ナザリック地下大墳墓にニンジャナンデ!?   作:酢酢酢豆腐

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ダイナミック料理回。なにかが危険なので真似をしてはいけない。いいね?


ナム帰りの男が異世界入りしたようです

「モモンガ=サン、現在時刻は?」

 

「0時を過ぎています。変ですね。」

 

おぉ、一体どうした事だろうか!先ほど涙の別れを済ませた二人の男が未だにナザリックの玉座の間にいる。システムトラブルだろうか。

 

「コンソールが表示されません。これは本格的にシステムトラブルの可能性が重点ですよ」

 

「フゥーム。HQとも通信途絶となると、これはベトコンどもがよく使う手口だ!直に襲撃があるかもしれんな」

 

ナム妄想だ!瞬く間にサワタリの周囲が豪華絢爛な玉座の間から東南アジア風民家の景色に変わっていく。強力な重火器を装備した骸骨が迷彩服にヘルメット姿で椅子に座っている。彼は機関銃手だった。現時点では小隊に彼より上位の指揮官がいないため、モモンガが小隊長だ。自身はポイントマンなので実際軽装だ。

 

部隊は激しく損耗し、戦力は極めて僅か。有力な敵部隊に包囲されHQとの通信は途絶。そして保護すべき民間人もいる。しかも友人の娘だ。ベトコンどもに捕まればどうなるかなど、最早分かりきっている以上は如何に不利な戦況であっても戦わねばなるまい!サイゴン・ロアだ!

 

「モモンガ=サン!どうする。これは一刻を争う事態だぞ。」

 

「どうかなさいましたか?モモンガ様、フォレスト・サワタリ様」

 

涼やかな声である。サワタリは民間人特有の現実逃避と受け止めたが、モモンガは驚愕のあまり硬直した。

 

(アルベドが、NPCが話している...!?ナンデ!?)

 

「そして後れ馳せながら、フォレスト・サワタリ様。ナザリックへ御帰還いただき誠に恐悦至極にございます。フォレスト・サワタリ様が自由と闘争を旨とする御方だとは存じ上げておりますが、どうか、どうか私共シモベにお仕えさせてくださいませ。先ほどモモンガ様と別れのアイサツを交わしていたことを知りながら、不躾なことでございますが、どうか伏してお願い申し上げます」

 

アルベドの声にサワタリは現実に引き戻された。アルベドも、そしてセバスもまたすがるような瞳でサワタリを見つめている。むしろたっち・みーに創造され、返事も返ってこないNPCの頃から頻繁にアイサツしていたセバスの方が、その頃の記憶まで在るのか強くすがるような瞳であった。

 

「元よりドージョーを解散した今、ナザリックだけが俺の家だ。アルベド=サンも、セバス=サンもよくモモンガ=サンを支えてくれた!俺は友人の残した子供たちを置いて消え失せるような事はせん!」

 

「なんと、なんと勿体無い御言葉...セバス、良かったわね...」

 

アルベドの瞳からセバスの瞳から涙がこぼれ落ちる。

 

「フォレスト様...無事の御帰還、このセバス何と申し上げて良いやら...」

 

「良い良い!それより今は非常時だ!俺を温かく迎えてくれたナザリックとモモンガ=サンの為に一働きしようではないか!偵察に出るぞ!俺に続け!」

 

「ハッ!」

モモンガも思わず涙ぐんでしまう再会劇だったが、モモンガが涙ぐんでいる間に二人は色の付いた風と化し、行ってしまった。

 

「行ってしまったか。まぁいい。どのみち周囲の様子は確認してきてもらうつもりだったし」

 

(フォレスト=サンは流石に普段からロールプレイしているだけあって振る舞いが堂に入ったもんだよなー ワザマエ!)

 

(でもこんな訳のわからない事になっている状態でも狂気永続化は継続しているのだろうか)

 

「モモンガ様。私はいかがいたしましょうか?」

 

「アルベドは...そうだな。私のもとに来てくれ。」

 

「承知いたしました。これでよろしいでしょうか。」

 

玉座に座るモモンガに対して正面から膝立になり、半ばしなだれかかるような姿勢のアルベド。そのバストは実際豊満だった。その実際豊満なバストがモモンガのローブに覆われた膝あたりの骨に圧迫されたことによってスライムめいて形を変えてゆく!これでは青少年のなんかが実際アブナイし垢BANされてしまうぞ!?倫理コード抵触不可避のエイティーン・アブナイな感触によって、モモンガもここはユグドラシル内ではないのでは?という疑念を深めていく。

 

だが、そんなことよりも先ずは目の前の豊満をもってユグドラシル内ではないことの確信を得ねばならない。モモンガは決断的に発言した。

 

「触るぞ」

 

「あっ・・・」

 

不意にタオヤメめいてきわめてセクシーかつアトラクチブな声を出すアルベドに、モモンガもどきりとするが、あくまで決断的にアルベドの豊満をもみしだいた。おお、なんという背徳的光景か!骸骨がサキュバスのバストを死神めいてもみしだいているのだ!しかも実際ネガティブ・タッチによってダメージがはいっている!だが、だれも止める者はいない!

 

「心臓の鼓動を感じるぞ、アルベド。お前たちは生きていて、そしてここにいるのだな。今も私の傍に」

 

非常に背徳的な光景ではあるが、モモンガから発された声は驚くほど優しく、また、今にも泣きだしそうなアトモスフィアを漂わせていた。

 

ただでさえ、モモンガを愛しているという設定が追加されたためにブーストされているアルベドの母性(モモンガ専用)は一瞬にして打ち抜かれた。キャバーン!衝動的に自分の両手でもってさらに強くモモンガの手を豊満なバストに押し付ける。ダメージ増量!だが愛の前には無意味だ!愛とはためらわないこと、というのは平安時代の宇宙刑事の遺したコトワザである!アルベドの瞳から熱い雫が落ちる。それは美しいカンバセを伝い、豊満なバストへと落ちていく。まさしく母性である。

 

「モモンガ様の御身の傍に。アルベドはいつでも、そしていつまでもモモンガ様のお側におります。モモンガ様さえお求めになるのでしたら、このような事も、またそれ以上のことでも・・・」

 

モモンガの胸にアンデッドらしからぬ暖かななにかが込み上げてくる。アインズ・ウール・ゴウンは決して過去の遺物などではない。皆の思いの結晶はここにあるのだ。しかしモモンガの手は現在も豊満マッサージ継続重点である。

 

「あぁっ・・・アルベドは、アルベドはもう辛抱たまりません!くふー!」

 

アルベドはモモンガにしなだれかかる面積を広げ、モモンガの大腿部頬ずりしている!これ以上は本当に青少年の何かがアブナイだぞ!?

 

「お、おお、落ち着けアルベド!落ち着くのだ!今は緊急事態だ。それに・・・こんなコトワザがある。お楽しみは後にとっておくと実際三倍タノシイ、とな」

 

「なんと含蓄に満ちた言葉なのでしょうか・・・さすがはわたくしの愛しいお方。待つ時間も楽しみの内ということなのですね!浅はかにも一時の感情、あともすふぃあに身を任せたこと、どうかお許しくださいませ」

 

何とか危機を回避したモモンガではあるが内心ではかなり危険な状態であった!

 

(本当に好感度マックスじゃないですか、フォレスト=サン!まずいですよコレは!だけど早く次の一手を打たなくては・・・NPC達に失望されでもしたらセプクじゃすまないぞ・・・)

 

と、その時!モモンガがひかる!ひかる!これはアンデッド等の異形種に特有の、精神異常の無効化や高揚を抑制するスキルが発動したことを示している。

 

「...ふぅ。アルベドよ、お前はギルド内の各階層守護者に連絡し、六階層の闘技場に集合するよう伝えよ。また、プレアデス達も九階層に上げて侵入者を警戒させよ。彼女らを上手く使え」

 

「はっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見事な大草原だな、セバス=サン?」

 

「フォレスト・サワタリ様の仰る通り、見渡す限りの草原ですな」

 

所変わって、地上に出たセバスとサワタリは見渡す限りの草原に目を丸くしていた。少なくともサワタリについてはゲームの外で自然に触れるのは初めてのため、目を真ん丸にしていた。

 

「少し歩くか...サイゴン!」

 

背にマウントしていたタケヤリ〈ディエンビエンフー〉を油断なく構え、前進する。

 

セバスは一見すると、自然体でサワタリについて行っているように見えるが、実際のところチャドー呼吸によって一度事が起こればサワタリの邪魔にならないように且つ盾になれる体勢を維持していた。自我を持ったことでNPCの戦闘力は1.5倍にもなっているのだ!

 

星明かりの下を二人の男が歩く。おもむろにサワタリは立ち止まるとアイテムストレージから念写機を取り出して何枚かの写真を撮影した。

 

「フォレスト・サワタリ様、それは一体?」

 

「うむ。口頭だけでは伝わらないこともあるかと思ってな。こうして、適当な白紙をセットしてこうする。すると...こうだ!」

 

「これは...ナザリックを背に私が写っておりますね。なるほど、これは大変に分かりやすい。お見事でございます」

 

ポラロイドめいて吐き出された写真には、セバスがナザリックと満天の星空を背に写っている。そのまま何枚か撮影を続けると満足したのか、サワタリは写真をアイテムストレージに放り込んだ。

 

「セバス=サン、記念に一枚撮らんか。ナザリックとこの宝石箱めいた星空を背に。」

 

サワタリの言葉にセバスは激しく動揺した。先ほどの再開からセバスの心は揺さぶられ続けている。喜び、驚き、そしてサワタリもまた他の至高の御方と同じようにナザリックを去った、と一度でも考えてしまっていた浅はかさへの後悔。

 

「私などがフォレスト・サワタリ様とご一緒してもよろしいのですか...?」

 

「お前が良いんだ、セバス。俺は、たっち=サンがお前をデザインしていた頃からお前を知っている。つまりセバスは戦友の息子も同然!分かるな?」

 

「はい...!はい...!」

 

セバスは思わず大粒の涙を流した。

 

(この気高く慈悲深い御方により一層の忠誠を誓おう...!二度とこの御方を疑うような真似はするまい...!)

 

結果としては、端から見れば、ベトコンと執事と大墳墓という珍奇な組み合わせだが、本人達にとってはかなり満足のいく出来映えの写真が撮れたようだった。

 

 

「さて、そろそろ戻...サイゴン!」

 

しんみりしたアトモスフィアをぶち壊しにするが如きサワタリのカラテシャウト!しかもタケヤリ〈ディエンビエンフー〉は地面を深く突き刺している!ついに完全な発狂マニアックになってしまったのか!?

 

「フォレスト・サワタリ様、いかがなさいましたか。」

 

無言でクレーターめいて抉れた地面から、慎重に〈ディエンビエンフー〉の穂先を抜き取ると、そこには中々の大きさのモグラが絶命していた。これはセバスにも関知出来ないほどの小さな気配を、サワタリが見逃さなかった証左である。

 

「フゥーム。一見するとモグラだが、な。食せば分かるか」

 

これに慌てたのがセバスである。

 

「フォレスト・サワタリ様!どうかお止めになってくださいませ。貴き御方には、貴き御方の召し上がるべき食物の格というものがございましょう。」

 

するとサワタリは最先任上級曹長めいた顔つきで答えた。

 

「地獄のナムでは食える時に食わない奴から体力を失い、死んでいった。それになセバス=サン、何かを他人任せにすればした分だけ何かが、いや野伏力が鈍るんだ。勿論ナザリックの美食を味わうのも悪くはないんだが、な」

 

なんという凄みか!到底ただのナム妄想由来の理屈とは思えぬ!

 

(この御方は脆弱な人の身を極限まで鍛え上げ、試練を越えて、遂には半神的ニンジャ存在にまで成った御方!これが常在戦場の心構えであり、モモンガ様の懐刀として己を律する在り方か...!何と凄絶な!)

 

なおサワタリは料理スキルを使用してモグラを食べてみたいだけだ!ナムサン!

 

「私が間違っておりました。申し訳ございません」

 

「良い良い。遠慮せずにセバスも食すのだぞ!」

 

セバスが尊敬の念を深めている間に、サワタリはモグラの皮を剥ぎ、臓物やらを抜き取り、離れた場所でモグラ肉を高速で振り回してエンシンブンリ・チヌキを行い、スキットルの火酒でモグラ肉を洗い、円匙で穴を掘ってササの葉で包んだモグラ肉を埋め、その穴の中に火をおこしていた。

 

この間、僅かに5秒!これは実際、老練なマスターイタマエクラスの身のこなしである!無論サワタリはイタマエではなくニンジャである!

 

「こうして穴を掘ってから火を起こすと、遠くからはあまり目立たないですむのだ。セバス=サンも覚えておけ」

 

「はっ!しかし、フォレスト・サワタリ様の実戦的知恵の豊富さには心底感服いたしますな。」

 

「大したことではない。それと、俺のことをそんな他人行儀に呼ぶな。フォレスト=サンと呼んでみろ。」

 

セバスは目に見えて硬直!ギリシャ彫刻石像めいて沈黙だ!

 

「セバス?」

 

「フォ...フォ...フォレ、フォレスト=サ、様。これ以上はお許し下さい!」

 

セバスの頬は精神の高揚を示すが如く紅く染まっている。どう見ても焚き火のせいではないぞ!

 

モグラの包み焼きに粗塩をぶっかけて食した二人であったが、存外な滋味に二人は、特にサワタリはモッチャム、モッチャムと言いながら喜んだ。

 

(これは、良いものだ...)

 

 

何に対してなのか、どちらの心の声なのか、それは分からないが、モモンガからの〈伝言〉を合図にナザリックへと帰還するのであった。

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