ナザリック地下大墳墓にニンジャナンデ!?   作:酢酢酢豆腐

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Wasshoi!!決断的に最新話を投稿します。また、現在ニンジャ文章力・ニンジャ語彙力の強化を目的として批評募集タグを加えるか検討中です。いつのまにかタグが増えているかもしれない。備えよう。

〈用語解説な〉

ネンコ→ステレオタイプな年功序列的考え方のこと。または年功序列そのもの。

アンタイセイ→反体制のこと、またはその立場を指す。原作では割りと重要なキーワードで、これを叫ぶキャラクターもいる。アンタイセイ!アンタイセイ!


イッキ・ウチコワシ→過激な共産主義的アンタイセイ革命秘密結社組織。テロルと総括、自己批判や総括援助,アジテート演説これが大好き。ニンジャ戦力や良く訓練された構成員を持ち、侮りがたい影響力がある。

コトワザ→諺とは似て非なるもの。出典は大抵ミヤモト・マサシか、古事記。何故なのか。

チョップ突き→私たちにもなじみの深い手刀。一般的な四指を揃えて親指をやや曲げたチョップのこと。ハートキャッチフジキド。

ヌキテ→貫手は我々の世界だとチョップ突きと似たような意味で使われるが、ニンジャのそれは鉤爪のように指を曲げて敵の肉を抉り取る残虐なカラテ技である。


ナム帰りの男がカルネ村を訪ねるようです

「あぁぁ...モモンガ様、モモンガ様、モモンガ様ぁ。何故ですか、何故私ではなくアウラをお連れになったのですか...?」

 

一糸纏わぬアルベドの頬を、熱い雫が伝って落ちる。モモンガのセンコめいた死の香りも大分薄くなってしまった寝台に一人、アルベドはいた。

 

「何故私も連れていって下さらないのですか?四人でも良いではありませんか...アウラは今頃、至高の御方が御自ら考案された偽名で呼ばれ、至高の御方から戦いの手解きを受け、唯一人至高の御方にお仕えする幸福を味わっているのでしょうね!...憎い!貴女が憎いわアウラ!」

 

モモンガの枕に頭を何度も叩きつけ、美しい足をジタバタと動かす。その傍らではモモンガを象った抱き枕が虚ろに、アルベドの恥態を眺めていた。

 

「アルベドは寂しゅうございます...モモンガ様ぁ...うぅぅ...思えば下等生物の村に行幸なさった際もセバスを連れていき、私はナザリックに帰され、待機を命じられたわ...」

 

そこに扉をノックする音。やや強めの三回。デミウルゴスだ。

 

「デミウルゴスです、入室致します。...君は何をしているんだいアルベド?」

 

「あらデミウルゴス。モモンガ様がお戻りになられたら、私の匂いで包んで差し上げようと思って...」

 

 

なるほど確かに、最近はモモンガ様がフートンで横になる事も増えているようだったな、とデミウルゴスは無言で首肯し納得した。以前デミウルゴスがモモンガの私室を訪ねた際も、安らぎフートンで憩っていた事を思い出したのだ。

 

「それは良い考えかもしれないね。いくらモモンガ様がご自身で現地社会の情報を集める事を望んでおられるとはいえ、程度の低い者共と交わってお疲れでしょうから。」

 

「そうよね!貴方も良い考えだと思うわよね!」

 

デミウルゴスは奥ゆかしく、泣きはらしてやや赤くなったアルベドの眼については触れなかった。一仕事終えるとモモンガの寝台で涙を流している事は知っている。だが、モモンガがいない今、根本的な解決は叶わない。デミウルゴスは自分に出来ることを行うつもりだった。

 

「そういえば、例の警備の件だが非常に順調だよ。私だけではこうも上手くいかなかっただろうね」

 

「まぁ、モモンガ様もお喜びになるわ。貴方もお疲れ様、デミウルゴス」

 

モモンガの身の安全を完全に確保する。何の憂いも悲しみもなく、ナザリックで心安らかに過ごしてもらうため、アルベドは何でもするつもりだった。モモンガを悲しませるモノ、不快にさせるモノなど不要だ。そんなモノは排除しなくてはならない。

 

「いやいや、貴女ほどではありませんよアルベド。モモンガ様もアルベドがいるから安心してナザリックを離れる事が出来ると、仰っていましたしね」

 

アルベドの反応は劇的なモノを見せた。薄手のフートンをその魅力的身体に巻き付けると、デミウルゴスの鼻先まで近付き、問い質した。

 

「本当に!モモンガ様がデミウルゴスにもそう仰っていたの?」

 

アルベドは自らの主君の優しさを知っている。だからこそ、モモンガに誉められれば天にも昇る心地になれるが、一点の染みめいて不安が付きまとうのだ。モモンガは優しい。慈悲深い。かつての仲間達の離反も笑顔で赦し、送り出したほどだ。だからこそモモンガの優しさに付け入るような真似は許さないし、許せない。自身にも他人に対しても。

 

モモンガだけを愛し、崇拝するアルベドが何故途中からアインズ・ウール・ゴウンの覇道に加わったサワタリを尊敬し、支配者の一人として礼節をもって迎えるのか。その理由がこれだ。サワタリは1500人の不埒者からモモンガを守り抜いた歴戦の勇士であること、そしてモモンガの優しさを利用しなかったこと。この二点こそアルベドがサワタリを支配者として迎え、その前に平伏する理由だ。此方の世界に来てからも、キテレツな発言は多くとも、常にモモンガの一歩後ろで背を護るように控えるサワタリの姿にアルベドは共感していた。貴方様もまた、モモンガ様の優しさをよくよくご存知で、それを護りたいのですね、と。貴方様と私は同志なのですねと。

 

或いは、モモンガ様を最も、心から、世界の誰よりも、かつての仲間達よりも、何よりも愛していてその御心を理解しているのは私だけれど、モモンガ様の優しさと友情の深さを最も理解しているのは貴方やもしれませんね。という、奇妙な親近感と共感が、加えてサワタリの半神的ニンジャ存在感が混ざりあって尊敬の念になっていた。

 

そして、この深い深い愛情と複雑な感情がアルベドに涙を流させるのだ。この深い愛情こそが、モモンガに与えられた愛こそが、アルベドの感じる寂しさの原因なのだ。より近く、より長い時間、より濃密に、モモンガに寄り添いたい。これが女としてのアルベドの願いである。

 

「あぁ、無論本当だとも。モモンガ様は確かにそう仰っていたよ」

 

嘘だ。モモンガはアルベドとデミウルゴスのお陰で、とデミウルゴスに言ったのだ。だからこれは優しい嘘だ。

 

「どんな強固な砦も波状攻撃を食らえば陥落する、モモンガ様も敬意を払うミヤモト・マサシという人物が遺したコトワザだそうよ。シャルティアがいない内に、モモンガ様との距離をつめるつもりなの!」

 

「ははは、元気になったようで何より。まぁ...とりあえず目元には注意したまえよ」

 

アルベドは自分がどういう状態だったか気付き、赤面した。

 

「...ありがとう、デミウルゴス。気を使わせたわね。」

 

「構いませんよ、守護者統括殿。では、失礼」

 

デミウルゴスは微笑むと、冗談めかして優雅に一礼した。悪魔らしからぬ優しさ、いや、悪魔だからこそ心の機微というものを人一倍理解しているのかもしれなかった。この悪魔はナザリックの者には非常に優しいのだ。

 

 

 

「カルネ村へ向かうにあたって、ちょうどこの辺りからモンスターが出没するようになるので、注意してくださいね」

殿につく三人の方に振り向いてペテルが言う。街道が森林沿いに有るためだ。

 

「なーに、奇襲でも受けない限り心配することねぇって!俺の野伏感知力は最高だからな!」

 

「ルクルット=サン、ナムの密林では無駄口の多い者から死んでいくぞ」

 

サワタリのナムめいた狂気は、纏うアトモスフィアと相まって凄まじい説得力を発揮した。

 

「アッハイ」

 

ルクルットが返事をしたその次の瞬間!

 

「小隊戦闘準備ィ!」

 

サワタリのよく通る声に反応し、モモンは抜刀、フィオも鞭をしごき、各々が得物を構える。ルクルットの鼻と耳もサワタリに遅れること5秒、モンスターの気配を感知する。サワタリの脳内にワルキューレの騎行!ナパーム掃討開始!

 

「ARGhhhhh!」

 

オーガとゴブリンのエントリーだ!

 

「サイゴン!」「アバーッ!?」

 

構える隙も与えぬカラテ突進!右のマストダイ・ブレイドの一撃!ゴブリンは頭蓋骨貫通死!

 

「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「アバーッ!?」「アバーッ!?」「アババーッ!?」ルクルットが素早く弦を引き絞り、矢を放つ。ブルズアイ!それぞれの矢がゴブリンの頭蓋骨貫通! ワザマエ!

 

「イヤーッ!イヤーッ!」「アバーッ!?」「アバーッ!?」

 

ペテルのイアイ斬撃!回転切りでゴブリンの首を切り落とす!安定感のあるイアイドだ!右手に左手に剣を持ちかえながら戦うことによって、ゴブリン達は翻弄されている。ゴウランガ!

 

「ARGhhhhaaaa!!」

 

アブナイ!オーガがニニャを狙っている!ペテルがモモンに向かって叫ぶ!

 

「モモン=サン、援護を...!」

 

だが、その必要はなし!

 

「イヤーッ!イアイド!」「A、a、アバーッ!?」

 

欺瞞!モモンにイアイドの経験はない!だが、レベルによる凄まじい身体能力で振り回される大剣はまるで殺人風車だ!

 

「な、なんてワザマエなんだ!オーガを一撃!?」

 

「ヒュー、モモン=サンやるぅ!さて、サワタリの旦那は...」

 

サワタリの援護をするべく最後のオーガに向かって矢を射かけるルクルットだが、サワタリがいない。

 

「イヤーッ!あれ、サワタリの旦那は?」

 

オーガの影から何かが泥を掻き分けるようにして勢いよく飛び出す!おぉ、あれはまさか!

 

「Wasshoi!!」

 

ゴウランガ!オーガの影へ潜んでいたサワタリがバックスタブめいてオーガの首をケジメ!一秒間に50回転以上を実現している!両手のマストダイ・ブレイドはまるで血風独楽!そして鮮やかに着地をキメる!

 

「ワザマエ!」

 

「サワタリの旦那はもしや忍者なのでは?」

 

「ニンポであるか?」

 

ニンポとは忍者が用いるニンジャ・マジックのことである。有名なものではカミナリ・ニンポやブンシン・ニンポなどが存在する。王国の子供たちにもカミシバイ・カートウーンで有名なヌンジャ仮面シリーズは大人気である。そのグッズ経済効果は金貨何千枚とも言われており、子供たちは皆、こぞってヌンチャクをほしがるものである。

 

ンフィーレアとその馬車に襲撃してきたモンスターは一体の例外もなく息の根を止められた。ものの数分もかからずに、だ。漆黒の剣の面々は、モモン一行の銅プレートらしからぬ実力に驚きを隠せなかった。

 

「お強いとは思っていましたが、まさかこれほどとは!」

 

「そんなことないですよ」

 

モモンがサラリマンめいて謙遜の言葉を口にする。

 

「ルクルット=サンやニニャ=サン達の的確な援護も素晴らしかったな」

 

ニニャが目を輝かせて言う。これはニニャが英雄というものに強い憧れを感じている事の証左である。

 

「私はなんも出来なかったなー」

 

フィオは肩を落とし、ややしょんぼりしている。だがこれは、不自然にならない程度にモモンとサワタリがモンスターを通さないようにしているためなので、実際仕方のないことだ。

 

「いーのいーの。フィオちゃんはまだ子供なんだからお兄さん方に任せときなさい!」

 

「...はーい」

 

ルクルットがサムズアップ!だがルクルットよ、お前の目の前にいる褐色エルフ元気娘存在はお前を殺すのに数秒とかからぬ。ナムアミダブッダ!

 

「やはりあなた方に護衛を頼んだのは正解でしたね」

 

「ンフィーレア=サン」

 

「薬草の採取がてら、知り合いの様子を見にカルネ村へ行きたかったのですが中々頼れる方もおらず...オカゲサマデス!」

 

ンフィーレアは深々とオジギ。当然馬から降りている。

 

「いえいえ、オセワニナッテオリマス」

 

オセワニナッテオリマスとは、オカゲサマデスの対になるチャントであり、七大神が伝えた奥ゆかしい礼節プロトコルだ。互いが互いに敬意を払っているという事実が、このチャントを行うことで明示的になるのだ。なお、モモンは反射的に行っている。

 

「しかし、思っていたよりもモンスターの数が多くありませんね?」

 

「この辺りは森の賢王と呼ばれる強力な魔獣のテリトリーなんです。だから、他のモンスターもあまり近付かないのでしょう」

 

「森の賢王...」

 

「フィオ、出番だな」

 

「ハイ!センセイ!」

 

捕らえる事が出来れば、ナザリックの強化に繋がるはず。モモンは、モモンガとしてそう思考した。そして、一瞬フィオがビーストテイマー・アウラの顔付きになり妖しい笑みを浮かべて唇を舐めた。

 

 

辺りも薄暗くなり、当初の予定通り野営の支度を終えた一行は、夕食の鍋を囲んでいた。干し肉やタマネギの類をコンソメブロックめいた何かで煮込んだものだ。冒険行の最中の飯にしては、中々に豪勢なところがあった。流石は銀プレートといったところか。ルクルットは見た目通りの器用な男で、火を起こす薪集めから料理まで、ほとんど一人でやってしまった。

 

「はいよ」

 

ルクルットが碗を差し出す。

 

「ドーモ」

 

(食事、必要ないんだけどな...)

 

「なぁなぁ、三人は結局どんな関係なの?」

 

ルクルットがいかにも好奇心に満ちた瞳で訊ねる。ニニャもまた、瞳に同じような色を宿している。

 

「そうですね...私と彼は長年の戦友です。それこそ10年来の関係です。フィオはご覧の通り、好奇心旺盛な子でして...友人のもとを訪ねた私たちについてきてしまったのです」

 

「えへへ...」

 

モモンの発言に合わせて、恥ずかしそうに笑うフィオ。名演技だ!

 

「なるほどなぁ...しっかし何でまた旅なんて続けてるんだ?元々冒険者だったのかい?サワタリの旦那は傭兵なんだろうけどさ」

 

「ルクルット=サン...それ以上の詮索は止めていただけませんか」

 

モモンの言葉に頭を下げるのはペテルだ。

 

「ルクルットのバカ!ウカツ!失礼だろ」

 

「悪ぃ悪ぃ。ドーモ、スミマセン」

 

ルクルットはヘラヘラと笑いを浮かべているが、不思議と腹は立たない。むしろモモンは、ルクルットの人柄も相まって、三人で考えた設定を若干のミステリアスかつワケアリな雰囲気を漂わせながら開陳できたことに喜びを感じていた。実力のある正体不明の剣士存在、かなりクールだ。

 

「ところで、皆さんは漆黒の剣というチーム名ですがどんな由来が有るんですか?」

 

ルクルットはその質問に、ヘラヘラ笑いをニヤニヤ笑いに変えて答えた。

 

「それはな、ニニャが欲しいって言ったからなんだよ」

 

「ほう?」

 

「止めてください、若気の至りです」

 

ニニャが赤面し、そっぽを向く。

 

「えっと...漆黒の剣というのは、昔いらっしゃった十三英雄の一人が持っていたとされる四本の剣にちなんでるんです」

 

「なるほど」

 

「そうそう、それを発見するのが俺たちの第一目標ってわけさ」

 

ルクルットはどこか誇らしげに彼らの目標を語った。そこからは、彼らの育んできた信頼関係が窺えるかのようであった。

 

「だから若気の至りなんです!勘弁してくださいよぉ...」

 

「何も恥じることなど無いのである!夢を大きく持つことは重要である!」

 

そう言ってダインは豪快に笑った。

 

「本当に皆さんは仲がよろしいようだ。私も昔を思い出します」

 

モモンのポツリと溢すような言葉にニニャが反応する。

 

 

 

「モモン=サン達のアインズ・ウール・ゴウンにも他のお仲間が?」

 

「えぇ、40人もの素晴らしい仲間たちがいました。本当に...最高の友人たちでしたよ」

 

ペテルは思わず息を呑んだ。彼並みの戦士達が40人も?それでは、モモン達のアインズ・ウール・ゴウンは相当に偉大な戦士団だったのではないか。この国の戦士団など目ではないほどの。ますますモモン達の素性が気になるところではあったが、ぺテルは何とかグッとこらえることに成功した。

 

「いつの日かまた、その方々に匹敵するような仲間が出来ますよ!」

 

幻聴だが、サワタリにはニニャがモモンの地雷を踏んだ音がはっきりと聞こえた。

 

(アイェッ!?それはアブナイだぞ、ニニャ=サン!)

 

サワタリの額にじっとりとした汗が浮かぶ。

 

「そんな日は、来ませんよ。この先もずっとね。」

 

明らかに先ほどよりも重々しく、そしてやや怒りと寂しさを滲ませた声だった。

 

「失礼、私はあちらで食べてくるとしよう」

 

「じゃあ私もー」

 

モモンに続いてフィオが離れていくと、サワタリが冗談めかして言う。

 

「悪いな。うちの大将は少しナイーブなんだ。」

 

去り際に見た、ニニャの悲しげな表情がサワタリにはやけに印象的だった。ニニャもまた、大切な誰かとの別離を経験しているのだろうか。

 

 

 

 

 

エ・ランテル貧民街。屑の掃き溜め、貧民街の中でもこのストリートは一際である。裏路地には実際ゴミ溜めめいてすえた臭いが漂う。しかし、今宵はそれに加えて血とアンモニアの臭いが混じっていた。

 

「んふふふふー これからお兄さんにインタビューするからねー」

 

邪悪な女戦士クレマンティーヌは、情報屋の男を路地の隅に追い詰めるとそう宣言した。

 

「アイェェェェ!?これ以上は何も知りません!」

 

「んふふー 先ずは貴方の小指を折る。イヤーッ!」「グワーッ!」

 

情報屋の男は激しく失禁!腰を抜かしながらも後ずさる。

 

「アイェェェェ!?これ以上は本当に何も知りません!」

 

「んふふー 次は貴方の薬指を折る。イヤーッ!」「グワーッ!」

 

「アイェェェェ!?これ以上は本当に、本当に何も知りません!」

 

「んふふー 次は貴方の中指を折る。イヤーッ!」「グワーッ!」

 

情報屋の男はもはや排泄物を垂れ流しにしている!

 

「アイェェェェ!?これ以上は本当に、本当に何も知らないんですよ!」

 

「んふふー 次は貴方の人差し指を折る。イヤーッ!」「グワーッ!」

 

情報屋の男はもはや垂れ流すものすらない!

 

「ところでなんだけどー 先ほどまでの拷問には特に意味はありませんでしたー」

 

何が嬉しいのか上機嫌に笑うクレマンティーヌ。邪悪! 情報屋の男は考えることも放棄して、声を枯らさんばかりに悲鳴を上げた。なぜ、何故自分がこんな目に合うのかという思いを込めて!

 

「アイェェェェ狂人!?アイェェェェ!?」

 

「そう、私ね、狂ってるの!人を殺すこと、拷問することに狂おしいほど恋しちゃってるのぉ!だから仕方ない・・・仕方ないよねー」

 

「アイェェェェ!アイェェェェェェェェ!?」

 

「何でこんなになっちゃったのかな?仕事で人を殺し続けたから?親の愛情が糞兄貴にばっか注がれていたから?弱かった頃に無理やりサレたから?任務でドジって糞野郎に焼けた鉄の棒突っ込まれたから?お兄さんわかる?」

 

「アイェェェェェ、アイェェェェェェェェェ!?」

 

這ってでも逃げようとする男を、なぶるように、一歩ずつブーツの音を高らかに鳴らしながら追い詰める。

 

「わからないよねー!だって、全部嘘、嘘、嘘、嘘、嘘だもーん!」

 

「アイェェェェ!?アイ、」

 

「飽きた。」

 

すると唐突に、カラテシャウトも無しに、クレマンティーヌは這いつくばる男の心臓をチョップ突きで貫き、引き摺り出した。そして僅かな間、心臓の鼓動を楽しむと躊躇いなく握り潰した。

 

「んふ、んふふふふ、んふーふふふふふー アーイィ...凄くイィ...この為に生きてるのぉ...イィ...凄くイィ...うぇひひひひ!」

 

彼女はここで一度達した。

 

 

貧民街の裏路地にクレマンティーヌの不気味な笑いがこだまする。心臓を握り潰された男の虚ろな瞳がただただ絶望とともに、恍惚の笑みを浮かべて痙攣するクレマンティーヌを見上げていた。月明かりも無いような夜だ。ブッダも寝ているのだろう。




クレマンティーヌ=サンカワイイヤッター!カワイイヤッター!

私はまずここで一度と言わず二度達した。
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