ナザリック地下大墳墓にニンジャナンデ!?   作:酢酢酢豆腐

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見よ、火の如く赤い巨大なニンジャを。それは七つの頭と十本の角を持ち、また偽りの七つのメンポを着けていた...


ナム帰りの男がナザリックの支配者と憩うようです

ナザリック地下大墳墓、大浴場・スパ・ラクエン・ナザリックに二つの影があった。片方は骸骨で、片方は...ニンジャ!ニンジャの...入浴!

 

おぉ、何と悪夢的な光景なのだろうか!骸骨とニンジャが、かの国民的アイドルユニット「ネコネコカワイイ」の楽曲、「ほとんど違法行為」を歌っているのだ!デュオだ!

 

しかも、歌いながら身体を洗っている!何たるマッポーの一側面だろうか!

 

「あなたもそれで楽しい気・持・ちでしょ♪」

 

「ハイ!ハイ!」

 

湯船に浸かるモモンガが王侯貴族めいた声で歌う!

 

「今夜サッキョーライン下りた~」

 

「私のこと助ける権利~あげるから~」風呂場に声が反響する。ミソジのニンジャとミソジが近付く骸骨のデュオだ。

 

「激しく前後に動くー」

 

「ほとんど違法行為~」

 

「私もモモンガ様と前後したいでありんす!」「前後したいとの仰せなら、今アルベドが向かいます!」

 

脱衣場の方から何か物音が聞こえるが気のせいなのだろう。

 

 

「そういえば、ネコネコカワイイってオムラでしたよね」

 

「デスネー」

 

「ヘロヘロさんもオムラ系列だったなー」

 

「デスネー、我ら等しくこの世を機械、か」

 

「ヘロヘロさんもテックへの誇りがあるから、ウシミツ残業も何とか乗り切れるって言ってましたね」

 

カポーン!奥ゆかしいシシオドシ音声が響く。これも利用者をリラックスさせるための機能の一つだ。

 

だが、実際のところオムラは経営者が代わってからというもの破壊力重点主義とでもいうべき方向に経営方針の舵をきっており、ヘロヘロの所属するオムラ・エレクトロニックシステムズのような電脳・AI関連事業は軒並み縮小され、リストラや提携打ち切り、資本引上げの憂き目にあっているのだ!

 

オムラ・エレクトロニックシステムズがかろうじて命脈を保っていられるのは、かのオイランドロイドデュオ、ネコネコカワイイに彼らの開発したテックが関わっているからだ。なんたる暗黒経営資源集中戦略だろうか!なお、経営者が代わってからというものオムラ重工は株価が右肩下がりだ!

 

サワタリの属するヨロシサンなど、この機会にバイオサイバネやバイオウェアのシェア拡大を狙っている。まさにマッポー!まさに暗黒過剰競争社会である!

 

だが、今の二人にそのようなリアルの社会情勢など無縁のことであった。彼らは解き放たれ、そしてまた、ナザリックと異世界に囚われたのである。オムラも、ヨロシサンも、ZBRもシャカリキも、ゴスもヤクザも鼻持ちならない退廃的高校生も最早彼らとは無縁なのだ。今や彼らは人類を超越したものとなり、搾取される側から搾取し、弄ぶことを可能とする側になったのだ。

 

風呂場に沈黙の帳が下り、二人が考えたことはかつての仲間のこと、そして全く人類とは変容してしまった自身のことであった。そこには一切、リアルがどうなっているかだとか現実の自分の身体がどうなっているだとかは含まれない。モモンガとフォレスト・サワタリにとっては既にこちらの世界がリアルなのだ。

 

 

 

「入れ。」

 

控え目なノック音の後に、モモンガの執務室の扉が開かれる。シャルティアだ。

 

「モモンガ様、フォレスト・サワタリ様、ご機嫌うるわしゅう存じんす」

 

スカートを摘まみ、優雅に一礼するシャルティア。これは実際キョートの社交界でも通じる程の、雅な変則的オジギである。

 

「して、シャルティアよ。今日は何用で私のもとに来たのか。話すが良い」

 

「それは勿論、モモンガ様のお美しい姿を一目でも拝見したかったからでありんすぇ」

 

頬を赤く染め、やや小首を傾げながらの上目遣いは吸血鬼特有の色気と相まって効果が三倍だ!

 

「あら、じゃあもう目的は達したわね。既にモモンガ様からは御下命が有ったのだから疾く立ち去れば良いのではないかしら?」

 

すかさず、アルベドがインターセプト!完璧に気配を消しながら控えるサワタリの気遣いに感謝しながら、モモンガとの時間を楽しんでいたのだ。当然、恋敵たるシャルティアには二人の親密度を過剰アッピールだ!

 

モモンガの右肩辺りに軽く豊満を当てた会話姿勢から、シャルティアの前へと進み出て睨みを効かせる!コワイ!

 

「あぁら、本題に入る前に挨拶を挟むのは当然のことだというに。全くこれだからトウの立った賞味期限切れオバサンは嫌だこと、忙しなくて忙しなくて...」

 

口元を軽く手で隠しながらの嘲笑だ!これは口角の辺りを少しだけ見せ、後は目遣いでもって対象を嘲る奥ゆかしく、高度な罵倒術だ!

 

「あら、保存料を重点して無理やり賞味期限を無くしたモノよりかはマシではなくって?そんなゲテモノ、モモンガ様がお召し上がりになるかしら。」

 

痛烈!アンデッドであるシャルティアを皮肉る禅問答めいた罵倒、まるで切れたナイフだ!

 

「賞味期限切れで腐ったモノを召し上がってモモンガ様の体調に障りがあってはコトでありんすぇ。食中毒の原因は遠ざけなくては...」

 

「...そもそも、どこぞのゲテモノには食べるところが有るのかしら?食品ディスプレイは大量に重点してるようだけれど」

 

痛烈!そして偽乳!

 

「アッコラ、テメッアルベドコラ、誰が食品ディスプレイだッコラー!アリンスコラーッ!」

 

「ザッケンナシャルティアコラー!何が賞味期限切れだコラー!スッゾ、スッゾ、スッゾコラー!」

 

アルベドとシャルティアの顔が近い!今にも額が触れあいそうな距離かつ、一触即発の気配だ!

 

モモンガは、完全に気配を消して休め姿勢で控えるサワタリを恨めしげに見やるがサワタリは素知らぬ顔だ。口笛まで吹いている!ナムサン!

 

「二人とも、戯れはそこまでにせよ。シャルティアは本題に入れ」

 

「ハイ、ヨロコンデー!」

 

「はい、モモンガ様」

 

なんというニンジャ顔負けの身のこなし、切り替えの早さだろうか。モモンガは女性の持つ根源的恐怖を味わったような気分になった。そしてサワタリは素知らぬ顔だ!

 

「これよりモモンガ様の御命令の通りに、武技とやらを使う人間の調達に行って参りんすに、今後少ぅしばかりナザリックに帰還し難くなりんすから、ご挨拶に伺いんした」

 

「うむ、務めを果たし、無事に戻ってこい」

 

 

その後、モモンガとサワタリが直接外に出て情報収集を行うことをアルベドとデミウルゴスに伝えたところ猛烈に反対されたが、最終的には階層守護者を一名連れていくことで決着を見たのであった。

 

 

 

 

 

 

「ところでモモンガ様、フォレスト・サワタリ様。本当にお供するのは私で良かったんですか?」

 

「アウラよ、間違っているぞ...!今の私達は冒険者パーティー、アインズ・ウール・ゴウン!私は冒険者のモモンで、フォレスト=サンは熟練の傭兵サワタリだ。そして、お前は我々の友人の子供フィオという設定だ。忘れるな。」

 

モモンガの瞳が兜のバイザー越しに妖しくひかる。コワイ!

 

「しっ、失礼しました!モモンガ様!」

 

「モモンだ!」

 

「アイエッ!?失礼しました!直ちにケジメします!」

 

「ケジメはしなくてよい。しかしアウラよ、お前を随伴させたのは他でもないナザリックの為だ。冒険者といえば強力な魔獣と手に汗握る戦いを繰り広げるもの!その際に下した魔物をお前にテイムしてもらいたいのだ」

 

モモンガ、いやモモンは身振り手振りを交えながら、これからの冒険行の展望を語った。熱っぽく!兜のバイザー越しにモモンの瞳が妖しくひかる!

 

「モモン=サンよぉ、その辺にしたらどうだ。フィオが縮こまっちまってるじゃねぇか、只でさえロリータ重点なんだからこれ以上縮んだら見えなくなるんじゃねぇか?」

 

サワタリは既に役に没入していた。今や彼はノトーリアスと、サラリマン時代に見た傭兵崩れを足して二で割った様なアトモスフィアを発している。アウラの、いや、フィオの頭をサワタリが乱暴に撫でるとフィオはやや赤面した。

 

「フィオ、サワタリ=サンを見ろ。完璧な役作りだろう?お前も見た目の年齢相応に振る舞うのだ!良いな?」

 

「はいっ!モモン=サン!」

 

「それで良し!では行くぞ!」

 

 

 

「銅のプレートが三人か。まぁ、一人は嬢ちゃんだしな。二人部屋でいいか?」

 

「あぁ、頼む」

 

ところ変わって、冒険者の宿。ここは実際銅のプレートから銀のプレートの中でも実力が低い方のレベルの人間が集まる酒場兼宿だった。基本的にこういった冒険者の宿では、価格帯の設定から同じ位の実力の者が集まるようになっており、パーティーやタッグを組みやすくなっているのだ。

 

その中にあって、漆黒の豪勢な鎧兜の戦士、いかにも熟練の傭兵めいた男と、可愛らしいボーイッシュエルフが銅のプレートを下げているのは非常に悪目立ちした。

 

「オイオイオイ、銅のプレートの癖に随分良い装備してるじゃねぇか。それに俺は、お前が連れてるような平坦な娘が好みなんだよ!俺らに一晩貸してくれよォ!」

 

ナムサン!チンピラめいた見た目だが、下げているのは銀のプレートだ!彼は江乱照御縄談合(エ・ランテルロープウェイクラン)のジャーメイン!

 

彼等は馬に乗り、メイスを持ち、投げ縄を使ってバッファローやオークを引き摺り回して殺す血も涙も無いパーティーだ!駆け出し冒険者のモモン達には辛い相手ではないだろうか!?

 

「ハイ、ドーモ。サワタリです。ヨロシク」

 

「ドーモ。...なんだテメェは!実力差を身体に教えてやっても良いんだぜ?」

 

今にも争いが始まりそうな剣呑な空気!ロープウェイクランの残りの三人はニヤニヤ笑いでモモン一行を眺めている!非道!ブッダよ、起きてください!

 

「サイゴン!」

 

モモンとジャーメインの間に割って入ったサワタリの、ポン・パンチだ!このサワタリという男はもしやカラテのブラックベルトなのか!?

 

まるでニンジャめいた身のこなし!ワンインチ距離からのポン・パンチだ!ジャーメインは吹き飛び、テーブルを破壊しながら女冒険者に激突!ポーション瓶無残!女冒険者は気絶!ジャーメインも気絶だ!

 

「ボーシッ!トーリーボーシッ!」

 

コワイ!ヤクザスラングだ!善良な王国民であれば失禁不可避の迫力である!

 

彼はロープウェイクランのリーダー、スミスだ! 彼等は馬に乗り、メイスを持ち、投げ縄を使ってバッファローやオークを引き摺り回して殺す血も涙も無いパーティーだ!

 

「アンドレ!ディーボ!ヤッチマイナー!」

 

「ハッハァ!ハッハァー!」

 

「スッゾコラー!」

 

凶悪な形状のメイスを構えた巨漢が二名、サワタリににじり寄ってくる。そして...

 

「ハッハァー!」「スッゾコラー!」「サイゴン!」「グワーッ!」「サイゴン!」「グワーッ!」「サイゴン!」「グワーッ!」「サイゴン!」「グワーッ!」「サイゴン!」「グワーッ!」「サイゴン!」「グワーッ!」「サイゴン!」「グワーッ!」「サイゴン!」「グワーッ!」「サイゴン!」「グワーッ!」「サイゴン!」「グワーッ!」「サイゴン!」「グワーッ!」「サイゴン!」「グワーッ!」「サイゴン!」「グワーッ!」「サイゴン!」「グワーッ!」「サイゴン!」「グワーッ!」

 

おぉ、なんというジュージツの練度か!サワタリは瞬時に片方の背後に回ったかと思えば、襟首を掴み前後に投げ続けているのだ!そして接近してきたもう片方に投げ続けている男をぶつけて隙を作り、すかさずイポン背負いだ!

 

既に投げ続けられているアンドレは失禁している!

 

(いきなり消えたと思ったらアンドレの背後に現れた!こんなことが出来るのはニンジャだ!間違いなくニンジャだ!ニンジャナンデ!?ニンジャナンデ!?)

 

スミスはNRSを起こしてしめやかに失禁!無関係のウェイトレスもつられて失禁している!

 

そしてドゲザである!スミスはニンジャリアリティショックから復帰すると同時にドゲザ!

 

モモンに目で合図するサワタリ。するとモモンはスミスの頭を踏みつけて言った。

 

「我々はアインズ・ウール・ゴウン。そして我々は強者だ。これはブラフではない、わかりますね?」

 

「ハイ!スミマセンデシタ!」

 

「今後はこういう行為は慎むように。わかりますね?」

 

「ハイ!スミマセンデシタ!」

 

「では、また。今後ともヨロシクオネガイシマス」

 

「ハイ!スミマセンデシタ!」

 

「行くぞ。フィオ、サワタリ=サン!」

 

(くーっ!絡んでくる柄の悪い先輩冒険者を撃退!テンプレ!スカッとした!サワタリ=サン良いぞもっとやれ!)

 

モモンは兜のバイザー越しに妖しく瞳をひからせた。

 

「はーい!」

 

「あぁ、分かった。それと店主!」

 

サワタリはポーション瓶を一つ放った。

 

「これは?」

 

「そこでお寝んねしてるお嬢ちゃんに俺からのプレゼントだ。ヨロシク」

 

「アッハイ」

 

 

エ・ランテルに彗星の如く現れた冒険者パーティー、アインズ・ウール・ゴウン。彼等は一体何者なのだろうか!?サワタリはニンジャなのか!?褐色エルフ元気娘と前後は出来るのか!?

 

今は店主の手の内に輝く、血の如きポーションだけがその答えを知っていた。




その背には緋色と紫の衣を身に纏う淫婦の姿があり、女は穢れに満ちた杯を手にしていた...ブッダエイメン!
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