

「っ!?」

 

「その反応、どうやらお前にはこんな真似できないみたいだな!でも手加減はしないぜ!覚悟しろ!!」

 

双剣を携えアギトは矢継ぎ早にシャイニングカリバーでミラージュアギトに剣撃を加えていく。ミラージュアギトは最初は見切って回避していたが次第に早くなっていくアギトの猛攻を捌ききれずさらにシャイニングカリバーに気を取られアギトのキックを脇腹に命中してしまう。そのことによってミラージュアギトは体制を崩しそのチャンスをアギトは逃さない。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「ぐがぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

シャイニングクラッシュが炸裂しミラージュアギトは吹っ飛び瓦礫の山へと衝突した。

 

 

「はっ!せいっ!とりゃっ!!」

 

ディライトはライトブッカーの柄を伸ばしスピアモードへと変形しGS-03で斬りかかってくるG5-CとG5達と交戦していく。

一人と数十人、圧倒的に不利な状況だがカオスフォームになったことで飛躍的に上昇したディライトの戦闘能力に闇影自身の実力も合わさって華麗な動きでG5を打ち倒していく。

 

「くっ・・・総員距離を取れ!GXランチャーで決着を着けるぞ!」

 

G5-Cの指示通り全員がディライトのから離れてGX-05とGM-01を合体させる作業に写るがそれよりも先にディライトが動いた。

 

【CULLIS!CHAOS-RIDE…WILD!】

 

ディライトがカオスタッチを操作すると胸のカードがワイルドカリスのシャドウライドカードに統一され、両サイドから現れたカリスの影と一体化するとディライトの姿はカリスがハートのカテゴリーキングの力を使って変身した姿『仮面ライダーワイルドカリス』へカオスライドする。

これがカオスフォームの能力。通常のディライトが影をダークライダー等にシャドウライドさせるのに対しカオスフォームはディライト自身をダークライダーの最強形態にカオスライドさせるのだ。

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…CU・CU・CU・CULLIS!】

 

「撃ち抜く切り札!ワイルドサイクロン!!」

 

『『うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?』』

 

ワイルドスラッシャーと合体したカリスアローから放たれた光がG5-C達を包み込み爆散させた。

 

「おのれぇ・・・!」

 

G5らも倒された孤立したミラージュアギトの前にアギトとディライトが立ちはだかる。

 

「残りはお前だけだ!」

 

「ククク・・・そうだな、残りは俺だけだ。だがお前らはその一人によって死ぬのだよ!見るがいい!!」

 

ミラージュアギトが天を仰ぐように両手を上げるとG5の残骸が彼の元へと集まっていく。次々とミラージュアギトの体に張り付いていく。その姿は最早人の形を保っておらずいうなればそれは巨大な要塞だ。機械仕掛けの姿になったミラージュアギトは自ら名乗りを上げる。

 

「これが俺の真の姿『終わりの魔神(デウスエクスマキナ)』!!この力を持って貴様らの命を終焉へと導いてやる!」

 

宣言と同時に体に埋め込まれたGX-05を一斉に発射するがアギトとディライトは空高く跳躍することでそれを回避する。

 

「悪いけどここで終わるわけにはいかない。俺にも大切な人達はいるからね!」

 

その時、ライトブッカーから一枚のカードが射出された。

 

(これは?・・・よし!)

 

そのカードを見て一瞬疑問を感じたディライトだがすぐに理解し地面へ着地したと同時にアギトの後ろに回り込みベルトの側面に付けたディライトドライバーにカードを挿入する。

 

【FINAL-FORM-RIDE…SHI・SHI・SHI・SHINING!】

 

「力を抜いて」

 

「へ?何?」

 

ディライトの行動が分からずアギトは間抜けな声を出して振り返る。

 

「いいから!」

 

「いや、俺に何を・・・って、うぁ!?」

 

アギトを前へと向かせディライトはアギトの背中に手を当てる。するとアギトに変化が起こった。

 

「なにこれ!?俺どうなってんの!?」

 

「やっぱり同じアギトだからカオル先生と同じタイプの変形をするのか。なるほど」

 

今アギトの姿は無くディライトの前にあるのは銀に赤とシャイニングフォームに準じた色をしたマシントルネイダーのスライドモードである。その正体はファイナルフォームライドによって変形されたアギト、その名も『シャイニングトルネイダー』。

 

「昴君、これが俺と君の力だ!」

 

「お、おう。何かよく分からないけど分かった」

 

「そう、粗方解ればやることは理解できるよね?」

 

「ああ!」

 

何か丸め込まれた様な気がしながらもシャイニングトルネイダーはディライトを乗せてミラージュアギトを目指して発進する。

 

「ジネェェェェェェェ!!」

 

ミラージュアギトは咆哮しながら体を構成するG5のあらゆる装備を発射する。しかしディライトとシャイニングトルネイダーは失速せず前へと進みながら避けミラージュアギトへと迫る。

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…SHI・SHI・SHI・SHINING!】

 

「たぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

シャイニングトルネイダーから飛び出したディライトはドリルの如く高速回転しライトブッカーソードモードで敵を貫く大技『カオスディライトハリケーン』を持ってミラージュアギトに突撃し巨大なオブジェを貫いた。

 

「ぐっ・・・だが惜しいな、俺は倒すには力が足りなかったようだな!」

 

「・・・」

 

大きな外傷を負いながらもG5の装甲を身代わりにすることよって守られディライトハリケーンを耐えたミラージュアギトは勝ち誇るがディライトの仮面の下の顔に焦りの感情は無い。

 

「今だ!この攻撃で前方の装甲は剥がされミラージュアギトは無防備になった!君が止めを刺すんだ、昴君!!」

 

「何っ!?」

 

ミラージュアギトが慌てて前を向いた時には遅かった。

 

「でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

シャイニングトルネイダーから元の姿に戻ったアギトは加速した勢いを利用してシャイニングライダーキックの強化技『シャイニングライダーブレイク』を繰り出しミラージュアギトをオブジェの中から吹き飛ばした。

 

「何故俺が・・・この空間で俺が負けるなど・・・有り得ないのに・・・グワァァァァァァァ!?」

 

自分の敗北を信じることが出来ないままミラージュアギトは空の彼方で大爆発を起こして散った。

それと同時に世界が少しづつ狭まっていく。

 

「な、何だこれ!?」

 

「疑似とはいえこの世界のライダーを倒したことによって崩壊が始まったんだ」

 

「崩壊!?俺らどうなるんだよ!?」

 

「大丈夫。手はある」

 

そういいディライトは手を前に翳すと二人の間に灰色のオーロラが生じる。

 

「ここを通れば元の世界へ戻ることが出来る。さぁ時間が無いから早く!」

 

ディライトはオーロラに飛び込むよう諭すが最後にアギトは尋ねた。

 

「なぁ、ここを抜けた後、あんたにまた会えるのか?」

 

「どうだろうね。この世界での俺の役目は終わったようだし、ここでお別れかもしれないね。俺は旅人だからな」

 

「そんな・・・」

 

「落ち込むことはないさ。人は誰でも旅を続けている。居場所を見つける為に、夢をかなえる為に、君にはあるかい?」

 

「ああ、当然だ」

 

「それならそれを果たす為に旅を続ければいい。そうしたらその内また俺と合えるかもしれないしさ・・・」

 

そういうディライトの背後にはもう景色は無く闇一色だ。

 

「おっと、そろそろ出ないとまずいね・・・じゃあ最後に君に一言送るよ。家族を大切にね、何故って?それは俺みたいに家族を失う悲しみを君に味わって欲しく無からさ・・・」

 

「え?今なんて!?」

 

ディライトは答えることなくオーロラの中に姿を消した。最後の一言が気になりながらもアギトも続いてオーロラの中に入っていった。

 

真っ黒になった誰も存在し無いはずの無の空間に四つの影が佇む。

謎の青年とその使徒達だ。

 

「予想外の介入があったはいえあの少年はこの空間から抜け出すことが出来た・・・」

 

予想外の介入とはディライトのことである。彼の協力によるものも含まれているが昴は真正面から闇の力の片鱗を与えたミラージュアギトらに立ち向かい勝って見せたのだ。

このまま彼が進化していけば自分自身の力に届くのではないか、謎の青年の頭に過ぎった思いだ。

 

「少しの間、彼を監視しましょう・・・」

 

主の提案に忠実な使徒達は驚きを隠しきれない。それを感じ取った青年は三人の使徒達に諭した。

 

「彼が力を蓄えていく過程で見定めるのです。人は本当にアギトの力を持たざるべきかいなかを、分かってくれますよね?私と共に世界を作り上げた使徒、エルロード達よ・・・」

 

その言葉にエルロードと呼ばれた使徒達は頷いた。

両者に訪れる一時的な休戦。だがこれは嵐の前の静けさでもあるのであった・・・

 

 

 

 

 

「昴っ!昴!!」

 

斗真達の呼ぶ声で昴は目を覚ました。何故か自分は倒れていて目の前には斗真と弥生、そして何故か茜がいた。

 

「大丈夫か?急にぶっ倒れたけど?」

 

「ああ、心配ないさ。ってなんで茜がここに」

 

自分が謎の声によって異空間へ飛ばされた時には茜はこの場にいなかったはずである。

茜は落ち着きない様子で答えた。

 

「えっとね、さっき知らない男の人がねこれを昴にって渡してきたの」

 

そう言い茜はバケット一杯に詰められたパンとあるカードを昴に渡した。

斗真と弥生はこれが何を意味するのか全く分からない様子だったが昴はすぐに理解した。

 

(闇影さん・・・)

 

異空間で共に戦った男の名を思い昴はカードを手に取る。それはアギトシャイニングフォームのファイナルフォームライドカードであったが昴が手を握った瞬間、絵柄が変わった。

 

表面には城をバックに立つ三人の戦士の絵が、裏面には家族と肩を寄せて笑い合う少年の絵が描かれていた。

 

「良い絵だね」

 

「そうだな」

 

茜がその絵を見て良い絵だという感想をして昴もそれに賛同する。

そして昴は茜の顔をじっと見る。

 

「へっ?私の顔に何か付いてる?」

 

「いや別に、なんとなくな」

 

そう答え昴は立ち上がって前へと進む。

 

「よしっ帰るぞ!今日は弥生の復帰祝いを兼ねて俺んちパーティーだ!」

 

「ちょっと昴勝手に決めないでよ!今週の料理当番私だよ!?そんな急にパーティーだって言われもご馳走なんて作れないよ!」

 

「ご馳走ならあるぞ」

 

昴は抱えているバケットに詰められたパンを一つ手に持った。

 

「このパンすっげぇうまいんだぜ。これさえあればなんとかなるって」

 

「なんの根拠があってそんなことを・・・って本当に美味しい!」

 

「だろ?俺の言うことに間違いはないのさ!なんたって俺は天才だからな!」

 

「7の段未だに出来ない人がよくいうよ」

 

「なっ・・・そのことはもういいだろ!?」

 

その後、和気藹々と弥生の復帰記念パーティーを開き、その中で昴は密かに闇影の事を思っていた。

 

(闇影さん見ていてくれ。俺は必ず成し遂げて見せる。俺の夢も家族と生きることも・・・)

 

 

 

 

 

ベーカリーLight

 

「おや?」

 

丁度焼きあがったパンを仲間の元へ運ぼうとした闇影は手前のキャンパスが家族団欒の絵から別の絵に変わったことに気付く。

 

「次の世界か・・・」

 

そう呟く闇影の衣装は瞬く間に別の物に変化にそして同時に窓から叫び声が聞こえてきた。

窓から飛び出し外に出るとそこには見知らぬ姿の異形が人間を襲おうとしていた。

すぐに闇影は前に出て異形に姿を見せる。

 

「オマエハナニモノダ?」

 

「お節介教師な仮面ライダーだ!!宜しく!変身!!」

 

【KAMEN-RIDE…DELIGHT!】

 

「さて、輝く道へと導きますか!」

 

口上を終えると異形が飛び掛かってきてディライトはそれを交わして蹴り飛ばした。

 

「どの世界でも俺のやることは変わらない。誰かが闇に囚われそうならば光を差しそこに導き救う。それがあの人と約束した事だ!!」

 

そう叫びディライトは今日もまた旅を続け戦っていく。

 

 

―世界の光導者、ディライト!数多の平行世界を巡り、その瞳は、何を照らす?




ゲストと登場したのは光と闇の七皇さんの小説『仮面ライダーディライト-世界の光導者- 』から主人公の煌闇影こと仮面ライダーディライトでした!
この小説は今は無きにじふぁんで掲載されていたころからの大ファンでして今回コラボできたのは感無量であります。

後、最後に今回の舞台についての補足説明を致します。
今回の舞台は世界を創造した闇の力とその使徒らによって創られた疑似的な世界です(言うなれば城下町のAGITΩ´の世界)。その為、存在しないはずのG5がいたり、ミラージュアギトがG5の残骸と合体したりやりたい放題です。本来ならば特殊な世界故に昴は自力では抜け出すことが出来なかったのですがあらゆる世界の制約を受けない次元ライダーであるディライトの介入により無事脱出できたというわけです。
その為ミラージュアギトの正体は闇の力によって作り出された昴のドッペルゲンガーというわけです。闇の力視点からみたアギトを持った人間の末路というのもイメージに含まれています。

ぶっちゃけていえば今回はミラージュアギトやG5等を出したかった趣味回です。
皆様を私の趣味に付き合わせてしまい申し訳ございませんでした。

次回は少し時間が飛んでクリスマス回に移行します。
それではまた次回お会いしましょう!
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