くそ~今回は行けると思ったんだけどなぁ~。
いつかリベンジします。
何も無いその空間。あるとしたらならば、大きく円を描くように削られた細長い月から降りる明かりと、耳に心地よく流れる甲高い虫の
「…………ここに来るのは久々ね」
紫はゆっくりと隙間から降りらポツリとそう呟いた。辺りは何処までも暗く、そして静かだった。緩やかな風が吹き、紫の髪を撫で上げ、舞い上がらせた。透き通った虫の音と、風の
「…………こんな所に来ようと想うだなんて、もう私も年かしら?」
最近、独り言が増えたと紫は自分の頬へと手を添える。しかしそれは仕方がない事。なにしろ喋り相手が昔より少なくなったのだ。そうなれば、独り言が増えるも道理と言える。そう無理矢理に自分を納得させ、紫は隙間から朱色の盃と、小さな
ーーーーそう言えば、あの時もここに座っていたわね。
大きな切り傷がある柱の近く。別に故意にここに座った訳ではない。自然と、そして無意識に私はここに座った。いや、もしかすると何かしらの因果が働いているのかもしれない。そんな根拠もない考えが、紫の頭に思い浮かぶ。馬鹿馬鹿しいと思いながらも、全てを否定できない。こんな事を思うなんてやはりもう年だなと思いながら、紫は盃を傾けた。
思い出す、あの時の事を。
思い思い
思いめぐらす、あの幻想を。
そうして紫はそっと酒を煽った。
それはそう、焦がれ恋したあの日のこと。
それと、ここから投稿はしばらくお休みするのですが、もし皆様の中でも自分がやっているような感じの短編を思い付いて、私に力を貸してもいいといってくれる人はそのアイデア教えて下さいませんか?設定に無理が無ければ、受験明けに是非とも投稿したいと思います。それを小説になおせるかは分かりませんが……一応。