定期的な更新が無理になった時の言い訳かな?
それはさておき、ようやく主人公が、キリト君が登場です。
あと、お気に入りが200名越えました!
本当に皆さん、ありがとうございます!
なんとか妹――この世界だとユウという名前になっていた――を見つけて合流することができた。
俺はそのままユウを引っ張って街を出ていく。
「お兄ちゃん、どこへ行こうというのかね?」
「ム○カはやめろ。今すぐ次の村に行く」
「どうして?」
「必要なリソースを取るためだ。このままだとはじまりの街の周りは枯渇することになるからだ」
「そんなことに……」
「生き残るにはひたすらに自分の強化が必要なんだ。取り合いが起こるからな」
そういった説明をしながら次の村《ホルンカの村》へと向かう。
そう、本日二度目のあの村へと。
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夕陽が沈んでから少ししてから俺とユウは村へとたどり着いた。
「今日はユウは休め。疲れただろ?」
知っていた俺と違い、精神的な疲労は大きいはずだ。しかし俺は今日中にレベルを最低でも5までは上げたい。
だから妹には休ませる。
「お兄ちゃんはどうするの?休まないの?」
「ちょっとだけレベリングしてくる。今、俺のレベルは2だから、ユウよりも余裕だ。だから心配するな」
「……わかった」
ユウは納得していないような顔だが、理解してくれたようだった。
そしてユウが宿屋に入っていくのを確認した後、俺は森のなかへと入っていった。
未だに途中なクエストを終わらせるために。
一時間近く後にその森のなかで、モンスターの群れのなかにいた物語の主人公と出逢うことを俺はまだ知らない。
Sideキリト
コペルがMPKを仕掛けてきてからどのくらいたっただろう。そんなことすら意識に昇ってこなくなった。
ただひたすらに剣を振る。
存在するのは眼前の敵と簡素な剣、それを操る肉体――正確には脳から発せられる運動命令のみ。
今まで以上に動作の無駄を切り捨て、精度を上げていく。
これがSAOだ。剣や身体、それらと意識が極限領域で一体化した時、初めて辿り着ける境地。俺は今、その世界の入り口を遠くに垣間見ている。この先が知りたい。もっと先に行きたい。
「う……おおぉぉああああ!!」
吠え、地面を蹴り縦に二匹並んでいたネペントの捕食器を斬り飛ばす。
直後、モンスターが爆散するサウンドとは違う、プレイヤーの死亡エフェクト。
コペルがついに力尽きたのだ。
反射的に振り向きかけたが、それをこらえ、周囲に残っていた最後の二匹を立て続けに屠る。
そこでようやく後ろを向く。
三匹のネペントはこちらを向くことなく、何かに向けて突進していて、すぐにその捕食器が斬り飛ばされた。
「……あー。大丈夫だったか?」
ネペントを狩り終えたそのプレイヤーは気まずそうな顔で俺に話しかけた。
「……その、悪いな。君の仲間を助けられなくて」
「……いや、助かったよ。あのままだと俺もどうなっていたかわからなかったから。ありがとう」
「HPヤバイだろ?村まで送るよ。それくらいしか俺にできないから」
「なら、悪いけど頼むよ。えーと……」
名前がわからずに口ごもる。
「自己紹介がまだだったな。俺はコウ、よろしく」
「俺はキリトだ。村までよろしく」
そう言って俺とコウは握手した。
これが俺とコウとの初めての遭遇だ。
ただ、この縁が長く続くことになるとはその時の俺は思ってもいなかった。