閃光の幼馴染みに転生しました。   作:ピリの唄

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1巻から読み直しました。……晃太入る余地無くね?

そしてお気に入り100名を超えました。本当にありがとうございます。

なのでバレンタインデーに特別編を投稿します。


この世界は

目を開けると黒光りする巨大な宮殿。β時代に死に戻りの後でよく見た景色だ。

ここはアインクラッド最大の街、《はじまりの街》。β時代ではここは死に戻り地点なのでレア物を落としたと嘆くプレイヤーが結構いた。これからはそんな風に嘆くことなどできないが。

 

「帰ってきたんだな……」

 

現在、一時十五分。俺はこの剣の世界に、死と隣り合わせに変化した世界に戻ってきた。晃太ではなく《コウ》として。

 

今から約四時間後に始まるチュートリアルまでは次の村まで進むプレイヤーはいない。つまり、今なら《森の秘薬》クエストを一番最初に受けることができ、実付きのMPKされる心配もない。そして何よりもレベリングの邪魔は入らない。

 

「……よし!」

 

考えをまとめた俺は裏道にあるお得な安売り武器屋へと走り出した。

 

**

 

《森の秘薬》クエストは花付きのネペントを倒せばいい。だが、出現率は低い。

簡単に言うと花付きが出るまでネペント狩りまくれ、だ。初期のレベリングには最適だ。

ネペントは攻撃力は高いが防御力は低い。しかも弱点も別っている。β時代、そんなモンスターは狩りやすいと人気だった。

 

閑話休題

 

狩りを始めてからどのくらい経っただろうか?軽やかなファンファーレと共に金色のライトエフェクトが俺の身体を包む。時間を確認すると五時になっていた。

勘を取り戻すために慎重に狩りをしていたせいか、レベルアップが遅い。もう少しはレベルを上げれていると思っていたのだ。欲を出せば4レベまでは上げておきたかったが2レベに上がっただけでもましと考えよう。

貴重なステータスアップポイント3を、筋力に2、敏捷力に1振る。純粋な攻撃力は筋力、スピードが敏捷力だ。囲まれない限りは敏捷よりも筋力が高い方がいいだろう、多分。

そして俺は索敵範囲に入ったモンスターに向けて走り出した。

 

倒し終え、次のモンスターを探しているときにリンゴーンという鐘のような警報音と共に俺の身体を青い光が包んだ。

 

「始まるのか」

 

呟いた俺の視界は森の中からはじまりの街の中央広場に変化した。

 

 

 

Sideアスナ

 

目の前に出てきた名前の欄に打ち慣れた名前《Asuna》と打ち込み私はゲームの世界に入った。

そして見知らぬ街、見知らぬ人々の間に降り立った私は興奮していた。

 

「この世界が晃太君や優歌ちゃんがはまった世界なんだ……。二人にどうやって会おう……」

 

そこまで呟いた私は肝心のことを思い出す。二人の居場所もどんな容姿かもわからないのだ。

 

「どうしよう」

 

そう呟いたときに、いきなりリンゴーン、リンゴーンという鐘のような、警報音のような凄い音と共に広場に大勢の人たちが青い光に包まれて現れた。

そして苛立つ人たちのわめき声が出始めたときにそれは現れた。

頭上に降臨したがらんどうの神は、このゲームから出ることが出来ないと言った。そして

 

『――残念ながら、すで二百十三名のプレイヤーが!アインクラッド及び現実世界からも永久退場している』

 

この言葉で私は幼なじみとも会えないのではと考えてしまった。

 

私の世界が小さく固まっていくのを止めたのは私よりも成績のよかった幼なじみだった。私に遊びや余裕を持たせてくれたのも彼だった。

その彼と会えない。

そんな嫌な予感がした。生きているなら会えるかもしれない。でも、二百十三名の中に晃太君が入っていたら……

 

私の嫌な予感を気にすることもなく、頭上の茅場の感情の欠けた宣言は続いた。

 

その後、嫌な予感のせいか私と晃太君は一層の攻略会議まで出会うことがなかった。

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