そのアギトに恥じないよう私も努力していこうと思います。
この作品を見て仮面ライダーアギトと城下町のダンデライオンの両方に興味を持ってくださるようにと第五話を投稿します。
それではどうぞ!
櫻田家玄関前
「だーかーらー、なんども言うがお前と一緒には行かないって」
「そっ、そこをなんとか」
玄関前にて昴と茜は口論していいた。内容は監視カメラから避けるための壁代わりになってほしいと言うものだが、
「修ちゃんもお姉ちゃんもかなちゃんに連れて行かれたからあんたが頼りなの!」
「カメラを避けたいなら飛べばいいじゃねぇか」
「ダメだよ、パンツ見えちゃうよ!」
「じゃあ見られていいパンツ履けばいいだけじゃねぇか」
「見られていいパンツって何!?」
はぁ、昴は溜め息を吐く。茜も昔はこんなに人見知りではなかったのだがある事件が彼女を変えてしまったのだ。
「まぁ、でも条件付きでいいなら付き合ってやってもいいぜ」
「本当!?なんでもするから」
「あぁ、『お願いしますスーパーハイパーウルトラアルティメットカッコいい昴様』って言ってくれればな」
その言葉を聞いた茜は一瞬軽蔑のまなざしを昴に向け、180度回転して扉に向かう。
「・・・いってきます」
「オイオイオイ!そんなにか!?そんなにいやなのか!?分かった俺も言い過ぎた、『カッコいい昴さん』で妥協するさぁ!」
(意地でもカッコいいは取らないんだ・・・)
二人が邪魔で玄関で止まっていた遥は心の中で思った。
一方茜はすでに家の前に立っていた。
「・・・いってきます」
「なんでだよぉぉぉ!?まさか俺ってかっこよくないのか!?」
「いや、かっこよくないわけじゃないけど・・・
昴のそういうとこ、すごくかっこ悪い」
昴は雷が直撃したようなショックを受けた。
「おはよー茜・・・ってどうしたの昴?」
花蓮は驚いた。昴を運びながら教室へ入ってきた茜の姿を見て、
「朝にちょっと・・・ね」
「カッコワルイ・・・カッコワルイ・・・・」
あの後、ショックで石化した昴を押しながら学校に着いたのだ。
「当ててやろうか、昴に対して、かっこわるい、ダサい、ウザい、昴、といった類の言葉を浴びせたのだな」
「いや、そこまで言ってはないけど・・・ってアレ?」
聞き慣れない声を聞いて、茜は声が聞こえた方を振り向く。
そこには滅多に学校に来ないクラスメイト白井咲子が立っていた。
「白井・・・さん?」
「ああ、君の言う通り学校へ来てやったぞ、櫻田茜・・・ん?」
茜はすぐに白井の手を掴み、前に借りてた消しゴムを返す。
「ご、ごめん。返す機会がなくてうっかり使っちゃって左の角丸まっちゃった。あ、でもちゃんと弁償するからさ・・・」
「いや、心底どうでもいいぞそれ・・・ってことは何か?私を呼んだのはそれだけなのか?」
白井はプルプルと小さい体を震えさせる。茜の隣にいた花蓮はその姿をチワワみたいで可愛いとも、呪いの人形みたいで怖いとも思っていた。
「や、やっぱり怒ってる!?」
「違う!そうじゃない!」
茜と白井がたがいに論点のずれた話をしている間に目を覚ました昴は花蓮に問いかける。
「なぁ、花蓮。俺ってかっこ悪いのか?」
「あんたの場合は言うことが痛いからプラマイゼロになってるのよ」
白井が学校に来たこと以外は特に変化もなく放課後になった。
「はぁ・・・楽しい時間ってあっという間よね・・・」
「まったくだな、ついさっき学校に来たばかりだった気がするんだけどなぁ」
「いや、あんたらいつもそれ言うよね!?」
いつぞやの如く机に伏せてる昴と茜。
「そろそろ私も帰るとするか」
「おう、次はいつごろに学校に来るんだ?」
「気が向いたらだ、まぁ、それなりに楽しめたし近いうちに来るさ」
そう言って白井は教室を出て行った。
「相変らず素直じゃないやつ」
二人の会話の様子を見ながら茜は疑問に思った。
(昴と白井さんって仲良いのかな?)
「ねぇ、昴」
「あ?なんだ?」
帰り道で茜は昴に尋ねた。
「昴と白井さんって、どういう関係なの?」
「いや、どういう関係ってお前はどう思うんだよ?」
茜は今日の記憶を振り返る。
(白井さん、私達とはほとんど喋らないで昴と会話したよね、それにどこか楽しそうだったし・・・)
「・・・恋人?」
「何故そうなる」
「いや、だって白井さんと仲良さそうだったし、学校に来たのも昴が声をかけたからなんだよね」
「まぁそうだけど、俺とあいつにお前が考えているようなことは一切ないからな」
「えっ、白井さんとは遊びだったの!?」
「誤解を招くようなことを言うのやめてくんない!?」
あらぬ方向へ勘違いする茜。どうやって誤解を解こうか悩んでいる昴だが、アンノウンを察知し、走り出す。
「どこ行くの昴・・・ってこいいうケース前もあったような・・てかもういないし!?」
またも茜は置いてきぼりにされた。
「見つけた!」
アンノウンを追って雑木林の中へ走ってきた昴はカメの姿をした銀色のアンノウン トータスロード テストゥード・オケアヌスを発見する。
「変身!」
走りながら変身ポーズをとり、昴はアギトへと変身する。
「茜を待たせているからな、一発で決めてやる!」
そう言うとアギトはいきなりクロスホーンを展開、右手を強く握り締め、その拳をオケアヌスに叩きつける。アギトの必殺技の一つ『ライダーパンチ』だ。
しかし、オケアヌスは後ろを向き、背中の甲羅で防御する。拳は甲羅にぶつかり、わずかなひびを与えただけでその衝撃はアギトへと跳ね返る。
「つぅぅ・・・!なんて堅い甲羅だ」
アギトが痛みで右手を抑えていると、突然下からもう一人のアンノウン、金色のトータスロード テストゥード・テレストリスが出現し、アギトを羽交い締めする。
「何っ!?」
アギトは振りほどこうとするが思いのほかテレストリスの力は強く身動きもとれない。
さらにオケアヌスがアギトの腹のパンチを繰り出す。
「うっ!?」
テレストリスはアギトを投げ飛ばす。アギトは吹っ飛び木に激突した。
「がはぁっ!?」
飛びそうな意識を抑え、アギトは二人のアンノウンを目で捕らえる。
(まずい、このままじゃ・・・)
休む間の無くテレストリスがアギト目掛けて突進をしかける。
しかし、それを突然現れた青い戦士の乗ったバイクの体当たりで防がれた。
(あのときのあいつだっ!)
青い戦士はこちらを一度見てすぐにテレストリスと戦闘を開始する。
一方アギトはオケアヌスと戦い始める。
「さっきはよくもやってくれたな!」
オケアヌスの攻撃を縫うような動きでアギトは次々とオケアヌスの体にパンチをぶつける。このアンノウン防御力はあるが動きは見た通り緩慢なようだ。
「今度こそっ!」
アギトはライダーキックの構えを取る。
オケアヌスも後ろを向き防御態勢を取った。
「同じ手にのるかよっ!」
しかしアギトはオケアヌスを飛び越え、前にある木を蹴って、オケアヌスの正面でライダーキックを放った。オケアヌスも慌てて手をクロスすることで防御したが、手の甲羅は粉々に破壊されオケアヌスは吹き飛び、木に激突。砂塵をまき散らして、姿を消してしまった。
「倒せた・・・のか?」
歯応えはあまりなかったが、あれはかなりの致命傷だとアギトは判断し、もう一つの戦いをみた。
「ズガァァァ!」
テレストリスの突進を交わし、手に持った銃を発砲する。しかし、テレストリスの甲羅に弾かれるだけだ。
『GM-01が通じないようだな』
青い戦士の通信装置から白井咲子の声が通る。
『ならGS-03を使え、敵の足の遅さなら当たるはずだ』
「了解」
青い戦士は乗ってきたバイクの元へと駆け寄り、そこから自分の武装を腕に装着する。
『GS-03 アクティブ!』
武装から折りたたまれた刃が展開し、テレストリスに向けて振るう。テレストリスも甲羅でガードを試みるが・・・
「やぁー!」
高速で振動する刃は甲羅を切り裂き、本体にも直撃した。
「ズゥウガァァァァァァァ!?」
テレストリスは断末魔と同時に切り裂かれ爆散した。
「・・・撃破確認」
青い戦士は専用のバイクに乗って走り去ろうとするのをアギトが止めた。
「待て、何者なんだ、お前」
「・・・」
青い戦士は答えずただアギトを見つめた。
『何をしてる?戦闘は終了した。早くこちらへ帰還しろ』
白井の命令通り、バイクのエンジンをかける。
「まぁ、何はともあれお前のおかげでピンチを切り抜けられたし、礼を言うぜ・・・ってオイ!」
一度もアギトに言葉を話さず青い戦士は去って行った。
「・・・照れ屋さんかな?」
変身を解いた昴は右手で木に寄り掛かる。すぐに右手に激痛がはしる。
「いってぇぇ・・・!」
先程のオケアヌスの甲羅を殴った反動だった。
「いだだだだだだだ!!」
「昴、暴れるともっと痛いわよ」
現在昴は櫻田家にて母五月の治療をうけている。
「何があったのよ昴?」
奏が問い掛けてくる。正直に言うわけにはいかないので
「さっきも言ったじゃないか、川原で瓦割りしてこうなったって」
「ダジャレ!?」
一方、茜は昴や白井の事に関して思考を巡らせた。
あの二人の間に何かがあるのは間違いはない。しかしそれを兄は語ろうとしないし、白井も同じだろう、だが、気になるものは気になるのだ。何があるのか探るため茜は心の中である計画を立てた。
「これは一回、医者に診てもらったほうがいいな」
総一郎が昴の腕を見て言った。
「え~、めんどくさいよ。適当に包帯を巻くだけでいいじゃん」
「だめよ昴、もし骨折だったら大変なことになるのよ」
母も便乗する。しかしアンノウンが何時出るか分からないのでギブスなんかを巻かれたら不便で仕方がない。そんな昴に天啓が浮かんだ。
「そうだ!姉貴!あんたの能力で骨折を一晩で治せる薬を出してよ!」
昴の姉奏の能力である
なのだが・・・
「あんた、私の能力の事を知った上で言ってるの?」
この能力にある欠点、それは作ったものの対価を支払うことだ。もし自分の所持金以上のものを作成しようとすれば『大変』な事になってしまうため奏は金に関しては非常にストイックで、いくらになるか分からない未知のものの作成をやりたがらないのだ。
「その怪我だって一か月くらいギブスを巻けば治るだろうし、はしゃぎ過ぎのあんたにはいい薬よ」
「ちぇっ、『太っ腹』な姉貴ならホイホイ出してくれると思ったんだけどなぁ・・・」
その時、櫻田家が凍りついた。
知らない人の為に説明しよう。
太っ腹とは気前がいい、懐が広いことを指す言葉であり、この場において昴は奏をおだてて出してもらおうとして発言したのである。
しかし、昴は重大なミスをした。
一つは、奏が年頃の女の子であること。
もう一つは、最近友達付き合いでお茶をする機会が多く、そのたびに友人が紹介した店のスイーツを食べることになって、体重が気になりやや気が立ってる状態に奏がなっていたことだ。
「・・・いいわよ、出してあげるわ」
『!?』
昴と発言者の奏を除く全員の背筋が凍った。やばい、何かやばいことが起こる。
身の危険を感じた兄弟たちの行動は早かった。
修は能力を使って自分の部屋へ逃走、葵は栞ら年下組に「寝る時間よ」と言って避難させる。
岬は「あ、明日の予習しなきゃ、遥手伝って」と言い遥もそれに応じた。
最後に残った茜も「今日の復習をしなきゃ」と言って逃げて行った。
残ったのは親という立場上逃げるわけにはいかない総一郎と五月、不気味な笑顔を見せる奏、そして自分の犯した罪に気付かない哀れな男昴の四人だ。
「か、奏、ほどほどにな」
「そ、そうよ。昴だって悪気があるわけじゃないのよ」
「大丈夫ですわ、昴が無事なのは保証しますから」
「?」
「なんでもないわ、昴、手を出して」
姉に言われるまま昴は右手を出す。奏の手には治療薬であろう薬が注射器の中にあった。
「ところで、いくらかかったんだ?払える範囲で返すからさ」
「問題ないわよ、これ、十年後の試薬品だからそんなにかかってないわ」
「そうか安心したよ・・・って、試薬品!?」
奏は依然笑顔を維持している。
「ええ、そうよ、ものすごい激痛がする副作用付きのね・・・あぁお礼はいいわ。なんたって私は『太っ腹』だから」
その時、昴は己の間違いに気付いた。しかしそれはもう遅すぎたのだ。
その夜、櫻田家で何が起こったのかは謎に包まれている。
しかし、それからしばらくの間昴は針などの尖ったものトラウマを抱え、三日後の高校での献血の際、「わかった!俺が悪かった!謝るから!やめてください!離してください!姉貴!姉さん!お姉様!!いやだぁぁぁぁぁぁ!!!助けてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」、と情けない悲鳴を上げたことと恐らく関係しているのだろう・・・
ダメだ・・・真面目に作ろうとしたけどギャグオチになってしまった・・・