頑張って書きます。
んー、学園都市第一位ってベクトル操作だったよね?
だったら同じだと実験対象になるから……流体操作当りだったら似たようなことができる、かなぁ?
水流操作だの空力使いだのいたし、エレクトロマスターも結局は電子の流れで電気・電磁を操作できるものだろうから。
うん、流体操作でお願いしよう。
そんなことを思いながら学園のゲートを通った。
2年と数カ月後―
僕は第七学区の高校へと進学を果たしていた。
ショックなことに学園都市での身元引受人は木原数多だった……。
物心つく前に亡くなった父親は、なんと数多の兄だったのだ!
と、いうことは木原の血縁ではないか!!
木原が出現するのは血縁だけでないとは知っているが、それにしても自分の親戚に狂科学者が多いなんてゾッとしない。
学園都市に着いて早々に能力測定はされ、原石と認定された。
現在の登録は≪流体操作≫レベル4だ。
たびたび計器の停止と不調を起したために研究対象として不適格とされ、妙な実験にも参加させられそうになったが計器が正確に測定できないと今は自由の身だ。
それに何を思ったのか木原数多が優しい。……いや、世間一般とはずれた優しさなのだが妙に気に入られているらしいのだ。転移特典なのか補正されているのか?
最初『叔父さん』と呼んで凹ませたので、今は『数多さん』と呼ばせてもらっている。
「不幸だーーーーー!!」
遠くで悲鳴が聞こえる。
またか、と思える程度には助けてやっている。
そう、主人公と知り合いになったのだ。
「ほら!」
ざざざざぁぁぁぁあああああ……………
突然数個の竜巻が起こり、不幸少年の周囲を駆け巡る。
「うわあああああああ!」
「ぎゃあああああ!」
絡んでいた不良たちは竜巻に追われてバタバタと去って行った。
後に残ったのは、喧嘩するつもりで構えたまま呆然としている不幸少年だけ。
「毎度毎度お疲れ様」
声をかけて少年はようやく凍結状態から回復する。
「お、おう! 助かったー。さんきゅー」
上条が力を抜いて気の抜けた声で感謝しているのを見るのは何度目だ?
「カミやーん! 生きてるかにゃー」
にやにやと出てきたのはアロハグラサンの金髪男だ。こいつもいたのか。
この土御門とも知り合いになった。理由は不幸少年と一緒に絡まれているのを拾ったからだ。こいつにだけは断じて故意に近づいたわけではない。土御門に関しては多角スパイで口八丁なためいろいろと面倒そうだし、経歴を聞かれても納得させるだけの背景が無いため困るのだ。
とはいえ、ちょっと神力を使ったくらいで土御門はそれを見抜いて指摘してきた。今はまだ話せないと言ってはいるが、いつまで待ってもらえるのか……心臓が痛い。
僕は極めて小心者なのだ。
「なんだ、ミオやんも一緒か。また助けてもらったんだにゃー」
神尾、だからか『ミオやん』と呼ばれるようになったてしまった。この呼び名には一応反対したのだが、一向に聞き入れてくれないのだ。
「どうしてこいつ見るたびに絡まれてるんだ?」
「そりゃあカミやんが不幸だからにゃー。にゃはははは」
呆れたような問いかけに土御門は軽快に答え、上条はがっくりうなだれる。
「不幸だ」
「ま、あんまり気にするなよ。それこそ幸せが逃げていくぞ」
そう言って別れる。いつもの事だ。
土御門の胸には銀のペンダントが光っている。僕が渡した魔力を練らなくても使える万能結界付与タイプのペンダントトップが付いたものだ。魔力を体の中で練る必要がないため超能力者でも反動で傷つくことなく使用できる。何かの時に使ってくれれば幸いだ。
小心者で臆病なために原作に関わるつもりはあまりないが、0930事件や第三次世界大戦など学園都市ごと巻き込まれる騒動はいくらでもある。こちら側の平穏を守るために頑張って交渉してくれよ、といういわば対価、若しくは報酬の前払い、と言った所だ。まあ、本人には「頑張ってくれ」としか言っていないが。
高校が同じわけでもないが、学校も寮も近いのでたびたびこんな場面に出くわしている。
一応能力のレベルも高いし学力もあるので、第七学区内でもレベルの高い中高一貫校に通っているのだ。
そして、もう一人原作の出演者と知り合った。
「神尾さーん!」
人懐っこい声で僕を呼ぶのは佐天涙子だ。
「これ! ここ教えてくださ~い!」
こちらは少し狙って知り合った。ファミレスで突っ伏しているのを発見し、宿題を教えて見たらすぐに懐いた。
ちなみに僕の女の趣味は年下ではないので安心してくれ。≪とある≫の出演者なら黄泉川先生がいいと思うが、周囲には同意してくれる人が少ない。
「こんだけ勉強してるんだもん、今度のシステムスキャンでレベル上がらないかなー」
教科書と宿題を開きながらぼやく佐天に
「選択肢をあげようか?」
と人の悪い笑みをみせる。
実験してみたいことがあったんだー。
「選択肢?」
きょとんとした瞳を向けてくる。
「そ、選択肢。
その一、レベルを上げて周囲が傷つくのを見るしかない。その二、レベルを上げないで周囲を守る。
さあ、どっち?」
レベルが上がればいずれ対決するであろうキャパシティーダウンによって全滅するかもしれない。レベルが上がらなければアニメと同じく佐天の力で危機を脱出できるだろう。
まあ、第三の選択肢も用意してあるけど。
「レベル上がった方が守れるんじゃないですか?」
怪訝な顔だ。
「一般にはそうでも、ここは科学の街。そうとは限らない。まあ、レベルを上げながらも守りたいと思えば方法はない訳でもないけど?」
「教えてください!」
食いついてきた。その信頼、悪い様にはしないから利用させてもらうよ? ちゃんと希望通りにしてあげるからね。
「システムスキャンが終わったら、また会おう。その時に教えてあげるよ?」
まだ、この力を科学者たちには見せたくないからね。アレイスターにはどうやって見せないようにしようか?
ここまでは前日譚。
次回から超電磁砲に入ります。