いないいないばぁ。   作:Gasshow

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絶対にヒント要らなかったな~。久しぶり過ぎて少し読者様を嘗めていたようです。この文は最後の段落(?)の前に挟み込む感じの文章です。なぜ幽香が花を用意したのかの説明の文ですね。



花の名【解説】

【解】

 

あの妖精の()は泣いたあの日以来しばらく家に来なかった。少なくとも今日までの七日間は来ていない。もう夏が終わるこの時期に、私はハハコグサを見つけたあの場所に来ていた。あのハハコグサは私が持ち帰ってしまったが、もしかするとまた新たな芽が出て大きくなっているかもしれない。季節外れの花に私は一方的な期待を抱いてそこへ向かおうと思い至ったのだ。今日もこの大通りには多くの足たちが皆、競い会うようにして追い越し、追い越されと競争していた。勝者の決まらない不毛な勝負。そんな(ぬか)に釘を打ち続けている競争会場を横切って、私は目的の場所を見下ろした。そこには何も無かった。いや、無かったと言うのは語弊(ごへい)がある。ただ生きたものが無かったのだ。私の足元には屍が転がっていた。本来ある筈の血色は失われ、茶色の地面と一体化するように横たわっていた。風化したその屍は一見しただけではもう何か分からないが、それでも私は確信できる。この屍はこの夏に、私が見つけ拾ったものだと。しばらく屍を見つめる。不思議と何も思わなかった。悲しみ、落胆、空虚、そう言ったものは一切浮かんでこない。私はしばらくその屍を見た後、そっと振り返り来た道を戻る。

 

ただここ数日前に、寺子屋に通っていた『緒形(おがた)』と言う名の人間の子供が病気で亡くなり、その葬式がその日行われていると知ったのは、それからすぐのことだった。

 

 

 

 

 

 

【解説】

 

答えは《チルノが言っていた『おがた』は人里の子供のことだった》ですね。筋はチルノは寺子屋で自分の隣に席にいる『緒方(君?ちゃん?)』が病気になり、そのお見舞いの花を幽香に貰いに行く所から物語ははじまります。そこでチルノはその『緒方』と同じ読み方ができる花を見つけます。「面白い!きっと緒方も元気が出る!」とチルノはそう思いその花をお見舞いの花にと決めます。それから花を貰った幽香に『緒方』の様子を伝えるのですが、幽香はチルノの話をしっかりと聞いていなかったのでそれを『御形(ごぎょう)』だとそう思い、会話を聞きます。しかし幽香はその後にチルノの話していた内容が人里の子供の一人だと知り、おそらく彼女が供養の花を欲しがるだろうとそう思い、花を用意して待っていた。みたいな感じですかね。

 

あとこれは言うつもりはなかったのですが、指摘された方がいて折角ですので言います。ハハコグサの花言葉は『忘れない』『優しい人』『いつも思う』等々。そういう意味も含めて、この話にハハコグサを使いました。それ以外の花は特に選んだ理由とかはありません。最後に揶揄した花も含めて特に何も決めてません。これは供花だと言う意味だけを込めて『白い花』と表記しました(供花は基本的に質素な花であれば何でもよいとされている)。途中でハッカの飴がユリのようだと言ったのはそれを分かりやすくするために入れただけです。感想の中で白い花がエーデルワイス(花言葉は『大切な思い出』)と言う素敵な指摘もあったのですが、残念ながら私はそこまでは裏設定を作り込んでいませんでした(と言うか正直エーデルワイスにしとけば良かった)。

 

久しぶりに投稿したからかもしれませんが、非常に多くの正解者様がいらっしゃりました。と言うか久しぶりの投稿で皆様の実力を見謝った結果ですね(笑)。

 

ちなみに、『御形ーーハハコグサ』のヒントを出したのは、「チルノの隣がたまたま休んでただけだろ!『おがた』かどうか分からないじゃん!」と言われるかな~と要らぬ心配をしたからです。まぁ正直、このヒントを出さなかった所で結果は変わらなかったと思いますが……。




最近、純文学ばっかり読んでいるせいで文章表現が分かりずらいですね。申し訳ありません。なんかこうエセ純文学みたいになってます(笑)。

あと実はもう一話載せました。その理由は最新話を参照で……。

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